【BRU】バトル・ロワイアルU【聖杯戦争】

1 :名無しさん@初回限定 :2006/10/22(日) 21:00:28 ID:Jh4aHJM90

その日、僕らは運命に出会った―――



常に【sage】進行でお願いします

2 :参加作品と説明 :2006/10/22(日) 21:01:05 ID:Jh4aHJM90

・処女はお姉さまに恋してる
・SchoolDays
・はぴねす!
・Fate / stay night
・マブラヴ

近年に発売された以上の人気作品5つに登場するキャラクター計62名によるバトルロワイアル。
『Fate / stay night』本編の『第五回聖杯戦争』を題材に『サーヴァントシステムなし』で殺し合いをする。
今回サーヴァントシステムなし、参加者61名(しかもほとんどが一般人)で行うことになったのは、前回発生した大災害の影響で魔術協会にルールを変えられたためという設定。
『英霊七人分の魂を回収し、統括する』という聖杯の器の機能を約60名の人間の命で代用する。(英霊の魂の代用に人間の命というのは無茶な話かもしれないが…)
無論、参加者のほとんどは主催により拉致され無理矢理参加させられている。
他作品のキャラとの面識は自由。全て書き手の想像に任せます。
なお「U」となっておりますが本スレは同板に存在する『バトル・ロワイアル』スレとは一切関係ありません。あくまで別物であることを明記するための措置です。

3 :参加者名簿・主催者・会場 :2006/10/22(日) 21:02:16 ID:Jh4aHJM90

001/彩峰慧 002/厳島貴子 003/伊藤誠 004/イリヤスフィール・フォン・アインツベルン 005/戎美凪 006/衛宮士郎 007/小渕みなみ 008/織倉楓 009/鑑純夏 
010/梶浦緋紗子 011/桂心 012/桂言葉 013/加藤乙女 014/上岡由佳里 015/神坂春姫 016/上条沙耶 017/上条伸哉 018/神代巽 019/甘露寺七海 020/清浦刹那
021/葛木宗一郎 022/黒田光 023/小泉夏美 024/香月夕子 025/小日向音羽 026/小日向すもも 027/小日向雄真 028/西園寺世界 029/三枝由紀香 030/榊千鶴
031/澤永泰介 032/式守伊吹 033/十条 紫苑 034/白銀武 035/神宮寺まりも 036/周防院奏 037/菅原君枝 038/涼宮茜 039/高島一子 040/小鳥遊圭 041/高根美智子
042/高溝八輔 043/高峰小雪 044/珠瀬壬姫 045/月詠真那 046/遠坂凛 047/巴雪乃 048/柊杏璃 049/氷室鐘 050/藤村大河 051/蒔寺楓 052/間桐桜
053/間桐慎二 054/御門まりや 055/美綴綾子 056/御剣冥夜 057/御薙鈴莉 058/宮小路瑞穂 059/森来実 060/鎧衣尊人 061/柳洞一成 062/渡良瀬準

主催者:言峰綺礼(Fate / stay night)


会場:孤島
スタート地点:教会(島のほぼ中心に位置している)
001/彩峰慧から番号順にスタート。最初のスタート時間は1日目正午。以降5分毎に参加者が1人スタート。
062/渡良瀬準がスタートして10分後から1日目18:00までは教会周辺は結界が張られ入れなくなる。

その他の主な名所:村(島の南部と西部にそれぞれ1箇所)。新都(島北部に1箇所)。学校(村、新都内もしくはその近くに必ず1箇所存在)。灯台(島の東南部に1箇所)。神社(島東部に1箇所)… etc.

4 :ゲームルール :2006/10/22(日) 21:03:23 ID:Jh4aHJM90

【基本ルール】
・全員で殺し合いをしてもらい、最後まで生き残った一人が勝者となる。
・生き残った一人だけが、帰ることができる。さらに副賞として願いを1つ叶えることができる。(聖杯戦争なので)
・プレイヤー全員が死亡した場合、ゲームオーバー(勝者なし)となる。
・時間は無制限。
・毎日0:00、6:00、12:00、18:00の計4回、主催者から定時放送が行われる。

【スタート時の持ち物】
・プレイヤーがあらかじめ所有していた武器、装備品、所持品は全て没収される。
 ただし義手など体と一体化している武器、装置はその限りではない。また、衣服、時計、携帯電話は持ち込みを許される。(ただし携帯電話は改造したもの以外は常に圏外)
・プレイヤーの服装は学生は全員制服。それ以外のプレイヤーの服装は普段着。
・ゲーム開始直前にプレイヤーは開催側から以下の物を支給される。以下の物はデイバッグに詰められ支給される。
 バッグの中身は「地図」「コンパス」「筆記用具」「水(2リットル)と2日分の食料(パン)」「名簿(参加者全員の名前、学生の場合学年が明記されているもの)」「支給品(ランダムアイテム)」

【爆弾について】
・ゲーム開始前からプレイヤーは全員、胃の中に爆弾を仕掛けられている。(プレイヤーは管理者から「体内に仕掛けられている」という説明されているため胃の中と気づいていない)
・主催者側は、いつでも自由にこの爆弾を爆発させることができる。
・この爆弾はプレイヤーの生死を常に判断し、主催者側へプレイヤーの生死と現在位置のデータを送っている。(盗聴機能は無い)
・24時間死者が出ない場合は全員の爆弾が爆発し、全員が死ぬ。
・会場である孤島から脱出すると爆発する。
・実は嘔吐すると割と簡単に吐き出せるのだが、プレイヤーはそれを知らない。

【能力制限】
・会場となっている孤島全域には強力な結界が張ってあり、これにより魔法や魔術などの特殊な能力を持つキャラはその力をある程度制限されている。(完全に制限されているわけではない)
・しかし結界自体(かなり強力なものだが)魔術の類であるため、これを越える神秘(固有結界とか)は発動できる。矛盾。
・これにより039/高島一子は普通の人間とほぼ同じ状態になっている。

5 :書き手・読み手ルール :2006/10/22(日) 21:04:19 ID:Jh4aHJM90

書き手ルール
・自分が投稿する作品には名前欄もしくは冒頭(コテを使用している場合のみ)に必ず題名を明記してください。(無題の場合も「無題」と明記すること)
・冒頭に半角で 『>(レス番)』と打ち、どの続きを書いているかを明示してください。
・知らないキャラクターを書く場合、キャラクターについての疑問点があったら有識者に聞いてみましょう。迷惑をかけないように。
・後続の作品と矛盾が起きないよう投稿した作品の最後に出演したキャラの状況を明記してください。
 書く内容は時間、場所、持ち物、肉体的・精神的状況。ある場合は備考も。

(例)
 衛宮士郎
 【時間:1日目午後2時ごろ】
 【場所:新都】
 【持ち物:Remington M870(残弾数4/4)、予備弾丸(12番ケージ弾)×24、水・食料一日分】
 【状況:右腕に擦り傷(血は止まってる)、僅かに疲労、ゲームに乗る気はない】

・さらに一連の書き込みで死人が出たら、その下に
 【(参加者番号)(参加者名及び主催者名)死亡 残り(数)人】と記入してください。

(例)
 【003 伊藤誠  死亡 残り53人】

・キャラの死を扱う際は最大限の注意をしましょう。 誰にでも納得いくものを目指して下さい。
・常に過去ログを精読し、NGを出さないように勤めてください。 なお、同人などの2次創作作品からの引用はキャラ、ネタにかかわらず全面的に禁止します。
・書きたいキャラが被った、その展開は勘弁… etc. こういった場合は書き手・読み手の皆さんで落ち着いて相談し合いましょう。


読み手ルール
・自分の好きなキャラが死んだ場合は、あまりにもぞんざいな扱いだった場合だけ、理性的に意見してください。
・頻繁にNGを唱えてはいけません。
・苛烈な書き手叩きは控えましょう。
・書きたいキャラが被った、その展開は勘弁… etc. こういった場合は書き手・読み手の皆さんで落ち着いて相談し合いましょう。

6 :名無しさん@初回限定 :2006/10/22(日) 21:16:14 ID:eCwYsRZHO

言葉様優勝に3万ペソ
というのは冗談で、対主催を掲げて協力する瑞穂お姉さまと準にゃんとか見てえw



にしても、近年の作品によるロワだから新鮮な感じがするバトロワだな
とりあえずプロローグは>>1が書いてくれ
見せしめは慎二かハチか七海でwww

7 :000:始まりの日 :2006/10/22(日) 21:43:19 ID:Jh4aHJM90

「ん……」
衛宮士郎(006番)は窓から射し込む日の光を浴びて目を覚ました。

「ふあぁ〜…もう朝か………って。ど、どこだよここ!?」
一瞬士郎は己が目を疑った。
なぜなら今自分がいるのは自分の家の部屋でも土蔵でもなく見知らぬ教会の大聖堂だったからだ。
「な…なんでこんな所に……? というか、なんで俺もう制服着てんだ?」
目を覚ます前の士郎の最後の記憶はたしか昨夜自室で寝るところだった。それなのに気がつけば自分は制服を着て見知らぬ地にいる。士郎は混乱した。
「ん……?」
周りを見ると、この大聖堂には自分も知っている顔ぶれの他、明らかに他校の生徒と思われる者たちが大勢いることに気がついた。
様子を見る限り、皆自分同様状況がわからず混乱しているようだ。

「衛宮」
士郎の存在に気がついた柳洞一成(061番)が士郎に声をかける。
「ああ、一成……何なんだこれは? あと、どこなんだここは?」
「わからん。皆気がついたらいつの間にかここに…」

「ふむ。どうやら全員目が覚めたようだな……」
「!?」
一成が士郎に言おうとしていたことが言い終わる前に、突然聖堂中に男の声が響き渡った。
今までざわついていた大聖堂が一気に静まり返り、そこにいた全員が声のした方へと目を向けた。
全員が目を向けた先――壇上には一人の神父と思われし男が立っていた。

「私の名は言峰綺礼。全員。まずは落ち着いてこれから私が言うことをひとつも聞き逃さずに聞いてほしい」
言峰という男は一度聖堂中を見回してそう言うと話を続ける。

8 :000:始まりの日 :2006/10/22(日) 21:44:42 ID:Jh4aHJM90


「これより第五回聖杯戦争を開始する」


「聖杯……戦争?」
聞き覚えの無い言葉にその言葉を聞いたほとんどの者たちが頭の上にハテナを浮かべた。
しかし、何名かの者はその言葉を聞いてニヤリと笑ったり、一度ごくりと唾を飲んだりした。

「ふむ。さすがにこれだけでは判らないようだな……
無理もないか。今回はルールが変更され魔術師ではない者たちが大勢参加するのだからな……」
先ほどのようにあちこちでざわめきが起きる様子を見ながら言峰は呟いた。

「――静粛に。判らぬ者が多いようなので、簡潔に…単刀直入に言わせて貰おう」
再び聖堂中が静まり返り、全員が言峰に目を向ける。


「――これからお前たちには殺し合いをしてもらう」
言峰が言った言葉は確かに簡潔であった。


「聞き逃した者たちのためにもう一度言おう。殺し合いだ。この聖堂に集まってもらった私以外の62名の者たちが最後の1人になるまでのな…」
殺し合い――最初に『戦争』と聞いた瞬間、何名かの者はおそらくそのようなことも考えていたかもしれないが、何かの冗談だろうと思っていた。
しかし、言峰のその一言を聞いた瞬間、凍てついたような空気が聖堂中に走った。

9 :000:始まりの日 :2006/10/22(日) 21:45:59 ID:Jh4aHJM90

数秒の間、沈黙が聖堂を支配したが、次の瞬間には再びざわめきが起こった。
「ちょ…ちょっと待って。わけが分からない! どういうことなのか説明してよ!」
そんな中、一人の女子生徒が挙手をして言峰に尋ねた。甘露寺七海(019番)。
「ふむ。質問かね? その問いの答えは今言ったとおりだが?」
「私たちは気がついたらここに連れてこられていたんだから! 今すぐ私たちを家に帰して!」
「ふむ…つまり君はこの儀式に参加することを放棄するのだな?」
「当たり前でしょ! 戦争だか殺し合いだか儀式だか何だか知らないけど、そんなものに参加する気なんて……」

七海の言葉は最後まで語られることはなかった。
なぜなら、突然ドンと言う爆発音が聖堂中に響き渡り、当の七海の体が四散したからだ。
いや。四散どころではない。七海は木っ端微塵に吹き飛んだ。聖堂中に自身の血と肉片を撒き散らして……


「な……!?」
「嫌あぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」
「七海ぃ!」
聖堂中のあちらこちらで悲鳴や絶叫が響き渡った。

「参加者が一人でも多く抜けてしまっては聖杯の器が機能しないのでな……それと、ルールを説明するために彼女には死んでもらった」
ニヤリと笑う言峰のその言葉は悲鳴と絶叫によってかき消された。


「あの野郎…!」
「やめろ衛宮! 今奴に歯向かえばお前まで殺されるぞ! 今は耐えろ!」
言峰に飛びかかろうとした士郎を一成が制止した。
「くっ……」
悔しさを胸に残し、士郎は近くの椅子に腰掛けた。

10 :名無しさん@初回限定 :2006/10/22(日) 21:48:21 ID:eCwYsRZHO

回避

11 :000:始まりの日 :2006/10/22(日) 21:48:30 ID:Jh4aHJM90

(なんて酷いことを……)
宮小路瑞穂(058番)はギリッと唇を噛んだ。両手は既に拳が握られ怒りでギリギリと音を立てて小刻みに震えていた。

ゴトッ…

(ん?)
足下で音がしたので目線を下に下げる。
そこには先ほど爆散した七海の首があった。
「ひっ!」
見た瞬間、思わず恐怖で1歩後ずさってしまう。
しかし、しばらくして落ち着きを取り戻した瑞穂は恐る恐る首を拾い七海の顔を見た。
七海は目を見開き呆然とした表情を浮かべていた。突然の死に自身も何が起こったのか判らなかったのだろう。
「…………」
瑞穂は七海の両目を閉じさせるとそっとその首をまた床に置いた。
(必ず君の仇は取るよ……)
心の中で言峰に対する報復を誓って。



「静粛に。これよりルールを説明する」
自身が生んだ惨状をものともせず、再び言峰の声が響き渡った。
その声を聞いた一同は何かを諦めたように静まり返った。

ある者は絶望に打ちひしがれた顔で、ある者は言峰を怒りに燃える目で睨みつけ、ある者は笑いながら、ある者は何かを決意した顔でルールを聞き始めた。

「まず、今見ていたので気づいたかもしれないが、諸君らの体内には事前に小型の爆弾を埋め込ませてもらった…
これは諸君らが我々主催者や管理者に逆らった場合、その時点で容赦なく爆発することを覚えて頂きたい」

その言葉を聞いた瞬間、大半の者が自身の体をチェックしたが、どこにも異常は見られなかった。

12 :000:始まりの日 :2006/10/22(日) 21:49:46 ID:Jh4aHJM90

「爆弾が爆発する条件は3つ。ひとつは今言ったように我々に逆らった場合。もうひとつは、この島から逃げ出した場合。そして最後のひとつは、24時間誰も死ななかった場合だ。
なお、最後に言ったものの場合は全員の爆弾が爆発するようになっている。ゲームオーバーというわけだ。防ぐには誰かを殺すか、自らの命を絶つ以外他はない」

ごくりと誰かが唾を飲む音。誰かが恐怖ですすり泣く声。誰かが怒りで拳を握る音が士郎たちの耳に入る。

「現在の時刻は午前11時17分。正午になったら最初の1人がこの教会をスタートする。以降5分毎に1人ずつスタートしてもらう。
そして最後の参加者がスタートしてから10分後から本日18時まではこの教会周辺は結界が張られ入れなくなる。
教会の周辺に隠れていても強制的に立ち退いてもらうのでそのつもりでいてもらおう」

「なお、スタートの際に諸君らには私から鞄を手渡す。この戦いを生き残るための支給品だ。
中に入っているものは水2リットル、食料6食分、コンパス、島の地図、筆記用具、参加者の名簿、そして武器とその説明書だ。武器にはさまざまな種類がある。何が誰に当たるかはランダムだ」

「スタートした後はどのような行動をするかは諸君らの自由だ。殺すも殺されるもな」

「そして最後に。この参加者の中には魔術師や魔法使いなどといった普通の人間ではない者たちがいるはずだ。
しかし、この島にはある特殊な結界が張ってあり魔術や魔法などの能力はある程度制限されてる。したがって、ひ弱な者でも武器次第でそのような者たちに勝つことも可能だ」

その言葉を聞いた瞬間、1人密かににやりと笑った者がいた。間桐慎二(053番)だ。
(なるほどねえ……それはまたとない機会だ。魔術師や魔法使いとか言って偉そうな面してる奴らに目にもの見せてやるか……)
慎二のくっくっくと言う薄ら笑いは誰の耳にも入ることなく虚空に消えた。


「最後の生き残った者は、私が責任を持って元いた地に送り届けよう。
それと……知っているものは判っていると思うが、これは『聖杯戦争』だ。勝者はどのような願いでも1つ叶えることが出来る」

その言葉を聞いた瞬間さらに聖堂がざわめいた。

13 :000:始まりの日 :2006/10/22(日) 21:50:30 ID:Jh4aHJM90

「――説明は以上だ。なにか質問があるのなら出来る限りのことは答えよう」
「それなら質問がある」
言峰のその発言を聞いて、すぐさま手を上げて座っていた椅子から立ち上がった者が現れた。白銀武(034番)。
「ふむ。何かね、少年?」
「―――なんで俺たちを選んだんだ?」
「さあな。それは私にも判らんよ。そうだな…『聖杯が君たちを選んだ』とでも言えば納得していただけるかな?」
「……判った」
そう言うと武は再び椅子に座った。

「武ちゃん……」
「武……」
武の隣に座っていた鑑純夏(009番)と御剣冥夜(056番)が心配そうに武に声をかけた。
「大丈夫だって。絶対にみんなで一緒に元の生活に帰るんだ。そう簡単に死んでたまるかよ」


「俺からも質問がある」
今度は小日向雄真(027番)が挙手した。
「――何だ?」
「何の目的でお前たちはこんなことをするんだ?」
「先ほども言ったが、全ては己が願いを叶えるため――ただそれだけのために参加者は聖杯戦争を行うのだ……」
「だったら、別に殺しあう必要なんて……」
「勝者に願いをかなえる聖杯の器の機能を発動させるには聖杯の中に力を満たす必要があるのだ。そして、その力とは……ああ。君ほどの者ならもうわかるかな?」
「ああ……ありがとう。もういいよ」


「――それでは、正午と同時に第五回聖杯戦争のスタートだ。諸君らの健闘を祈る」



 【019 甘露寺七海  死亡 残り61人】

14 :名無しさん@初回限定 :2006/10/22(日) 21:51:40 ID:Jh4aHJM90

>ID:eCwYsRZHO様
ありがとうございます

15 :名無しさん@初回限定 :2006/10/22(日) 22:09:43 ID:4e/tYK+SO

せっかくのピンクチャンネル
濡れ場に期待
慎二頑張れ

16 :名無しさん@初回限定 :2006/10/22(日) 22:41:04 ID:9TWOVGSy0

他主人公が多少なりともカコイイ所見せてるのに誠君は何をやっているのでしょうか?

17 :迷う者。傍にいたい者。そして見つめる者 :2006/10/22(日) 23:32:18 ID:eCwYsRZHO

「これから先、俺どうなっちまうんだろう……」
3番・伊藤誠はこれから起こるであろう惨劇を前に自身の未来を予想していた。

(世界や言葉や泰介たちはどうするんだろうな………?)
誠としては、なんとか皆で島を脱出したいと思っていた。
しかし、そう思うたびに先程の言峰が言っていた「島をから出ると体内の爆弾が爆発する」という発言が頭をよぎった。
(なんとか爆弾を体から取り出す方法が見つかるといいんだけど……爆弾がどこに仕掛けられているかわかんないしなぁ……)
そんなことを考えていると、ふいに知っている声がした。

「誠くん……」
「言葉……」
誠に声をかけたのは(一応)彼の彼女である12番・桂言葉だった。
「隣……座ってもいいですか?」
「ああ…」
「失礼します……」
誠が頷いたのを確認すると言葉はそう言って一礼した後誠の隣に座った。

「どうなっちゃうんでしょうね……これから………」
「わからない……」
そう言った後、しばらくの間2人は黙ってしまった。
本当はお互い言いたいことは山ほどあった。しかし、2人ともあえてそれを言わなかった。
言ってしまったら、教会を出た後もう二度と会えない気がしたからだ。

十分ほどして言葉が口を開いた。
「あ……そろそろ私自分のいた場所に戻りますね。妹がいるので………」
「そうか……」
「………誠くん」
「なに?」
「―――さよならは言いませんよ」
「あ………」
そう言った言葉の目には涙が溢れていた。

18 :迷う者。傍にいたい者。そして見つめる者 :2006/10/22(日) 23:34:19 ID:eCwYsRZHO

「それじゃあ……」
「ことの………」
誠は言葉を呼び止めようとしたが肝心の言葉が最後まで出なかった。

「――やっぱり。迷っているのか? 俺は………」
誠はそう言うと両手を力一杯握り締めた。
そう。彼は迷っていた。自分が本当に好きなのは言葉なのか、それとも西園寺世界なのかということに。
「こんな時にもそんなこと考えて………俺は……いったい何をやっているんだ………?」
誠はそう言うと椅子を軽くドンと叩いた。

そんな誠を影から見つめる人影が2つあった。
「誠……」
そのうち、ひとつは無論28番・西園寺世界。もうひとつは……
「……………」
世界の幼なじみで親友の20番・清浦刹那だった。

19 :迷う者。傍にいたい者。そして見つめる者 :2006/10/22(日) 23:35:23 ID:eCwYsRZHO


 【時間:1日目午前11:30分】
 【場所:教会(大聖堂)】

 伊藤誠
 【所持品:携帯電話】
 【状態:言葉と世界どちらが好きかで迷っている。そして、そんな自分に嫌悪している】

 桂言葉
 【所持品:携帯電話】
 【状態:聖杯戦争に不安】

 西園寺世界
 【所持品:携帯電話】
 【状態:誠が心配】

 清浦刹那
 【所持品:携帯電話】
 【状態:世界を気遣って心配しているが、自身も誠が心配】

20 :名無しさん@初回限定 :2006/10/23(月) 01:19:24 ID:EPL4wHghO

誠。最初からヘタレ度全開だなw
まあ、ヘタレない誠なんて誠じゃないけど……w

21 :名無しさん@初回限定 :2006/10/23(月) 20:15:07 ID:pboEsJJg0

保守

22 :名無しさん@初回限定 :2006/10/23(月) 21:03:52 ID:UdQZmesf0

保守代わりに修正したテンプレ投下

23 :参加者名簿・主催者・会場 :2006/10/23(月) 21:05:42 ID:UdQZmesf0

001/彩峰慧 002/厳島貴子 003/伊藤誠 004/イリヤスフィール・フォン・アインツベルン 005/戎美凪 006/衛宮士郎 007/小渕みなみ 008/織倉楓 009/鑑純夏 
010/梶浦緋紗子 011/桂心 012/桂言葉 013/加藤乙女 014/上岡由佳里 015/神坂春姫 016/上条沙耶 017/上条伸哉 018/神代巽 019/甘露寺七海 020/清浦刹那
021/葛木宗一郎 022/黒田光 023/小泉夏美 024/香月夕子 025/小日向音羽 026/小日向すもも 027/小日向雄真 028/西園寺世界 029/三枝由紀香 030/榊千鶴
031/澤永泰介 032/式守伊吹 033/十条紫苑 034/白銀武 035/神宮寺まりも 036/周防院奏 037/菅原君枝 038/涼宮茜 039/高島一子 040/小鳥遊圭 041/高根美智子
042/高溝八輔 043/高峰小雪 044/珠瀬壬姫 045/月詠真那 046/遠坂凛 047/巴雪乃 048/柊杏璃 049/氷室鐘 050/藤村大河 051/蒔寺楓 052/間桐桜
053/間桐慎二 054/御門まりや 055/美綴綾子 056/御剣冥夜 057/御薙鈴莉 058/宮小路瑞穂 059/森来実 060/鎧衣尊人 061/柳洞一成 062/渡良瀬準

主催者:言峰綺礼(Fate / stay night)


会場:孤島
スタート地点:教会(島のほぼ中心に位置している)
001/彩峰慧から番号順にスタート。最初のスタート時間は1日目正午。以降5分毎に参加者が1人スタート。
062/渡良瀬準がスタートして10分後から1日目18:00までは教会周辺は結界が張られ入れなくなる。

その他の主な名所:村(島の南部と西部にそれぞれ1箇所)。新都(島北部に1箇所)。学校(村、新都内もしくはその近くに必ず1箇所存在)。灯台(島の東南部に1箇所)。神社(島東部に1箇所)… etc.

24 :参加作品と説明 :2006/10/23(月) 21:06:31 ID:UdQZmesf0

・処女はお姉さまに恋してる
・SchoolDays
・はぴねす!
・Fate / stay night
・マブラヴ

近年に発売された以上の人気作品5つに登場するキャラクター計62名によるバトルロワイアル。
『Fate / stay night』本編の『第五回聖杯戦争』を題材に『サーヴァントシステムなし』で殺し合いをする。
今回サーヴァントシステムなし、参加者62名(しかもほとんどが一般人)で行うことになったのは、前回発生した大災害の影響で魔術協会にルールを変えられたためという設定。
『英霊七人分の魂を回収し、統括する』という聖杯の器の機能を約60名の人間の命で代用する。(英霊の魂の代用に人間の命というのは無茶な話かもしれないが…)
無論、参加者のほとんどは主催により拉致され無理矢理参加させられている。
他作品のキャラとの面識は自由。全て書き手の想像に任せます。
なお「U」となっておりますが本スレは同板に存在する『バトル・ロワイアル』スレとは一切関係ありません。あくまで別物であることを明記するための措置です。

25 :開戦直前 :2006/10/23(月) 22:30:45 ID:EPL4wHghO

ゲームスタートまで残り30分。
時が経つにつれ騒がしくなっていく聖堂の隅で、一人腕を組んで冷静にその時を待つ者がいた。

――遠坂凛(46番)。
実は彼女は自らこの聖杯戦争にエントリーした者の一人であった。

彼女は10年前――前回の聖杯戦争の頃から、この日が来るのを待ち続けていた。
そう。彼女はとっくの昔から覚悟はできていた。
それどころか、彼女はこの殺し合いに勝つのは自分だという自信すらあった。

「ああ、いたいた。遠坂」
そんな彼女の姿を見つけた悪友の御綴綾子(55番)が声をかけてきた。
「…なに?」
「その様子じゃあ…おまえは殺し合いに乗ったみたいだなあ」
そう言った綾子も凛同様普段と変わらぬ様子だった。しかも彼女がゲームに乗ったことをあっさり見抜いてみせた。
「――なんでそう思うの?」
「覚悟を決めた奴じゃなきゃそんな目はしないからな」
そう言って綾子は凛の瞳を指差した。
「そう……」
そう言うと凛はしばらく口を閉ざしたが、再び口を開いた。
「覚悟はできているからね――それに、最後に勝つのは私だもの」
そう言うと凛は一度ニヤリと笑った。
「おお……凄い自信だな。こりゃあ、殺し合いが始まったらあんたには近づかないほうがいいな」
「――ところで。そういうあなたはどうするの? 乗ったの? それとも乗らなかったの?」
「あー……実はまだ考えてなかったんだよな。衛宮と柳洞は乗らないみたいだけどさ…」
「ふーん…」
「まあ。あたしはあたしなりに決めるさ。
とりあえず、お互い1秒でも長く生き残れるよう頑張ろうじゃないか」
「そうね…」

26 :開戦直前 :2006/10/23(月) 22:32:18 ID:EPL4wHghO



「あー。やっぱり圏外だー」
鑑純夏(9番)は自分の携帯電話を確認した。
しかし何度確認しても圏外であった。
「やっぱり、この島は電波届いていないのかな?」
鎧衣尊人(60番)も自分の携帯を確認したが、これまた圏外だった。

「どうしたんだ?」
その様子を見かね、知り合いのもとへ行っていた白銀武(34番)と御剣冥夜(56番)が純夏たちの所へ戻ってきた。

「あっ。タケルちゃんたちどこ行ってたのさー?」
「俺は委員長や彩峰。先生たちのところに」
「私は月詠たちのもとに」
「……で。なんの話をしていたんだ?」
「ああ。そうそう。どうやらこの島携帯電話が通じないみたいなんだよー」
「え? 俺のやつは普通にアンテナ3本立ってるけど?」
「えっ!?」
それを聞いた純夏、尊人は武の携帯を見た。
確かに武の携帯はアンテナが3本立っていた。

「な…なんで?」
「ああ。それは万一の時のために地球上ならどこでも電波が届くようにと私が月詠に命じて改造してもらったからだ」
「おいおい…冥夜、内緒で人の携帯にそんなことしてたのか?」
「す…すまぬ。タケルの身に万一のことがあったらと心配でな……」
「まあ、その話は後だ。さっそく警察に連絡を……」
「そ…そうだよ。殺し合いなんてただの犯罪だもんね」
武はすぐさま110に電話をかけた。
しかし………

27 :開戦直前 :2006/10/23(月) 22:34:05 ID:EPL4wHghO

『お客さまが、おかけになった電話番号は……』


「あれ?」
「繋がらない……の?」
「あ…ああ……」
「ふむ……ならタケル。私の電話にかけた場合はどうだ? 先ほど月詠から授かったものなのだが……」
そう言って冥夜も携帯電話を取り出した。
その携帯も改造品らしく、アンテナが3本立っていた。

「ちょっと待ってろ…………よし。これでどうだ?」
武は冥夜の携帯番号を登録すると早速試しに一度かけてみた。
すると次の瞬間、冥夜の携帯がブルブルと震えた。
「―――どうやらこの島内の電話なら繋がるようだな」
「ああ。そうみたいだな」「とりあえず鑑や鎧衣にも私の電話の番号を教えておこう。この島で通話可能な電話があった場合、私かタケルにすぐ連絡がとれるようにな」
「うん。ありがとう」

「…………」
冥夜の番号を自分の携帯に登録する純夏たちを尻目に、武は自信の携帯で現在の時間を確認した。
――11時45分。
第五回聖杯戦争開始の瞬間は刻一刻と迫っていた…………


28 :開戦直前 :2006/10/23(月) 22:37:05 ID:EPL4wHghO

 【時間:午前11:45】
 【場所:教会(大聖堂)】

 遠坂凛
 【所持品:なし】
 【状況:聖杯戦争に乗っている(かなり積極的)】

 美綴綾子
 【所持品:なし】
 【状況:聖杯戦争に乗るかはまだ検討中】

 鑑純夏
 【所持品:携帯電話】
 【状況:聖杯戦争に乗る気はない。目標は仲間たちと島から脱出すること】

 鎧衣尊人
 【所持品:携帯電話】
 【状況:聖杯戦争に乗る気はない。目標は仲間たちと島から脱出すること】

 白銀武
 【所持品:携帯電話(改造品)】
 【状況:聖杯戦争に乗る気はない。目標は仲間たちと島から脱出すること】

 御剣冥夜
 【所持品:携帯電話(改造品)】
 【状況:聖杯戦争に乗る気はない。目標は仲間たちと島から脱出すること】

29 : :2006/10/24(火) 00:30:00 ID:kWEswPZ20

・処女はお姉さまに恋してる
・SchoolDays
・はぴねす!
・Fate / stay night
・マブラヴ

以外は絶対禁止!!

30 :名無しさん@初回限定 :2006/10/24(火) 03:04:29 ID:IQQ9wbVW0

優良有料動画配信サイト比較
http://www.geocities.jp/hikakuyuryo1115/

31 :名無しさん@初回限定 :2006/10/24(火) 16:08:46 ID:gzB9jrrY0

需要があるかどうか解りませんが、保守代わりに投下

32 :名無しさん@初回限定 :2006/10/24(火) 16:11:21 ID:gzB9jrrY0


【作品別参加者リスト】     ※×=死亡者

14/14【マブラヴ】
001/○彩峰慧 005/○戎美凪 009/○鑑純夏 018/○神代巽 024/○香月夕子
030/○榊千鶴 034/○白銀武 035/○神宮寺まりも 038/○涼宮茜
044/○珠瀬壬姫 047/○巴雪乃 045/○月詠真那 056/○御剣冥夜 
060/○鎧衣尊人

12/12【処女はお姉さまに恋してる】
002/○厳島貴子 008/○織倉楓 010/○梶浦緋紗子 014/○上岡由佳里 
033/○十条紫苑 036/○周防院奏 037/○菅原君枝  039/○高島一子 
040/○小鳥遊圭 041/○高根美智子 054/○御門まりや 058/○宮小路瑞穂 

11/12【SchoolDays】
003/○伊藤誠 007/○小渕みなみ 011/○桂心 012/○桂言葉 
013/○加藤乙女 019/×甘露寺七海 020/○清浦刹那 022/○黒田光 
023/○小泉夏美 028/○西園寺世界 031/○澤永泰介 059/○森来実 

12/12【Fate / stay night】
004/○イリヤスフィール・フォン・アインツベルン 006/○衛宮士郎
021/○葛木宗一郎029/○三枝由紀香 046/○遠坂凛 050/○藤村大河 
051/○蒔寺楓 052/○間桐桜  053/○間桐慎二 049/○氷室鐘 
055/○美綴綾子 061/○柳洞一成 

12/12【はぴねす!】
015/○神坂春姫 016/○上条沙耶 017/○上条伸哉 025/○小日向音羽 
026/○小日向すもも 027/○小日向雄真 032/○式守伊吹 042/○高溝八輔 
043/○高峰小雪 048/○柊杏璃 057/○御薙鈴莉 062/○渡良瀬準

計62名 【残り54人】     

33 :名無しさん@初回限定 :2006/10/24(火) 16:12:52 ID:gzB9jrrY0

訂正
計62名 【残り54人】 →計62名 【残り61人】

34 :名無しさん@初回限定 :2006/10/24(火) 17:22:55 ID:K6PH+jykO



そして保守

35 : :2006/10/24(火) 21:51:52 ID:kWEswPZ20


てゆーか
今更バトロワ!?

36 :名無しさん@初回限定 :2006/10/25(水) 00:06:05 ID:uRxiHBf3O

イマだから!

37 :名無しさん@初回限定 :2006/10/25(水) 11:33:15 ID:0zmZutsIO

雄真と準とハチと瑞穂でスタート前のネタ書きたいので予約しておく

38 :選択 :2006/10/25(水) 20:57:19 ID:0zmZutsIO

(まさかこんなことに巻き込まれるとは……)
小日向雄真(27番)は、はあと一度ため息をついた。

聖杯戦争――幼い頃どこかで聞いたことがあった。
所有者の願いを叶えるという聖杯を賭け、魔術使たちが殺し合うことで聖杯に自身が最強であることを証明する儀式………
自分たちは今その戦いに放り込まれてしまったのである。


(子供の頃に得た知識がこんなところで役に立つなんてな……)
そう。先ほどから今に至るまで雄真がそれなりに平静でいられたのは彼が聖杯戦争というものをある程度知っていたからだ。

(問題はこの戦いに乗るべきか乗らないべきかだ……)

もちろん。本当なら雄真だってこの殺人ゲームに乗るつもりはない。
しかし、ゲームからの脱出――主催者に反旗を翻すことで、結果として何人の者が傷つくだろうかとも考えてしまう。

(――それなら、あえてゲームに乗って、最後に聖杯にゲームで死んだ人たちを生き返らせてもらってもいいかもしれない……)

しかし、仮に自分がゲーム乗ったら義母の音羽や義妹のすももは絶対に自分を止めようとするだろう。

(さて……どちらが正しい判断だろうか………)
雄真はしばらく考えてみることにした。
しかし、しばらく考えつづけた結果、考えれば考えるほどどちらも正しいと思えてきた。

(こうなったらこれで決めるか…)
らちがあかなくなったので、雄真はポケットから10円を取り出した。

39 :選択 :2006/10/25(水) 20:58:40 ID:0zmZutsIO

(表が出たら主催者と戦う。裏が出たらゲームに乗る……)
そうして雄真はコイントスをした。
ピンと音がして10玉が宙を舞い、そして落ちる。
結果は………




「なーにやってるの、ゆ〜まっ!?」
床に10円玉が落ちる前にやってきた渡良瀬準(62番)がそれをキャッチしてしまったので出なかった。
「……なんだよ準?」
「ん〜…雄真はどうするのかなーと思って」
「それはゲームに乗るか乗らないかってことか?」
「もちろん♪」
「……まだ決めてないよ」
「よかったー。雄真がゲームに乗ってたりしたら私どうしようかと……」
「ああそう…」
「雄真」
「なんだ?」
「私……雄真を守るためなら修羅の道に墜ちてもいいわ!」
準は雄真にずいっと顔を近付けた。
「あ…ああ」
準の決意に満ちた目に少し動揺する。
間違いなくマジだ、と雄真は思った。

「それじゃあ雄真。また後でねー」
「おい。10円返せよ」
「心配しない。聖杯戦争が始まった後無事に再開できたら返してあげるから」
そう言って準は自分の席に戻った。
「お守りゲット〜♪」などという嬉しそうな声を発しながら。

40 :選択 :2006/10/25(水) 21:02:03 ID:0zmZutsIO



 【時間:12時45分】
 【場所:教会(大聖堂)】

 小日向雄真
 【所持品:携帯電話】
 【状況:ゲームに乗るか乗らないか考えている】

 渡良瀬準
 【所持品:携帯電話、雄真の10円玉】
 【状況:ゲームに乗る・乗らない関係なく雄真を守る】

41 :名無しさん@初回限定 :2006/10/25(水) 21:04:07 ID:0zmZutsIO

ハチと瑞穂の話はなんか雄真と準絡ませたらいつものノリになりそうだったのでカットしたw

42 :開戦 :2006/10/25(水) 22:48:03 ID:U63gCSMi0

午前11時55分―――12時5分前……
ルール説明が終わった後、聖堂を去った言峰が再び聖堂へ入ってきた。
騒がしかった聖堂がすぐさま静かになる。

言峰自身はは先ほどと違った様子はまったくなかったが、、今の彼は周りに数名の武装した兵士を連れていた。
兵士は皆、バッグが山積みされている台車を引いていた。
おそらくそれが自分たちに支給されるという代物なのだろうとその場にいた誰もが思った。

「第五回聖杯戦争の開始まで残り5分を切った。早速、最初にスタートする参加者には準備をしてもらおう……」
聖堂中を見回した後、言峰の口が開いた。

誰が最初にスタートするのだろうか。もしかしたら自分からではないか、などと参加者たちは不安に思った。

「参加者番号順にスタートしていくぞ。では………1番・彩峰慧。支給品を受け取りにこちらへ……」
「………」
名前を呼ばれた彩峰慧(001番)は無言で立ち上がり、言峰の方へと歩き出した。
慧が一歩一歩歩くたびに聖堂中は彼女を心配する声や、自分ではなくてよかったという安堵の声、さらには嫌味腐った薄ら笑い等に満ちた。


言峰はデイバックの山からそのうちの1つを掴むと慧に手渡した。
「中身を確認するのは外に出てからだ。スタートの合図があるまでそこの扉の前で待機していたまえ」
「……わかった」
そう一言だけ言うと慧は言われたとおり聖堂の大きな扉の前に立った。


再び聖堂中が静かになり、誰もが終始無言で扉の前に立つ慧を見た。
(―――5分ほどの時間がこんなに長いと感じたのは始めてかもな……)
衛宮士郎(006番)もそんなことを思いながら慧を見つめた。
(あいつ……動揺とかそんな感じがまったくしない………もしかして、早速この殺し合いに乗ったのか?)

43 :開戦 :2006/10/25(水) 22:48:47 ID:U63gCSMi0

そして―――ついに時は来た。教会の鐘であろう。それがゴーンゴーンと鳴り響いた。

「―――只今より第五回聖杯戦争を開催する。1番・彩峰慧。行くがいい……」
言峰の開戦を告げる言葉と同時に慧の前の扉が音をたて開いた。
「――!」
扉が開くと同時に慧は無言で外へ駆け出した。
そして、彼女が外へ出ると再び扉は音をたてて閉じた。


―――それから5分後。次の参加者の名が呼ばれた。
「では次……2番・厳島貴子」
「――っ!?」
名を呼ばれた瞬間、厳島貴子(002番)はガタッと音をたてて席を立った。
普段の彼女を知るものは彼女らしくないなと皆思ったであろう。
いや――彼女を知らぬものでも今の彼女がかなり動揺しているということは一目で判っただろう。

「――時間だ。行け」
「は…はい……」
再び扉が開かれ、貴子も先ほどの慧同様勢い良く外へと駆けて行った。
しかし、慧とは違い彼女の走り方は間違いなくこの教会から1秒でも早く逃げだそうとしているように見えた。
そして、そんな貴子の後姿を残して扉が閉じた。


「3番・伊藤誠。時間だ」
「………行くしかないんだよな?」
「そうだ。早く行くがいい」
「――くそっ…!」
さらに5分後、次の参加者が無言で教会を後にした。

44 :開戦 :2006/10/25(水) 22:49:37 ID:U63gCSMi0

(――どうやら番号は50音順みたいだな……ってことは、そろそろ俺か?)
冷静に(といっても内心は少し動揺しているが)状況を判断しつつ、士郎は自分の名が呼ばれるのを待った。


「――次。イリヤスフィール・フォン・アインツベルン」
名前を呼ばれ、一人の幼い少女が言峰からバッグを受け取った。
(あんな小さな子まで……)
その様子を見て士郎はさらに主催者に対しさらに怒りを覚えた。

(――ん?)
扉が開きイリヤという少女が外へ出る直前、少女が自分の顔を見て笑った……気がした。
(気のせい……か?)


「戎美凪。行け」
「は、はい〜」
次にスタートした戎美凪(005番)も(多分)動揺している様子で外へ出ていった。
そして……

「衛宮士郎」
「!」
ついに士郎の番が来た。

45 :開戦 :2006/10/25(水) 22:51:11 ID:U63gCSMi0

「………」
黙って言峰から荷物を受け取る。
「ふむ…血は繋がっていないとはいえ、父の面影があるな……」
「! 親父を知っているのか!?」
「フッ…君が最後まで生き残れたら、その時に全て教えてあげよう」
「………」
「では行くがいい」
扉が開いた。
(いよいよか………)

(必ずこの殺し合いを止めてやる――行くぞ!)
士郎は覚悟を決めた。そして、勢い良く教会を飛び出した。
この先、どんな運命が彼を待っているのだろうか。
それはまだ誰にも判らない。


 【時間:1日目午後12時25分】
 【場所:教会】

 衛宮士郎
 【持ち物:支給品一式】
 【状況:ゲームに乗る気はない】

 【備考】
・他のキャラの状況は後続の書き手さんにお任せします。

46 :少女、一人 :2006/10/25(水) 23:53:10 ID:0zmZutsIO

聖杯戦争という名の殺し合いが始まって30分以上が経過した。
「…………」
そんな中、彩峰慧(1番)は無言でただ黙々と森林の中を進んでいた。
島ならば真っすぐ歩いていけばいずれ海に出るだろうという判断であった。
それに、自分が最初にスタートしたので周囲を気にする必要もないからスムーズに先へと進めた。

「あ」
数十分歩き続け、彼女は森林の外へ出た。
そこは田畑が広がる耕作地帯であった。
よく見ると、その周囲には道が、そしてそこから少し離れた場所には民家と思える建物が建ち並ぶ集落が見えた。

「…………」
ここに来て慧は初めて自分のバッグを開けた。
そして、すぐさま地図とコンパスを見つけて取り出した。

「…後ろが北。それなら向こうは南………村がある」

地図で今自分がいると思える場所を確認すると、慧は再び歩きだそうとした。
しかし……
「…そういえば私何貰ったんだろう?」
各自ランダムで支給されるというアイテム。そのことを思い出すと慧は再びバッグを開いて中身を確認した。
もちろん見過ごしが無いよう今度は隅々まで調べる。

「……これ銃だよね?」
慧はバッグから黒い鉄の固まりを取り出した。
それは間違いなく銃であった。

さらにバッグを調べると支給されたアイテムの説明書と銃の予備のマガジンを見つけたので取り出した。

――Ingram M10。それが慧に与えられた銃の名だった。

47 :少女、一人 :2006/10/25(水) 23:54:30 ID:0zmZutsIO


「…なるほど。こうやって射つんだ」
説明書に書かれていた射ち方通りの姿勢になり、慧は試しにトリガーを引いてみた。
すると、ぱらららという音を出して数発の弾丸が目に見えない速さで飛んでいった。

「…凄い」
初めて射った銃の感触に一瞬言葉を奪われる。(といっても彼女は普段からあまり喋らないが…)

――当たりの武器が手に入ったからだろうか? その瞬間から慧の頭にはある選択が浮かんできた。


――あなたはこの聖杯戦争という名の殺人ゲームに乗りますか?
YES/NO


「……ま。別にどっちでもいいんだけどね」
そう呟くと慧はマガジンをポケットに入れ、説明書をバッグにしまうとイングラムを片手に今度こそ歩き始めた。

「…まずは村に行こう。ゲームに乗るか乗らないかは後で考えればいい……」


 彩峰慧
 【時間:1日目午後12時35分】
 【場所:耕作地帯】
 【所持品:Ingram M10(残弾26/30)、予備マガジン(.38ACP弾30発入り)×5、他支給品一式】
 【状況:村(南側)へ行く。ゲームに乗るか乗らないかはその内決める】

 【備考】
・教会周辺は森林地帯となっている

48 :名無しさん@初回限定 :2006/10/26(木) 16:03:22 ID:I8UEkVZaO

訂正

イングラムM10の弾丸を9ミリに

49 :姉妹、そして妬むモノ :2006/10/26(木) 16:17:59 ID:A6RqjTu50

―番号は次々と呼ばれて行く…

それを、強張らせながら不安に見つめる少女
現在おきている現実に、何か冷たい"黒いモノ"が心を染めていく感覚を感じる
その表情も、どこか冷く、感情というものが消えてしまったようだ
「お姉ちゃん…」
様子のおかしい姉の手を、ギュッと掴む妹

「大丈夫よ、心」
ぎこちなく、精一杯笑顔をつくる桂言葉(012番)…
不安ながらも、笑顔をくれる姉に、少し安心する 桂心(011番)

「おねえちゃん、これからどうなっちゃうのかなぁ?」
「わからない。でもお姉ちゃんが、ついているよ」
「え〜!!おねえちゃんじゃ頼りないよぉ〜。だってお姉ちゃんは、只のひきこもりだも〜ん」
「違います!もう〜 心ったら、すぐ嫌な言い方する」
「えへへ♪」
「フフ♪」
妹との会話で、いつもの自分を取り戻す。

50 :姉妹、そして妬むモノ :2006/10/26(木) 16:19:49 ID:A6RqjTu50

そんな和らいだ一時に、現実が突き刺さる。
「011番 桂心!!」

「お、おねえちゃん」
ぎゅっと姉にしがみつく妹

「はやく来んか!!」

「心、入り口で隠れて待っていて、直ぐにいくから」
「う…うん」
抱きしめ合う事で、姉妹の絆をたしかめあう二人

桂心は、走るように去っていった。その体には不釣合いな、大きな支給品を抱えながら…

そして次の番号が呼ばれる
「012番 桂言葉!!」

彼女は、呼びかけに答えなかった。

51 :姉妹、そして妬むモノ :2006/10/26(木) 16:20:39 ID:A6RqjTu50

目を閉じ、静かに正座する桂言葉…
(とにかく、心を守らなければ…私は、お姉ちゃんなんだから)
精神を整え、平静を取り戻そうとする彼女の脳裏を、一瞬乱すかのように、ある人の姿が脳裏に浮かんだ。
―伊東誠―
「…誠くん」
小さく呟き、彼女の瞳から、涙が流れる
(ごめんね。誠君…私は守らなければいけない人がいるから…)
傾いだ心を、整え静かに立ち上がる言葉。
その瞳には、迷いのない決意を感じる。

支給品を受け取ると、彼女は進行を続けるモノ達に、こう言い放った。
「こんな事、人として間違っています!」
「だからどうした?」
「……」
悔しさと、悲しみに絶えるように、彼女はその場を後にする

教会(大聖堂)の入り口で、言葉は、立ち止まり、両手で口を多いながら。
呟いた
「泣いては駄目… 泣いたらもう、妹を守れない」
瞳からこぼれそうな、涙をこらえながら…

「おねえちゃん、大丈夫?」
隠れていた、心が出てきた
「うん、大丈夫」

52 :姉妹、そして妬むモノ :2006/10/26(木) 16:24:13 ID:A6RqjTu50

>49−51
―教会の中では、次の名前が呼ばれた
「013番 加藤乙女」


小泉夏美(023番とが話しかけた
「乙女、呼ばれたよ」
「う…うん」
立ち上がる加藤乙女(013番)
「乙女、大丈夫?」
「うん…大丈夫……私いくね」
「後でね、乙女ちゃん」緊張感なく言う森来実(059番)

そして乙女にも、山のように詰まれた支給品の一つを渡される。
受け取ってしばらく考え込む、加藤乙女
考えあぐねた挙句、乙女は、支給品をつき返し、
そして別の支給品を指差した
次に出た言葉に、教室の中にいる者達は多少ながら驚いた
「そっちのがいい」
「…まあいいだろう」
指定の支給品を受け取り、満足気に去る加藤乙女…
乙女は悔しかったのだ。
伊東の傍に平然と座り、話かける桂言葉が…
そして聞いていた。小さくだが教室から出る前に、桂が「…誠くん」と呟いたのを…

聖杯戦争なんてどうでもいい、彼女の心には他に目的がある
「桂…!!」その一言には、間違いなく殺意を感じた

53 :姉妹、そして妬むモノ :2006/10/26(木) 16:25:43 ID:A6RqjTu50

 【時間:1日目午後1時35分】
桂言葉
【場所:森林地帯】
【所持品:携帯電話(多分FOMA)、支給品(未開封)】
【状況:妹を守る】

桂心
【場所:森林地帯】
【所持品:携帯電話(多分FOMA)、支給品(未開封)】
【状況:姉と一緒】

加藤乙女
【場所:教会前】
【所持品:支給品(未開封)】
【状況:桂言葉への殺意】
勢いで書いてみたけど、オレ、スクールデイズしか知らんのよね

54 :名無しさん@初回限定 :2006/10/26(木) 22:44:09 ID:I8UEkVZaO

参加者名簿訂正

55/御薙鈴(『り』が変換できない)
56/美綴綾子
57/御剣冥夜


以上のように訂正

55 :無題 :2006/10/27(金) 15:16:43 ID:6D8sS4hoO

「ふぅ…ここまで来ればもう大丈夫だよね?」
9番・鑑純夏は教会をスタートして10分ぐらい走ったところで足を止めた。

「あとはタケルちゃんたちが来るのを待つだけだよー」
純夏はそう言うと近くの木の根元に腰を下ろした。

それから5分ほどぼーっとしていたが、ふとあることを思い出した。

「そういえば私何貰ったのかな?」
自分の支給品を確認するためにバッグを開けてみる。


「……も、もしかして支給された武器ってこれ?」
純夏のバッグから出てきたのは、黒地で胸元にピンク色の文字で『萌え』と書かれたTシャツだった。

「こんなの着たらタケルちゃんたちに笑われちゃうよ〜!」

森に純夏のそんな叫び声が響き渡った。


 鑑純夏
 【時間:1日目午後1時】
 【場所:森林地帯】
 【所持品:萌えTシャツ、他支給品一式】
 【状況:武たちを待つ(ただし待ち合わせ場所は決めていない)】

56 :名無しさん@初回限定 :2006/10/27(金) 21:27:37 ID:Np8X8sBT0

参加者名簿訂正

001/彩峰慧 002/厳島貴子 003/伊藤誠 004/イリヤスフィール・フォン・アインツベルン 005/戎美凪 006/衛宮士郎 007/小渕みなみ 008/織倉楓 009/鑑純夏 
010/梶浦緋紗子 011/桂心 012/桂言葉 013/加藤乙女 014/上岡由佳里 015/神坂春姫 016/上条沙耶 017/上条伸哉 018/神代巽 019/甘露寺七海 020/清浦刹那
021/葛木宗一郎 022/黒田光 023/小泉夏美 024/香月夕子 025/小日向音羽 026/小日向すもも 027/小日向雄真 028/西園寺世界 029/三枝由紀香 030/榊千鶴
031/澤永泰介 032/式守伊吹 033/十条紫苑 034/白銀武 035/神宮寺まりも 036/周防院奏 037/菅原君枝 038/涼宮茜 039/高島一子 040/小鳥遊圭 041/高根美智子
042/高溝八輔 043/高峰小雪 044/珠瀬壬姫 045/月詠真那 046/遠坂凛 047/巴雪乃 048/柊杏璃 049/氷室鐘 050/藤村大河 051/蒔寺楓 052/間桐桜
053/間桐慎二 054/御門まりや 055/御薙鈴莉 058/美綴綾子 057/御剣冥夜 058/宮小路瑞穂 059/森来実 060/鎧衣尊人 061/柳洞一成 062/渡良瀬準

主催者:言峰綺礼(Fate / stay night)

57 :名無しさん@初回限定 :2006/10/29(日) 08:42:44 ID:yFLQcDPKO

保守

58 :名無しさん@初回限定 :2006/11/01(水) 15:39:34 ID:ehkOGtmR0

書こうと思ったけど、セイバーいないんじゃなぁ
せめてFateルート後とかにして欲しかった、言峰死んでるけど…

59 :名無しさん@初回限定 :2006/11/01(水) 23:45:25 ID:7rtRgr4dO

>>58
俺もセイバーとアーチャーだけでも出させてほしいと思ってた
……いっそハカロワでの動物やゆめみみたいに誰かの支給品として出しちゃおうかw
能力は大幅ダウンしてしまうだろうが……

ところで、サーヴァントで気付いたが、ギルガメッシュはいるだろうね
というか主催が言峰だからラスボス確定か?
その場合ギル倒せそうな参加者は(固有結界使えるようになった場合の)士郎以外だと誰かいるかね?
いない場合、士郎殺した話は強制NGになってしまうな……雄真に固有結界でも持たせちまおうか?w
まぁ、ギルの能力値も下げちゃえば問題はないんだけどさ

ところで、宝具はともかく。士郎の体内のアヴァロンはどれくらい制限されるんだろう?
傷の回復が少し遅くなるくらい?

60 :名無しさん@初回限定 :2006/11/02(木) 00:27:14 ID:pU4MVlCO0

>>59
聖杯戦争前でしかも参加者にアーチャーがいないので覚醒が見込めない状況でどうやってギルを倒すんですか?

アヴァロンってセイバー召喚前は効果なかったんじゃなかったけ?

61 :名無しさん@初回限定 :2006/11/02(木) 06:38:19 ID:HzyNSj1ZO

冥夜の刀、皆琉神威を投影する士郎を幻視した

62 :名無しさん@初回限定 :2006/11/02(木) 15:14:50 ID:W3BvcirW0

普通に言峰が一人でラスボス(能力制限無し、黒鍵&泥あり)でも十分じゃないか?
全員が制限状態なら強敵だと思う。

それに正直、今の時点でするには早すぎる話のような気もするな。
終盤に残り参加者の状況を見て決めていけばいい。

63 :決意の第一歩 :2006/11/03(金) 17:11:50 ID:VI2QNzl5O

清浦刹那はスタートと同時にまっすぐ森林地帯を早歩きで進んでいた。

(まずは伊藤を探そう…)

全ては親友である西園寺世界のため――彼女が好きな伊藤誠を早く見つけだしてあげることが世界の親友である自身の役目だと刹那は思っていた。

――しかしその反面、それは本当に世界のためなのかとも思ってしまう。

なぜなら刹那自身も誠を好いているからだ。
『世界のため』という大義名分を利用して自分が誠と会いたいだけなのではないか――そう思うと少し罪悪感を感じる。


(――でも……もう決めたことだから………)

刹那はそう決断すると、デイパックの中から自身の支給品のうちの1つを取出し、それをぎゅっと握り締めた。

刹那に与えられた支給品――黒鍵。概念武装という類の投擲剣。それが計6つ。
もちろん刹那は概念武装とはどのような武器かなど知るわけがないのだが、刃物である以上当たりの類なのだろうと思っておいた。


そして再び刹那は歩きだした。


静か……静かな時間だった。
再び歩き始めて十分ほど経過たが、刹那の耳には自分の足音程度しか聞こえない。
本当に殺し合いが行なわれているのか、と誰かに尋ねたいほど静かであった。

(といっても、まだみんな自身の身の安全を確保しにいっているからだろうけど……)

64 :決意の第一歩 :2006/11/03(金) 17:13:16 ID:VI2QNzl5O

今は静かだが直に嫌でも殺し合いは行なわれ、島中が悲鳴や銃声などで騒がしくなるだろう。
24時間誰も死ななければ自分も含みみんな死んでしまうのだから……


――その時、刹那の耳に物音が聞こえた。
草木をガサガサと掻き分けていく音だ。そして、その音は間違いなくこちらの方に近づいてきている。
音の正体はおそらく…いや。間違いなく人だろう。
そして、この島において人とは自身と同じこの殺し合いの参加者だ。

(………)

刹那はすぐさま息を殺して物陰に身を隠した。

この殺し合いに乗っていない者だったら見逃しててもいいが、乗った者だったら……その時は覚悟していた。

(乗った者だったら、容赦はしない……)

再び黒鍵を握り締める。
だが、その手は震えていた。
無理もない。この後自分は下手をしたら人を殺す――もしくは逆に自身が殺されるかもしれないのだ。
無意識のうちに『死』という絶対的な恐怖が刹那を支配しようとしているのである。


――ついに音が至近距離まできた。
刹那は草陰からチラリと顔を出し、音源の正体を確認した。
やはり人――それも自分と同年代の女の子だった。

女の子は刹那の存在にまったく気づいていないようで、刹那が隠れていた場所の前を素通りしていった。

(――今だ)

65 :決意の第一歩 :2006/11/03(金) 17:15:36 ID:VI2QNzl5O

次の瞬間、刹那は草むらから飛び出し少女の背後を取った。

「えっ!?」

少女が気づいて振り返ったときには刹那は彼女の喉元に黒鍵を突き付けていた。

「あ……」
「答えて。あなたはこの殺人ゲームに乗った? それとも乗っていない?」
「の…乗っていないよ……」
少し錯乱した様子で少女――神坂春姫(15番)は答えた。
まあ、いきなり刃物を突き付けられたのだ。無理もない。
「……それなら証拠を見せて」
「しょ…証拠?」
「鞄と支給された武器を地面に置いて両手を上げて」
「こ…これでいいかな?」
春姫は言われたとおりデイパックと支給品を地面に置いて両手を上げた。

(!)

彼女の支給品を見た瞬間、刹那は内心一瞬だが驚愕した。
なぜなら彼女に支給されていた武器は拳銃だったからだ。

66 :決意の第一歩 :2006/11/03(金) 17:16:52 ID:VI2QNzl5O

「……本当にこれで全部?」
「う…うん」
「そう…」
そう言うと刹那は一度安堵の息をふう、と盛らすと春姫に突き付けていた黒鍵を下ろした。
「……わかった。とりあえずあなたを信用する」
「あ…ありがとう」
春姫もふう、と安堵の息を盛らした。
「あなた……名前は?」
「あ…私、神坂春姫です。あの……あなたは?」
「…清浦刹那」
「え…え〜と。清浦さんは……」
「刹那でいい。その代わり、私もあなたのことは春姫って呼ばせてもらうから…」
「あ…うん。じゃあ、刹那ちゃんはこの聖杯戦争には……」
「乗ってない」
「そうなんだ。よかった……」春姫はもう一度安堵の息を盛らした。


「――それで…春姫はこれからどうするの?」
「私は…みんなを探したいんだけど……みんな私より後からスタートだったから……」
「そう…」
「――ねえ刹那ちゃん」
「なに?」
「もしよかったら一緒に行動しない? こういう場合、1人より2人のほうが安全だと思うの」
「………」
「だ…だめかな?」
「別に構わない……でも、春姫は人を殺す覚悟はある?」
「えっ?」
「これから先――いずれ間違いなくこの殺人ゲームに乗った人が私たちの命を狙ってくる。
そういう人たちの手から生き残るためには、時にその人を殺さなければならないこともある。その覚悟が無いなら……」
「私は…」
答えようと思ったが、春姫は返す言葉が見つからず、途中で口を閉ざしてしまった。

67 :決意の第一歩 :2006/11/03(金) 17:19:06 ID:VI2QNzl5O


「無理をする必要はないよ…無理なら……」
刹那がそう言い掛けた時、春姫が口を開いた。

「ううん。大丈夫。私も…覚悟決めたから……」
そう言って春姫は置いていた銃を拾い、それをぎゅっと握り締めた。
それはすなわち、生き残るためなら躊躇わず引き金を引くという春姫の決意の表れだった。

「――本当にいいの?」
刹那が確認すると春姫は即答とばかりにに頷いた。

「………わかった。その代わり、まずは私の知り合いの伊藤を探そうと思うけど、それでもいい?」
「うん…」
「……それじゃあ行こう。いつまでもここにいたらそれこそ危ないから」
そう言って歩き始めた刹那に続き、春姫も歩きだした。
すべては、この聖杯戦争という名の殺人ゲームを止めるため。
そして、みんなと再びあの日常へと帰るために……


 【時間:1日目午後2時】
 【場所:森林地帯】


 清浦刹那
 【所持品:黒鍵(残り6本)、他支給品一式】
 【状況:まずは誠を探す。春姫と行動】

 神坂春姫
 【所持品:FN HI-POWER(残弾13/13)、予備マガジン(9mm弾13発入り)×2、他支給品一式】
 【状況:刹那と行動】

68 :名無しさん@初回限定 :2006/11/03(金) 21:53:13 ID:zhfePBG40

保守代わりに、
書き手さんのため参加者のスタート時刻表を作ってみました

69 :参加者スタート時間 :2006/11/03(金) 21:54:16 ID:zhfePBG40

12:00 01/彩峰慧
12:05 02/厳島貴子
12:10 03/伊藤誠
12:15 04/イリヤスフィール・フォン・アインツベルン
12:20 05/戎美凪
12:25 006/衛宮士郎
12:30 07/小渕みなみ
12:35 08/織倉楓
12:40 09/鑑純夏
12:45 10/梶浦緋紗子
12:50 11/桂心
12:55 12/桂言葉

13:00 13/加藤乙女
13:05 14/上岡由佳里
13:10 15/神坂春姫
13:15 16/上条沙耶
13:20 17/上条伸哉
13:25 18/神代巽
13:30 20/清浦刹那
13:35 21/葛木宗一郎
13:40 22/黒田光
13:45 23/小泉夏美
13:50 24/香月夕子
13:55 25/小日向音羽

70 :参加者スタート時間 :2006/11/03(金) 21:56:35 ID:zhfePBG40

14:00 26/小日向すもも
14:05 27/小日向雄真
14:10 28/西園寺世界
14:15 29/三枝由紀香
14:20 030/榊千鶴
14:25 31/澤永泰介
14:30 32/式守伊吹
14:35 33/十条紫苑
14:40 34/白銀武
14:45 35/神宮寺まりも
14:50 36/周防院奏
14:55 37/菅原君枝

15:00 38/涼宮茜
15:05 39/高島一子
15:10 40/小鳥遊圭
15:15 41/高根美智子
15:20 42/高溝八輔
15:25 43/高峰小雪
15:30 44/珠瀬壬姫
15:35 45/月詠真那
15:40 46/遠坂凛
15:45 47/巴雪乃
15:50 48/柊杏璃
15:55 49/氷室鐘

71 :参加者スタート時間 :2006/11/03(金) 21:59:09 ID:zhfePBG40

16:00 50/藤村大河
16:05 51/蒔寺楓
16:10 52/間桐桜
16:15 53/間桐慎二
16:20 54/御門まりや
16:25 55/御薙鈴莉
16:30 58/美綴綾子
16:35 57/御剣冥夜
16:40 58/宮小路瑞穂
16:45 59/森来実
16:50 060/鎧衣尊人
16:55 61/柳洞一成

17:00 62/渡良瀬準

72 :名無しさん@初回限定 :2006/11/03(金) 23:17:16 ID:VI2QNzl5O


ちょうど午後5時に最後の準にゃんがスタートするんだな

73 :名無しさん@初回限定 :2006/11/03(金) 23:18:55 ID:VI2QNzl5O

すまんageてしまった……ちょっと吊ってくるorz

74 :名無しさん@初回限定 :2006/11/07(火) 09:42:58 ID:kYfzXRBR0

保守

75 :名無しさん@初回限定 :2006/11/10(金) 22:11:32 ID:FDZIUkTQ0

書いてみたいけどスクイズ持ってないんだよな。
小説版出てるけど、あれは参考にできるのかな?

76 :名無しさん@初回限定 :2006/11/11(土) 16:10:42 ID:HLmN3dIEO

できるよ
結末がアレだけど……www

77 :名無しさん@初回限定 :2006/11/11(土) 17:27:59 ID:LCabxazu0

.返事Thx
来週にも投稿して見る。

78 :名無しさん@初回限定 :2006/11/11(土) 22:27:47 ID:JISaNJzm0


糞なものは糞

79 :名無しさん@初回限定 :2006/11/17(金) 11:58:13 ID:PrKopNu7O

予約あげ

80 :名無しさん@初回限定 :2006/11/17(金) 13:22:17 ID:5U8g/WIQO

慎二はまた小物クオリティ

81 :名無しさん@初回限定 :2006/11/17(金) 22:51:56 ID:zy55dIH+O

君のぞキャラがいない
いいの思いついたのに('A`)


慎二だけど

82 :名無しさん@初回限定 :2006/11/18(土) 08:40:51 ID:AJstjwjmO

シャッフルも参戦させてくれないか?

83 :名無しさん@初回限定 :2006/11/18(土) 09:07:01 ID:G/Vh12Xw0

避難所か別スレに論議スレを立てて、こっちは投下だけにするとやりやすいよ。

84 :名無しさん@初回限定 :2006/11/18(土) 11:20:39 ID:SssT+HJu0

>>83
議論スレ立ては賛成。
後、追加有りなら夜明け前より瑠璃色なも是非参戦させて欲しいが・・・書き手さんの数を考えるとこれ以上は難しいか?

85 :名無しさん@初回限定 :2006/11/18(土) 11:20:52 ID:v5d9/tOYO

仕切り屋UZEEEEEE!

86 :名無しさん@初回限定 :2006/11/18(土) 13:09:10 ID:odf9/3Pt0

そもそも作品タイトルが糞だからどうしようもない

87 :名無しさん@初回限定 :2006/11/18(土) 16:18:29 ID:kK4CBXLw0

アンチはアンチスレ立てれば?
混同するからめんどくさいんだよ

88 :名無しさん@初回限定 :2006/11/21(火) 01:00:31 ID:rgviMZ53O

まあ、まだ始まったばかりだし………
ついでに保守age

89 :名無しさん@初回限定 :2006/11/28(火) 06:52:00 ID:+44Y3YAc0

age

90 :名無しさん@初回限定 :2006/12/03(日) 13:50:49 ID:zJXu/S5b0

人がいNEEEEEEEEEEEEEEE!!
参戦作品から決めなおして最初からやり直さないか?

91 :名無しさん@初回限定 :2006/12/03(日) 14:12:59 ID:zSsi5yInO

パターンになりつつある

計画 実行 人稲 議論 完 みたいな?

仮に人がいても我が強い人がある種の荒らしみたいになって完
書き手に月厨がいても完
ニトロ厨がいても完

92 :名無しさん@初回限定 :2006/12/07(木) 19:24:18 ID:PwDQuRSf0

確かにやり直した方が良いな
と言うよりも、そもそも人が居ないんじゃやり直しの議論も出来ないか・・

93 :名無しさん@初回限定 :2006/12/08(金) 17:12:09 ID:L3tBv/TF0

あげ

94 :名無しさん@初回限定 :2006/12/14(木) 01:50:39 ID:WvyS/O5P0

初めてここを見つけた……が、参戦作品が一つも分からない

95 :運命の時 :2006/12/14(木) 17:35:01 ID:IMeIebou0

「結構歩いたな……」
6番・衛宮士郎は地図とコンパスを片手に持ちながら歩き続けていた。
今彼は島のほぼ北に位置する海岸沿いにいる。まずは本当に自分たちがいるのが島なのかどうかを確認したかったのだ。
そして現在、海辺に出た彼はここが本当に地図と言峰が言ったとおり島であることを確認した。
スタートしてそろそろ1時間以上は軽く経過している。そろそろゲームに乗ってしまったものも現れ始めただろうか?
(いや……そんなこと考えちゃだめだ……みんなを信じるんだ。殺し合いなんてするはずがないと……)
士郎がそう思いながら歩いていると、
「沙耶あぁぁぁぁぁ! どこにいるんだぁぁぁぁぁぁぁ!」
「ん?」
自分の前方をもの凄いスピードで突っ走りながら誰かを探している自分と同年代の少年の姿を見つけた。
「人だ…!」
スタートして初めて人を見つけた。しかも人を探している。
ということは、どう考えても殺し合いに乗っているとは思えない。
そう判断した士郎は早速少年に声をかけてみようと少年に近づいた。

96 :運命の時 :2006/12/14(木) 17:36:29 ID:IMeIebou0

「沙耶あぁぁぁぁぁ!!」
「なあ、あんた。ちょっといいか?」
「ぬっ!? 貴様、いつからそこに!?」
「いや……さっきからそこにいたんだけど………」
そう言って士郎は先ほどまで自分がいた海岸沿いを指差す。
「なんと!? くっ…俺としたことが……沙耶を探すことに一心で周りの注意を払うことを忘れていた……!」
「あ〜……とりあえず……聞きたいことがあるんだが、聞いてもいいか?」
「ん? なんだ?」
「お前はこの聖杯戦争とかいう殺し合いに乗ってはいないのか?」
「ああ。俺は兄として妹を――沙耶を守ってやらなければならないからな」
「そうか……安心した」
士郎はほっと肩を撫で下ろした。
「なぜだ?」
「いや……俺と同じくゲームに乗っていない奴がいてくれたからな」
「なるほど……そういえば自己紹介がまだだったな。俺は上条伸哉という」
「俺は衛宮士郎だ」
「そうか。では衛宮殿、早速こちらも聞きたいのだが、妹を――上条沙耶という少女を見かけなかったか?」
「ああ、すまん。俺はこの島で会った知人以外の人は伸哉が始めてだ」
「そうか……となるとここにはいないのかもしれんな。急いで別の場所へ向かわねば……!」
「あ〜…待て待て」
行こうとする伸哉を士郎が止める。
「むっ!? 何故止めるのだ衛宮殿!? こうしているうちにも沙耶の身に危険が迫っているかもしれないのだぞ…!」
「そうかもしれないけど、その前に一人じゃ危険だろ?
それにさっきのお前すっごく危なっかしかったぞ。一人で走りながらあんなでかい声出して……」
「ぬ……だが、そうしなければ沙耶を見つけることなど出来ないではないか」
「それもそうだが……なあ。ここは協力がてらに一緒に行動しないか?」
「衛宮殿と俺が?」
「ああ。そうすれば危険もいくらかは減るし、探したい奴らもすぐに見つけられるかもしれないだろ?」
「―――それもそうだな。わかった。ならばそうするとしよう」
よろしく頼む、といって伸哉は1回頭を下げた。

97 :運命の時 :2006/12/14(木) 17:37:12 ID:IMeIebou0

「よし、決まりだな。ところで伸哉。お前は何を貰ったんだ?」
「ぬ? そういえば……まだ調べていなかったな………衛宮殿は?」
「俺はこれだ」
そう言って士郎はポケットから何かを取り出した――それは赤い宝石だった。

「宝石か……見たところ魔力もかなり詰まっているな」
「伸哉、判るのか?」
「ああ。俺も上条家の――魔法使いの一族のはしくれだからな」
「なるほどな。それで……伸哉は?」
「待て。今調べる。むっ!?」
「どうした? ―――っ!?」
伸哉がデイパックを開けた瞬間、ソレは起こった。
デイパックの中が突然光があふれ出し、士郎と伸哉たちがいた周辺はしばらくの間光に包まれた。

―――そして、次の瞬間には爆発のような衝撃が走った。

「うわっ!?」
「くっ!?」
士郎たちが少し吹っ飛んだところで光は収まった。

「な……何だったんだ今の?」
「わからん……ん?」
「ん? 今度はどうした伸哉………って、へ?」
士郎が伸哉が向いていた方向へ目をやる。
するとそこにあったのは中身を周辺にぶちまけた伸哉のデイパックと………


「やれやれ……召喚すんならもっとマシな召喚をしてくれないもんかね?」
青い服で全身を包み、片方の手には赤く長い槍を持った男――サーヴァント・ランサーが立っていた。

98 :名無しさん@初回限定 :2006/12/14(木) 23:10:17 ID:LTDH8HYXO

桜と慎二予約しますが、いいですか? 相当酷い目に片方を遭わせる予定ですが。

99 :名無しさん@初回限定 :2006/12/14(木) 23:19:00 ID:uml59kTW0

>>97
GJ!最後の投下から一ヶ月以上経ってもう駄目かと思ったが・・・これからも頑張って下さい。

>>98
酷い目に遭うもまたロワの醍醐味、是非とも投下して欲しい。

100 :名無しさん@初回限定 :2006/12/25(月) 13:17:35 ID:oryZUEwV0

age

101 :名無しさん@初回限定 :2006/12/25(月) 13:58:27 ID:xE491ni7O

結局現状維持?

102 :名無しさん@初回限定 :2006/12/28(木) 13:01:38 ID:l2KXMPM1O

書き手はハカロワ3やアニメロワの方に集中しているから当分は現状維持ジャマイカ?

103 :殺戮者の誕生 :2006/12/28(木) 15:34:07 ID:l2KXMPM1O

森林地帯を抜けた新都との境界付近。そこに3人の参加者がいた。
25番・小日向音羽。26番・小日向すもも。そして、27番・小日向雄真である。


「――じゃあ、俺は行くから……」
そう言って自身の支給品である日本刀を手に雄真は先程まで自分たちが歩いていた森林へと戻っていった。

「気をつけてね雄真くん」
「兄さん。必ず姫ちゃんたちを助けてあげてください」
「わかってるよ」
音羽とすももに笑顔で答えると雄真は草木のなかに消えていった。


「――『助けてあげてください』か……」
森の中を歩きながら雄真は先程すももが自身に言った言葉を思い出していた。

「――悪いけど、今はできないな」

先程、雄真は音羽とすももと別行動を取る際に理由として「みんなを探す」と2人に言った。
しかし、それは嘘だった。
あの時――準に10円玉を取られた後、雄真はもうひとつ10円玉を取り出してコイントスをしたのだ。
そして、出た面は裏だった…………

そう。雄真はゲームに乗ったのだ。

しかし、母と妹にそのことを明かすわけにはいかなかった。絶対に止められると思ったからだ。
だから雄真はスタート直後に合流した2人が安全な場所に避難できるまでは一緒にいてあげることにした。
その後、「みんなを探す」という理由で2人と別れた後はゲームに乗った1人の殺戮者になる……それだけだ。

104 :殺戮者の誕生 :2006/12/28(木) 15:57:54 ID:l2KXMPM1O

(――罪を背負うのは俺だけでいい………)
自分はもう過去に罪を背負っている。罪を背負うのには慣れていた。
その罪が何であったのかは自身もよく覚えていないが………

「できれば知り合いには会いたくないな………」
そう呟くと雄真は日本刀を一度鞘から抜いてぶんと振ってみた。
刀のことはよく判らないが、自身に支給されたソレ――『皆琉神威』と銘うたれた刀はかなりの業物のようだった。

覚悟は決まった………

「――さて。行くか」
刀を鞘に戻すと雄真は再び歩きだした。
全ては自身のため。そして、この殺し合いに参加している全参加者のために……

105 :名無しさん@初回限定 :2006/12/28(木) 16:38:45 ID:l2KXMPM1O


 小日向雄真
 【時間:1日目・午後4時】
 【場所:森林地帯】
 【所持品:皆琉神威(冥夜の刀)、他支給品一式】
 【状態:マーダー化。目標は自身が優勝して聖杯で全参加者を生き返らせること】

 小日向音羽
 【時間:1日目・午後3時45分】
 【場所:新都付近】
 【所持品:支給品一式(ランダムアイテム不明)】
 【状態:ゲームには乗っていない。すももと行動】

 小日向すもも
 【時間:1日目・午後3時45分】
 【場所:新都付近】
 【所持品:支給品一式(ランダムアイテム不明)】
 【状態:ゲームには乗っていない。音羽と行動】

106 :エルダー・ミーツ・ナイト :2007/01/31(水) 16:56:23 ID:nmqqMaCe0

時刻は夕方。森の中を走る1人の人影があった。
先ほどやっと教会をスタートした58番・宮小路瑞穂である。
「貴子さん。紫苑さん。まりや………みんな。僕が行くまでどうか無事で………」
この聖杯戦争というふざけた殺し合いで瑞穂がやるべきことは1つだった。

――1人でも多くの参加者を救い、そして主催者――言峰たちを倒す。

もちろんそれが一筋縄でいけるほど簡単ではないことくらい瑞穂にも判っている。
しかし、誰かがやらなければならないのだ。
そして……それをやるべき者はその考えに至った自分以外の誰がやるというのだ?
そう。自分は聖應女学院の72代目エルダー・シスターだ。
皆の先頭に立って行動することは学院の外であろうと何処であろうとも変わりはしないはずだ。


瑞穂は考える。恐らく参加者のうち何名かは殺し合いに乗ってしまった者もいるだろうと。
彼女――否。彼はあの聖堂で他の参加者たちのスタート時の様子をじっくりと観察していた。
自身の見た感じによる第一印象によるものではあるがゲームに乗ったものはだいたい目星が付いていた。
(――遠坂凛さんに、間桐慎二……だったかな? あの2人は確実にやる気満々だ………)
瑞穂はしばらくそのようなことを考え、そして止めた。
森を抜け耕作地帯に出たからだ。

(――ここまでくれば一応大丈夫かな?)
瑞穂は周辺を軽く一度見渡すと、ゆっくりと地面に腰を下ろした。
「ふぅ……さてと。それじゃあ早速中身を確認してみようかな?」
肩に提げていたデイパックを下ろし、早速中を確認する。
空は既に日が沈んで暗くなりかけている。調べられるうちに調べたほうがいいと判断したからだ。

107 :エルダー・ミーツ・ナイト :2007/01/31(水) 16:57:12 ID:nmqqMaCe0

「……地図にコンパス。筆記用具に水とパン。それと…参加者名簿か……」
中身を一通り確認すると参加者名簿を手に取り自分の後にスタートした参加者の名を確認する。
(やはり50音順か…そして僕の番号は58番………)
自分が教会をスタートするとき聖堂に残っていた自分以外の参加者は4人いた。
ならばその4人とは自分の後ろの番号――59番・森来実。60番・鎧衣尊人。61番・柳洞一成。そして62番・渡良瀬準に間違いないだろう。
(――あれ? ちょっとまって。なにか忘れているような………)

「――――あ、そうだ。1人に1つ支給されるアイテムだ。いったい僕のには何が入っているんだ……?」
言峰が言っていた参加者に1つ与えられるというランダムアイテム。
それを確認するため、瑞穂はもう一度デイパックの中身を確認した。
他の支給品は全て地面に置いてある。そうなると、あとはランダムアイテムだけだ。
しかし……

「あれ?」
――デイパック中にはもう何も入っていなかった。

「…………」
――無言でデイパックを逆さまにしてぶんぶんと振ってみる。
しかし何も出てこない。

「…………」
――次に中に顔を突っ込んで隅々まで覗いて調べてみる。
やはり何もない。ないものはない。

この時、瑞穂の脳裏には言峰が説明の時に言っていた言葉が延々と繰り返しで再生されていた。
『何が誰に当たるかはランダムだ』
『何が誰に当たるかはランダムだ』
『何が誰に当たるかは……』

108 :エルダー・ミーツ・ナイト :2007/01/31(水) 16:58:25 ID:nmqqMaCe0

「……つまり僕のはハズレ中のハズレ、『アイテムなし』ってこと……?」
デイパックから顔を出した瑞穂の表情は先ほどの彼とはまったく正反対な―――ぞくに言う『おボクさま』モードに変わっていた。
それも滝のような大量の冷や汗を流しながら。

――まずい。これは非常にまずい!
これならお鍋のフタや金盥。大量のもずくもしくは豆腐、うまい棒とか腐女子向け同人誌とかアビシオン人形とかきんのたまとかの方が明らかにマシじゃないか………!
ああ、神様。これはなにかのイジメですか? 僕がいったい何をしたというんですか?
アニメ版の声優がオール変更になったことに対する報復ですか? だとしたら、堀江ボイスのどこがいけないんですか? 佐元ボイスじゃない貴子さんも悪くなかったじゃないですか!
ん? 貴子さん? ああ、そうか。アニメが貴子さんENDじゃなくて典型的なハーレムエンドで終わったことに対する報復だったのですね?
――って。さっきから何の話をしとるんだ僕は!? そもそもアビシオン人形って何だ!? 貴子さんENDって何だ!?


錯乱している頭を抱えうんうんと呻きながらいろいろと考えている瑞穂をよそに、彼のデイパックには不思議な現象が起きていた。
「ああこれから先、いったいどうやって戦えば……ん?」
瑞穂もしばらくした後にそれに気がついた。
「な…なんだ!?」
――デイパックから光が溢れているのだ。
もちろん瑞穂にもどうゆう原理でそれが起きているのかなど想像もつかない。
「夜光塗料? いや…そんなわけないよね………っ!?」
次の瞬間、その光の中から何かが段々と姿を現し始めた。
「こ…これは………?」
瑞穂は最初何が出てくるのだと思ったが、ソレが出てくるにつれてその正体がはっきりと判ってきた。
出てきたのは………


「――契約に従い参上した」
「………」
「問おう…貴女が私のマスターか?」

――中世の騎士の鎧を着た1人の少女だった。

109 :エルダー・ミーツ・ナイト :2007/01/31(水) 16:59:16 ID:nmqqMaCe0



【時間:1日目・午後5時15分】
【場所:耕作地帯】

宮小路瑞穂
【所持品:支給品一式(周辺にまとめて置いてある)】
【状態:セイバーを召喚。やや錯乱気味。令呪・残り3つ】
【思考】
1・何でデイパックから女の子が?
2・知り合い、同志を探す
3・言峰を倒す

セイバー
【所持品:なし】
【状態:召喚される】
【思考】
1・貴女が私のマスターか?
2・今のところ特になし

110 :エルダー・ミーツ・ナイト :2007/01/31(水) 17:00:11 ID:nmqqMaCe0

【備考】
・サーヴァントはランダムアイテムとして参加者に支給される
・最初にデイパックを開くと術式が組まれ召喚される
・支給されるサーヴァントは全部で7体とは限らない(少ないかもしれないし、多いかもしれない)
・サーヴァントも能力が大幅に制限される(宝具の使用はできるがその性能もある程度ダウンしている)
・サーヴァントはレイラインによりマスターから常に魔力を供給されている
・サーヴァントは魔力が切れたら消滅する。マスターを失った場合(一部の者を除き)1時間ほどで消える
・召喚した者(マスター)には令呪(絶対命令権)が3つ付く(1回使うたびに1つなくなる。これがなくなると契約は切れる)
・令呪は自身のサーヴァントが消滅すると残りの数にかかわらず全て消滅する
・マスターはいつでもサーヴァントとの契約を破棄できる
・マスターではない参加者とマスターを失ったサーヴァントはいつでも再契約可能

111 :エルダー・ミーツ・ナイト :2007/01/31(水) 17:01:44 ID:nmqqMaCe0

訂正

>佐元ボイスじゃない貴子さんも悪くなかったじゃないですか!

『佐元』→『佐本』

112 :名無しさん@初回限定 :2007/01/31(水) 20:14:46 ID:mcuDLL1pO

また約1ヵ月ぶりに続きキタ―――(・∀・)―――!!
GJ! 超GJ!

しかし、お姉さま&セイバーってある意味最強の組み合わせだなw

113 :名無しさん@初回限定 :2007/02/01(木) 04:55:11 ID:ZISrGK5H0

>大量のもずく
ちょっwwwハカロワの北川wwwwwwwww

瑞穂錯乱テラワロスw
堀江&神村ヴォイスで再生されたぜ。
とりあえずGJ!

114 :名無しさん@初回限定 :2007/02/01(木) 10:10:30 ID:HblOy1JA0

元ネタのロワを調べてみた

・お鍋のフタ →ハカロワ3、テイルズロワ、劇場版バトロワ
・金盥 →初代ハカロワ
・大量のもずく →初代ハカロワ
・豆腐 →ラノロワ
・うまい棒 →テラカオスロワ
・腐女子向け同人誌 →AAAロワ
・アビシオン人形 →テイルズロワ
・きんのたま →ロリショタロワ

この書き手さん、かなりのパロロワ好きだなw
なにはともあれGJ

115 :名無しさん@初回限定 :2007/02/01(木) 16:27:07 ID:HblOy1JA0

涼宮茜、周防院奏、高峰小雪で予約

116 :名無しさん@初回限定 :2007/02/02(金) 01:29:21 ID:oy+n6GUl0

つい数日前にここを見つけた新参ですけど高島一子で一本予約を入れてもよろしいでしょうか?

117 :名無しさん@初回限定 :2007/02/02(金) 03:38:21 ID:cqY1rf4o0

ちょwwwwwセイバーwww
ハズレどころか超大アタリじゃねかwwwwwwwww
一番のアタリかな?

118 :ヘタレ少年! デコメガネ少女に会う :2007/02/02(金) 08:28:47 ID:J5de7hJ80

伊藤誠(3番)は森林地帯を歩いていた。
特に目的はない。ただ、このような状況において1人だけで行動するのは危険だと思ったので一緒に行動してくれそうな人を探していたのだ。
(どうせなら知り合い……言葉や世界や泰介あたりと合流できたらいいんだけど………)
誠は自分の友人、知人たちのことを考えてみた。

――言葉はおそらく妹と行動しているだろう。世界も清浦や黒田と行動しているかもしれない。
加藤も今頃は同じクラスの連中と合流しているはずだ。
泰介は……わからない。でも、あいつのことだから女の子と行動してそうな感じがする。

「――そういえば俺は何を貰ったんだ?」
ほかの者たちのことを考えているうちにふと自分はどんな武器を貰ったのか気になったので確認しようと足を止めた。
――刹那。自分の目の前を何かが横切った。

「え?」
誠の前を通っていった『何か』は近くの木にバスッと命中するとビーンと振るえ、やがて動きを止めた。
――それは1本の矢だった。矢は真っ直ぐ、見事に木に突き刺さっていた。
「…………」
誠は僅かな時間、ただ無言で木に刺さる矢を見つめた。それと同時に考えた。


――おい。なんで矢がこんなところに刺さっているんだ?

――いや。ちょっと待て。これは……今飛んできてちょうど今この木に刺さったんじゃないのか?

――何で? 決まっているだろう。誰かが今ここに矢を放ったからだ。

――じゃあ、どうしてそいつはここに矢を放ったんだ?

――そんなの簡単な話だ……だってこの矢が本当に狙っていたのは……この木ではなく……

119 :ヘタレ少年! デコメガネ少女に会う :2007/02/02(金) 08:29:45 ID:J5de7hJ80

ガシャと自分が目を向けている方の反対――つまり後ろ――すなわち、矢が飛んできた方向から何かが音を鳴った。


「うわあああああああああああああっ!!」
誠は振り返ることなくそのまま自分が向いている方へと駆け出した。
駆け出すと同時に背後からビシュッと何かが飛んでくる音がした。それと同時に、右肩に提げていたデイパックに何かが当たった感触がした。
だが今の誠にはデイパックに目を向けている余裕などない。

(振り向いてはいけない! 振り向いたら………死ぬ! 殺される!!)
ただがむしゃらに走る。森の中を。草木を掻き分けて。ただ前へ。時に右へ。時に左へ。とにかく走る。
足を止めることなど許されない。止めることは『死』を意味する!



「……あらら〜。逃がしてぇ〜しまいましたぁ〜……」
誠がその場から走り去って少し、ほんの数秒時が過ぎた後、草むらの中からボウガンを持った少女が姿を現した。
戎美凪(5番)。御剣家に仕えている月詠真那直属の侍従――つまりメイドの1人だ。
本来ならいつも通り神代巽(18番)、巴雪乃(47番)と『3バカ』などと呼ばれるトリオを形成して行動するところだが、生憎にも自分が他の2人よりも少し先にスタートしてしまったので彼女はこの場所で2人を待つことにしたのだ。
――では、ただ仲間が来るのを待っていただけの彼女が何故誠を攻撃したのだろうか?



話を一度、先ほどより前の時間に戻す。
――美凪はスタートするとまず最初に自分のデイパックの中を確認した。デイパックの中には武器――ボウガンが入っていた。
その後、周辺の安全を一通り確かめると、教会から少し離れた場所で身を潜め巽と雪乃を待つことにした。

――それからしばらくすると、誠が自身の方へと歩い来ることに気づいた。しかし、誠の方は美凪には気づいていなかった。
だから美凪はとりあえずボウガンを構えた。彼が殺し合いに乗っている可能性もあるからだ。
それと同時に、誠の両手には何も握られていないことに気がついた。
――その瞬間。彼女は考えた。

120 :ヘタレ少年! デコメガネ少女に会う :2007/02/02(金) 08:30:40 ID:J5de7hJ80

――自分には武器がある。では、巽や雪乃、そして月詠や自分たちが仕えている御剣冥夜や白銀武はどうだ?
この聖杯戦争という殺し合いを始めた言峰という男は言っていたではないか『何が誰に当たるかはランダムだ』と。
それはつまり、ハズレ――武器とは到底いえぬ物も支給される品々の中には存在するということではないのか?
そして、もし巽たちにそれが渡ってしまい、殺し合いに乗った者たちの手に当たりの武器が渡ってしまったら……


――そうしてしばらく自分なりに考えた結果。美凪はひとつの結論に達した。

「冥夜様たちに牙を向けるであろう人たちはぁ〜みんなわたしが始末してみせますぅ〜!」
そうして彼女はボウガンのトリガーをぐいっと勢いよく引いた。
そして先ほどに至る………



「はあっ……! はあっ……!」
誠はあれから走り続けていた。ただ今は、逃げて逃げて逃げまくることしか考えられなかった。

「ちくしょう……なんで……なんでこんなことになっちまったんだよ……」
誠の心の中には『死』に対する絶対的な恐怖があった。
そして、それと同時に、もう殺し合いに乗ってしまった者がいたということに驚きを隠せなかった。


怖い……! 怖い……! 誰かに殺されるのは嫌だ……! 誰かを殺すのも嫌だ……!

俺は……俺はいったい……どうすればいいんだ!?

121 :名無しさん@初回限定 :2007/02/02(金) 08:35:10 ID:3jTw1niGO

kaihi

122 :ヘタレ少年! デコメガネ少女に会う :2007/02/02(金) 08:36:38 ID:J5de7hJ80

「あっ!?」
次の瞬間、彼は木の根に足をつまづき勢いよく転んでしまった。
「――っ!」
一瞬身体中に痛みがはしる。が、別にどこも怪我はしなかった。
誠はうつ伏せになった身体をゆっくりと起き上がらせると、そのまま近くの木に背をもたらせてゆっくりと腰を下ろした。
(どうやら、なんとか逃げ切れたようだな……だけど……)
「これから俺……本当にどうすりゃいいんだ……?」
誠はそう呟き、はあとため息をつくと、ただぼんやりと虚空を眺めた。

「――あの……どなたかそこにいらっしゃるのですか?」
「!?」
ふと近く――前方の草むらから女の子の声がした。
「だ……誰だ!? 出て来い!!」
誠は警戒しながら立ち上がり声の主に向かって叫んだ。
すると少ししてガサガサと草を掻き分ける音をたてながら1人の少女が姿を現した。

――現れたのは菅原君枝(37番)であった。


【時間:1日目・午後3時25分】
【場所:森林地帯】

伊藤誠
【装備:なし】
【所持品:支給品一式(ランダムアイテム不明)】
【状態:君枝に遭遇】
【思考・行動】
  1・君枝に警戒
  2・死にたくないし、誰かを殺したくもない
  3・殺し合いに乗った者(戎美凪)がいることを認識(ただし美凪の姿、名前は当然知らない)
  4・一緒に行動してくれる人を探す(できれば友人、知人と合流したい)

123 :ヘタレ少年! デコメガネ少女に会う :2007/02/02(金) 08:37:23 ID:J5de7hJ80

菅原君枝
【装備:なし】
【所持品:支給品一式(ランダムアイテム不明)】
【状態:誠と遭遇】
【思考・行動】
  1・誠に話しかける
  2・以降不明


【時間:1日目・午後2時5分】
【場所:森林地帯】

戎美凪
【装備:ボウガン】
【所持品:ボウガンの矢(数十本)、ほか支給品一式】
【状態:マーダー化】
【思考・行動】
  1・神代巽(18番)、巴雪乃(47番)、月詠真那(45番)、御剣冥夜(57番)、白銀武(34番)以外の参加者を極力排除
  2・神代巽、雪乃と合流したい
  3・2の後、月詠、冥夜、武の3人のうちいづれかの者と合流したい(優先捜索順位は月詠≧冥夜>武の順)

124 :名無しさん@初回限定 :2007/02/02(金) 08:38:25 ID:J5de7hJ80

>>121
回避ありがと

125 :名無しさん@初回限定 :2007/02/02(金) 09:50:56 ID:3jTw1niGO

やったっ! さっすが誠!
おれたちができないヘタレっぷりを平然とやってのける!
そこに痺れるっ! あこがれるぅ!(AA略


さて。俺も昨日予約したやつを仕上げるか……

126 :名無しさん@初回限定 :2007/02/02(金) 10:15:38 ID:CzJc6V5BO

ツマンネ

127 :昨夜予約を入れた高島一子を投下します。 :2007/02/02(金) 21:03:51 ID:mbcH9OOy0

『呪縛なし自縛霊自爆レタス添え』

 「ふぇぇ、ここはいったい何処なんでしょうか? と言うかなんで私はこんなところにいるんでしょうか?」
すでに薄暗くなりつつある森の中をあてもなく歩く一人の少女がいた。
その少女、高島一子(39番)の注意は見慣れない景色の方に向いていて、ほかのことに割くリソースはまったくないようだ。
まともな道はおろか獣道すらない森の中、当然足元が整地されているわけもなく、完全に前方不注意状態だった一子はすぐにその対価を支払わされることになった。
 「学院にこんなところはなかったはずですし、でもでも私は学院から離れられない幽霊三等兵の身、ということはやっぱりここは学院の中のはずで…
 ああ、もう訳が分かりませ……、ひゃああぁぁぁ!?」

ずべしゃっ!

伸びていた蔦に足を引っ掛け、盛大にずっこける一子。
完全に不意打ちだった上、さらに転んだところがぬかるんでいたからたまらない。
 「………」
倒れたままどうにかあげた顔は泥まみれの真っ黒けになっていた。

 「うぅぅぅ〜…さっきからいったい何なんですか!? 壁を擦り抜けようとしたら思いっきり鼻をぶつけるわ、小川を越えようと思ったら見事に落ちて濡れ鼠になるわ、
枯葉で足が滑って茨に突っ込むわ、あぁ、神様はなぜ一子にこのような試練を課すのですか!?
ただでさえまともな肉体すらない幽霊三等兵な私から壁抜けと浮遊をとったら何も残らないじゃないですかぁ!
それは確かに私聖人君子とは程遠いですし、冬はクリスマスとお正月を両方祝っちゃう典型的日本人ですけどこれはあんまりですぅ〜っ!
ああっ、もう父ちゃん情けなくて涙出てきた」

128 :呪縛なし自縛霊自爆レタス添え :2007/02/02(金) 21:09:04 ID:mbcH9OOy0

溜りに溜まっていた不満を一気に吐き出すようにまくしたてる一子。
そのまましばらく腐っていた一子だか、このままではどうしようもないと、起き上がろうとして…自身と同じく泥まみれになったパンを見つけた。
 「ああっ!? たたた大変です! 私の分として与えられた糧がぁ〜っ!!? せっかくここまで一口も手を付けずに持ってきたというのに…ん? 持って…きた?」
自分の言葉にようやく疑問を抱いたのはその時だった。
一子はすでにこの世からとっくの昔におさらばしてまともにモノに触れることすら出来ない身(瑞穂という例外はあるが…)
それがなぜ今までパン(と言うか支給品一式)を持ち歩けたのか?
そんな疑問とこれまでの数々の悲劇を結び付け、一つの結論を出すまでそう時間はかからなかった。

 「ああそうか、今の一子は壁抜けも浮遊も出来ない、けど足は地面に付けれるし、モノもフツーに持てるごくごくフツーの女の子になっているのですねっ!


 ………………って、ええぇぇぇぇーーーーっ!!? それは大変です!? これじゃあ私は幽霊三等兵はおろか、完全能無しお役御免の退役兵になってしましますぅぅ〜っ!!!」

つくづくオーバーなリアクションをする娘であるが、三つ子の魂百まで、馬鹿は死んでも治らない、これが彼女のデフォルメなので大目に見て欲しい。

 「はっ!? よくよく考えたらモノが持てるということはつまり今の私なら念願だったお姉さまに私のお茶をご披露するチャンスということじゃないですか!
こうしてはいられません!! 早速お姉さまの元にいってお茶を淹れて差し上げなければ! 待ってて下さいお姉さまぁぁぁぁぁーーーーっっ!!!」

一子はかばっと起き上がると森の中を一目散に駆け出した。もちろん瑞穂の居場所はおろか行く当てすら無かったが。

129 :呪縛なし自縛霊自爆レタス添え :2007/02/02(金) 21:11:05 ID:mbcH9OOy0

 「はぁぁぁ、よくよく考えたらココにはポットも茶葉も無いんでしたね。これじゃあお茶を入れて差し上げられません、というよりお姉さまは何所にいるんでしょう?」
誰にとも無く呟いてみるが、誰かが答えてくれるわけもなく、一子はその場で頭を抱えた。
 「分からないことが多すぎます、ここはひとまず情報を整理しましょう! まずは持ち物チェックです!」
そういうと一子はディパックをさかさまにして中身を自身の膝の上にぶちまけた。
 「え〜と、水と食べ物と〜、筆記用具に磁石に…これは地図でしょうか? あっ、名簿もありますね。それと………?」
一つ一つ中身を確認していた一子はその中に丸い緑色のボールのようなものがあることに気がついた。
とりあえず拾い上げて手で軽く叩いてみる。意外としっかりしていて、中身は空洞ではなく詰まっているような感じがした。
 「これは一体なんなんでしょう? ボーリングの球…にしては穴がないし、武器というからには爆弾!? …にしては間が抜けてるような感じがしますし、
もしかしてキャベツ…って、キャベツはこんなまん丸じゃ…」

 「ちぃとちゃうけど姉ちゃんだいぶいい線いっとんで」

 「うわぁっ!?」
突然威勢のいい関西弁に度肝を抜かれた一子は思わず球を投げ捨てた。が、球は地面につくことなくふわりと浮き上がり一子の目の高さでぴたりと静止した。
目と口しかない顔文字ような生命体(?)とばっちり目が合う。
 「ワイの名前はスフィアタム、略してタマちゃん(1208)や! 姉ちゃんの名前はなんて言うんや?」
 「え、えっと…一子、高島一子です」
 「そおかぁ、高島の姉さんやな、よろしゅう頼むでぇ、あっ、ついでに姉さん何所にいるか知らへんか?」
なにやら次々とまくし立てるをタマちゃん(1208)他所に、既に思考回路がパンクしていた一子はキャベツでいい線、ということはレタスでしょうか?
などと的外れなことを考えていた。

130 :呪縛なし自縛霊自爆レタス添え :2007/02/02(金) 21:13:37 ID:mbcH9OOy0

【時間:1日目・午後4時45分】
【場所:森の中】

高島一子
【所持品:支給品一式(あたりに散乱)】
【状態:高島一子、普通の女の子にもどりま〜す! タマちゃん発見。思考停止中】
【思考】
 1・キャベツ?レタス?
 2・お姉さまにお茶を淹れて差し上げる

タマちゃん(1208)【スフィアタム】
【所持品:なし】
【状態:(-・∀・-) 他のタマちゃんはいないようです】
【思考】
 1・姉さん何所にいるんやろ?
 2・高島の姉さんは何か知らへん?

131 :呪縛なし自縛霊自爆レタス添え :2007/02/02(金) 21:18:55 ID:mbcH9OOy0

備考【案】

高島一子について
>>4のルール【能力制限】項目にあるように生身の人間とほぼ同じ状態になっています。
・壁抜け、空中浮遊ほか幽霊らしいことは何も出来ません。
・幽霊状態の一子はモノを持つことも瑞穂以外の誰かに触れることも出来ませんが、現状ではどちらも出来るようになっています。
・当然、餓えも渇きもありますし、飲食もできます。

スフィアタム(タマちゃん)について
・人格つきの自爆魔力アイテムです。
・原作同様、自爆したタマちゃんは復活しません。
・自爆のタイミング及び相手は使用者が決定できます。
・本来は建物すら吹っ飛ばす程の爆発力を発揮できますが、今は制限がかかっていてそこまでの威力はありません。
・いわゆる対人用設定になっているので、目標の至近にいると巻き添えを喰うかもしれません。
・一子の手元にはありませんが、他のタマちゃんやタマちゃんの“もと”も何処かにあるかもしれません。

132 :名無しさん@初回限定 :2007/02/02(金) 22:05:22 ID:J5de7hJ80

投下乙。そしてGJ
やはり来たなタマちゃんw
ちゃんと番号もあるしwww
一子とはいろんな意味で面白いコンビになりそうだw

あと、
・森の中には小川が流れている
というフィールド設定も追加だな

133 :名無しさん@初回限定 :2007/02/02(金) 22:38:04 ID:3jTw1niGO

サブタイトル見た瞬間ギャラクシー・エンジェルのアニメ思い出したw

とにかくGJ!

134 :名無しさん@初回限定 :2007/02/03(土) 12:56:33 ID:RYQTbgwR0

ボーイミーツ・ア・マン(致死量)

さて。
聖杯戦争34番参加者、白銀武(しろがね たける)は当然ながら、この殺し合いにおいて生き残る事を希望していたのであったが、
どうにも状況は切迫の極みであり、それは壁に掛けられた彼の目論みの成功率がぎゅんぎゅんと下がっている事を示してもいた。
そんな彼は、今現在の小目標として信頼出来る旧友たちとの再会を目指していた。
幼馴染であり、輝ける黄金の大渦(ドリル・ミルキィ・パンチ)を持つ鑑純夏(かがみ みずか)と御剣冥夜(みつるぎ めいや)を筆頭に、
実に得難い人材ばかりがよくも自分の周りに集まったものであるなぁ、と、
健康かつ、少々自堕落なイチ高校生としては、自称天才である所の某理科教員の説を論拠にして、彼女らとの出会いを信じたくあった。
そうすれば、不思議と生き残れるような酷く漠然としてはいるものの、比較的マシな未来を描くことが出来た。

勿論、それは『ばるじゃぁのん』なる電磁媒体遊戯に興じる彼。
実に何不自由なく日々を過ごす現代人らしい感性の影響下ではあるが、彼なりの論拠に基づいてもいる。

一つ。あのモジャおじさんの言葉を信じるのならば、これは間違いなく人死にが出るデス・ゲームである事。
二つ。残念な事に、彼は極普通の一般人。聖杯だの何だのと言った異星系の言語にはとんと縁が無い。
三つ。得難い人材である所の彼の旧友と再会すれば、脱出、とまでは行かなくとも比較的生存の確率を増やせるに違いあるまい。
   と、言うのも御剣冥夜は剣の達人であり、また、その知性と決断力は彼自身の及ぶ所ではないし、
委員長と彩峰は高い運動能力と、ラクロスを経て培われた信頼と体力。
   鎧衣には、このような状況下では何より頼りに鳴る遭難時の生存自活、鑑からは明朗さと高い白兵能力を期待できる。

これだけあれば、例え宇宙怪獣が相手だって勝てるに違いあるまい。
白銀は、彼らの事を全く疑っては居なかった。

さて、ここで疑問に思われる方も居られるだろう。
そう。まりもちゃん、あるいは狂犬『神宮寺まりも』、及び白銀が呼ぶ所の三馬鹿、香月教諭、涼宮茜についてである。
後者三組については、幸か不幸か、白金は聖堂にてその姿を視認する事ができなかったのであるが、
問題は『神宮寺まりも』であった。

135 :名無しさん@初回限定 :2007/02/03(土) 12:57:10 ID:RYQTbgwR0

──あれ、絶対、まりもちゃんの皮を被った用心棒だよな、とは白銀武の述懐である。
要するに、彼女は少なくとも白銀の知る『まりもちゃん』などでは断じて無かった。
身に纏うのは、どす黒い憎悪。一直線にモジャおじさんを見つめて離さない瞳。
神宮寺まりもとは、白金武の知る限り、善良かつお人よしな女性であり──少なくとも、
刃のように鋭い目をあのような場でする女性で無い事だけは確かだった。
見た目も白銀の知る『まりもちゃん』と全く同じである所のその女性は少なからず混乱を誘ったが、
賢明な事に、白金は彼女の事を深くは考えなかった。

136 :名無しさん@初回限定 :2007/02/03(土) 13:00:11 ID:RYQTbgwR0

「いい物入ってろよ……」
ジジジー、とゆっくりとジッパーを下ろす。無論ズボンではなく、支給されたディバックである。
白銀からすれば、大慌てで否定すべき事であるが、彼はその瞬間高揚を覚えていた。
元より、対戦ゲームに熱中する少年が、この異常な状況下だ。
例え、思わず現状とゲームとを無意識に重ね合わせていたとしても、攻めるべきでは無いだろう。
何せ、ここが街中であれば黄色い救急車や国家権力の犬めらに大声で助けを求めたくなるような、
妄想じみた事を平気でやってのける連中だ。武器と言うからには、
ズビーーーー!!だとかドッキューーーーン!!だとかいう物が入っていると期待するなというほうが無理である。
第一、余りにも重過ぎるのだ。よしんば不思議兵器で無かったとしても、重火器に違いあるまい。
そう信じて、白銀武がジッパーを下ろすと……
『中には マッチョがみつしりと詰ってゐた』
そんな幻聴を聞いた気がして、ジッパーを閉める。
見なかった事にして深呼吸を数度。そして再び開ける。
『バックの中には パンティーを握り締めたマッチョがみつしりと詰ってゐた』
「い、いやぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!」
白金は己を制する事が出来ず、その口からハジケた悲鳴をほとばしらせていた。
無理も無かろう。鞄の中に詰っていたのは、色黒のマッチョ。
しかも、微妙にシミの付いた見知らぬ少女のショーツを握り締めて、その彼は緩みきった寝顔を見せていたのだから。
女性ならばまだ良かった。どう見ても男で変態です。本当にありがとう御座いました。
驚くな、と言うのが無理な話である。
「う……ぅうん」
と、呻きにも似た声を漏らしたのは色黒マッチョであった。
瞬間、真剣に貞操の危機を感じ、脱兎の如く逃げ出そうとした白銀に、言葉が投げかけられる。
その意外なほど、正気じみた言葉に白銀は思わず振り返る。
けれども、マッチョは太ましいその腕に、ショーツを握りしめたままであった。
「問おう。君が私のマスターか?」
「問おう。お前は新手の変態かぁっ!!?」

137 :名無しさん@初回限定 :2007/02/03(土) 13:05:02 ID:RYQTbgwR0

白銀武
【所持品:支給品一式(周辺にまとめて置いてある)】
【状態:アーチャー?を召喚。令呪・残り3つ】
【思考】1・奥さん、変態です!!
2・知り合い、同志を探す
3・言峰を倒す
アーチャー
【所持品:なし】
【状態:召喚される】
【思考】
1・君が私のマスターか?
2・○○に耽っていた所を呼び出される。英雄だって男の子!!

138 :名無しさん@初回限定 :2007/02/03(土) 13:15:27 ID:HWLz7BJEO

うはww
俺も武で書いていたところで先客が……w
ええと、気にせずに俺の書いた奴もあとで投下していいか?

139 :名無しさん@初回限定 :2007/02/03(土) 13:18:03 ID:RYQTbgwR0

いいんじゃね?
活気は大事だし。

140 :名無しさん@初回限定 :2007/02/03(土) 13:24:23 ID:HWLz7BJEO

わかった
じゃあ夕方以降、今日中には投下するよ

141 :名無しさん@初回限定 :2007/02/03(土) 14:39:04 ID:zu96x/ILO

さっそく被りが出たようですね。私も過疎具合ゆえ被りを気にせず投下に賛成です。
本筋になるかならないかの議論はそのうちやらなくてはならないとは思いますが、今は後回しでよいかと


で、ついでなんですけど現在執筆、若しくは構想している人は…
誠&君枝ペアの人と一子の人、茜他執筆中の人(IDが違うので多分違う人の筈)の他にどのくらい居ますか?
ちなみに私は今のところ読み專です

142 :115 :2007/02/03(土) 22:06:21 ID:Xf1ASyTy0

予約していた涼宮茜、周防院奏、高峰小雪の話を投下します
たぶん連投規制にひっかかると思うので、よろしければ回避よろしくお願いします

143 :涼宮茜の憤慨 :2007/02/03(土) 22:08:52 ID:Xf1ASyTy0

38番/涼宮茜は自身に支給された武器、S&W M60を片手に慎重に森を進んでいた。

彼女がまず最初に考え、そして決めたこと。それはもちろん親友である榊千鶴やそのクラスメイトたちとの合流だ。
千鶴たちと無事に合流できれば、きっとこの『戦争』などという名の殺人ゲームを打開する何かが掴めそうな気がするからだ。

「――それに、どんなに強い子でも1人じゃ不安だもんね」

――あの時、言峰綺礼という胡散臭い神父みたいな男は自分と同年代の1人の少女をなんの躊躇いもなく自分たちの前で殺してみせた。
生きていた人間が血と肉片と臓物を撒き散らし一瞬でただのモノに変わった瞬間……あの光景を思い出すだけでぞっとする。
心の奥底から恐怖という感情がまるでこんこんと湧き出てくる水のようにゆっくり、じわじわと生まれ、そして満ちてくる。
おそらく、それは他の参加者たちも同じだろう。今頃は恐怖に押しつぶされ、その結果、殺し合いに乗ってしまった参加者も少なからずいるのではないだろうか?
ああ、1人でいるということがこんなにも恐ろしくて不安なことだとは知らなかった。

「――って。なぁにビクビクしているのよ私は!? こういう時こそしっかりしないとね!」
そう言って茜は自分の顔を一度両手で軽くパンと叩くと「よし」と自身の気合いを入れ直し再び前へと歩み始めようとした。

ガサッ…
「ん?」

すると、少し離れた茂みからほんの僅かだが草を掻き分ける音が聞こえた。
――いや。こういう場合「聞こえた気がした」のほうが正しいのかもしれない。

144 :涼宮茜の憤慨 :2007/02/03(土) 22:11:43 ID:Xf1ASyTy0

(――もしかして……誰かが近くにいるの?)
茜はごくりと一度唾を飲み込み、持っていたM60を茂みの方にゆっくりと向けた。
もし茂みの中にいるのが人だった場合、殺し合いに乗っていないものかもしれないが、油断も出来ない。殺し合いに乗った参加者の可能性だってある。
「……そこに誰かいるの?」
試しに一度茂みの方に声をかけてみる。
もし隠れているのが殺し合いに乗っていない人間の場合、まずは落ち着いて話しかけるのが一番の方法だと判断したからだ。


「…………」
茂みからは答えはなかった。
それも無理はないだろう。こちらは銃を持っている。おまけにその銃口を相手がいるであろう場所に向けているのだから。
もし本当に人が隠れていた場合、そうむやみやたらに「いますよ〜」などと正直に答えるはずがない。むこうも自分が殺し合いに乗った参加者と思っているかもしれないからだ。
とりあえず茜は話を続けてみる。
「もし誰かいるなら聞いて。私は、こんな殺し合いなんて絶対に間違っていると思うの。だから私は仲間を集めてあの言峰って奴をやっつけてこの島から脱出したいと思ってる。
だから、もしあなたも同じ考えを抱いているならそこから出てきて姿を見せて。もちろん姿を見せるのが無理なら見せなくてもいいわ。そのかわり、返事だけでも聞かせて」
「…………」
それでも茂みからは何の反応もなかった。
――と思いきや、それから数秒後変化は訪れた。

ガサガサ…
「!」

再び茂みから草を掻き分ける音が聞こえてきた。そしてその音はどんどんこちらに近づいて来ている。
間違いない。やはり人だ。それにこちらに近づいて来ているということは、むこうも殺し合いに乗っていない者である可能性が高い。
だが油断は禁物だ。茜は一応銃は茂みの――音のする方に向けたままにしておいた。

ガサガサガサ……

ガサ……

145 :涼宮茜の憤慨 :2007/02/03(土) 22:12:46 ID:Xf1ASyTy0

――やがて、茂みの中から1人の小柄な少女が姿を現した。
少女は頭にステンレス製のやや大きめの鍋を被り、両手にはそのフタとおたまを持っていた。





「……これで準備は完了ですね」
43番/高峰小雪は森の中で自分の支給品を確認し、一通り準備を整えるとすっとその場から立ち上がった。
彼女の両手にはそれぞれ白と黒の計2振りの剣が握られていた。

――黒い陽剣・干将と白い陰剣・莫耶。
春秋時代に、呉王の命によって名工・干将が作り上げた夫婦剣である。
なぜそんな古い時代の代物がこんなところに存在するのか、という疑問もあるが、今はそんなこと言っていられない。
自身のマジックワンドである『タマちゃん』ことスフィアタムがない(おそらく主催が事前に取り上げたのだろう。用意周到なことで)以上、今はこれで戦っていくしかないのだ。
「殺し合いに乗ったほかの参加者たちよりも早く雄真さんや神坂さんたちと合流しなければなりません……急がなくては……」
そう呟くと小雪はたっと森の中を駆け出した。(が、駆けるといっても物音をたてぬように慎重にだ。普段ならば『早歩き』と表現したほうが判りやすい)

「おや……?」
少し移動したところでふと耳をすませると人の声が聞こえた。それも1人ではない。何か話をしているようだ。
(いったい何の話をしているのでしょうか……?)
小雪は草木の陰に身を潜めると、もう少し声がよく聞こえるように先ほど以上に慎重に近づいてみることにした。





「いきなり銃を向けたりして悪かったわ。私は涼宮茜っていうんだけど、あなたのお名前は?」
「す…周防院奏なのですよ……」
茜は早速目の前の少女――36番/周防院奏と話を始めた。

146 :涼宮茜の憤慨 :2007/02/03(土) 22:13:40 ID:Xf1ASyTy0

茜はすでに先ほどまで奏がいる方へと向けていた銃を下ろしているが、それでも奏は茜を警戒しているのか、ビクビクしながら自己紹介をした。
「奏ちゃん……ね。じゃあ奏ちゃん。単刀直入に聞くけど私と一緒に行動しない? 1人よりも2人でいるほうが安心だと私は思うんだけど……」
「た、確かに奏もそう思うのですよ……でも……」
「信用できない……まあそうよね。状況が状況だし。それに私は銃を持ってる。警戒されても当然ね」
茜は一度苦笑いをすると再び口を開いた。
「でもね奏ちゃん。考えてみなよ。もし私が殺し合いに乗っていたら、私は奏ちゃんが茂みから姿を見せた瞬間、即銃を撃っていると思うけど……?」
「あ……」
言われて見れば、といった感じで奏は一瞬はっとした顔をする。
「い、言われてみれば……確かにそうなのですよ」
「でしょ? それでも私が信用できないっていうなら私は諦めて別の人を探すわ。
その逆で、もし一緒に行動してくれるなら私は奏ちゃんに出来る限り強力する。もちろん、時には奏ちゃんの方に私の協力をしてもらったりするけど……」
「強力……?」
「そ。たとえば奏ちゃんがこの島で探したい人を私が一緒に探してあげたりとか……ね」
「探したい人ですか………」


奏は考えてみる。
確かに1人でいるよりは2人でいるほうが安全なことに間違いはない。
しかし、状況が状況。今は殺し合い、それも1人しか生き残れないという地獄のデスゲームの真っ只中だ。万一の場合裏切られるという可能性もある。
それに本当は茜はただ自分を利用しようとしているのではという考えも浮かんでしまう。

――別に奏は茜を疑っているわけではない。むしろ信用したいくらいだ。
だが、現状が現状なだけにこのような考えが頭によぎってしまうのも事実なのである。

147 :涼宮茜の憤慨 :2007/02/03(土) 22:15:50 ID:Xf1ASyTy0

「あ…あの。聞いてもいいでしょうか?」
「ん? なに?」
「茜さんはあの言峰って人を倒すと言ってました……でもそれって凄く危険なことだと思うのですよ?」
「うん。それは覚悟しているわ」
奏の問いに茜は頷いて答える。
「それなのに、どうしてそんなことしようと思ったのですか?」
「そうねえ………」
しばらくの間う〜んと考えた後、茜は再び口を開いた。

「……やっぱり、自分が正しいと思ったからかしら?
――私ね。この世界で本当に『悪い』奴はどんな奴なのかってことはだいたい判る気がするの。
この世界には悪いことする悪党は身近なところも含んでごろごろいるわ。ただ私たちが知らないだけでね。
だけど、そういう悪い奴らは何か深〜い理由があって悪いことをするから…う〜ん。こういうのも何か変だけど…まだ『いい』奴なのよ。
本当に『悪い』奴っていうのはね、『自分自身の為に弱い人を利用して、そういう人たちをただ踏みつけるだけの奴』のことをいうと思うの。
特にあの言峰って男は間違いなくそういう奴よ。悪者の匂いがプンプンする。この世界の全ての『悪』を凝縮したみたいにね。ただ自分が楽しいから私たちにこんなことをさせる。あいつは理由も何もない……間違いなく存在そのもの……生まれついての『悪』なのよ!
この島では、法律も規則も国家権力もなにも存在しない……だから私…いや。私たちがあの男を裁くの!」

「…………」
奏は目の前で言峰――そして、この殺し合いに対する怒りをあらわにする茜を見て、かっこいいと思う反面、そんな茜の姿がどこか自分の姉である宮小路瑞穂と似ていると思った。
それは瑞穂と茜が学院中の憧れの的であるエルダー・シスターと学園のアイドル(奏はそのことをもちろん知っているわけないが)という似たような境遇であるからこそなせるカリスマというものなのかはさだかではないが……

(――そうなのですよ。きっと瑞穂お姉さまもさっきの奏の質問には茜さんと同じようなことを答えたに違いないのですよ)

148 :涼宮茜の憤慨 :2007/02/03(土) 22:17:18 ID:Xf1ASyTy0

「――茜さん。奏は決めました。奏は茜さんと一緒に行くことにするのですよ」
「OK。そうと決まれば善は急げよ。まずは人が集まりそうなところへ行ってみましょ。もっと仲間を集めるためにね」
「はい! ……あ。そうだったのですよ。茜さん。これが奏に与えられた道具とその説明書なのですよ」
そう言って奏は自分が被っていた鍋とそのフタ、そしておたまを茜にじっくりと見せながら提げていたデイパックから説明書を取り出し、彼女に手渡した。
「ありがと。えっと、なになに……」



【忘れ得ぬ鍋セット】

ステンレス製の鍋とおたまのセット。
これで料理を作るもよし。水を溜めるもよし。
鍋本体をヘルメットの変わりに、フタを防具の変わりに、おたまを武器の変わりにするのもよし。使い方はあなた次第!
しかし1番のオススメ使用法は『空の鍋をおたまでかき混ぜながら逝っちまってる目をして相手に不気味な笑顔で微笑みかける』ことッ!
こうすればどんな相手もたちまちビビッて戦意喪失間違いなしだッ!



「…………」
説明書に目を通した茜はどう感想を述べればいいか判らなかった。
しかし1つ言えることがあるとするならば「この殺し合いの主催者はいったいどんな頭した連中なんだ!?」ということである。(まあ、それ以前に罪もない人々に殺し合いをさせる主催者の頭なんてたかがしれているが……)
「え…え〜と……奏ちゃん。正直これは支給品としては当たりなのかハズレなのか正直私には判断し辛いわ……」
「そうなのですか……確かに。奏もこれは一子さんの手に渡っていたほうがピッタリだと思ったのですよ〜」
「はあ……と、とにかく。まずはこの森を出ましょ。私が先を歩くから、奏ちゃんはその後について来て」
「はいなのですよ」
説明書を奏に返すと茜は自分のデイパックから地図と磁石を取り出し、それらを左手に、そして銃を右手に持つと再び森の中を歩き始めた。
――が。その足もすぐに止まってしまった。

149 :涼宮茜の憤慨 :2007/02/03(土) 22:18:31 ID:Xf1ASyTy0

「あの……そこにいる方々。ちょっとよろしいでしょうか?」
「ん?」
「はい?」
ふいに後ろから長い髪をした茜と同年代の少女――高峰小雪に声をかけられたからだ。




【時間:1日目・午後3時40分】
【場所:森の中】

涼宮茜
 【装備:S&W M60(.357マグナム弾 5/5)】
 【所持品:.357マグナム予備弾丸×20、支給品一式】
 【状態:奏と行動開始。小雪と遭遇】
 【思考・行動】
  1・え〜と…あなた誰?
  2・自身と奏の知り合い、もしくは仲間を探しに人が集まりそうなところに行く
  3・自身と奏の身を守る
  4・言峰(及び主催)を倒す

150 :名無しさん@初回限定 :2007/02/03(土) 22:18:38 ID:9OF7AZ0Z0

回避ですよお姉さまぁ〜

151 :涼宮茜の憤慨 :2007/02/03(土) 22:19:30 ID:Xf1ASyTy0

周防院奏
 【装備:ステンレス製の鍋、鍋のフタ、おたま】
 【所持品:支給品一式】
 【状態:茜と行動開始。小雪と遭遇】
 【思考・行動】
  1・誰なのですか?
  2・自身と茜の知り合い、もしくは仲間を探しに人が集まりそうなところに行く
  3・茜をサポートする
  4・茜さんはどこかお姉さまと雰囲気が似ているのですよ
  5・空のお鍋とおたまの組み合わせは一子さんのほうが似合うと思うのですよ

高峰小雪
 【装備:干将・莫耶】
 【所持品:支給品一式】
 【状態:茜と奏に声をかける】
 【思考・行動】
  1・茜と奏に声をかける(理由は後続の書き手さんにお任せします)
  2・神坂春姫、上条沙耶、伸哉、小日向音羽、すもも、雄真、式守伊吹、高溝八輔、柊杏璃、渡良瀬準と無事に合流したい
  3・以降不明(後続の書き手さんにお任せします)
 【備考】
 ※タマちゃん(スフィアタム)は島にはいないと思っています



【武器解説】
・S&W M60
 同社のM36のステンレスモデル。茜に支給されたのはその現行型である3インチモデル。
 M36同様『チーフスペシャル』もしくは『チーフス』の名で呼ばれる。
 3インチモデルは.357マグナム弾のほかに.38スペシャル弾の使用も可能。

152 :涼宮茜の憤慨 :2007/02/03(土) 22:21:12 ID:Xf1ASyTy0

・干将・莫耶
 黒いほうが陽剣干将。白いほうが陰剣莫耶。
 Fate原作中でアーチャーと士郎が最も多く投影した剣。原作での宝具レベルはC−。
 互いに引き合う能力を持ち、それを利用してブーメランみたいに飛ばした後相手を挟み撃ちにしたりしていた。(アニメ14話のアーチャー対バーサーカー戦)
 剣としての性能も高いが、巫術、式典用の魔術兵装としての側面を持つ。揃えて装備すると対魔術力と対物理力が向上する。
 蛇足だが、アーチャーがこれを最大用法するとオーバーエッジという出刃包丁じみた物騒な形態になる。(上と同じくアニメ14話。アニメで初出した設定で、そのためにわざわざ奈須がこやまにデザインしてもらったらしい)

153 :涼宮茜の憤慨 :2007/02/03(土) 22:22:49 ID:Xf1ASyTy0

>>150
回避ありがとうございました

154 :名無しさん@初回限定 :2007/02/03(土) 22:32:00 ID:Xm0oUqby0

加藤乙女と宮小路瑞穂で予約

155 :名無しさん@初回限定 :2007/02/03(土) 22:33:40 ID:9OF7AZ0Z0

投下乙、そしてGJ!
小雪先輩の真意やいかにって感じの引きがチョベリグ(死語)です

そうか、ゴトゥーザ様ネタはそっちもあったんだっけ・・・すっかり忘れてた

156 :名無しさん@初回限定 :2007/02/03(土) 22:53:17 ID:Xf1ASyTy0

香月夕子、西園寺世界、澤永泰介で予約

157 :名無しさん@初回限定 :2007/02/04(日) 02:25:24 ID:969TYbsc0

お〜、だんだんおもしろくなってきてる。
みなさんがんばれ。

そろそろ1人死人が出るかな?

158 :黒と白の騎士 :2007/02/04(日) 04:00:44 ID:A8jF6TFW0

「ねぇ、これからどうすんの?戦場の経験は豊富だって自慢してたけど」
加藤乙女は隣を歩いている”支給品”に向かって話しかける。
「そうですね…オトメはまだ人を殺めたことはないとのことですので、まずは手始めに1人適当な誰かを見繕って初陣と行きましょうか」
”支給品”の物騒な言葉にも乙女は動じない…もう何でもありだ、とその顔に書いてある、がそれでも少し顔からは血の気が引いている。
それを見てその”支給品”、煤けた金髪と金の瞳を持ち黒い鎧を纏った少女の姿をした”支給品”が鼻を鳴らして笑う、
その音が乙女には耳障りに思えてならなかった。
「大丈夫です、私も初めて人を斬った時は失禁し吐いてしまったものです、ですがすぐに慣れる…指南は任せてください」

話は少し前に遡る。
「逃げないでいただきたい、マスター」
ディバッグから現れた”支給品”に首根っこを掴まれがくがくと身体を振るわせる乙女。
自分では結構肝が据わっていると思っていたのだが、やはりこんな非現実的な状況を前にしては逃げださずには居られない。
それでも、もともと自信家なだけあって多少は震えも落ち着いてきた、
それに背後の気配からは少なくとも敵意は感じられない…ゆっくりと振り向く。
(まだ子供?)
少しだけ拍子抜けしたが、その子供の外見を上から下まで見て慌てて第一印象を訂正する。
確かに見た目は自分と同じか下手すると年下にも見える女の子だが、
黒い鎧を纏ったその身から放たれる威圧感、そして何よりもギラギラと不吉に輝く黄金の瞳、
死者のごとき白い肌、よく見ると黒い鎧にもなにやら侵食されたような赤い亀裂のようなラインが走っている。
「少しは落ち着いたようですね、では改めて問います、貴女が」
「ねぇ…その前に下ろしてくれないかな」
未だに首筋を掴まれたままの乙女の言葉に”支給品”は苦笑するのだった。

一通りの自己紹介と説明が終わり、2人並んで腰掛け空を眺める。
「アンタ何でも言うことを聞いてくれるの?」
乙女の問いにアルトリアと名乗る黒騎士は淡々とした口調で応じる。
「そのためのサーヴァントです、ただし力の及ぶ範囲であればの話ですが」
「じゃあ」

159 :黒と白の騎士 :2007/02/04(日) 04:01:23 ID:A8jF6TFW0

力の及ぶ範囲、という言葉が妙に気に障った。
「人を殺して欲しいって言ったら?」
「お安い御用ですよ」
即答するアルトリア、困らせようとしていた乙女は言葉に窮する。
「いるのですか?貴女にとって殺すべき相手が」
いる…と即答したいところだったがやはり言葉が出ない…たしかに桂言葉は自分にとって、
殺してやりたいくらいにムカつく存在だが…だがそれでもそれを口に出してしまうと自分の中の何かが、
崩れてしまう。そんな気がしてならなかった。
「迷っているのですね」
乙女の顔を覗き込むアルトリア、黄金の瞳がまた輝く…禍々しいにも関わらず逸らすことが出来ない。
「話聞いてくれる?」
自分を落ち着かせるかのように乙女は自分の中に溜め込んでいた桂言葉への憎悪と伊藤誠への思慕の念を、
アルトリアへと語って聞かせるのだった。

「ならば話は簡単ではありませんかオトメ」
話を聞き終わったアルトリアの金色の瞳がギラリと輝く。
「そのコトノハなる売女を殺せばいいのです、貴女の心のままに」
「でも…」
膝の上に置いた手を握り締める乙女。
「誠がそれでアタシのことを好きになってくれる保障なんてないし…だから余計ムカつくんだよね」
乙女の手を包み込むようにそっと握り、微笑むアルトリア。
「ならばマコトも殺せばいい、己の物とならぬのならばいっそ貴方の胸の中で永遠の生を与えればそれでよいではありませんか」
「アンタ!」
アルトリアの手を振り解く乙女、だがそれでも視線は彼女の顔から離すことができない。
「私と同じように…」
「じゃあアンタ…」
乙女の問いに皮肉げな笑みを浮かべるアルトリア
「ええ…僅か数日の逢瀬に過ぎませんでしたが、私にも愛しい者ががいました…ですが…」
それまでの蕩けるような微笑みがみるみる間に怒りの形相へと変わる。
「あの女が…あの売女が私から全てを奪った!私をこのような身体に変えてしまった上に…己の境遇と肉体をダシにして
私からシロウを奪ったのです」

160 :黒と白の騎士 :2007/02/04(日) 04:02:40 ID:A8jF6TFW0

(シロウ?どこかで聞いたような?)
少し視線を逸らす乙女にも構わず、アルトリアの鬼気迫る独白はまだ続く。
「なのに彼は騙されているとも知らず、己をすり減らしてあの女を何度も救おうとし…だから私は」
彼女の脳裏に浮かぶはかの大空洞…対峙するはかつての主にして、誰よりも愛しい男…
だがその瞳はもう彼女のことは見てはいない…だから。
『余力を残してどうするというのです』

「そして彼は私の腕の中で果てたのです…」
身の毛もよだつような独白はこうして終わった。
「じゃあ…じゃあつまりアンタは…」
惚れた男を自分の手で殺した…そう続けようとしたが歯がカタカタと震えて言葉にならない。
だが、逃げ出したい恐怖と同時に、乙女は目の前の黒騎士に対して奇妙な親近感を抱いていた。
(似ている…)
そう、確かに彼女と自分は似ているように思えてならなかった、それに
(どうせ殺し合いなんだよね…だったらさ)
自分はまたとない強力な武器を手に入れたのではないだろうか?
「分かったわアルトリア、組みましょう…アンタがアタシに力を貸してくれる限り、アタシもアンタに力を貸す…ええと
こういうの等価交換っていうんだっけ?」
乙女の言葉に我が意を得たかのように頷くアルトリア
「これより我が剣は貴方と共にあり、貴方の運命は私と共にある。ここに契約は完了した…貴女の勝利を約束しましょう」

そして話は元の時間軸に戻る。
「じゃあアンタを戦わせようとする場合はコレを使えばいいわけね」
拳の紋章をアルトリアに見せる乙女。
「そうです、この令呪を用いて命令して頂かなければ我々サーヴァントは戦えません」
不思議そうに令呪を見つめる乙女、だがそれを見やるアルトリアの目は冷たい。
そう…彼女は嘘を付いていた、何も令呪の縛りなくとも戦うことは充分に可能なのだ。
つまり彼女は己を縛る戒めから一刻も早く解き放たれたい、ただそれだけだ
主を騙している罪悪感などもはや無い、そのような余計な物はあの泥の中でとうの昔に捨てた。
ましてここにはシロウが誰よりも愛しき人がいるのだから…。
(待っていてくださいシロウ…え、もっと早く?申し訳ありません色々準備があるのですよ…ククク)

161 :黒と白の騎士 :2007/02/04(日) 04:06:41 ID:VWGuNs6q0

加藤乙女とアルトリアがかりそめながら主従の誓いを結んだころ

「じゃあセイバーさん、あの神父は」
「ええ…言峰綺礼、恐るべき男です」
瑞穂の言葉に答えを返しながらも上の空のセイバー…。
(シロウ、また貴方と会える)
その心はもう果たすべきサイカイへと飛んでしまっていた。
だが、不安がないわけではない。

確かにシロウの存在をマスターたる瑞穂の口から聞いたときは思わず泣いてしまうほど嬉しくて仕方がなかった。
たとえここが絶望の地であっても、また再び巡り合える機会を与えてくれたのだから。
だが、瑞穂と少しずつ言葉を交わしていく間に、セイバーの心の中にとある疑問が芽生えた。
「あの…ミズホ、今はいつ?なのでしょうか」
いつ?と問われて困惑した瑞穂だが、自分のいた時間だと気が付いて正直に応じる。
「XX年XX月XX日だけど」
その瞬間、落胆で視界がぐらつくのをセイバーは感じていた。
瑞穂の告げた時間は自分たちが出会った第五次聖杯戦争よりも数ヶ月前、
つまりまだ衛宮士郎は聖杯戦争に参加しておらず、したがって自分のこともまだ知らない。
「どうしたのですか?」

また涙ぐむセイバーの顔を拭いてやろうとして思わず硬直してしまう瑞穂。
しかし彼とて男、絶世の美少女の泣き顔は刺激的に過ぎる。
「申し訳ありません…騎士たる者涙を見せてはならぬと…」
だがそれでもセイバーの目から涙は止まらない…となると必要以上に関わるべきではないと思いつつも、
手を差し伸べてしまうのが宮小路瑞穂たる所以だ。
「ワケがあるのでしたら…是非お聞かせくださいませんか」
「…」
セイバーの言葉に絶句する瑞穂、どう答えていいのか分からない。
ただその辛さ、苦しさは充分理解できる…自分ならどうなのだろうか?
もし自分が彼女と同じ立場で、紫苑やまりやや奏が自分の事を知らない世界に紛れ込んでしまったら…。
(耐えられない…多分)

162 :黒と白の騎士 :2007/02/04(日) 04:07:12 ID:VWGuNs6q0


そこで自分の顔を心配げに眺めているセイバーに気が付く瑞穂、もう涙は止まっている。
「ごめんなさい…でも辛くてもやっぱり」
会わないよりは会ったほうがいい、そう告げようとした瑞穂を笑顔で制するセイバー、話すことが出来て楽になったようだ。
「辛いかもしれません…もしかしたらこの世界のシロウは私以外を選んでいるかもしれないですがそれでも構わない、
私はいかなる場所、いかなる時においてもシロウが愛し守りたいと思うものを愛し守る、それで満足です」
そう微笑むセイバーの姿のまぶしさをただ見つめるだけの瑞穂、

「じゃあ、とにかくそのシロウって人とリンって人を探しましょう、それにわたしも会ってみたいから」
社交辞令ではなく本気で瑞穂は思っていた、こんなステキな人をここまで惚れさせる人なのだ。
どんなに立派な人なのだろうか?
しかしセイバーはこれもまた笑顔でやんわりと断りを入れる。
「貴方にもいるのでしょう?大切な人がこの地に、それに今の私は貴方のミヤノコウジミズホの騎士です、
それを蔑ろにしてしまえば私のシロウはきっと怒る」
「でも…」
言いかけて瑞穂は止めた、これ以上はこの気高き騎士を侮辱することになる。
「わかりました、ならまずは私の友人たちを探すのを手伝ってくださいませんか?」
我が意を得たとばかりに頷くセイバーだった。

「しかしマスターとザーヴァントはどこかに共通点があるものですが」
2人で並んで歩きながら瑞穂の姿を見て興味深げに呟くセイバー、不思議そうに見返す瑞穂。
「いえ、私も生前は性別を偽って生きてきたものですから」
いきなりの看破に肩をビクッと跳ね上げる瑞穂。
(ば…バレてる)
「あの…その」
うろたえまくりの瑞穂に向かって微笑むセイバー。
「大丈夫ですその苦労は骨身に染みています、ですから誰にも言いませんよ」
「は…はは」
渇いた笑いで返す瑞穂、趣味って思われてたらやだなと思いながら。

163 :黒と白の騎士 :2007/02/04(日) 04:18:39 ID:VWGuNs6q0

【時間:1日目・午後5時45分】
【場所:浜辺】

加藤乙女
【所持品:支給品一式】
【状態:通常。令呪・残り3つ】
【思考】
1:桂言葉への殺意

黒セイバー
【所持品:なし】
【状態:通常】
【思考】
1:表面上乙女に従う(令呪を早く消費させたい)
2:間桐桜に復讐 、シロウに会いたい

【時間:1日目・午後5時45分】
【場所:耕作地帯】

宮小路瑞穂
【所持品:支給品一式】
【状態:通常。令呪・残り3つ】
【思考】
1・知り合いを探す、セイバーを士郎に会わせてあげたい
2・言峰を倒す

セイバー
【所持品:なし】
【状態:通常】
【思考】
1・瑞穂に従う、シロウに会いたい

164 :名無しさん@初回限定 :2007/02/04(日) 04:42:37 ID:s5TvrwonO

ちょwww
黒セイバーwwwww

165 :昨日投下できなかった武の話投下します :2007/02/04(日) 09:37:57 ID:s5TvrwonO

トリーズナー武

白銀武(39番)は森の中をがむしゃらに突っ走っていた。
「待ってろ純夏、今行くからな!」

武は純夏がスタートする際に「教会から出たら、そこから真ーっすぐ進んで、少し離れた所に隠れて待っていろ」と彼女に言っておいた。
見知らぬ地のため明確な合流地点は決められなかったが、そのほうがすぐに合流できるだろうし、なによりも安全だ。
こういう場合、あちこち動き回っているほうがかえって危険なのである。
――周りに注意の目を向けずただ前ばかり見て走っている彼の身も充分危険だが……

「そうだ。走りながらになっちまうが、俺が貰った物を確認しておかなきゃな」
武はそう言うと右手でデイパックのファスナーを少しだけ開け、そこに右手を突っ込んでごそごそと中を漁った。
しばらく漁っていると、なにやら片手でも余裕で掴めるサイズの堅い塊に手が触れた。
「ん? なんだこれ?」
武は直ぐ様それを掴んでデイパックから取り出した。

「…………おいおい。これってもしかして手榴弾ってやつか?」
デイパックから出た右手に掴まれていたもの……それは安全ピンが付いたスプレー缶のような代物――スタングレネードだった。
音と閃光により対象から戦闘力を一気に奪いとる非殺傷兵器――なのだが、本物など見たことがない武にとっては『ピンが付いたもの』=全て『ドカンと爆発する手榴弾』である。(別に間違ってはいないが)

「こ…こりゃあ取り扱いには充分気を付けなきゃいけねえな……」
それに殺傷力は皆無であることなど知らず武は恐る恐るそれをデイパックに戻した。
ちなみに武が支給品の説明書を取り出してその真相に気付くのは少し先の話である。



166 :トリーズナー武 :2007/02/04(日) 09:40:22 ID:s5TvrwonO

「そろそろタケルちゃんも来る頃かなあ?」
鑑純夏(09番)は座っていた木の根元から一度立ち上がると周りの様子を確認してみた。
このあたりは草木が少し密集しているため隠れるにはもってこいのエリアだが、その反面、隠れている方も周辺の様子を目視しづらいというデメリットがあった。

「う〜ん。やっぱりよく見えないよ〜」
純夏は生い茂る草木のあちこちの隙間から顔を出したり、遠くへ目を向けてみたが武や他の参加者の姿は全然確認できなかった。

「ま…まさか……タケルちゃん私に気付かずにとっくに通り過ぎて行っちゃったとか……!? うわーん! だとしたらひどいよう!!」
周囲に純夏のそんな声が響き渡る。
だがそんな純夏の声は誰の耳にも聞こえることはなかった――――はずだった。

――純夏の背後から、がさりと草木が掻き分けれる音が聞こえたような気がした。

「!? タケルちゃん!?」
やっと武が来てくれたと思い、純夏は即座に振り向いて音がした方へと近づいて行った。
しかし、次の瞬間姿を現したのは武ではなかった。


「えっ?」
黒い鉄の塊を右手に持った純夏よりひとつ、ふたつほど年下に見える少女が泣きながら凄い形相で純夏を睨み付けていた。
純夏はすぐに彼女が持っているものが銃であることに気が付いた。

「うわああああ! お願い、死んで! 死んでしまえぇ!!」
少女は純夏の姿を確認するとそう叫びながら銃口を純夏に向けた。

167 :トリーズナー武 :2007/02/04(日) 09:42:40 ID:s5TvrwonO

「ひっ!?」
純夏は直ぐ様その場から逃げだそうとした。
しかし次の瞬間、足元に生えていた草に足を取られて転んでしまった。
「あっ!?」
転んでもすぐに四つん這いになり、そのまま少しでも遠くへ逃げようとする。
純夏のそんな様子を見た少女はどこか安心感を感じていた。

「あは…あははははは……怯えてる。そんなに怖い? ぶるぶる捨てられた子犬みたいに震えながら逃げ出したくなるほど怖いんだ」
「嫌っ! 嫌ぁっ!! 来ないでえ!!」
けたけたと不気味に笑いながら少女は一歩、また一歩と純夏に近づいていく。
純夏も慌てて四つん這いで逃げていくが、徒歩と四つん這い歩きだ。どちらが速いかなど一目瞭然である。
「あははははは……! 七海が目の前でばらばらになっちゃって、世界たちはみんな伊藤にべったりで、澤永なんて話にならない……!
みんなきっと私が邪魔で鬱陶しくてしょうがないの。そういう目で私を見るの。
だからきっとみんな私を最初に殺しに来るに決まってる! だから殺すの!
殺される前に皆、みぃんなわたしが殺して、殺して、ころしてやるの!
そう。みんな殺す殺すころすころすコロスコロス……殺すのおおおおおお!!」
(お…おかしいよぉ……)
純夏はだんだん近づいてくる少女にさらに怯えながらその場を一歩一歩四つん這いで逃げていく。立ち上がりたくても身体に力が入らないのだ。

(殺される! 殺される! 私はここでコロサレル!
そんなの嫌だ……嫌だよ!
死ぬのは怖いよ。このままタケルちゃんたちに出会えずに1人寂しく死んじゃうなんてイヤだよ!
タケルちゃん。怖いよ。助けてよ。タケルちゃん……タケルちゃん……タケルちゃん……)

「タケルちゃーーーーーーん!!」


「純夏ああああああああああああああああ!!」

168 :トリーズナー武 :2007/02/04(日) 10:16:00 ID:s5TvrwonO

純夏の耳に誰かの叫び声が聞こえた。
その声が聞こえるのと同時に、純夏の視界に1人の少年が飛び込んできた。
――そう。それは紛れもなく純夏が待ち望んでいた白銀武その人であった。
――もし、本当に神様という者がこの世に存在するのならば、それはこのような瞬間(とき)を生み出すために存在するのであろうか?


「!?」
突然の武の出現に少女は一瞬驚愕した。
しかし、直ぐ様銃口の先を純夏から武に向け直し、そして引き金を引いた。
それと同時に、武が少女に向けて持っていたスタングレネードのピンを抜き取り、投げ付けた。


――辺りは一瞬にして激しい閃光と音に包まれた。




「――か! ――みか! すみか!! しっかりしろ!! 純夏!!」
――誰かの声がする。
耳にするととても安心する声。
ああ――そうだ。この声は………


「タケル……ちゃん……?」
「純夏!」
ゆっくりと目を覚ました純夏を武が慌てて抱き抱える。
「大丈夫か!? 俺が誰だか判るか!? どこも怪我はしていないか!?」
「…………ふふっ。なに慌ててるのさータケルちゃんは? 私はぜんぜん大丈夫だよ〜」
そう言って純夏は武の手を借りてゆっくりと立ち上がった。

169 :トリーズナー武 :2007/02/04(日) 10:19:04 ID:s5TvrwonO

「ね?」
立ち上がった純夏はくるりと武の方を向いてにこりと微笑んだ。
「あ…ああ……」
それを見た武も安心してほっと肩を撫で下ろした。

「……ねえタケルちゃん……」
「ん? なんだ?」
「バカーーーーーーっ!!」
「ぐほおおおっ!?」

いきなり純夏の必殺技、どりるみるきぃぱんちが武に炸裂した。
わけも判らず殴られた武は松井秀喜や王貞治もびっくりするほど綺麗なアーチを描き、そのまま数メートル後方まで吹っ飛んだ。

「い…いきなりなにす……」
「なにするだーっ!」ではなく「なにするんだ!」と言おうとした武だったが、純夏の顔を見た瞬間、彼は口を閉ざした。

――純夏は泣いていた。

「純…夏……?」
「うっ……ううっ……来るのが……遅すぎるよおっ……」
「…………」
「うくっ……ひくっ……す…すごく……こわかったんだぞおっ……!」
そう言うと純夏はがばっと武に抱きつき、そしてまた泣いた。
「…………ごめんな……」
武はそう呟くと純夏の頭をやさしく撫でた。何度も撫でた。



170 :名無しさん@初回限定 :2007/02/04(日) 10:22:40 ID:RK6W38Iz0

回避

171 :トリーズナー武 :2007/02/04(日) 10:24:55 ID:s5TvrwonO

「タケルちゃん……あの女の子は……」
「大丈夫だ。殺しちゃいねーよ。おまえといっしょで気絶しただけだ」
森の中を歩きながら武と純夏は先程純夏を襲った少女――黒田光(22番)のことを思い出していた。

「あいつは……たぶん怖かったんだと思う……」
「うん……」
「目の前で友達を殺されて……その恐怖に耐えられなかったんだろうな…………」
「うん……」

武は無言で自分の制服のズボンの腰のところにねじ込んでいた銃を手に取った。

ワルサー P38――先程まで光が持っていたものだ。
光が目を覚ました後、また誰かを襲わないようにと武があの後に予備のマガジンと説明書ごと取り上げたのだ。

――あの時、光は確かに銃の引き金を引いた――しかし、弾は出なかった。
安全装置が外されていなかったからだ。
光が錯乱していたこと、そして彼女に銃の知識がなかったからこそ起きた結果だ。それは、武にとってまさに『幸運』と呼べた。
もし、あの時安全装置が外されていたら……武はすでにこの世にはいなかったかもしれない。


――武は考える。
純夏のことを。冥夜のことを。
慧、千鶴、壬姫、尊人のことを。
そして先程純夏を襲った光や島にいるほかの参加者たち、あと……あの言峰のことを。

――この島に連れてこられた人々にはなんの罪もないはずだ。
それなのにあの言峰という男は突然そんな自分たちをどのような方法を使ったのかは判らぬが拉致し、いきなり「殺し合え」と宣言した。
――そして、そんな言峰に反発した光の友達は見せしめのために言峰に殺された……
なんの躊躇いもなく。なんの躊躇もなく……

172 :名無しさん@初回限定 :2007/02/04(日) 10:27:20 ID:RK6W38Iz0

kaihi

173 :トリーズナー武 :2007/02/04(日) 10:28:25 ID:s5TvrwonO

(――絶対に許さねえ……!)
武の中で主催者――言峰に対する怒りがさらに溢れてきた。
(言峰綺礼……てめえはこの俺がいつか必ず直々にぶちのめす!
そして……俺を殺さなかったことを後悔させてやるぜ……!)

それは紛れもなく武の主催に対する反逆――宣戦布告だった。


武はちらりと純夏の横顔を見た。
たとえ今自分たちがいる場所が地獄であろうとも、そこにいるのは普段と変わらない……いつもの鑑純夏だった。
武のかけがえのない大切な日常の象徴――それが今でも武の傍にいる。
武はそれが嬉しかった。
そして、その存在こそ自身が守らなくてはならないものだとも……

「純夏……」
「ん? なあに、タケルちゃん?」
「――おまえは絶対に俺が守ってやる。だから……絶対にみんなで生きて帰ろうな……!」
武はそう言うと純夏にやさしく微笑んだ。
そして純夏も――
「――うん!」
武に負けないくらいやさしく微笑み返した。


(――絶対に……守り抜いてみせるぜ……!)
そう決意しながら武は森の木々の隙間から見えるもう直日が沈みそうな空を眺めた。


174 :トリーズナー武 :2007/02/04(日) 10:31:18 ID:s5TvrwonO

【時間:1日目・午後4時】
【場所:森林地帯】

白銀武
 【装備:ワルサー P38(9mmパラベラム弾8/8)】
 【所持品:ワルサーの予備マガジン(9mmパラベラム弾8発入り)×3、スタングレネード(×4)、ほか支給品一式、携帯電話(改造品)】
 【状態:健康】
 【思考・行動】
  1)純夏以外の友人、知人を探す
  2)純夏を守り抜く
  3)みんなで無事にもとの生活に帰る
  4)言峰を直々にぶちのめす

鑑純夏
 【装備:なし】
 【所持品:萌えTシャツ、ほか支給品一式、携帯電話】
 【状態:健康】
 【思考・行動】
  1)タケルちゃんとみんなを探す
  2)置いてきた光が心配(複雑だが)

175 :名無しさん@初回限定 :2007/02/04(日) 10:32:43 ID:RK6W38Iz0

kaihi

176 :トリーズナー武 :2007/02/04(日) 10:33:21 ID:s5TvrwonO

【時間:1日目・午後3時15分】
【場所:森林地帯】

黒田光
 【装備:なし】
 【所持品:ランダムアイテムとその説明書以外の支給品】
 【状態:気絶中】
 【思考・行動】
  1)気絶中(目を覚ました後の精神状態・行動は後続の書き手さんにおまかせします)
 【備考】
  ※他のゲームに乗った参加者に見つからないように安全な場所に寝かせています





【武器詳細】
・ワルサー P38
 第二次大戦期にドイツで開発された安価且つ信頼性の高い名銃。
 日本ではルパンV世が愛用する銃として有名。

177 :名無しさん@初回限定 :2007/02/04(日) 10:41:10 ID:RK6W38Iz0

乙。そしてGJ
こっちのシリアスな感じの武もいいな

178 :名無しさん@初回限定 :2007/02/04(日) 10:41:32 ID:s5TvrwonO

>>170 >>172 >>175
回避thx.


ロワ書くにあたってネタ集めとして久々にマブラヴ〜オルタをぶっ続けでプレイしたから
タケルちゃんがやけに熱血に……w

179 :名無しさん@初回限定 :2007/02/04(日) 13:52:10 ID:SovkNtyo0

変態と武の続き書いていいかい?

180 :名無しさん@初回限定 :2007/02/04(日) 14:02:58 ID:s5TvrwonO

スレ活性化のためにどんどん書いちゃってください

181 :名無しさん@初回限定 :2007/02/04(日) 14:58:33 ID:RK6W38Iz0

スタート後これまで登場したキャラとその行動などをまとめてみた

01/彩峰慧     耕作地帯から村(南側)へ。(午後12時35分)
03/伊藤誠     森林地帯。君枝と遭遇。早くもヘタレ化。(午後3時25分)
05/戎美凪     森林地帯。マーダー化。(午後2時5分)
06/衛宮士郎    海岸沿い。伸哉と行動する。(午後3時くらい?)
09/鑑純夏     森林地帯。武と合流(午後4時)/武を待つ(午後1時)
11/桂心      森林地帯。言葉と行動。(午後1時35分)
12/桂言葉     森林地帯。心と行動。性格はスクイズというよりサマイズっぽい。(午後1時35分)
13/加藤乙女    浜辺。黒セイバーと契約。言葉に殺意(半マーダー化)。(午後5時45分)
15/神坂春姫    刹那と行動。まずは誠を探す。(午後2時)
17/上条伸哉    海岸沿い。士郎と行動する。ランサーを召喚。(午後3時くらい?)
20/清浦刹那    春姫と行動。まずは誠を探す。(午後2時)
22/黒田光     森林地帯。気絶中。(午後3時15分)/未行動
25/小日向音羽   新都付近。おそらくすももと新都へ。(午後3時45分)
26/小日向すもも  新都付近。おそらく音羽と新都へ。(午後3時45分)
27/小日向雄真   森林地帯。マーダー化(午後4時)
34/白銀武     森林地帯。純夏と合流(午後4時)/アーチャーと出会う。奥さん、変態です!(時間不明)
36/周防院奏    森林地帯。茜と行動開始。小雪と遭遇。(午後3時40分)
37/菅原君枝    森林地帯。誠と遭遇。(午後3時25分)
38/涼宮茜     森林地帯。奏と行動開始。小雪と遭遇。(午後3時40分)
39/高島一子    森林地帯。タマちゃんと出会う(午後4時45分)
43/高峰小雪    森林地帯。茜と奏に話しかける。(午後3時40分)
58/宮小路瑞穂   耕作地帯。セイバーと契約。まずは友人たちを探す。(午後5時45分)

現在これまでの行動が一応判明しているのは以上の22名。
調べてみて面白いと思ったことは、後者の武だと、まりも、三馬鹿、香月教諭、涼宮茜がエキストラ編(もしくはオルタ)の者たちである可能性があること。(茜は君のぞ版の可能性もあり)

182 :名無しさん@初回限定 :2007/02/04(日) 15:36:35 ID:s5TvrwonO


少なくともあと39人(予約で3人登場するみたいなので36人?)は未登場がいるのか
ズガン(初登場で死亡)はあまりさせたくないからちょっと大変だな。まあ頑張って書くけどね(苦笑


というわけで小渕みなみ、三枝由紀香、柊杏璃で予約

183 :名無しさん@初回限定 :2007/02/04(日) 22:58:04 ID:KiVW6/nO0

で、結局どっちの武を採用するわけ?

184 :名無しさん@初回限定 :2007/02/04(日) 23:07:48 ID:28i7T4dLO

ハカロワ3方式でどっちの続きか明記した上で続きを書いていってまともに続いた方を本筋にすればいいんじゃない?
個人的にはシリアスverの方が好きだけど…
いぬかみっ!モードの続きも見てみたいし…

185 :名無しさん@初回限定 :2007/02/05(月) 02:57:15 ID:iOUncGvX0

>>いぬかみっ!モードの続きも見てみたいし…

ここからシリアスVerにつなげてみようか?
確か、武と純夏の出発時間には結構差があるし。

186 :シリアスにつなげるのは無理でした。ごめん :2007/02/05(月) 04:28:21 ID:iOUncGvX0

正義!!(ジャスティス!!)アーチャー仮面 (いぬかみっ!!ルート)

あーるー時は正義の味方。あーるー時は悪魔の手先。良いも悪いも状況次第。
ぴゅーっと何処へ行く。掃除屋アーチャー。

少し、説明を挟みたいと思う。
聖杯戦争、とは本来であれば七騎のサーヴァント──殆ど『魔法』の域である所の使い魔のような物──同士が、
彼らを呼び出したマスターと呼ばれる、主に魔術師からなる人間と共に戦う戦争である。
ここで言う魔法とは、人間には実現不可能な技術であり、それゆえにソレらを使う者達は畏敬の念を込めて魔法使いと呼ばれている。
それは兎も角。
本来そうであるから、と言って今回の異常な聖杯戦争でもサーヴァントが本来通りであるとは限らなかったのであった……!

アーチャーを呼び出した藪から離れ、木立の中で木を背に一人と一体は座っていた。
自己申告によれば、視力が良い、と言う所であるアーチャーの提案によって、である。
どちらかと言えば、真昼である事から彼には藪の中の方が安全にも思えたが、白髪頭によれば、
いざと言う時に備えて逃げ道は確保しておいた方がいいらしい。

187 :名無しさん@初回限定 :2007/02/05(月) 04:29:03 ID:iOUncGvX0

「……」
ところで、武は、アーチャーと不可思議な名前を名乗った怪人の、主に頭部を凝視していた。
「なんだ。惚れたか?」
「惚れるかっ!!それよりもその二等辺三角形を今すぐ脱げ……っ!!」
と、言うのもアチャ男の頭には、先程彼が握り締めていたショーツがすっぽりとはまり込んで居たので。
おまけに、ここまでの道中と言うものアーチャーは何やらブツブツと訳の解らぬ事を呟いてはどこからとも無く下着を取り出してもいた。
本来であれば、こんな間違いようの無い変質者からは1secでも早く逃げ出したい白銀ではあったが、
そうも言っていられない理由があった。
言うまでも無いが、デス・ゲームの最中である事と、アチャ男なる変質者が述懐した所を意訳すると
「ごしゅじんさまぁ〜」となったからである。見るからに屈強な青年ではあるが、きっとバックの中に閉じ込められている内に、
精神に異常を来たしたのやもしれぬ。そう考えれば憐憫の情が武とて沸かぬでは無かったがやっぱキモイのでやめておきます。

さてさて。
変態のレッテルを張った輩に尻を向けるのは大変に危険ではあるから仕方がなしに武はアーチャーに向きなおり、
改めて君は何であるか、どうして鞄の中にディバックの中などに(女性の下着を握り締めて)入って居たのであるかと尋ねかけた。
そうすると、黒い服だけを身に纏った白髪男は何やら眉を歪めて難しい顔をしたのであるが、
すぐに、彼が見る所どう見ても一般人である所の白銀武へと口を開いたのであった。

188 :名無しさん@初回限定 :2007/02/05(月) 04:29:45 ID:iOUncGvX0

「それよりも先ず、君は一般人のようだが……どうして聖杯戦争に参加しているんだ?」
「いや……そんな事言われても訳わからねぇよ!目を覚ましたら教会みたいな所に居て……いきなり殺しあえだなんて……
って言うか、質問に質問で答えたらテストで0点って知らないのかよ……」
進むにつれしぼんでいく武の言葉に(恐らく、日常を懐かしがっているのだろう)、何やら下着兵は考え込むような様子を見せた。
彼が考えている事柄は幾つかあったが、先ずは現状確認をしなければなるまい。
目の前にいる、どうにも頼りなくも見える少年ほどではあるまいが、彼もまた常ならざる登場によって混乱していたのである。
躊躇い無く下着を被っているのだし。下着しか出てこない。
(彼が気づかなかった事ではあるが、何か詠唱も『あいあむ・まいぼーん・おぶ・■■■』に変質していた)

──我輩はサーヴァントである。名前は思い出せない。
ふと気づくと鞄の中でぎうぎう詰つておつた所を、見知らぬ少年に拾われたのであつた。
なんでさ。

まあそこまでは良いとしよう。何故、このぱんてぃを肌身離さずもつておらねば霊体より実体化する事も叶わないのかも置いておく。
しかし、それらを差し引いたとしても、現状は余りに異常だ、と遅まきながら白髪は理解した。
前述したが、聖杯戦争とは本来魔術師が行うべき闘争。だが、目の前に居るのはどう見ても一般人。
少年に二等辺三角形の令呪があり、パスが通っているとは言え、さっぱり魔力自体は送られて来ない事からもそれは解る。
このままで居る限り己が命は幾ばくも無かろう、と瞬間的に予想するが彼にして見れば大した事では無い。
サーヴァントが聖杯戦争にて死ぬは定め。今更恐るるには足らぬ。

189 :名無しさん@初回限定 :2007/02/05(月) 05:45:44 ID:iOUncGvX0

おぼろげながら生前の記憶はある。人としての知識もある。今回が、第五回聖杯戦争だ、とか
それに順ずる常識、知識は恐らく聖杯からのものであろう。
だが、それはあっと言う間に闇の中に飲まれてしまって定まらない。
──どうにも嫌な予感ばかりがしていた。
まるで、本来であれば正常である筈の『サーヴァント』こそが異常であるかの如く。

要するに、己は様々において制限されているらしく、今回の聖杯戦争は類を見ぬ程異常であるらしい。
そこまで考えて忘れていた事を思い出し、アーチャーは再び口を開いた。

「マスター、私は君のサーヴァントだと言ったが」
やはり奴隷とな!?ある意味告白とも取れる言葉に尻を押さえて武は戦慄するが白髪はニヒルな笑みを浮かべると言葉を続けて、
「いやいや、我が事ながらとんだ迂闊だ……状況が状況とは言え、ろくに説明も無しに連れ出してしまうとは」
そう言うと、まず君に危害を加えるつもりはない、と前置きを付けて、
「説明を忘れていたのは済まなかった、が、私も状況が掴めなくてね」
つまりそれは、語り合えと言うことだろうか、と武は考える。
じっ、と目の前の男を見る。額に輝くのは白い下着。その現実を直視せよ。
「でも、とりあえず頭のブツは脱いでくれ。いや、頼むから脱げ」
ごめん無理。しかし、次の瞬間のアチャ男は
「今はそんな事を話している場合では無いだろう。と言うか、脱ぐと私も困る。理由は聞くな。聞かないでくれ」
彼は彼自身にエクスタシィ。

190 :名無しさん@初回限定 :2007/02/05(月) 05:47:21 ID:iOUncGvX0

はてさて。
一体これはどうした事であるのか。ため息の一つでもつきたい気分であった。
他人の性癖は何であろうと尊い!と自己に言い聞かせて白髪と会話を交わした武は聞くに付け語るにつけ、
余りにどんよりとした状況への疲れと、目の前の男への戦慄を強めていったのであるが、
それはそれとして有用な(しかし多くはアーチャーにとっては常識であった)情報もまた多くあった。
聖杯戦争と呼ばれる物について。サーヴァントと呼ばれる物について。そして、彼自身の(冗談としか思えぬ)様々について。
終始白髪の物言いに圧倒されていた彼ではあったが、比較的素直に受け取る事が出来たのは現代っ子故であった。
待てど暮らせど一向に姿を現さなかった友人達の安否も気になる所であるが。

──まぁ、サーヴァントの状態が確認できると聞き、目を閉じた時、まぶたの裏に浮かんだイメージが下着だったのには、
思わず、教えられたばかりの令呪で『ではアーチャー、自害せよ』と衝動的に言いたくなったものだが。
EXではきっと変態仮面が出るに違いあるまい。危険である。

一方で、アーチャーにとっても白銀武がもたらした情報は実に恐るべき物であった。
62名もの人間の殺し合い。アーチャーは、その多くがただの少年少女なのだと言う武の言葉を額面通りには受け取らなかったが、
いかにこれが異常事態であるか、と言う考えには確信を抱くにいたっていた。
そも戦争である。その報酬は聖杯──つまりは、万能の大釜と言う破格極まりないもの。
万金を積もうが手に入れたがる輩の数は限りないであろうし、そうであるからには持てる戦力の全力を尽くすは当然である。
一瞬思い浮かべたのは代理戦争と言う言葉。力を望む者共が、己の手を汚さぬ為に考えだした手段であった。
しかし、ただの空想であろうそれは切捨て、武の口から此度の聖杯戦争の形式を聞き終わると、
彼は現実的に何をすべきか、と言う思考へと移って地面の上にふんぞりかえった。

191 :名無しさん@初回限定 :2007/02/05(月) 05:48:42 ID:iOUncGvX0

「マスター」
「武でいい。それとアンタの事はアーチャーと呼ぶからな」
「それは解ったがね。武、君は以後私の指示に従ってもらいたい」
「はぁ!?アーチャー、あんた、俺の支給品なんだろ」
素っ頓狂な声で反論する武にアーチャーはくい、と被り物(パンティ)を正すと少年を小ばかにするような皮肉っぽい表情を浮かべ答えた。
「いや何、君が余りに頼りなく思えたのでね。お互い、せっかく参加したのだから生き残らなければ損という物だろう。
心配はいらん。私に任せて、君は精々後ろでガタガタ震えていてくれれば良い。
むしろ私もこんなパンツしか投影できない状態で巻き込まれたくないから、なるべく参加者とは戦わずに済む方法を模索したいんです」
アーチャーは実に現実的な男であった。
「今、本音が混じらなかったか?それに、俺は純夏や冥夜達と──」
「なんでさ。この状況で合流を望むなど下策もいい所だぞ、武。それは美徳かも知れないが、どうやって合流すると言うのだ」
鼻息を吹くと、武はディパックから携帯電話を取り出した。御剣財閥謹製の特別製である。
正直に言えば彼は、アーチャーの態度が気に食わず、自らの誇るべき友人達を示す事でその鼻っ柱をへし折ってやりたくなったのだ。
フルカラーの液晶を眺めつつ、慣れた手つきでピポパ。
携帯電話は使えないのではないか、と言う言葉に、まあ見てなってと切り返す。

「もしもし、冥夜。繋がってるか」
数回のコールの後で繋がった受話器の向こう側へと、武は気安い調子で言葉を投げた。
「」
「おかしいな……冥夜?」
が、返事は返らない。何かにこすりつける音だとか、そんな僅かなノイズが聞こえるばかり。
「冥夜……冥夜?おい!」
「」
返事が──返事が無い!?武の顔が、瞬間的に真っ青になったのをアーチャーは見た。
誰かに見つかったらどうするつもりだ、と言う静止の言葉にも構わず何度も冥夜、と叫ぶ。

192 :名無しさん@初回限定 :2007/02/05(月) 06:28:25 ID:9jaUX3FMO

もしかしてもしかしなくても書きながら投稿してる?
もしそうなら投下する前にメモ帳かワードで全部書いてからコピペすることを奨める。
直書き投下だと誤字脱字とか話の流れの推敲とかが疎かになるし、過疎ってるとはいえ他の人の投下と被ったりするから、正直直書きは止めてもらいたい。

193 :名無しさん@初回限定 :2007/02/05(月) 06:30:25 ID:iOUncGvX0

「へぇ──あの子」
そんな、うすのろな電波が届けた声を聞いた。
「誰だ手前ぇ!!冥夜に何しやがった!!答えろ!!!答えやがれ!!」
「そんな事はどうでもいいよ。ああ、それから……」
携帯電話に対して、立ち上がって激昂する武を見て、白髪は事態を察するが声はそれよりも早く言葉を投げかけていた。
「私の名前は三枝由紀香(みつえだ ゆきか)。それじゃね」
その名前を最後に、ぷっつりと電話の声は途切れた。同時に、がくり、と武の腕が垂れ下がる。
顔は呆然としていたし、足はしだいにがくりがくりと震え始めている。

冥夜が……?あの冥夜が!?

電話口から現れた声は、白銀武の心を一発の銃弾をも使う事無く打ち砕かんとしていた。
彼の脳裏には、声の主が本当は冥夜と合流した別の参加者であり、今のそれはその誰かの悪ふざけに違いあるまいと言う妄想が
もくもくと立ち上っており、慌ててかけなおすものの、返ってくるのは着信拒否、と言う冷たい言葉ばかり。
とりつかれたように携帯電話を弄くる武に、ややあってアーチャーが口を開いた。
「君の友人か?」
答えは無く、ボタンを操作する電子音がその代わりだった。
くそっ、そう吐き捨てると携帯電話をズボンのポケットに突っ込むなり、ディバックを引っつかんで走り出そうとする。
「落ち着け。君の友人が死んだ、とは限らないぞ」
「じゃあ何で違う奴が出るんだよ!冥夜は……冥夜は、こんな所で死ぬ奴じゃ無い筈なんだぞ!!」
「だからこそ、だろう。君は自分が生き残る事を考えるべきだ」
「何でだよ……冥夜が、冥夜が危ないってのに」
ふん、と息を吐くとアーチャーはさも失望したかのような声で言った。
「犬死するつもりか?そんな男の友だと言うなら、冥夜とか言う奴もたかが知れている」
「──ッ!」
「だから、と言って私に八つ当たりをするのは止める事だ、白銀武。
今、君に出来る事は冥夜と言う者の生存を信じる事で、すべき事は生き残る事だ」
「けど……」
アーチャーにしてみればそれは失笑ものの言葉であったが、早々に武に死んで貰う訳にもいかないと言う思惑があった。
召喚の手続きが甘かったのか彼は色々と混線した状態ではあったが、サーヴァントとしてはマスターの勝利は望む所であるし、
彼自身にしても、何故か聖杯には酷く惹かれていたのだった。

194 :名無しさん@初回限定 :2007/02/05(月) 06:31:36 ID:iOUncGvX0

「アーチャー、俺」
アーチャーは次に何を言うべきか慎重に吟味していたが、不意に武が口を開く。
「やっぱ、皆を探しに行きたい」
それは真摯な言葉であったが、白髪頭の想定通りでもあった。
「……なぁ、駄目か?」
考える。ここで、否定する事は容易い。生き残る事を目的とするなら、好機をじっと待つべきであろう。
一度動き出す事を覚えてしまえば、容易くその選択肢を目の前の少年は繰り返す気がした。
が、それは主従の間に不和を巻く原因ともなろうし、後々を見据えるなら武器も欲しい。
戦闘の経験は兎も角、サーヴァントとしての己が今や、間違いなく並以下である事は彼自身が一番良く解っていた。
果たして。どちらがより賢い選択であろうか。下着兵は目を瞑り熟考を始める。
やがてアーチャーが目を開き、被り物の端を風に揺らしつつ、言った。
その顔は鉄のようであったが、髪の毛は丁二つに割れている。
「了解した。精々気をつけろ、マスター」

【時間:1日目・午後17時00分】
【場所:木立の中】
白銀 武
【所持品:支給品一式(周辺にまとめて置いてある)】
【状態:アーチャー?を召喚。後ろの方に危機を覚える。令呪・残り3つ】
【思考】
1・知り合い、同士を探す
2・冥夜を探す
3・言峰を倒す
アーチャー
【所持品:なし】
【状態:召喚される。召喚事故があったらしく弓兵から下着兵に。赤い外套、及びマスターからの魔力供給無し】
【思考】
1・サーヴァントの役目に則って、マスターを生き延びさせる
2・武器を探す
3・出来るだけ交戦は避けたい

195 :名無しさん@初回限定 :2007/02/05(月) 06:33:56 ID:iOUncGvX0

>>もしそうなら投下する前にメモ帳かワードで全部書いてからコピペすることを奨める。

いや、一応そうしてる。
ただ連投規制に引っかかっちゃってね。

196 :名無しさん@初回限定 :2007/02/05(月) 07:31:06 ID:9jaUX3FMO

>>195
そうか、変に疑って正直スマンカッタ
いや妙な間が何度となく開いたから早とちりしちまった。
とりあえず言峰に歯向かってぬっ殺されてくる。ノシ

197 :香月ひとり並行世界調査班 :2007/02/05(月) 13:14:05 ID:U7jISup90

どうもみなさん、こんにちは。知らない人ははじめまして。わたくし、澤永泰介(31番)という多分どこにでもいそうな普通の学生でございます。
原作では親友の伊藤誠のあまりのヘタレっぷりのほうが目立ってしまっているせいで、どうも影が薄いキャラという扱いを受けておりますです。ハイ。

――さて。そういう話は今は置いておいて。話を進めましょう。
今わたくし――いや俺は、聖杯戦争などという殺し合いゲームに巻き込まれてしまっている最中でございます。
さらに、今俺の目の前には銃を持った白衣姿のおねーさんがその銃の銃口を俺に向けているではありませんか!!
無論、現在俺はホールドアップしているわけなのですが……さて、なぜこんな状況に置かれているのでありましょうか?



「あ…あの〜そろそろその物騒なものを下ろしてくれませんかねえ〜……?」
「ああそれは無理よ。まだ貴方が本当にこの殺し合いに乗っていないと確信できたわけじゃないからね」
泰介に銃――コルト・ガバメントを突きつけている女性、香月夕子(24番)はさらりとそう言い放った。

「だ…だから俺は本当に乗ってないんですよ! これから知り合いを探しに行こうとしていたところで……
それに俺に支給されたモノをよぉ〜く見てくださいよ! ハズレのハズレ、大阪名物ハリセンだぞ!? これでどうやって人を殺すっていうんスか!?」
そう言いながら泰介は大慌てで自分のデイパックからそれ――ハリセンを取り出した。
おまけとばかりにそれで近くの木を2、3回スパーンと叩いてみせる。

「――確かに、それじゃあ人は殺せないわねェ……」
「でしょ!? だから俺をさっさと解放して……」
「だから言ったでしょ。それは無理。無理なものは無理。確かに今は乗っていないかもしれないけど、いずれ何かしらの理由で殺し合いに乗る可能性だってあるもの。だから黙って貴方を行かせることはできないわ」
「んな無茶苦茶な……」
「――ところで貴方……澤永といったわねェ?」
「今度は何デスカ?」
「――貴方はこの世界の『可能性』というものを考えたことがある?」
「は?」

「突然この女は何を言い出すのだ?」と泰介は思った。
そんな彼の疑問はつい知らず、夕子は語り始める。

198 :香月ひとり並行世界調査班 :2007/02/05(月) 13:15:57 ID:U7jISup90

「この世界は……全て確率から成り立っている……つまり、その構成の謎を解き明かせば人間は特別な世界に飛び立つことが可能になる……」
「はぁ……?」
「この世に存在する可能性は無限大……そのひとつ、ひとつが別の世界としてこの世のどこかに存在するッ!
私たちが普段暮らしていたあの世界も、今ここで起きている聖杯戦争というゲームも、そしてそれにあたしたちが参加させられているのもそのうちのたったひとつに過ぎない!
あらゆる可能性が存在するぶんだけ『並行世界』――たとえば、あたちの世界では存在するはずがないものが普通に存在する世界とかがあってもおかしくはない!
その証拠としてあの言峰綺礼という男はこんな言葉を言っていた! そう、『魔術』!! あたしたちが存在していた世界などには存在していない……あるはずがない神秘!
それをあの男はまるで『普通に存在している』かのようにさらりと言ってのけた! つまりっ! この島はありとあらゆる可能性がひとつに交錯している場所――『クロス・ゲート』だといっても過言ではないッ!」

――次々と泰介にはわけのわからないことを論じていく夕子。
「某ミステリー調査班のメンバーもきっとこんな感じで毎回リーダーのメガネの電波理論を聞かせれていたんだろうなあ……」とそんな夕子の話を嫌々聞かされている泰介は心の奥底でそう思った。
おそらく今の彼女には聖杯戦争も殺し合いも関係ないのかもしれない。
そう。自身が今まで立証しようとしていた並行世界の存在――その存在の謎を解き明かせるかもしれない千載一遇の好機が訪れたのだから。

しかし、今夕子が言っていたことにはひとつ間違いがある。
それは、実は『魔術』というものは彼女や泰介――そしてこの殺し合いに参加している全ての参加者が住んでいるこの世界にはもともと存在しているモノだということだ。
魔術、およびソレを酷使する者たち、魔術師は普段はそのことを表向きにせず、正体と存在を隠しているだけに過ぎないのである。
――そのことがアダとなり今回彼女をここまで暴走させていることになったのだが…………

199 :香月ひとり並行世界調査班 :2007/02/05(月) 13:16:55 ID:U7jISup90

――それと関係ない話だが、キシュア・ゼルレッチ・シュバインオーグという1人の魔法使いがこの世界には存在する。
万華鏡のごとく、同時に運営される並行世界を『個』として移動できる『第二魔法』の使い手である。頻繁に俗世と関わる変人で、はるか未来の常識を体現していると言われている男だ。
もし、夕子がこの男と出会えたら、彼女は間違いなく喜びで発狂寸前までイッてしまってもおかしくないだろう。



「――とまあ、兎にも角にもあたしはこの機を使ってそれを完全に立証しようと考えているわけ。そういうことなのよわかった!?」
夕子が話を終えたのは話を始めてから数十分、いや下手をしたら1時間以上の時が過ぎた後だった。
よくこの間に他の参加者――特に殺し合いに乗った者が現れなかったものである。

「……すいません。俺にはさっぱりわかんね〜っす…………」
いつの間にかぐったりと近くの木にもたれかかっていた泰介はいろいろな意味で痛くなった頭を押さえながら答えた。
「ふむ……どうして白銀といい貴方といい、みんなあたしの言っていることを理解してくれないのかしら……?」
そんな泰介を見て、夕子は自分の言ったことにどこか間違いでもあっただろうか、と思った。



「――なんか女の人の馬鹿でかい声が聞こえると思って来てみたら…………澤永、あんたなにやってんの?」
「ん?」
「あ? ――おお、西園寺じゃないか!!」

近くで人の声がしたので夕子と泰介がほぼ同時に目をそちらの方へ向けると、そこには呆れた顔をした泰介のクラスメイトである西園寺世界(28番)がつっ立っていた。


200 :香月ひとり並行世界調査班 :2007/02/05(月) 13:21:28 ID:U7jISup90

【時間:1日目・午後3時30分】
【場所:森林地帯】

澤永泰介
 【装備:ハリセン】
 【所持品:支給品一式、携帯電話(旧式)】
 【状態:健康】
 【思考・行動】
  1)西園寺じゃないか!(とりあえず俺を助けてくれないか?)
  2)夕子のもとから(いろんな意味で)早く逃げたい。誰か助けてくれ……
  3)誠たちと合流したい
 【備考】
  ※泰介の携帯はかなり古い機種でカメラも付いていない(原作1話参照)

香月夕子
 【装備:コルト・ガバメント(.45ACP弾 7/7)】
 【所持品:予備マガジン(.45ACP弾7発入り)×3、支給品一式】
 【状態:健康】
 【思考・行動】
  1)澤永の知り合い?
  2)並行世界の存在を立証する。(殺し合いには乗る気も乗らない気もないが、邪魔するものは容赦なく力ずくでねじ伏せるつもり)
  3)とりあえず、まりもや武たちと合流できるならば合流したい

西園寺世界
 【装備:なし】
 【所持品:支給品一式(ランダムアイテム不明)、携帯電話】
 【状態:健康】
 【思考・行動】
  1)澤永と……なんか変な人がいる
  2)誠と刹那を探す

201 :名無しさん@初回限定 :2007/02/05(月) 20:06:17 ID:oJYn+wMH0

ところで時間表記は必要かなあ?
結構他のロワだと首絞めてる場合が多いような気がする
あと、MAP無いの?

202 :名無しさん@初回限定 :2007/02/05(月) 20:09:58 ID:iOUncGvX0

時間表記とMAPは、でっちあげ、と言うと聞こえが悪いが
程度の差こそあれ、スパイス程度の意識で良いんじゃね?

203 :名無しさん@初回限定 :2007/02/05(月) 20:40:07 ID:U7jISup90

51/蒔寺楓、53/間桐慎二、55/御薙鈴莉、56/美綴綾子で予約します

204 :名無しさん@初回限定 :2007/02/05(月) 20:54:53 ID:0Sq3AebMO

200レス越え、投下された作品数も20越えたし、
そろそろまとめWiki作るか?

205 :名無しさん@初回限定 :2007/02/06(火) 14:59:11 ID:e7WTNP/bO

>>201
葱ロワUは参加者のスタート時間がはっきりしてるし、あと放送があるから一応あったほうがいいと俺は思っている。
MAPの方は>>202と同じくスパイスみたいなもんだと思ってる。
三大ロワもリレー当時はMAPなんてなかったし……


あととりあえず保守

206 :名無しさん@初回限定 :2007/02/06(火) 18:00:46 ID:qUAALB5hO

しかしラストの準にゃんがスタートしてから1時間後には第一回放送があるんだよぁ…
一回目から死者出そうとすると確実に出番一回こっきしになるキャラが出てきそうだ…


くそっ、文章力のなさが恨めしい。この間からシチュ妄想ばかり広がリングしまくってるのに…orz

207 :Miss flying victory :2007/02/06(火) 18:27:01 ID:V5D4ePQX0

蒔寺楓(51番)は教会から少し離れた森の中で、腰を下ろし一度ため息をついた。
まさかこんなことに巻き込まれるとは。昨日まで普通に学園生活をエンジョイしていたというのに。
――しかし、いつまでもそんな悲観にひたってはいられない。自身がスタートしてそろそろ5分以上が経過した。次の参加者が教会を出た頃だろう。

「早いとこ由紀っちたち見つけて合流したいけど、さすがに1人じゃ不安だからねえ……」
そう呟くと彼女は自身の手にある支給品をちらりと見る。
――手榴弾。それが1つ。
足元に置いてある自身のデイパックにも同じものが何個か入っている。


あの時、言峰綺礼という男はこんなことを言っていた。
――『参加者の中には魔術師や魔法使いなどといった普通の人間ではない者たちがいる』。
それはつまり、自分がよく映画やマンガとかフィクションの世界で見るバケモノみたいな強さを持った連中が自分たちの中にいるということだ。
(そういった奴らが本当に存在していたなんて未だに信じられないけどさ……)

楓は考える。もしそんな連中に出くわした時、はたして自分は生き延びられるかと。
――仮にそういった者と遭遇しても相手が殺し合いに乗っておらず、かつ味方になってくれたらそれは心強いことこの上ないが、乗っていた場合はどうすればいいだろうか……
まあ、自身は(自称)『穂群の黒豹』という異名を持つ陸上部中距離のエースだ。万一遭遇しても逃げることくらいなら不可能ではないだろう。
だが、問題は陸上部マネージャーで運動オンチの三枝由紀香(29番)だ。
同じ陸上部でなおかつ走り高飛びのエースである氷室鐘(49番)や弓道部主将で天敵の美綴綾子(56番)はともかく、由紀香は正直そういった連中に太刀打ちできる気がしない。

(あたしが行くまでなんとか生き残ってなよ由紀っち……!)
楓は立ち上がると教会の方へと一度足を戻すことにした。
「まだ美綴たちが教会にいたからね……ちょ〜っと不本意だけど、あいつらの力を借りますか……」

208 :Miss flying victory :2007/02/06(火) 18:27:55 ID:V5D4ePQX0

歩き始めて少ししたところで、楓は早速人影を見つけた。
「お。美綴かな?」
すぐさま人影の方に近づいていって接触を試みる。
もちろん近づくのは慎重にだ。いきなり飛び出していったら相手が持っていた銃か何かで撃たれてズガンなんてことになったら話にならない。

「お〜い。そこの!」
「ん?」
ある程度近づいたところでまずは声をかける。人影の正体は楓も一応面識がある人物だった。

――間桐慎二(53番)。楓たちのクラスである2年A組ではなくC組の生徒だが、美綴と同じ弓道部の副主将だ。たまに美綴や元弓道部の衛宮士郎(6番)と一緒にいるところをよく見かけたことがあった。
それに、どこかワカメみたいな髪型(天然なのか本人がセットしているのかは誰も知らない)だがそのルックスから女子にはもててるから彼の名前は学園中で結構耳にしている。

「――ああ。誰かと思えば美綴のクラスの奴じゃないか。薪寺だっけ? 僕に何か用?」
自意識過剰な性格で他人を見下している節があると美綴は言っていたが、こうして2人っきりで話していると確かにその通りだなと楓は思った。
だが、いきなり攻撃をしてこなかったところを見る限り、今のところ自身に敵意はないようだと確信した楓は話を続ける。

「ああ。え〜と…ほら。今こんな――殺し合いなんて状況じゃん?」
「まあそうだね。物騒な話だよねホント」
楓の言葉に慎二は苦笑いをして軽く肩をすくめてみせる。
「あたしは由紀っちを探したいんだけどさ。さすがに1人だと危険だし、それに正直に言うと心細いからさ、もしよかったら一緒に行動しない?」
「一緒に?」
「そうさ。それなら1人でいるよりは確実に安全だし、お互いが探してる奴もすぐ見つけられるかもしれないし、もしかしたら……この島から脱出する方法も見つかるかもしれないでしょ?」
「――脱出?」
『脱出』という言葉を聞いた途端、慎二の顔が突然真剣そうな表情になった。

「――脱出したいのかい、薪寺?」
「そりゃあ……人殺しなんてしたくないし、何よりこんな島いつまでもいたくないって、気が狂いそうでさ」
「ふぅん……そうなんだ……」
慎二はそう言いながら一瞬ニヤリと微笑むと、くるりと後ろを向いて楓から数歩距離をとった。
少し離れていた互いの距離がさらに離れた。

209 :Miss flying victory :2007/02/06(火) 18:29:01 ID:V5D4ePQX0

「間桐?」
「なあ薪寺。魔術師とか魔法使いのことどう思う?」
「へ? あ……ああ、あの言峰って奴が言っていたことか。確かに、あたしもどんなバケモノじみた奴なのかって気になるけどさ……」
「でも、そいつらは今この島に張られている結界でその能力を制限されている……」
「そうそう。そんなことも言ってたね。で。それがどうしたの?」
「――実は僕の家……間桐の一族ってさ、魔術師の家系だったんだよ」
「へえ…そりゃあ凄い……って、な…なんだってーーー!?」
慎二の口から語られた驚愕の真実に楓は思わず叫び声を上げてしまった。

――魔術師? 間桐が? 目の前にいるこの普段と別に変わったところなんて見当たらないワカメヘアのこの間桐が!?
信じられない……だけど、こいつが嘘をついているようにも思えない……

「……まぁ、今は知識のみが存在するだけでさ。魔術は教えてもらってないんだけど。僕には魔術師に必要な魔術回路というものがないんだとさ。
……それでも、僕は間桐の……魔術師の家系の人間だ。それがどういうことか判るかい?」
「さ…さあ……?」
「はぁ…頭悪いな薪寺。つまり……これはある意味チャンスなんだよ」
「チャンス?」

――チャンス……いったいどういう意味でチャンスなのだろうか? あたしには判らない。
そんなあたしのことなどまるで眼中にないかのように間桐は自分のデイパックを開け、その中に手を入れてごそごそと中身を探り始めた。

しばらくして間桐の手がピタリと止まった。
――後姿だから表情は判らなかったが、間桐は喜んでいるように見えたのは気のせいだろうか?

「聖杯戦争っていうのは、もともとは魔術師たちが『根源』に通じる門である聖杯を求めて最強の座を賭けて行う殺し合いのことを言うらしいんだ」

間桐が振り返る。間桐の顔は笑ってはいなかった。
その顔はなぜか真剣そのもので、どことなく…………怖かった。

「勝者は聖杯の力でどのような願いもひとつだけ叶えることができる……」

210 :Miss flying victory :2007/02/06(火) 18:35:27 ID:V5D4ePQX0

デイパックから出てきた間桐の手には黒いモノが握られていた。
あれは……そう。拳銃だ。でも、どうして今ソレを取り出したのだろう?
――ああ、そうか。万一の時にもすぐに使えるようにってことか。なるほど。

「だったらいい機会じゃないか……」

間桐が持っている銃を一度ガシャリと鳴らした。
その動作はあたしも知っている。確か安全装置を外すための動作だ。
――あれ? でも何で間桐は今ソレを外したんだろう?

「僕はその聖杯の力で正真正銘の魔術師になってみせる……」

間桐の銃を持つ手がだんだん上へと上がっていく…………
!? まさか、まさか――

「そして証明してやるんだ。式守や上条や高峰や御薙の人間……そして遠坂に……」

間桐がなんか言っているが、あたしにはもうなんて言っているのか聞こえない。
それよりも……

「誰が最強の魔術師かってさぁ!!」

間桐の手が止まる。その手には銃。
そして、その銃口の先にいるのは…………

まさかまさかまさかまさかまさかまさか――!?


「ああああああああああああああああッ!!」
「なっ!?」

211 :Miss flying victory :2007/02/06(火) 18:37:49 ID:V5D4ePQX0

――気がついたら、あたしは間桐が銃の引き金を引くよりも早く、持っていた手榴弾のピンを抜いて間桐の方に投げつけていた。
その時の光景はスローモーションのように凄くゆっくりと流れているように感じた。
人は事故など己の身の危険に遭遇した瞬間、体内や脳でアドレナリンやらなにやらが分泌され一瞬が何秒、何分にも感じられるとどこかで聞いたことがあるが、確かにその通りだと思った。


――――爆発。




「爆発!?」
御薙鈴莉(55番)はスタート早々森の中から爆発音を聞いた。
早速殺し合いに乗ったものが他の参加者と接触し、戦闘が始まったようだ。
「ここから遠くはない……まさか、雄真君たちじゃ……!?」
戦っているのが自身の実の子である小日向雄真(27番)や教え子の神坂春姫(15番)でないことを祈りつつ鈴莉は爆発音がした方へと駆け出した。




「…………」
楓はゆっくりと起き上がると自身の体と目の前の光景を確認した。
――幸い自分は怪我はしていない。どこも撃たれていなかった。
「――間桐は……?」
目の前には楓が投げた手榴弾の爆発の影響で爆散した木々があちこちに倒れていた。
しかし、当の慎二の姿はどこにも見当たらなかった。

「逃げた……? いや。あの爆発で吹っ飛んでそう簡単に逃げられるものじゃあない……ということは…………」
『死んだ』と口に出そうとした瞬間、楓ははっとした。
「殺した……? あたしが……人を……」

212 :名無しさん@初回限定 :2007/02/06(火) 18:43:12 ID:qUAALB5hO

会費

213 :Miss flying victory :2007/02/06(火) 18:46:03 ID:V5D4ePQX0

「あ……あああ…………」
――やってしまった。人を殺したくないと思っておきながら早速人を1人殺してしまった。
それも知り合いを。そりゃあ、お互い別に親しかったわけではない。それでも知人の命を自らの手で奪ってしまったことに変わりはないのだ。

「…………あは……どうしよう由紀っち…氷室っち…遠坂ぁ……あたし…間桐を……人…殺しちゃったよぉ………あははは……」
虚ろと化した瞳で涙を流しながら楓は空を見上げる。

もうおしまいだ。自分は人殺しだ。
これではもうみんなに会わせる顔がない。いや。会うことなどできない。
自暴自棄となった楓は、ただ泣きながら笑うことしか出来なかった。



――――パン、パンッ!

「あははは…………あ……?」
2発の銃声が鳴り響いた。それと同時に楓の胸の2箇所に穴が開き、そこから軽く血が噴き出した。
それと同時に楓の笑い声も、涙も、そして意識も停止した。永久に。
――やがて楓の体はゆっくりと地面に倒れた。


「――やれやれ、危なかった。危うく木の下敷きになるところだったよ……」
倒れた木々の隙間から銃を持った慎二がゆっくりと這い出てきた。
「しかし勝手に殺さないでほしいな薪寺。僕を本当に殺したと思ったのなら、まずはちゃんと死体の有無を確認しなきゃね……」
事切れた楓の亡骸を一瞥しながら慎二は自分の制服を軽くパンパンとはたいた。

「それに、せっかく与えられたチャンスなんだ。こんなところでいきなり無駄にするわけにはいかないだろう?」
慎二はそう呟いてニヤリと笑うと近くに転がっていた楓のデイパックを手に取った。

214 :Miss flying victory :2007/02/06(火) 18:47:05 ID:V5D4ePQX0

「島から脱出するだって? はっ。馬鹿なこと言わないでくれよ。魔術師の家系にとって折角の一大イベントなんだ。潰されちゃあ困るんだよ!」
そう言って倒れている楓の亡骸の頭を軽く蹴り飛ばすと、慎二はフンと鼻息を鳴らして急いでその場を後にした。
今の爆発音を聞いて他の参加者がぞろぞろと集まってくる可能性もあるからだ。




「これは……!」
慎二が立ち去って数分後、現場に駆けつけた鈴莉が見たものは倒れている多くの木々と楓の亡骸であった。
「ああ……なんということ……」
御薙は自分の子や教え子たちと同年代の少女の亡骸を抱きかかえると悲観の声を漏らした。
「おそらく魔術や魔法なんかとはまったく縁のなかった普通の子だったのでしょうね……可愛そうに…………」
鈴莉は楓の両目を閉じさせるとそっと近くの木に楓の体をもたれ掛けさせた。

「本当はちゃんと埋葬して差し上げたいのだけれど……今はそんな余裕はないから……ごめんなさい…………」
そう言って鈴莉は両手を合わせ楓の冥福を祈るとその場を後にしようと歩き始めた。
しかし、そこにまた別の参加者が姿を現した。

「待て! 今の爆発はアンタの仕業か!?」
「!?」
鈴莉が振り返ると、そこには美綴綾子(56番)が立っていた。


「――!? ま…薪寺……!?」
――綾子はただ先ほどまでここで戦っていたのが鈴莉かどうかを確かめたかっただけだった。
だが、目の前の光景を見た途端、彼女の表情は一変した。

215 :Miss flying victory :2007/02/06(火) 18:48:03 ID:V5D4ePQX0

――胸から血を流してぐったりと木にもたれ掛かっている楓。
さらに、その近くに立っている鈴莉。
そして、あれから時間はまだ数分しか経っていない。
――それから綾子が結論した答えはひとつだった。

「貴様ぁ!!」
叫ぶと同時に綾子は自身に支給された銃を取り出して鈴莉に発砲した。
しかし、綾子が撃つよりも先に鈴莉は近くの木の裏に自身の身を滑らせていた。

「落ち着いて! この子を殺したのは私じゃないわ!」
「黙れ! この状況を見て誰がそんなことを信じるか!! 薪寺の仇だ! 死にやがれ!!」
そう叫んでもう1発発砲するも、弾はあさっての方向へと飛んでいった。

(くっ――残念だけど、この状況じゃあの子を説得することは不可能みたいね……)
鈴莉はそう結論するとすぐさまその場から離脱した。
このまま綾子を説得しようとこの場にい続けていたら、それこそ自身の身が危ないと判断したからだ。

「待てッ!」
綾子は逃げる鈴莉に向かってもう1発発砲しようとしたが、倒れている木々が障害になり結局撃つことができなかった。
「ち…畜生!!」
鈴莉に逃げられたことを確認すると綾子は近くの木に思いっきり拳を叩き込んだ。



「――くっ……薪寺。アンタの仇は絶対にあたしが討ってやる。だから……今は迷わずに逝ってくれ…………!」
楓の亡骸にそう言って軽く一見し両手を合わせると、綾子は鈴莉が逃げていった方へと駆け出した。
(――遠坂、あたしも奪う側に回るしかないのか……!?)
心の奥底で今はこの島のどこかで他の参加者と殺し合っているであろう友人にそんなことを尋ねて……

216 :Miss flying victory :2007/02/06(火) 18:53:44 ID:V5D4ePQX0

【時間:1日目・午後4時45分】
【場所:森林地帯(教会近く)】


間桐慎二
 【装備:シグ・ザウエル P228(9mmパラベラム弾11/13)】
 【所持品A:予備マガジン(9mmパラベラム弾13発入り)×3、支給品一式】
 【所持品B:手榴弾(×4)支給品一式】
 【状態:健康。マーダー】
 【思考・行動】
  1)ゲームに乗る。そして優勝する(できれば魔術師、魔法使いを優先的に殺していきたい)
  2)ゲームを破綻されるのを阻止する
  3)利用できそうな人間がいたら構わず利用する

御薙鈴莉
 【装備:なし】
 【所持品:支給品一式(ランダムアイテム不明)】
 【状態:健康】
 【思考・行動】
  1)雄真や春姫たちを探す
  2)可能ならばいずれ綾子の誤解を解きたい

美綴綾子
 【装備:H&K MK23(.45ACP弾10/12)】
 【所持品:予備マガジン(.45ACP弾12発入り)×3、支給品一式】
 【状態:健康】
 【思考・行動。鈴莉に殺意】
  1)鈴莉を追う。そして楓の仇を討つ
  2)ゲームに乗るか乗らないか悩んでいる
 【備考】
  ※鈴莉(名前は知らない)がマーダーだと思っています。さらに彼女が楓を殺したと思っています

217 :Miss flying victory :2007/02/06(火) 19:20:00 ID:V5D4ePQX0



【51 蒔寺楓  死亡 残り60人】




【武器詳細】
・シグ・ザウエル P228
 シグ/ザウエル社が同社のP226の小型モデルとして、1989年に開発した自動拳銃。コンパクトかつ装弾数が多く、信頼性の高さからFBIや警察などの法執行機関で多数採用されている。
 ちなみに、P228に限ったことではないが『Sig Sauer』(銃および製造会社)は同じ日本語読みだと『シグザウアー(シグ/ザウアー)』とも呼ばれたりするのでたまにそれぞれが別の銃、製造会社と勘違いされる。
 アメリカ軍では秘匿携行用の護身武器を表す『M11』の名称で制式採用されており、日本のSST(海上保安庁・特殊警備隊)にもサイドアームとして制式採用されている。

・H&K MK23
 「ソーコム・ピストル」の愛称で有名な、特殊部隊向け大型自動拳銃。
 US SOCOM(米国軍特殊部隊司令部)の『装弾数が豊富でジャムが起きにくく、寒冷地や砂漠地でも正常に動き、海水に数時間浸した直後でも正常に稼動する45口径自動拳銃』という無茶苦茶な要求から生まれた。
 製作したのはドイツのH&K社。開発中だったUSPをベースに様々な改良を加えて要求に応え作成。95年にMARK23の名で制式採用された。
 が、採用から10年以上経過した現在、早くもこれの後継となる拳銃のトライアルが行われている。

218 :Miss flying victory :2007/02/06(火) 19:23:39 ID:V5D4ePQX0

>ID:qUAALB5hOさん
回避ありがとうございました

219 :名無しさん@初回限定 :2007/02/06(火) 19:50:40 ID:hmNWEADE0

上条沙耶、森来実、加藤乙女で予約

220 :名無しさん@初回限定 :2007/02/06(火) 19:54:05 ID:BTftSDtf0

>>206
それはやむをえない、死者を出すことでストーリーを回転させるのがロワだから
だからこそ最初である程度加速させて置かないと厳しくなる

ただ読んでいて思うのは、みんな簡単に他所の人を信用するんだね
もっと疑ってもいいと思うんだけどね

221 :名無しさん@初回限定 :2007/02/06(火) 20:11:25 ID:V5D4ePQX0

>>204
スレ容量が残り半分くらい(1スレは500KBまで)になってからでも間に合う気がする


42/高溝八輔、21/葛木宗一郎、44/珠瀬壬姫で予約

222 :名無しさん@初回限定 :2007/02/06(火) 20:39:17 ID:e7WTNP/bO

投下乙
マキジ……まさかお前が最初に逝ってしまうとは……(´Д⊂)
だけど、彼女の死が鐘や由紀香、あと凛にどんな影響をこの先与えていくのか楽しみだ
綾子には早くもマーダー化フラグ立ったし

とにかく、書き手さんGJ

223 :219 ◆QqXNFog5Ls :2007/02/06(火) 21:47:28 ID:NaQ4to9g0

申し訳ない!予約変更
上条沙耶、小泉夏美、加藤乙女に変更お願いします
再起動でID変わってるんでトリつけました。

224 :名無しさん@初回限定 :2007/02/06(火) 21:49:37 ID:iqo2kv9n0

>>ただ読んでいて思うのは、みんな簡単に他所の人を信用するんだね

あんまり他所の人自体と会ってないしなぁ。サーヴァントは支給品だし。
まぁ、今後に期待、じゃないか?

225 :名無しさん@初回限定 :2007/02/06(火) 22:29:01 ID:V5D4ePQX0

>>224
それはこのロワだけではなくパロロワ全体に言っていることなのでは?
ハカロワ3しかりアニロワしかりロリショタロワしかり……

226 :名無しさん@初回限定 :2007/02/06(火) 22:31:24 ID:CFIAtiSD0

式守伊吹、十条紫苑で予約します。

227 :薄暮の惨劇 ◆QqXNFog5Ls :2007/02/06(火) 23:25:48 ID:NaQ4to9g0

「おや、早速ですが標的がいるようですよ」
アルトリアの声にぎょっとする乙女、だが彼女の指差す方には誰もいないのを見て少し白けた表情になる。
「どこよ、だれもいないじゃない?」
乙女の言葉にアルトリアは苦笑しつつも理由を教えてやる。
「オトメ、貴女に理解できないのは無理も無い、ですが確かにそこに標的は潜んでいる」
「そんな魔法じゃないんだから…」
反論しかけて乙女は黙り込む、自分の眼前に生きた証拠がいるのだから。

「ともかくご命令を…このままやり過ごすという手もあります、ですが私としては敵は速やかに討つことを進言したい」
「うん…」
左手の令呪を見つめる乙女、それを面白くなさげに見るアルトリア、いずれにせよここで迷われるようでは困る。
なるだけ早く彼女には一線を越えて貰わないと。
「コトノハやマコトは魔術を使いますか?でなければ急いだ方がいい…あそこに潜む者が牙を秘めてないとは限りませんよ」
そっと耳打ちするアルトリア、乙女の表情が厳しくなる…。
(そっか…そうだよね)
自分の手を汚すことなく言葉がくたばってくれるなら言うことなしだが、それでも誠がだれかに殺されるのは避けたい。
(アタシが乗ったのなら、他にも乗る奴がいておかしくない…なら先手必勝ってことよね)
「分かったアルトリア…命令するわ」
令呪が光を放つ…アルトリアは笑顔で頷く…どういう意図か?
「あそこに隠れてる奴を倒して!」


「大丈夫ですから、信じてくださいまし」
上条沙耶は優しく小泉夏美へと話しかける、が当の来美は未だに怪訝そうな顔をしている。
「結界ねぇ…」
なし崩し的に合流して以来、彼女の魔法は何度か見ている、それでもやはりまだ完全に信じる気にはなれない。
(ううう…信じてくれていません)
沙耶は夏美に気づかれないようにタメ息をつく、何度も説明したがやはり通じていない。
相手の性格なども関係しているのだろうが、それでも沙耶らにとって魔法は当たり前のように存在する力だ。
それをわざわざ1から説明することは困難を極めた。

228 :薄暮の惨劇 ◆QqXNFog5Ls :2007/02/06(火) 23:27:03 ID:NaQ4to9g0

とにかく合流して以来歩き通しの夏美が泣き言を言い出したため、
木々の間に俄か作りの結界を張り、2人は小休止の最中だった。
(ともかく、だれかが…できれば小日向様か兄様が気が付いてくれれば…)
沙耶は夏美の話や、他の参加者たちの人数を考えた上で、魔法の存在を知るものは自分たちの仲間以外はいないと踏んでいた。
だからこの結界はいわば彼らへの目印、もし彼女の級友が近くを通れば必ず気が付いてくれるはず。

だが沙耶は思い違いをしていた…そう魔法を…神秘を知り扱える者は彼女の範疇の外にも存在していた。
そして彼女らに迫る敵は、魔術師にとっては天敵ともいえる相手だった。

そしてその敵…アルトリアはもうすでに結界のすぐそばまで迫っていた、
手に握るは黒と赤に彩られた魔剣。
「痕跡を隠しもしないか…驕りが過ぎる」
堕落の代償として鈍ってしまった感知能力を持ってしても丸分かりだ…、
だがそれを罠と思うだけの思慮は彼女にはもはやない。
ただ良心と引き換えに新たに得た凶暴性と残虐性を持ってして全て叩き潰すだけだ、
アルトリアはそのまま無造作に剣を構え、
まるで紙を破るかのようにそのまま結界を斬り裂いた。

「!」
変化は唐突だった、それに夏美にもわかる。
突然周囲の空気が明らかに変わる…沙耶の顔が険しくなる、
結界を破られたのだ…しかも力づくで。
「逃げてくださいまし!」
そう叫ぶのがやっと次の瞬間にはもう黒い暴風が沙耶らへと襲い掛かったのだった。

229 :薄暮の惨劇 ◆QqXNFog5Ls :2007/02/06(火) 23:28:57 ID:NaQ4to9g0

(効かない!?)
奇襲こそ防いだが沙耶の放った攻撃魔法はことごとく相手の黒い鎧に弾かれる…いや鎧までも届いていない。
ワンド無しで放ったことを差し引いても、この騎士はケタ外れの耐魔力を持っている、ともかく…
沙耶はちらりと背後の夏美を見る、彼女だけでも逃さなければ。

「幻想詩・第二楽章明鏡の宮殿!」
沙耶の眼前に輝く防壁が現れる、だがそれもアルトリアの持つ魔剣にしてみれば気休めに過ぎない。
黒き刃を受けてみるみる間に防壁が軋み始める、
しかも相手の表情を見て沙耶は愕然とする、目の前の騎士が天使のように美しい少女だということもそうだったが
彼女は余裕の笑みを漏らしている、こちらは維持で手一杯だというのに。
(なんとか…なんとかしないと)
そんな沙耶の耳に呟きが聞こえる。
「なるほど…マスターの影響だけではなくやはり私自身の力も落ちているか」

(この騎士は…使い魔の類?)
ここまで強力な騎士を使役できる召喚術師など考えるだに恐ろしいが、今は考えない。
一縷の望みだが突破口は見つかった…沙耶は慎重に周囲の探知を開始する…目の前の相手が使い魔ならば。
必ずマスターが近くに存在しているはず…もはやマスターを撃つ以外に方法はない。
(いた…見つけた)
アルトリアの背後やや斜めに影、相手がまるで背後に注意を払っていないことを考えるにおそらくはマスターだろう。
「幻想詩・第三楽章…」
これを放てば自分は死ぬ…放つと同時におそらく自分は真っ二つ…しかもそれでマスターを倒せる保障もない。

それでも…。
(兄様、小日向様…伊吹様…お先に逝きます…ですがタダでは逝きません)
「天命のっ」
その瞬間沙耶の視界を血煙が覆う、片方の手首を切断されたのだ。
その激痛と出血のショックで沙耶の最後の賭けは不発に終わる…地に倒れのたうつ沙耶、
それを微笑みすら浮かべて見下ろすアルトリア、彼女にとってあの程度の障壁など数瞬で砕けた、
ただ己の現在の力を試すためにあえて付き合っていたに過ぎなかったのだ。

230 :薄暮の惨劇 ◆QqXNFog5Ls :2007/02/06(火) 23:29:59 ID:NaQ4to9g0

「見事です魔術師、己の命を代償に同胞を救わんとする姿勢、感服いたしました」
鈴が鳴るように美しい声なのに、沙耶にとってその言葉は氷のような印象を受けた。
「ゆえに、褒美を取らせます…ありがたく名誉に預かりなさい」
そう言うが否やアルトリアは沙耶の心臓に魔剣を突き立てた、だが血は流れない…代わりに剣に流れ込むは、
「あ…ああ…あ」
掠れ声で身体を痙攣させる沙耶、吸われているのだ己の精気とそして魔力を。
「貴女を私の糧として差し上げましょう、どうです…ブリテンが王たるこの私の供物となるのですよ
これ以上の名誉はないでありませんか…ククク」
アルトリアの嘲りをもう沙耶は聞いていなかった…僅かの時間にして全てを喰らわれ荼毘に付された沙耶、
その場には彼女が纏っていた服がただ舞っているだけだった。

「終わったの」
震える声で乙女が尋ねる、ここまでまだ3分も経過していない…アルトリアは振り向かずに応じる。
「いえ、まだですよ…次は貴女の番ですオトメ」

「ここまで来れば」
夏美は這いずるようにして坂道を登っていた。
「何が魔法なのよ、やっぱり頭おかしいんじゃない…あんなのトリックよ」
それは沙耶への悪態というよりは自分に言い聞かせるような響きがあった。
「と、とにかく…」
「ほう、己を賭して命を守ってくれた同胞に対してそのような言い草ですか?」
「あたしが頼んだわけじゃ…」

231 :薄暮の惨劇 ◆QqXNFog5Ls :2007/02/06(火) 23:31:17 ID:NaQ4to9g0

恐る恐る振り向く夏美、そこにいたのは例の騎士、それがここにいるということは…
「〜〜〜〜っ!!!」
もがくようにして逃げようとする夏美だが恐怖で足が言うことを聞いてくれない、まるで地面の上でクロールをしてるかのようだ。
「こっ、殺さないで!何でもするから!」
そんな彼女を冷笑交じりの目で見つめるアルトリア。
「それを決めるのは私ではありませんよ、決めるのは我がマスターたる彼女だ」
アルトリアが促す先にいたのは。
「お…乙女?」
「夏美…」
こうして級友は再会を果たしたのだった。

「すごいの連れてるのね」
乙女の背後に控えるアルトリアを見る夏美。
「うん、彼女私をマスターって呼んでくれるの、だから味方よ」
つとめて元気な声をだす乙女、だが心なしか声が震えている。
「さっきはごめんね、隠れているから敵だって彼女が言うもんだから」
「いいのよ、あの子少しアレっぽかったから」
お互いのことには微妙に触れず互いの連れ合いのせいにする、その態度に失笑するアルトリア。
(類は友を呼ぶといいますが、まぁこれは私にも言えますが)
自分の姿を鑑みて自嘲するアルトリア。

「ねね、組もうよ」
すがるような目で乙女を見る夏美。
「どうせ桂さん殺しに行くんでしょう、あたしも混ぜてよ…ねぇ友達じゃないの」
「う…うん、まぁ、ね」
少し歯切れの悪い返事をする乙女、少し時間を気にする、あと7分ほどで6時だ。
「じゃあキマリね、後ろの子もよろしくね!」
明らかに空元気な騒ぎ方をする夏美。

232 :薄暮の惨劇 ◆QqXNFog5Ls :2007/02/06(火) 23:33:52 ID:NaQ4to9g0

「夏美…ちょっとトイレ」
そんな彼女を横目に席を離れる乙女、アルトリアもそれに従う、1人残る夏美
秒針が一回り、戻ってこない…さらに一回りまだ戻ってこない…どうしたのだろうか、
大きいほうなのだろうか?紙が無いのだろうか?
そしてさらに半周…夏美は周囲を見渡す…だれもいない…。
そう判断するや否や、踵を返して逃げ出す夏美、そう、最初から彼女は仲間になんかなるつもりなどなかった。
彼女は逃げたかったのだ、生き延びたかったのだ。
そもそも友達=クラスメイトに過ぎない相手のために面倒に巻きまわれるなどゴメンこうむる。
「誰がこんな面倒な」
「連中と道連れなど御免というわけですか、なるほど」

横合いから放たれる冷たい声…一気に身体が冷たくなっていくのを感じながら目を向けると。
案の定そこにはアルトリアと乙女の姿があった。
「ほら、言った通りではありませんか、彼女は所詮都合のいい相手を求めるだけの風見鶏です」
「ちょっとアンタ何言って」
反論しようとする夏美だが、声が震えて言葉にならない、何より事実を言われているのだから、言葉が出てこない。
「夏美…アンタ」
乙女の脳裏に席を離れている間にアルトリアに吹き込まれた言葉が蘇る。

『彼女を信じてはいけません、彼女は己を守ろうとした友を見捨て自分だけ逃げようとするような人間ですよ』
もちろんアルトリアはあの時彼女が取った方法こそが正解だということは知っている。
『でも…強制は出来ないし、それに』
『何を甘いことをおっしゃるのですか、オトメ…いいですか』
大げさに嘆息するアルトリア。
『彼女が逃げればきっと私たちのことを皆に教えることでしょう、
そうなればいずれはこの島に集うもの全てが敵になりうるかもしれませんよ
そうなればいかな私でも貴女を守ることは不可能でしょう…それに』
口調がまるで天使の歌声のように優しくなる。
『彼女はマコトやコトノハとも知り合いなのでしょう?貴女のことを彼らに教えないとは限りませんよ』

233 :薄暮の惨劇 ◆QqXNFog5Ls :2007/02/06(火) 23:35:40 ID:NaQ4to9g0

「アンタ…桂に私のこと売ろうとしたんじゃないの?」
「はぁ!」
いきなりの論理の飛躍についていけない夏美、だがアルトリアの毒に嵌り疑心暗鬼の塊となった乙女には通じない。
「じゃあ何で逃げたのよ」
「何でって…」
こんな押し問答が続く間にだんだんと両者は苛立ってきた、そしてついに夏美が口火を切る。
「だいたいアンタえらそうなのよ、何がバスケ部期待の星よ!」
「へぇ〜そんな風に思ってたんだ」
「そうよ、皆そう思ってるわよ!」
「だからアタシを裏切って桂につくんだ」
「席が近いってだけでいつアンタの仲間になったのよ!」

ちなみに乙女が音頭を取る桂言葉に対しての陰惨極まりないイジメに、彼女は漏れなく参加している。
そしてついに夏美は言ってしまった…禁断の言葉を。
「七海の代わりにアンタが死んだらよかったんじゃないの?」
その言葉を聞いた瞬間、ギリッと乙女の奥歯が鳴る、そのまま横目でアルトリアに合図する。
頭に血が上った夏美には気が付かない、それに油断もあった、まさか乙女が自分を処断するはずがないと、
それが誤りだと気が付いたのは、自分の両足がアルトリアの剣によって切断されてからだった。

「…」
言葉すら出せず、ただ突っ立ったままのかつての自分の足を見上げる夏美、
次に目に入ったのは黒剣にこびり付いた血を舐め取るアルトリア、
そして…ようやく現状を認識する夏美。
「あああああっ」
バタバタと身体を動かしまた必死でもがく夏美、だが両足を失った身体ではまったく前に進まない。
そこに影が迫る…乙女だ、手には大きな石を持っている。

234 :薄暮の惨劇 ◆QqXNFog5Ls :2007/02/06(火) 23:36:20 ID:NaQ4to9g0

「やめて…やめて…やめて」
荒い息で哀願する夏美、それ以上のことはもはや出来ない。
その言葉に乙女の足が止まる…が。
「何を躊躇うのですかオトメ」
黒騎士がまた毒を放つ。
「迷ってらっしゃるのならばこう言い換えましょう、貴女は彼女を殺すのではなく救うのですよ…見るのですこの血の量を
もう彼女は助からない、しかし死ぬまでには時間がかかる、せめて一思いにというのが慈悲でしょう」
アルトリアの顔と夏美の顔を交互に見比べる乙女、そして…。
「いや…いや…いや」
夏美の頭の上に立つ乙女、そして手に持った石をただ無言で夏美の頭へと落とす、それが3回続いて事は終わった。
時刻は17:59分、こうしてわずか十数分にして2つの命が失われたのだった。

「あ…アタシ…」
背後の騎士へと振り向く乙女、その目には涙が光っていた、そんな彼女の肩を背中から抱きしめるアルトリア。
「いや、よくやりましたオトメ…多少気の毒な出来事もありましたが、これで貴女は強さを手に入れた」
淡々とした賛辞の中には明らかな揶揄が混じっているが乙女には気が付かない…ただ。
「アルトリア…アンタは裏切らないわよね」
「勿論ですよ」
2つに減った令呪を見て笑みを漏らすアルトリアだが…その顔を乙女は見ることができなかった…ただ。
「貴女はいいですね、まだ涙を流せて」
その言葉だけは信じていいと思えた、手にカップラーメンを持ってるのが気になったが。

235 :薄暮の惨劇 ◆QqXNFog5Ls :2007/02/06(火) 23:42:38 ID:NaQ4to9g0

【時間:1日目・午後5時59分】
【場所:浜辺からやや内陸より】

加藤乙女
【所持品:支給品一式】
【状態:通常(精神的にアルトリアに依存)。令呪・残り2つ】
【思考】
1:マーダー化(桂言葉を優先)

黒セイバー(アルトリア)
【所持品:なし】
【状態:通常】
【思考】
1:表面上乙女に従う(令呪を早く消費させたい)
2:間桐桜に復讐 、シロウに会いたい

【上条沙耶 死亡 残り59人】
【小泉夏美 死亡 残り58人】

2人の所持品は回収 (言葉様仕様ノコギリ、カップラーメン1ダース)とさせていただきます。

236 :名無しさん@初回限定 :2007/02/07(水) 00:42:46 ID:lE2ewjGe0

沙耶………(つДT)
装備品が言葉様仕様ノコギリって…
君ならアレで見事に『お〜ま〜え〜は〜ア〜ホ〜か〜』を奏でられただろうに(何


信哉復讐鬼フラグが立ったかも…

237 :名無しさん@初回限定 :2007/02/07(水) 02:04:13 ID:foKEV604O

数日前にみなみ、由紀香、杏璃で予約した者ですが、
完成途中だった作品のデータが吹っ飛んでパーになってしまったので予約取り消します。すいません……………
完成までもう少しだったのに……欝だ…………orz


おまけにスレに来てみたら沙耶早くも脱落しているし……orz

238 :名無しさん@初回限定 :2007/02/07(水) 02:15:50 ID:oS+UK6N60

>>237
イ`。まぁ、明日があるさ。

239 :名無しさん@初回限定 :2007/02/07(水) 02:22:18 ID:foKEV604O

連投スイマセンが……

予約取り消した分の代わりに慎二、尊人、圭、美智子で予約します。

240 :名無しさん@初回限定 :2007/02/07(水) 09:31:00 ID:7Z1xrCsL0

投下乙
食べることに関しては黒じゃない時と変わらない……そんな黒セイバーになんか和んだw

これは間違いなく伸哉復讐者フラグ立ったな。
伸哉にはランサー付いてるしそう簡単にはやられなさそうだ。伸哉自身も強いし。
ところでランサーのゲイ・ボルグは間違いなくかなりの制限されるよな?(因果逆転により必ず心臓に命中してまず一撃必殺)

241 :名無しさん@初回限定 :2007/02/07(水) 13:00:07 ID:KUhjm7Fj0

>>240
まあ、サーヴァントが支給品ってだけでかなり反則くさいから、宝具は1回くらいしか使えないだろうな。
セイバーとかの宝具が数回使えたらシャレにならん……

サーヴァントは残りライダー・キャスター・アサシン(新or偽)・アベンジャーくらいかな?
バーザーカーはキャラ的に無理だろうな〜。
とりあえず言葉様がライダーを引き当てると予想w

242 :元暗殺者とたまと優男 :2007/02/07(水) 13:04:47 ID:7Z1xrCsL0

「…………」
日もだいぶ落ち、薄暗くなってきた森の中。そこに1人の男がいた。
男は終始無言で、ただ目の前の1本の木をじっと見つめていた。
周りから見れば、そんな男の様子は隙だらけに見えるだろう。しかし、男からはまったくといっていいほど隙を感じさせないオーラが発せられていた。
彼の名は葛木宗一郎(21番)。私立穂群原学園2年A組の担任教師で生徒会顧問。そして過去に一度要人の暗殺を行ったことがある元暗殺者である。

宗一郎はこの殺し合いに対して否定も肯定も考えていない。
なぜなら、彼は暗殺のために施された訓練により『感動する心』が欠落――つまり死んでいる。
――ゆえに彼は戦おうと思えば、自分の教え子たちと殺し合うことになろうとも躊躇いなく戦えるのである。

それは、間違いなくこの狂気の島においてどんな支給品よりも最強の武器になる。
この島において一番重要な三大要素――それは、『自身の安全の確保』、『食料の確保』、そして『何事にも屈せず、かつ動じない強い精神力』である(宗一郎自身はそんなことあまり考えてはいないが……)。


自身の安全の確保。これは戦場という場において必ず最初に重要となる課題だ。
今回のように他の者たちがどのような武装を所持しているのか全く判らない場合は、むやみやたらに動き回るよりも迅速に自身の身を1箇所に留めて隠れているほうが少しは安全なのである。

食料の確保。これはヒトが動物として必要な要素だ。空腹になると身体能力の低下だけでなく、時に判断力を鈍らせる。
戦場においては一瞬の判断の遅れも即、死に繋がる。そのため食事は取れるうちに取っておいて腹を満たし、常に万全の状態で戦闘に備えておくのが好ましい。

243 :元暗殺者とたまと優男 :2007/02/07(水) 13:06:00 ID:7Z1xrCsL0

そして最後。精神力。これが今回の殺し合いにおいて一番大事になるものだ。それも最初から最後までだ。
万物の霊長である人間というものは同種の命を他の何よりも尊重する存在だ。ゆえに、人は誰かが死ねば悲しむ。それが見知らぬ者であろうともだ。
ただ1人の命であっても、それを奪うということは軽いものではない――そう教え込まれ考えるのが人だ。
この島では最終的に60人以上の命が奪われる(少なくとも、すでに1人の命が言峰の手によって奪われている)。
そんな(少なくとも戦争というものを忘れつつある現代の平和ボケした日本人たちから見れば)地獄ともいえるこの島で普通に己の精神を維持し続けることが出来る者がはたしてどれほどいるであろうか?
――まずいない。宗一郎ならば(もちろん自身も含んで)そう結論するだろう。
情に流されるものは最終的に自滅する。戦場とはそういうものだ。それはお人好しな人間であっても、狂気に染まった人間であってもそうだ。

――ゆえに、彼は心を捨てさせられたのだから。


「…………」
宗一郎は自身のスーツの胸ポケットからあるものを取り出した。
ゲームガイ。それも『バルジャーノン』のソフトがおまけで付いているという今時の学生ならば喜びそうな代物だ。
……今が普段と変わらぬ日常で、ここが殺し合いが行われている島でなかったらの話だが…………

自身に支給されたソレは宗一郎にとっては別にどうでもいい代物であった。
当たりだろうがハズレだろうが、貰った以上はとりあえず持っておく。それが葛木宗一郎の考えだった。


「…………」
さて、とばかりにゲームガイをポケットにしまうと、宗一郎は拳をすっと構えた。
何故そのようなことをするのかと聞かれたら、その答えはひとつ。この島に張られている結界というものが自身の暗殺者としての身体技能をどれくらい制限しているのかを確かめるためである。

彼の暗殺術――『蛇』はその気になれば人間の1人や2人など簡単に殺せるほどの代物だ。
言峰は魔術師や魔法使いは力を制限されると言っていたが、そのような者ではない宗一郎もこの島に来てから自らの体に少し違和感を感じていた。

244 :元暗殺者とたまと優男 :2007/02/07(水) 13:06:56 ID:7Z1xrCsL0

「……それはすなわち、私の身体能力にも一定の制限が加えられているということだ…………」
そう呟くと同時に、宗一郎は目の前の大木に勢いよく右の拳を叩き込んだ。
――ドォンという激しい音と共に、木にひとつのへこみ――いや。『穴』が穿たれた。もちろんその穴を開けたのは宗一郎の拳である。その深さは約数センチといったところだろうか?

(――やはり私の力も制限されている。全力でもこの程度か…………)
普通ならば軽く十センチは腕が木の中に沈み、穴もさらに大きなものが出来るはずだ。
それなのにこの程度……いや。普通の人間から見ればそれでもこれほどのものなのだからたいしたものなのだが、元暗殺者の宗一郎としてはどうも少し違和感があるようだ。
――別に気にはしないだろうが…………


がさっ。


「む?」
「あ……」
近くの茂みから音がしたので宗一郎が目を向けると、そこには1人の少女が立っていた。
偶然そこを通りかかった珠瀬壬姫(44番)だ。

「…………」
「あ……え、え〜と……その…………」

――なぜか壬姫は冷や汗を流しながらひきっつた笑顔を浮かべていた。
それもそうだろう。彼女の目の前で宗一郎は素手で木に穴をぶち開けたのだから、だれだって見れば驚く。
さらに状況が状況である。壬姫が考えついた結論はひとつだけだ。


「さ…さようならーーーーーーっ!」


壬姫はそう言うと同時にくるっときびすを返して早足でその場から去っていった。いや。こういう場合は『逃げていった』というのが正しい。

245 :名無しさん@初回限定 :2007/02/07(水) 13:10:01 ID:foKEV604O

回避

246 :名無しさん@初回限定 :2007/02/07(水) 13:11:52 ID:foKEV604O

回避

247 :名無しさん@初回限定 :2007/02/07(水) 13:13:54 ID:foKEV604O

まだまだ回避

248 :元暗殺者とたまと優男 :2007/02/07(水) 13:14:04 ID:7Z1xrCsL0

「――ふむ。いったい何だったのだ、あの娘は?」
そんな壬姫のことなどつい知らず、宗一郎はただじっと彼女が走り去っていった方向を見つめていた。





高溝八輔(42番)。通称・ハチは地図とコンパス、そして自身に支給されたソレを手に森を進んでいた。
「よぉし。もう少しで森を抜けて新都だな。待ってろよ〜すももちゃん!」

彼の手に握られているもの、それは探知機だった。
参加者の体内(胃)に仕掛けられている爆弾の反応を探知・表示する機器である。
爆弾自体を感知するため、反応があってもその参加者が生存しているとは限らないし、その反応が誰の爆弾のものなのかという表示もされないため使い勝手は難しいが彼にとってこれほど便利な物はなかった。
現に彼はこれを使って自身の周辺を確認しつつ、ここまで安全な道を進んで来たのだ。
――だが、そのせいで未だに誰1人として遭遇していないため、友人である雄真たちが今どこにいるのかということが判らないというドジもやらかしているが…………

彼が唯一居場所が特定しているのは雄真の妹のすもも、そしてすももの母の音羽だった。
スタート直前まで彼は2人と教会で会って話をしており、その時の話にだと2人は「島に町か村があったらそこに行くつもりだ」と話していた。

「地図には村が2箇所、新都が1箇所あるみたいだが、こういう場合は文明の利器が揃っているであろう新都にみんなが向かうのは一目瞭然! そうと決まれば、言われなくてもスタコラサッサってやつだぁ!」
そう言って彼いながら彼は新都を目指し森を進んでいく。

その時、突然彼の持つ探知機に反応があった。

「うおっ!? なんだ!?」
慌てて探知機の画面を確認するハチ。
そこには画面の中心に位置する自分の爆弾の反応であるひとつの光る点のほかに、もうひとつの点があった。
しかも、その点は真っ直ぐハチのいる方へと凄いスピードで近づいてくる。

249 :元暗殺者とたまと優男 :2007/02/07(水) 13:14:53 ID:7Z1xrCsL0

「ま…まさか敵か!?」
大慌てでハチは近くに身を潜めようとするが、運悪く彼の周辺には人1人を隠してくれそうなほど充分な草木が生い茂っていなかった。
「げぇっ!? こんな時にまで発動するのか俺の不運はーーーーっ!?」
ならば逃げるしかないと急いで自身が目指す新都の方へと駆け出そうとした瞬間――
「フォーーーーーーーーーーーーーーーーッ!!」
――奇妙な声を発しながらハチの背後から1人の少女が突っ込んできた。

「HG? ちょっと古くない…………って、うおおおおおおおおおおおおッ!?」
「ああああああああああああああっ!?」

どーーーーーーーーーーーーーん!!

思わず振り返って突っ込みを入れてしまったハチはやって来た少女と見事に正面衝突をしてしまった。

「いてて…………いったいなんなんだ?」
「あ……ひっ!?」
少女と衝突して軽く吹っ飛んだハチが顔を上げると、それと同時に少女も自身のおでこを押さえながら顔を上げ、ハチから数歩後ずさる。
すると、少女は今度は後ろの木に後頭部をごつんとぶつけてしまった。
「あああ〜〜〜……」
「…………」
後頭部と額を押さえる少女をハチは黙ってじっと見つめる。

――どこか猫みたいな雰囲気をした小柄な少女。
見たところ自分よりも年下に見えるが、学生服を着ているから自分とたいして歳は離れていないだろう。すももや伊吹と同い年くらいか、などとハチは思った。
そして、そんな少女を見て……
(な……なんて可愛い子だろう!! その長い髪も。ぱっちりと開いた瞳も。全てがマスコットのような容姿とマッチして己の可愛さに磨きをかけているっ!!)
と、すぐに惚れてしまうのがハチの悪い癖である。

250 :元暗殺者とたまと優男 :2007/02/07(水) 13:15:41 ID:7Z1xrCsL0

「ごめんなさい。ごめんなさい! ほしい物なら可能な限りなんでも差し上げますから命だけはお助けください〜〜……」
後頭部と額を押さえ、瞳から涙を浮かべながらハチに何度もぺこぺこ頭を下げて命乞いをする少女、珠瀬壬姫。
そんな彼女にハチは……

「ふっ…何をおっしゃるのですかお嬢さん。この高溝八輔は貴女様のようなか弱き乙女をお助けするためにこの世に生を受けた者ですよ?」
普段もよく使っている(そして直後に失敗に終わる)紳士――というより優男モードで壬姫にそっと右手を差し伸べた。
「この高溝八輔。命ある限り貴女様を護る騎士となりましょう!」
「は…はぁ……?」
状況が良く理解できず、頭にハテナを浮かべたまま壬姫はハチの手をしばらくの間じっと見つめていた。



【時間:1日目・午後5時】
【場所:森林地帯(新都方面)】

高溝八輔
 【装備:探知機】
 【所持品:支給品一式】
 【状態:健康】
 【思考・行動】
  1)壬姫に一目惚れ。必ず俺がお護りいたします!
  2)新都に行ってすももや知り合いを探す

251 :名無しさん@初回限定 :2007/02/07(水) 13:17:01 ID:foKEV604O

さらに回避

252 :名無しさん@初回限定 :2007/02/07(水) 13:27:00 ID:foKEV604O

回避

253 :元暗殺者とたまと優男 :2007/02/07(水) 13:27:32 ID:7Z1xrCsL0




>ID:foKEV604O様
回避ありがとうございました

254 :名無しさん@初回限定 :2007/02/07(水) 17:50:57 ID:UsO+lEdEO

あれ?ハチ以外の状態表は?

255 :元暗殺者とたまと優男 :2007/02/07(水) 18:33:10 ID:7Z1xrCsL0

珠瀬壬姫
 【装備:なし】
 【所持品:支給品一式(ランダムアイテム不明)】
 【状態:健康】
 【思考・行動】
  1)え、え〜と……何がなんだか……(少なくともハチが敵ではないことは認識しました)
  2)武たちと合流したい
 【備考】
  ※葛木宗一郎(名前は知らない)は危険だと認識しました


【時間:1日目・午後4時30分】
【場所:森林地帯】

葛木宗一郎
 【装備:なし】
 【所持品:ゲームガイ、支給品一式】
 【状態:健康】
 【思考・行動】
  1)ゲームに乗るつもりはないが、主催者を打倒しようとは思っていない
  2)敵と遭遇した場合は容赦なく倒す
  3)敵ではない者と遭遇した場合は助けが必要な場合は助ける(ただし本人の意思ではなく相手の意思を尊重する)

256 :元暗殺者とたまと優男 :2007/02/07(水) 18:34:41 ID:7Z1xrCsL0

【支給品備考】
・探知機
 参加者の胃に仕掛けられている爆弾の反応を探知・表示する機器。
 爆弾自体を感知するため、反応があってもその参加者が生存しているとは限らないし、その反応が誰の爆弾のものなのかという表示もされない。
 使い方次第では最強の支給品。バッテリーは単三電池2本。電源を点けっ放しでも30時間は楽に稼動できる。

・ゲームガイ
 携帯ゲーム機。元ネタはマブラヴ。おまけとして『バルジャーノン』のソフトが付属している。




>>254
うっかり忘れていました。
ご指摘ありがとうございます。

257 :名無しさん@初回限定 :2007/02/07(水) 18:54:51 ID:7Z1xrCsL0

現在未行動・未予約キャラ

02/厳島貴子 04/イリヤスフィール・フォン・アインツベルン 07/小渕みなみ 07/小渕みなみ 08/織倉楓 10/梶浦緋紗子
14/上岡由佳里 18/神代巽 29/三枝由紀香 30/榊千鶴 35/神宮寺まりも 45/月詠真那 46/遠坂凛 47/巴雪乃 48/柊杏璃 49/氷室鐘
50/藤村大河 52/間桐桜 54/御門まりや 57/御剣冥夜 59/森来実 61/柳洞一成 62/渡良瀬準

258 :小っちゃな頭首と大きなご令嬢 :2007/02/07(水) 20:39:26 ID:oqzMtyGI0

 「………」
式森伊吹(32番)は不機嫌だった。
それは突然こんなところに連れてきた上、殺し合いを強要した主催者への怒りだったり、
口答えした少女が粉微塵に爆砕された時に不覚にも震え上がって何も出来なかった自分への憤りだったり、
伊吹のマジックワンドであるビサイムが無い上、強力な結界の所為で魔法の行使が出来ないことへの苛立ちだったり、
理由を挙げると切りがないのだが、実のところ一番伊吹を不機嫌にさせているのは今の状況だった。

 「沙耶と信哉はいったい何処におるのだ? 肝心なときにおらんのではどうにもならんではないか! 
…ええぃ、この際すももでも良い、神坂春姫でも…まあ許そう。とにかく誰かおらんのか!?」

普段の伊吹ならまず出ない言葉が口を突いて出るほど彼女は困惑していた。
魔法戦ならこう見えても名家式森の次期頭主、たとえ一人であっても戦い、勝ち抜ける自信はあったが、
その魔法が制限された状態での戦闘、それも何でもアリの殺しあいとなると話が変わってくる。
このようなサバイバルに適しているとはお世辞にも言い難い伊吹にとって唯一の頼みの綱といえば支給品の武器だが、
これも伊吹にとっては頭痛モノだった。

 「くそっ、あの言峰とかいう輩、私にこんなモノを押しつけおって!」
忌々しげに伊吹が睨み付けるディバックの中には黒光りする一丁の回転式拳銃―コルト・パイソン―があった。
普通の人間なら大当たりだと歓喜するところだが、銃器の取り扱いが大の苦手(ゲームセンターのガン・アクションものですら散々だった)な
伊吹にとってはこれ以上やっかいなモノは他になかった。
おまけに銃に疎い伊吹は知らなかったが、このコルト・パイソンはかなり威力が強い銃で、非力な伊吹ではまともに撃てるかどうかも危うい代物だったのだ。
銃を見た瞬間、拒絶反応を起こし、ディバックに押し込んだから良かったものの、もしふざけて片手撃ちなど試していたなら確実に手首を痛めていただろう。
いつのまにか危機を回避していたことなど露知らず、伊吹はずんずんと森の中を進んでいた。

259 :小っちゃな頭首と大きなご令嬢 :2007/02/07(水) 20:41:07 ID:oqzMtyGI0

余りにも常識はずれな事態やら、気の知れた従者や知り合いのこと、いま自分を苦しめている悪路、使えない上に重い支給品、
その他もろもろに気をとられていた所為だろう、普段の彼女なら気付いたであろうそれに伊吹は気が付いていなかった。
 「むぅ、これでは埒があかん、ここは一か八か探知魔法でも試してみるか…」
結界が張られているのは重々承知していたが、試してみる価値はある。
そう思った伊吹が、探知魔法を発動させようと意識を集中させたその直後だった。
突如として視界が黒いカーテンのようなモノに覆われたかと思うと、背後から伸びてきた腕が、胸元に回り込んできた。
 (捕まる!?)
と思った時にはもう手遅れで、その時には既に回り込んできた腕に伊吹の身体は締めあげられていた。
 「なっ!? なっ、何奴だ!? いきなり何を……は、離せぇ〜!!」
突然の襲撃に慌てふためきつつもどうにか脱出をしようと反撃を試みる伊吹。
だがしかし、余程の体格差があるのか抱き上げられた伊吹の足は地面から離れており、手足をいくらじたばたさせても虚しく空をきるだけで何の効果もなかった。
 「離せと言うのが分からんのか!? この無礼者めっ!? は〜な〜せぇ〜!!!! けほっ、けほっ…」
とうとう叫びすぎてむせ込む始末。万策つきたか…などと伊吹が思ったその時、背後から申し訳なさそうな声が聞こえてきた。

 「ごめんなさい、なんだか可愛らしい娘が一人で歩いているのを見えたから、ついいつもの癖で抱き締めたくなっちゃって…」
声と共に締め付けが緩み、黒いカーテン(よく見ると髪の毛だった)も解ける様に引いていった。
ようやく開放された伊吹が呼吸を落ち着かせながら振り返ると、長身の女性―十条紫苑(33番)―が、つい今しがた自分を締め付けた者とは思えぬほど
たおやかな笑みを浮べてそこに立っていた。

260 :小っちゃな頭首と大きなご令嬢 :2007/02/07(水) 20:43:38 ID:oqzMtyGI0

 「さて、これからどうしましょうか?」
支給品を渡された紫苑が聖堂を出てからまず考えたのは、ごくごく普通な考えだった。
知り合いが出てくるまで、この辺りでじっとしているか、それともここから離れるか…
聖堂の中で見ていた限りでは呼ばれる順は五十音順だったから、同じさ行の周防院奏や菅原君枝辺りとならすぐにでも合流できるだろう。
 「奏ちゃん…」
特に目に入れても痛くないほど可愛がっている奏とはすぐにでも合流してあげたい。そしてぎゅっと抱きしめ―いや、守ってあげたい。
しかし、今は殺し合いの真っ最中、奏たちをまっている間、誰かに襲われないという保障も無い。
それに加えて紫苑は病弱な身、奏たちと上手く合流できたとしても、発作など起こした日には逆にお荷物になりかねない。
瑞穂と合流できたなら話も変わってくるのだろうが、五十音順では瑞穂が出てくるのは大分後になるので期待できそうも無い。
 「仕方ありませんね、少し離れたところで様子を見ることにしましょう」
結局考え抜いた挙句、紫苑は聖堂から離れることにした。

間もなく紫苑は濃緑の森の中でやけに目立つ銀髪の可愛らしい少女を見つけ…その少女―伊吹の寿命を削ることになった一歩を踏み出したのである。


時間:1日目・午後3時00分】
【場所:森の中】

式守伊吹
【装備:コルト・パイソン(.357マグナム弾6/6発)】
【所持品:支給品一式】
【状態:健康、かなりびっくり】
【思考】
1・誰だ?というか今のは一体…
2・沙耶や信哉たちと合流。
3・この際すもも他でも構わん!

261 :小っちゃな頭首と大きなご令嬢 :2007/02/07(水) 20:46:41 ID:oqzMtyGI0

十条紫苑
【所持品:支給品一式(ランダムアイテム不明)】
【状態:おボクさまモード(解除されつつある)】
【思考】
1・可愛らしい娘ですね。
2・奏ちゃんが気になります。
3・瑞穂さんたちと早く合流したい。


【武器詳細】
・コルト・パイソン
1956年にコルト社が開発した.357口径の大型リボルバー。仕上げのよさから「リボルバーのロールスロイス」とも呼ばれる。
S&W M19(コンバット・マグナム)より命中精度が高いように思われているが実際にはベンチテストでの差は無く、弾速が低い分ロングレンジを苦手とする。
弾速が低くバレル下にウェイトを持つため反動はいくぶん軽い。
分かりやすく言うとシティーハンターの主人公が使っているあの銃。

262 :名無しさん@初回限定 :2007/02/07(水) 21:43:04 ID:7Z1xrCsL0

高峰小雪で予約します

263 :名無しさん@初回限定 :2007/02/07(水) 22:31:07 ID:1Tuia3zy0

間桐桜で予約

264 :名無しさん@初回限定 :2007/02/07(水) 23:03:25 ID:foKEV604O

流れをちょっとブッた切って悪いが言わせてほしい

サーヴァントの件なんだけど、これ以上出したらさすがにマズイ気がするんだよなあ……
登場している4(3?)体中2体がセイバーってだけでただでさえ全体のバランスが崩れかけているし………

265 :名無しさん@初回限定 :2007/02/07(水) 23:15:13 ID:oqzMtyGI0

確かに、能力制限がかかってるとは言え、魔法使いも瞬殺じゃあ流石になぁ…
それこそ重火器でも持ってこないと勝ち目ない希ガス。
鍋のフタとかその他ネタ系支給品を支給されたキャラが状況をいかに打開するか?というのもロワの魅力だからなぁ…

266 :名無しさん@初回限定 :2007/02/07(水) 23:26:19 ID:1Tuia3zy0

セイバーは元々レジスト能力が高いから…魔術師キラーだし
ただ真名解放は鈴莉や凛クラスのマスターでも1日2回が限度で、なおかつ威力大幅減
一般人がマスターの場合ほぼ不可能で解放した場合両者とも戦闘不能の捨て身技
これくらいの制限でいいと思う

まぁ腕利きのボディーガードってだけでもかなりのものだけどね
でも、マスターは今のところ信哉以外は一般人なので付け入る隙はあると思う

267 :名無しさん@初回限定 :2007/02/07(水) 23:48:58 ID:foKEV604O

セイバー → セイバールート後
黒セイバー → 桜ルート後
ランサー → 不明
アーチャー → 同上


つまりセイバーはアヴァロン使えるってことだよな……?

268 :名無しさん@初回限定 :2007/02/07(水) 23:58:47 ID:vT3jYJvt0

>>267
アヴァロンは使えて一回が限度じゃないかな、あれこそ真名解放しないとただの鞘だし
回復モードでもマスターの負担は多分とんでもないことになると思う。
むしろアーチャーや士郎の解析や投影の方が問題
それこそ胃の中の爆弾なんか簡単に処理できるはず。

269 :名無しさん@初回限定 :2007/02/08(木) 00:08:16 ID:B1UW0U24O

士郎(つーかFateのサーヴァント以外)は原作開始時設定だから
士郎はアーチャーと出会わなければ魔術は強化と解析しかできないけど、確かに爆弾を摘出するだけの技能はあるからな

投影は大体、何分ごとに1回の割合で可能ってくらいでちょうどよくね?

270 :天の杯をもう一度 :2007/02/08(木) 00:17:28 ID:VB3LnyED0

「蒔寺先輩…」
間桐桜は足元の物言わぬ躯へと語りかける、その声にはいまだ迷いがある。
もう自分は戦うと決めたにも関わらず…それでもその身体は震えていた。
ここに来た時はまたあの夢の続きかと思った、だから自分の愛する男を見ても素直にその胸に飛び込むことは出来なかった。
しかし…桜は後悔している、何故あの時たとえ泡沫の夢であるのを覚悟の上で彼の前に…衛宮士郎の前に姿を現さなかったのかと。

桜は己の胸を押さえる…あの戦いからもう1年以上が経過しているというのに、まだ欠片の残滓は感じられる。
だがこの疼きが教えてくれる、あの神父が言う聖杯は己の胸に埋め込まれている「聖杯」とは違う…なら叶うかもしれない。
あの夢がもう一度…。

もう帰ることの無い愛しき人を待ち続ける日々の中…時々夢を見ていた。
その夢の中では魔術師もサーヴァントも誰一人傷つけあうことなく平穏な日々を過ごしていた…もちろん自分も。
だが所詮は夢、縁側を吹き抜ける夜風に目を覚ますと、ただ花壇の花だけが揺れている。
そんな過酷な現実に何度も涙した…だから。

「もしも…叶うのならば私はあの夢をずっと見ていたい…それが無理ならせめて」
全てが始まる前に時間を撒き戻して貰いたい。
そうすればきっとあの悲劇を食い止めることが出来る…誰も殺さずに傷つけずに済む。
これが己の犯した罪と孤独に苛まれ続ける彼女が出した結論だった。
罪を犯すのはもうここが最後…どうせ穢れた自分だ、ならば、それに勝ちさえすれば全てが無かったことになる。

西日が木陰から差し込む…もうすぐ夜だ。
楓の亡骸をちらりと見て、桜の口がたどたどしく動く。
自分は魔術師として正規の修行を積んでいるわけではない、ただ夢の中でライダーと共に戦っていた自分を倣うのみだ。
ドイツ語の詠唱が終わると影が現れ、楓の亡骸をそのまま飲み込んで消える。
「先輩…野ざらしではあまりにも気の毒ですから、せめて」
実際に使うのは初めてだったが思ったよりも上手くいった、

そう呟いて夕日の中に消えていく桜、もう迷いはなかった。
(ごめんなさい姉さん、先輩…私は耐えなくてはいけないと分かっていてももうこれ以上あの日々には耐えられません…
だから今度出会ったら殺します、全てを振り出しに戻すために)

271 :天の杯をもう一度 :2007/02/08(木) 00:18:28 ID:VB3LnyED0

【時間:1日目・午後4時45分】
【場所:森林地帯(教会近く)】

間桐桜 (HF、NormalED後)
【装備:なし】
【所持品:支給品一式(アイテムはケチャップでしたが義兄を思い出したので捨てました)】
【状態:健康】
【思考】
1・聖杯を手に入れてホロウ世界へ、それが不可能なら第五次聖杯戦争以前に戻り
全てをやり直す、そのためなら士郎や凛を手に賭ける。

備考:聖杯とはもう繋がってはいないため、黒化は不可能とします。

272 :天の杯をもう一度 :2007/02/08(木) 00:20:58 ID:VB3LnyED0

【時間:1日目・午後5時30分】
に変更

273 :名無しさん@初回限定 :2007/02/08(木) 00:34:14 ID:B1UW0U24O

捨てるならせめてランダムアイテムは不明にしてくれないだろうか?

274 :名無しさん@初回限定 :2007/02/08(木) 02:46:37 ID:mHITyktX0

今回の支給品、結構銃器が少ないね。

275 :名無しさん@初回限定 :2007/02/08(木) 09:16:27 ID:B1UW0U24O

まだあと20人以上アイテム不明キャラがいるから今は問題ないかと……>銃器が少ない

既出している銃でサブマシンガンは慧のイングラムだけだな
ショットガンとかも出すか

276 :名無しさん@初回限定 :2007/02/08(木) 17:25:44 ID:KUWw1knXO

そういえば一子の支給品でタマちゃん出てるからソプラノとかも出せるよな?
魔法制限かかってるし一般人相手だと口を利く相方にしかならないけど…

277 :メイドさんと大きな銃(+花火) :2007/02/08(木) 17:32:06 ID:edT76K4V0

教会の聖堂を出て少し西に行ったところに小さな山がある。
そして、その山頂付近には山小屋のような小さな木造の建物が生い茂る草木に埋もれるようにして1つ存在する。
そんな場所に今2人の参加者が隠れていた。
50番・藤村大河と52番・間桐桜である。

「これで……よしと」
大河は長く伸ばした糸をくくり付けた空き缶をそっと窓辺に置くと、ふうと息をついた。
「お疲れ様です、藤村先生。 ……でも、これはいったい何なんですか?」
コップに支給された水を注いで大河に渡しながら桜が尋ねた。
「ん? ああコレ? ちょっとした警報装置よ。この小屋の周辺半径数メートルくらいの場所にその缶にくくり付けてある糸を仕掛けたの。
そ・れ・で、誰かがその糸に引っかかると先にあるこの缶が落ちるって仕掛けよ。凄いでしょ?」
「は…はい。凄いです。まさか小屋で見つけた代物でそんなものが作れるなんて……」
「ふふん。そうでしょ〜? ……まあ、実を言うと、これ私がちょっと前に読んでたバトルなんちゃらってマンガから得た知識なんだけどね〜……」
そう言って苦笑いを浮かべながら大河は受け取ったコップの水を一気に飲み干した。

――しかし、大河もまさか自分たちがその読んでいたマンガのような出来事に直面することになろうとは思ってもみなかった。
しかもそのマンガから得た知識がいきなり役に立つとは思わなかった。なんとういう皮肉な話だ、と大河は内心呟く。
(おまけに、貰ったデイパックの中には1リットルの水が入ったペットボトル2本にうちの学園の購買でも売ってそうなパン、それと島の地図とコンパスと参加者の名前と学年が記された名簿にナイフ……
そこまでマンガと忠実に再現しなくてもいいでしょうに……)
そう思いながら大河はもう1杯コップに水を注ぐ。

「――あ。そう言えば桜ちゃんは何貰ったの?」
「あ…はい。これです」
そう言って桜は1丁の散弾銃を大河に手渡した。
「う、うわぁ……桜ちゃん、これ間違いなく大当たりの部類に入るわよ?」
「そうなんですか? でも、わたしはあまりそういうの持ちたくないんですよね……」
「そうよねえ……」

大河は自身の手に握られている散弾銃、レミントン M870をまじまじと見つめた。

278 :メイドさんと大きな銃(+花火) :2007/02/08(木) 17:33:20 ID:edT76K4V0

「もしよかったら、それは先生が持っていてください。わたしだと多分もしもの時にも使えないと思うので……」
「――わかったわ桜ちゃん。これは先生がしばらくの間預かっておくわね?」
「はい。 ――っ!? 先生!」
「!?」
突然、桜が大河の背後を指差し驚きの声をあげた。
何事かと思い、大河も急いで後ろに振り返ると――――つい先ほど仕掛けたばかりの缶がカランと音をたてて床に落ちるところだった。




「まさかこんな所に糸が仕掛けられていたとは……」
45番・月詠真那は自分の膝下に張られている糸を見ながら呟いた。
目の前の小屋からカランという音が聞こえたような気がした。
それとほぼ同時に散弾銃を持った女性が小屋の中から飛び出してきた。
「誰!?」
「!?」
すぐさま真那と女性の目が合う。
同時に女性の持つ散弾銃の銃口がきらりと夕陽の光を反射させながら真那を捉える。

「――驚かせてしまい大変申し訳ありません。私は御剣家に御仕えする侍従、月詠と申します。こちらに戦う意思はございません。どうか武器を収めていただけないでしょうか?」
「……それなら証拠として貴女の持っているものを全てこちらの1・2・3の合図と同時に前の地面に捨てて。わたしも一緒にコレを捨てるから」
「わかりました」
月詠は頷くと同時に肩に提げていたデイパックを手に取り大河に見せた。
「今私が持っている荷物はこのデイパックの中のもので全部です。そちらも準備はよろしいですか?」
「ええ。じゃあいくわよ? 1…2の……3!」

大河の投げた散弾銃と月詠が投げたデイパックが空中で交差し、やがて2人の間に落ちた。

279 :メイドさんと大きな銃(+花火) :2007/02/08(木) 17:34:16 ID:edT76K4V0

「…………信用していただけたでしょうか?」
「ええ。疑って悪かったわね」
「それは仕方がありません。状況が状況ゆえ……」
大河がふっと笑みを見せると、月詠もふっと笑みを返した。
「――それに、もし私が怪しい素振りを見せたら貴女様はそのナイフを持って私に飛び掛って来ていたでしょうし……」
月詠はそう言いながら大河の腰に備えられていたサバイバルナイフを指差した。
「あ……ばれてたのね…………」



大河は散弾銃と月詠の荷物を持って小屋に戻ると、中で隠れていた桜に月詠が敵ではないことを説明し、彼女を小屋へ招き入れた。
「失礼いたします」
一度頭を下げてから小屋の中に入ってきた月詠を見て、大河は侍従というのは嘘ではなさそうだと思った。
というより、彼女の服装からしてそういう関係の仕事をしている人なのだろうと最初に彼女を見たときから薄々感じてはいたが……


「これが私に支給された代物です」
月詠は自身のデイパックから取り出した花火セットを大河と桜に見せた。

「花火……ですか?」
「はい。私自身も何度か確認してみましたが、間違いなく普通に市販されている花火のようでした」
「花火か〜……あーあ。今がもし殺し合いなんて状況じゃなかったら、夜に士郎やみんなと綺麗な花火を楽しめたんだろうな〜〜……」
「そうでしょうね……」
「シロウ? それは名簿に乗っていた衛宮士郎様のことでしょうか?」
「はい。そうです……月詠さんは先輩とお会いしませんでしたか?」
「いえ。残念ながら……私は先ほどまで武様、冥夜様のご学友の方々や部下たちを探しておりましたが、途中一度も人にお会いしてはございません」
「そうですか……」
「だ〜いじょうぶよ桜ちゃん! 士郎も慎二くんもそう簡単にやられたりするような子たちじゃないわ。それは先生もよ〜く知っているから!!」
肩を落とす桜の背中を大河がどんと桜の背中を叩いた。

280 :名無しさん@初回限定 :2007/02/08(木) 17:43:46 ID:8kFebv7d0

回避

281 :メイドさんと大きな銃(+花火) :2007/02/08(木) 17:59:48 ID:edT76K4V0

「……そうですね。先輩や兄さんたちを信じましょう」
そう言うと桜はにこりと笑顔を見せた。
「そうそう。桜ちゃんにはしょんぼりした顔なんかよりも笑顔のほうがぜんっぜん似合ってるもの」
「――それで、藤村様たちはこれからどうするおつもりなのですか?」
「ああ。そうだった! ごめんね〜月詠さん」
月詠のことをすっかり忘れていた大河は、彼女の方に向き直るとこれからの自分たちの行動方針を月詠に話した。

ひとつは、もうじき外は日が沈んで暗くなるので、今晩はとりあえずこの小屋で身を潜めているということ。
士郎や慎二、そして学園の知人たちの身も確かに心配ではあるが、自分たちの身の安全には変えられないからだ。

もうひとつは、日が差してきたらこの小屋を去って近くの村へ行ってみるということだった。

「確かに、村には多くの参加者が集まる可能性はあります。しかし、逆に言えば殺し合いに乗った者たちもいる可能性が高いということです」
「まあ、それはもとより覚悟の上ってやつよ。そうでもしないと士郎たちと合流できないかもしれないし……ね?」
「はい。それに先輩はきっとこの殺し合いを止めるために仲間となってくれる人たちを探しているに違いありませんから」
「そういうこと。士郎はたま〜に1人で突っ走りすぎて暴走しちゃう時があるから、お姉さんたちがしっかり面倒見てあげないと何をしでかすか判ったものじゃないしねえ。
あ。もしよかったら月詠さんも一緒に行動しない? 1人よりも2人、2人よりも3人の方がきっと安全ですし、それに探している人たちも見つけられるかもしれないわよ?」
「――そのお気持ちはありがたいのですが、私は侍従――主に御仕えする身。一刻も早く冥夜様や武様たちをお探ししなければなりませんので、誠に申し訳ございませんがお二人とご一緒することはできません」
そう言って月詠は2人に頭を下げた。

282 :メイドさんと大きな銃(+花火) :2007/02/08(木) 18:00:46 ID:edT76K4V0

「そうですか……あ。じゃあ、もしよろしければ月詠さんが探している人たちの名前と特徴を教えてくれませんか?」
「そうね。もし、その子たちがわたしたちと会うことがあれば月詠さんが探していたことを伝えておくから」
「わかりました。では私のほうも藤村様たちがお探しになっている方々の名と身体的特徴をお伺いしておきましょう」
早速3人は各自のデイパックから名簿を取り出し、それぞれが探している参加者の名と特徴をメモしていった。



「――では私はこれで……」
「気をつけてくださいね月詠さん」
「はい。間桐様たちも」
そう言ってまた一度頭を下げて礼をすると月詠は自身のデイパックを提げて行こうとしたが、そこを大河が呼び止めた。

「月詠さん」
「はい。何でございましょうか?」
「これ持って行きなさい」
月詠が振り返ると大河は先ほど桜から譲り受けた散弾銃とその予備の弾を彼女に手渡した。

「これは……よろしいのですか? これは藤村様たちが己が身を護るために必要なもののはず……」
「大丈夫よ。まだこっちにはナイフもあるし、それに正直言うとわたし銃よりも剣の方が得意だし……桜ちゃんも別にいいわよね?」
「はい。月詠さんには何も自身の身を護るためのものがありませんし、藤村先生がそうおっしゃるのであれば」
「…………わかりました。では、この銃は今しばらくの間大事に使わせていただきます。ですが必ずこれは藤村様たちにお返しいたします」
「うん。それでいいわ。――あ。じゃあ、その代わりと言っちゃ何だけど、月詠さんの花火を貸してもらえないかしら?」
「花火をですか? 構いませんが……」
「ええ。ありがとう」
月詠は花火セットをデイパックから取り出すと、それを大河に手渡す。

「月詠さん。これから先、探している人に会えても会えなくても、もしわたしたちに会いたくなったら2つ焚き火をして。
その煙を見たらわたしたちがこれを10分……いや。15分ごとに打ち上げるから、それを頼りにわたしたちのもとに来て頂戴」
そう言って大河が花火セットの袋の中から『炸裂! 30連発!!』と書かれた市販の打ち上げ花火をいくつか取り出した。

283 :メイドさんと大きな銃(+花火) :2007/02/08(木) 18:01:31 ID:edT76K4V0

「わかりました。ありがとうございます。――では今度こそこれで失礼いたします」
月詠はそう答えるてまた頭を下げると今度こそ2人のもとを去っていった。



「藤村様に間桐様……まだ信じられる人がこの島にはいてくれてよかった…………」
森の中を歩きながら月詠はそう呟いた。

――実は彼女はあの小屋に行く途中、やや遠くから聞こえた爆発音と銃声らしきものを耳にしていた。
直接見ていなくとも既に殺し合いは始まってしまっていると判ったとき、まさか自分の部下や武たちもと薄々考えてしまっていた。
だが、あの2人に会えたことで月詠の中に再び希望の灯が強く点り始めた。

「待っていてください冥夜様、武様。そして皆さん。月詠が今助けに参ります……!」
左肩にはデイパック。右肩には散弾銃を提げて月詠は薄暗くなりつつある森の中を前へ前へと歩いていった。



【時間:1日目・午後5時45分】

月詠真那
 【場所:森林地帯】
 【装備:レミントン M870(12番ゲージ6/6)】
 【所持品:予備弾(12番ゲージ)×24、支給品一式】
 【状態:健康】
 【思考】
  1)冥夜たちを探す
  2)士郎たちに会えたら大河たちのことを伝える
  3)ゲームには乗らない。乗っている者と接触した場合は戦う
  4)大河たちに会いたくなったら2つ焚き火をする
  5)大河たちと再開して散弾銃を返す

284 :名無しさん@初回限定 :2007/02/08(木) 18:10:10 ID:KUWw1knXO

一応回避

285 :メイドさんと大きな銃(+花火) :2007/02/08(木) 18:13:18 ID:edT76K4V0

藤村大河
 【場所:山小屋(教会西側の山の山頂付近)】
 【装備:サバイバルナイフ】
 【所持品:支給品一式(水を少し消費しました)】
 【状態:健康】
 【思考】
  1)桜と夜が明けるまでは山小屋で身を潜める
  2)朝になったら近くの村(西側)に行き士郎たちを探す
  3)冥夜たちに会えたら月詠のことを伝える
  4)ゲームには乗らない。乗っている者と接触した場合は戦う
  5)月詠から合図があったら15分ごとに花火を打ち上げる

間桐桜
 【場所:山小屋(教会西側の山の山頂付近)】
 【装備:なし】
 【所持品:花火セット、支給品一式】
 【状態:健康】
 【思考】
  1)大河と夜が明けるまでは山小屋で身を潜める
  2)朝になったら近くの村(西側)に行き士郎たちを探す
  3)冥夜たちに会えたら月詠のことを伝える
  4)ゲームには乗らない。乗っている者と接触した場合は戦う
  5)月詠から合図があったら15分ごとに花火を打ち上げる

【備考】
・山小屋から半径数メートルには警報装置の糸が仕掛けてあります(人の膝下くらいの高さ。丁度生い茂る草木で隠れるように仕掛けられています)

286 :メイドさんと大きな銃(+花火) :2007/02/08(木) 18:14:34 ID:edT76K4V0

【ランダムアイテム備考】
・レミントン M870
 アメリカ、レミントン社の代表的なポンプアクション式散弾銃。口径は12番ゲージ。
 操作性の高さと頑丈さが評価されて、狩猟はもとより警察機構の制式散弾銃としてよく使用されている。
 日本でも、狩猟用として販売されていたり、海上保安庁の特別警備隊に錆びにくいクロームステンレス製のマリーンマグナムと呼ばれるものが採用されている。

・サバイバルナイフ
 米空軍のパイロット用などに用いられているタイプ。反射防止のため刃は黒く塗られている。濡れても滑らないように革製のハンドルを使用している。
 その名の通り、戦闘用としてだけでなくサバイバル用品としても極めて優秀。

・花火セット
 線香花火からドラゴンにロケット、打ち上げ花火まで様々な種類の花火が入っている花火の詰め合わせ。
 種類と使い方次第ではいろいろな使い方ができる。

287 :名無しさん@初回限定 :2007/02/08(木) 18:19:36 ID:KUWw1knXO



武に続いて桜も分岐か…
ここいら辺はまとめwiki作るときに本筋をどっちにするか決めればいいかな?

288 :メイドさんと大きな銃(+花火) :2007/02/08(木) 18:23:43 ID:edT76K4V0

【訂正】
肩を落とす桜の背中を大河がどんと桜の背中を叩いた。
  ↓
肩を落とす桜の背中を大河がどんと叩いた。


>>280 >>284
回避ありがとうございました

289 :名無しさん@初回限定 :2007/02/08(木) 19:57:14 ID:zFAnXVbZ0

榊千鶴、神宮寺まりも、桂言葉、桂心で予約します。

290 :朱と紅 〜アカとアカ〜 :2007/02/09(金) 17:25:38 ID:cXCvisuY0

「――では、契約成立ということで…………」
「うむ……だが高峰の娘。これから先汝が進む道は間違いなく地獄――修羅の道だぞ?」
そこを後にしようとした少女の後姿に男は声をかける。
それを聞いた少女――高峰小雪は振り返ると普段の笑顔を見せて言った。

「――皆さんに罪を背負わせるわけには参りませんから……」
そう言って小雪はそこを後にした。


 ◆ ◇ ◆ ◇ ◆


「…………」
日が沈み始めた夕暮れ時、村のとある一軒の民家の屋根の上に真紅の外套を身に纏う男が1人立っていた。
彼は夕陽を背に自身がいる村の様子をそこから一瞥していた。
――サーヴァント・アーチャー。
それが彼のこの聖杯戦争におけるクラスであり名だ。
今はとある参加者のサーヴァントとしてこの世に生を受けた存在である。

彼は僅かに困惑していた。
そう。なぜなら今自身が降り立っている地で行われているのは、彼がよく知っている――彼自身が経験した第五回聖杯戦争とは大きく違ったものであったからだ。

「――となると、私が今いるのは並行世界――自身に在りえたかもしれない可能性のひとつということか…………
だが、どのような歴史であったとしてもこれが千載一遇の好機である事に替わりは無い。そう。奴を――奴衛宮士郎を殺すための…………!」
アーチャーはそう呟くと両手にぎゅっと力を込める。
現在彼の両手には、先ほど投影魔術により投影した干将・莫耶が握られていた。

(――我がマスターは特別な能力は結界により制限されると言っていたが、確かにその通りのようだな。
千里眼のスキルは制限され役に立つかは微妙、念話も霊体化もできん。強化魔術も多少性能が落ちているし、投影もだいたい10分に1回が限度といったところか…………?)

291 :朱と紅 〜アカとアカ〜 :2007/02/09(金) 17:26:32 ID:cXCvisuY0


「まあいい。人間相手にはちょうどいいハンデといったところか? 他に現界したサーヴァントがいたとしても私と同じように制限を加えられているだろうしな…………」
アーチャーはそう言って一度フッと笑みを漏らすと、民家の屋根から地面に降りた。

「さて……コユキに言われたとおり、まずは人探しといくか……コヒナタにカミサカだったか?」


 ◆ ◇ ◆ ◇ ◆


――誰かを殺すということは、自分も誰かに殺される因果が出来るということだ。
――誰かを殺すということは、朱で自分の手を真っ赤に染め上げることだ。

――誰かを殺したということは、自分の手を朱で染めたということだ。
その朱は洗っても落ちることはない。石鹸で洗おうが、スポンジやタワシで己が手から血が出るまで磨こうが落ちることはない。

――その朱は一生落ちることはない。

その朱は罪の色だ。
罪を重ねるたびにその朱はさらに濃くなっていくだろう。

――だが、それももう覚悟の上だ。



――日常はそこにあるからこそ日常だ。
――日常は破壊してはならない。
――しかし、私はその日常を破壊させないために他の者たちの日常を破壊する。
もちろん、それが矛盾であることは充分わかっている。

292 :朱と紅 〜アカとアカ〜 :2007/02/09(金) 17:28:33 ID:cXCvisuY0

――だが、こうしなければ私は私の日常を護れないというのも事実なのだ。
だから私は、この殺し合いが始まる以前にあの男と接触し――『主催者側の手駒』になるという契約条件に乗った。


『――10人殺します。その代わり、それが達成されたあかつきには、私と私の大切な方々を殺し合いから外してください』
それがあの時あの男と交わした契約の内容だった。


――今の私は『日常』という仮面を付けた人形だ。道化ですらない。
自由は許されていない。感情を口にすることも許されない。
ただ言われたとおり他の参加者を殺していくための道具だ。『殺す』ためだけに存在するマシーンだ。

――だが、せめて最初の放送までの数時間は『私』は『私』でいようと思う。
もしかしたら、それが『私』が『私』でいられる最後の時間かもしれないから。


このゲームにおいて最初の数時間は死への恐怖などから暴走する者も多い。
しかし、そういった者は乗った、乗っていないにかかわらず必ず命を落とす。
だから殺し合いはスムーズに進むはずだ。

だが、それもしばらくすれば落ち着き、やがて沈静化する。
つまり、いずれはゲームの進行スピードが落ちるということに間違いはない。

それは主催者にとってみれば、できるだけ避けたいことだろう。
まあ、あの言峰という男の場合、本当にそう思うかは判らないが……

――だから私は18時の放送を機に容赦なく他の参加者を殺していく。
愛するものを失ったり、大事な友を失えば必ずまた暴走する者は現れるからだ。
そうすれば、また殺し合いはスムーズに進んでいく。要はきっかけを作るのが私の役目なのだ。

293 :名無しさん@初回限定 :2007/02/09(金) 17:33:34 ID:IS7o75Pz0

回避

294 :朱と紅 〜アカとアカ〜 :2007/02/09(金) 17:34:45 ID:cXCvisuY0

使命を全うするに当たって私は強力な支給品(品と言うのはなんか可愛そうな気もするが、そうは言っていられないし、なにより許されない)をあの男から与えられた。
だが、今はあえてその力は使わない。
まずは私が自らの覚悟を証明するために自らの手を汚す必要があるからだ。

――彼から受け取った武器を握り締めると、『私』は『私』でいられる残り僅かな時間を自分なりに満喫しようと行動を開始した。

「あの……そこにいる方々。ちょっとよろしいでしょうか?」
目の前にいる2人の見知らぬ方たちに声をかける。

――そう。今だけ――せめて今だけは『私』を『私』でいさせてください。
心の奥底の私は確かにそう呟き――やがて泣いた。



【時間:1日目・午後3時40分】

高峰小雪
 【場所:森の中】
 【装備:干将・莫耶】
 【所持品:支給品一式】
 【状態:健康。茜と奏に声をかける。ジョーカー。令呪残り3つ】
 【思考】
  1)茜と奏に声をかける(今は殺すつもりではない。『高峰小雪』として2人に接触した)
  2)18時の最初の放送以降、ジョーカーとして始動。下記の参加者以外を10名殺害し、かつての日常を取り戻す(いずれ目的を自身の優勝に切り替える可能性もあり)
  3)神坂春姫、上条沙耶、伸哉、小日向音羽、すもも、雄真、式守伊吹、高溝八輔、柊杏璃、渡良瀬準と合流したい
  4)いずれアーチャーと合流する
 【備考】
  ※タマちゃん(スフィアタム)は島にはいないと思っています
  ※アーチャーから真名は聞いていません
  ※アーチャーの殺害数も自身の殺害数としてカウントします

295 :朱と紅 〜アカとアカ〜 :2007/02/09(金) 17:35:22 ID:cXCvisuY0

アーチャー(エミヤ)
 【場所:村(西側)】
 【装備:干将・莫耶】
 【所持品:支給品一式】
 【状態:健康】
 【思考】
  1)コユキの命に従い、まずは神坂春姫、上条沙耶、伸哉、小日向音羽、すもも、雄真、式守伊吹、高溝八輔、柊杏璃、渡良瀬準を探す
  2)サーヴァントとして呼ばれた以上、マスターであるコユキを優勝に導く
  3)上記の参加者以外は基本的に殺害するつもり。特に衛宮士郎は自らの手で抹殺したい
  4)いずれ小雪と合流する
 【備考】
  ※原作開始時の設定です
  ※宝具(固有結界『無限の剣製』)は使えないと思っています
  ※小雪に真名は教えていません

296 :朱と紅 〜アカとアカ〜 :2007/02/09(金) 17:38:41 ID:cXCvisuY0

>>293
回避ありがとうございました

297 :予約した慎二、尊人、圭、美智子SS投下します :2007/02/10(土) 13:12:09 ID:rYYEKMhi0

尊人オルタナティブ

「さて。スタートしたのはいいけど、教会の周辺に冥夜たちはいないみたいだし、これからどうしようかな?」
鎧衣尊人(60番)は森の中を1人歩きながら、これから先どうしようか考えていた。

もちろん、彼(?)の最優先目標は武たちと合流することだ。
その次に優先する目標は、もちろんそれまで絶対に死なないことだ。

冒険家である父にことあるごとに拉致される形で世界の様々な秘境や魔境を経験し、制覇してきた自分の知識は多分少しは武たちの助けになるだろう。
それに、自分が貰った支給品は間違いなくこの殺し合いが行われている殺伐とした島では大変重宝するはずだ。

「行くとしたら、やっぱり人が集まりそうな場所かな?」
地図を広げて人が集まりそうな場所を確認してみる。
(やっぱり、人が集まる場所といえば村か新都が一番かな?)
そんなことを考えていると、彼の近くにポトリと音をたてて何かが落ちた。
「ん? なんだろう?」
目を向けると、そこには1つの小さな鉄の塊が転がっていた。
「…………え〜と……これって……うわっ!? 逃げろーーーーっ!!」
尊人がソレが手榴弾であることに気づき、その場から逃げ出すと同時に、落ちていた手榴弾が轟音と爆風を周辺に響かせた。
「うわわわわっ!?」
尊人は1メートルくらい軽く吹っ飛んで2、3回地面をごろごろと転がったが、すぐに立ち上がり、そのまま真っ直ぐ駆け出した。
「ここは逃げるのが一番の得策だよね、うん!」


「くそっ。やっぱり確実に仕留めるなら銃のほうがいいみたいだな……無駄弾を使わせやがって……!」
そう言って茂みの中から姿を現したのは、先ほど薪寺楓を殺害したばかりの間桐慎二だった。
「だけど、反撃してこなかったってことはろくな武器は持ってないってことだよな? まあいいや。今のうちに1人でも多く殺しておいたほうが後々楽だしねっ!」
慎二はズボンの腰に差していたシグ・ザウエルを手に取ると、尊人の後を追った。

298 :尊人オルタナティブ :2007/02/10(土) 13:13:34 ID:rYYEKMhi0

「あっ。出口だ」
5分ほど走っていると前方から夕焼け空が尊人の目に入った。つまり、森を抜けたということだ。
尊人はすぐさま外へ飛び出したが、その先には――――道がなかった。
「う、うそ……?」
尊人の目の前は崖と言っても間違いではないほど高く、急な斜面になっていた。
さらにその下には、また森が広がっていた。

(高さは大体十メートル弱ってところかな? これは、もし足を滑らせたらタダじゃ済まないかも…………)
尊人が斜面の下を見下ろしていると、背後からカチャリという音が聞こえた。
「!?」
慌てて振り返ると、そこにはシグ・ザウエルを構えた間桐慎二の姿があった。
その銃口は確実に尊人を捕らえていた。
「残念だけど、鬼ごっこはお仕舞いだよ」
そう言う慎二の顔は勝ち誇った笑みを浮かべていた。
「うん。そうみたいだね」
そんな慎二に対して尊人は臆することなく笑って言い返した。
それが慎二の癪に障ったようで、次の瞬間には慎二の顔からは笑みが消え、代わりに苦虫を噛み潰したような表情が浮かび上がった。
「くっ……ふざけているのか!? おまえの命はもう僕が握っているようなものなんだよ!?
びーびー泣きながら頭下げて命乞いをするっていうなら命だけは助けてやってもよかったのに、馬鹿な奴だ! 決めた。絶対に殺す!!」
そう叫ぶと慎二は手に持つシグ・ザウエルの銃口をさらにずいっと尊人に近づけた。
「――だけど、僕だって別に鬼じゃあないさ。このまま撃たれて死ぬか、それともそこから飛び降りて死ぬか、好きなほうを選ばせてあげるよ!」
そう言って慎二はまたニヤリと口元を吊り上げた。コロコロと表情を変える子だな、と尊人は思った。

ちらりと尊人は慎二の目を見た。
――間違いない。この目は人殺しのソレだ、と尊人は直感した。
――ならば、尊人が選ぶ選択はただひとつであった。

299 :尊人オルタナティブ :2007/02/10(土) 13:15:02 ID:rYYEKMhi0

「そうかい? それなら遠慮なく――」
「?」
「生存率が高いほうを選ぶよボクは」
そう言うと、尊人は振り返ることなく後ろに飛び、そのまま斜面を一気に滑り降りた。

「な……!? て、てめぇっ! そうやすやすと逃がすか!!」
慎二は慌てて斜面ギリギリの所まで駆け寄ると、即座にシグ・ザウエルを構え直し、斜面を滑り降りていた尊人に向けて2発発砲した。
その弾の1発は尊人の右わき腹に命中し、そしてもう1発は――――それでバランスを崩してしまった尊人の胸に吸い込まれていった。
「がっ!?」
次の瞬間、尊人はがくっと足を滑らせ、そのまま斜面をごろごろと転がり落ち、やがて斜面の下に広がる森の中へと消えていった。

「フン、クソが……! ま。とりあえずこれで早くも2人脱落ってことでよしとするかな?」
そう言ってすぐに気分を替えると、慎二は調子よくその場を離れ、自身が来た道へと戻っていった。





「圭さん、今の音……」
「ええ。間違いなく銃声ね……」
森の中を歩いていた2人の少女――小鳥遊圭(40番)と高根美智子(41番)は突然聞こえた銃声に慌てて足を止めた。
「――つまり、もう殺し合いに乗ってしまった方がいるってことですよね?」
「そうなるわね」
圭は自身の手にある支給品のMP5(本当は圭のではなく、美智子の支給品だ。圭の支給品は竹刀だった)を軽く握ると、一度周辺を警戒する。
「……? ねえ、何か聞こえない?」
「え?」
圭がそう言ったので美智子も慌てて耳をすませてみると、確かに、近くから何やら音が聞こえた。

300 :名無しさん@初回限定 :2007/02/10(土) 13:20:49 ID:CLhAW015O

回避

301 :尊人オルタナティブ :2007/02/10(土) 13:21:00 ID:rYYEKMhi0

それはバキバキと木々が折れる音だった。
しばらくすると、ドーンと何かが地面に落ちる音がして、それから何も聞こえなくなった。
「なんでしょう、今の音?」
「……こっち」
そう言って圭が指差す方へゆっくりと歩き始めたので美智子も慌ててそれに続く。


2人が音源と思われし場所に来ると、そこには大量の折れた木々と落ち葉の中に埋もれるように倒れている鎧衣尊人がいた。
どうやら近くの斜面から勢いよく転がり落ちてきたようだ。
「け、圭さん……この人……」
「大丈夫。まだ生きてるわ」
圭はそう言って慎重に尊人に近づくと、彼の頬を数回叩いた。
「う…ん……?」
すると尊人はゆっくりと目を開いた。

「……大丈夫?」
「ん? あ。君たちが助けてくれたのかい?」
尊人は上半身をゆっくり起き上がらせると、圭と美智子に一度頭を下げた。
「助けたというより、偶然貴方があたしたちの近くに落ちてきたのよ」
「ああ、そうなの。ええと……ボクを起こしてくれたってことは、君たちは今のところ殺し合いに乗ってはいないんだよね?」
「はい。私と圭さんは瑞穂さんたちを探しているんです」
「瑞穂さん? ああ。ボクの2つ前にスタートした子だね?」
「え? ということは……」
「自己紹介がまだだったね。ボク、鎧衣尊人。デイパックに入っていた名簿だと60番だったかな?」
「尊人さんですか。私は高根美智子といいます。そして、こちらは小鳥遊圭さん」
「よろしく」
「圭……? ああ、字は違うけど彩峰と同じ名前だね。じゃあ呼ぶときは小鳥遊でいいかな?」
「ええ。構わないわ」

302 :尊人オルタナティブ :2007/02/10(土) 13:21:47 ID:rYYEKMhi0

「――つまり尊人さんはそのワカメみたいなヘアスタイルの人に襲われたんですね?」
「うん。まさか本当に撃たれるとは思わなかったよ」
苦笑いを浮かべながら尊人はこれまでのことを2人に説明した。
「――でも尊人さん、撃たれたわりには随分と元気そうね」
尊人に対して圭がさらりと疑問を口にした。
そう。尊人の制服の上着の胸元と右わき腹には彼の証言通り撃たれた銃弾の跡がくっきりと残っている。
普通ならそれは間違いなく致命傷だ。それなのに、当の尊人はピンピンしている。疑問に思って当然だ。

「あっ。そういえば言ってなかったね。それは、ボクの支給品がコレだから」
尊人がそう言って上着を脱ぐと、その下から1着の黒っぽい地味な色をしたベストが姿を現した。
「あ。それってもしかして……」
「防弾チョッキ……」
「うん。それもかなり高性能なやつみたい」
そう言って尊人はデイパックから説明書を取り出し2人に見せた。確かに、説明書には『マグナム弾も防ぐ』と書かれていた。


「――さて。ボクも急いで武たちを探さなきゃいけないからこれで失礼するけど、もし瑞穂って子たちに会えたら伝えておくことあるかい?」
「そうですね……では、私と圭さんは一緒に行動しているのであまり心配なさらないでください、とよろしければ伝えてください」
「わかった。――あ。じゃあさ、もし美智子たちが武たちに会えたら、ボクは村か新都に行ってるって伝えておいてくれないかな?」
「わかりました」
「うん。ありがとう。それじゃあまたね」
そう言って尊人はデイパックを提げ、2人に軽く手を振るとその場を後にした。
「――では圭さん。私たちも瑞穂さんたちを探しましょうか?」
「ええ」

303 :尊人オルタナティブ :2007/02/10(土) 13:23:43 ID:rYYEKMhi0

【時間:1日目・午後5時15分】
【場所:森林地帯】

鎧衣尊人
 【装備:防弾チョッキ】
 【所持品:支給品一式】
 【状態:手足数箇所にかすり傷。数箇所に軽い打撲(行動に問題はない)】
 【思考・行動】
  1)武たちを探す
  2)自身の身の安全を守る
  3)瑞穂たちに会えたら伝言を伝える

小鳥遊圭
 【装備:MP5(9mmパラベラム弾40/40)】
 【所持品:予備マガジン(9mmパラベラム弾40発入り)×3、竹刀、支給品一式】
 【状態:健康】
 【思考・行動】
  1)美智子と瑞穂たちを探す
  2)武たちに会えたら伝言を伝える

高根美智子
 【装備:なし】
 【所持品:支給品一式】
 【状態:健康】
 【思考・行動】
  1)圭と瑞穂たちを探す
  2)武たちに会えたら伝言を伝える

304 :名無しさん@初回限定 :2007/02/10(土) 13:24:10 ID:CLhAW015O

もういっちょ回避

305 :尊人オルタナティブ :2007/02/10(土) 13:25:17 ID:rYYEKMhi0

間桐慎二
 【装備:シグ・ザウエル P228(9mmパラベラム弾9/13)】
 【所持品A:予備マガジン(9mmパラベラム弾13発入り)×3、支給品一式】
 【所持品B:手榴弾(×3)支給品一式】
 【状態:健康。マーダー】
 【思考・行動】
  1)ゲームに乗る。そして優勝する(できれば魔術師、魔法使いを優先的に殺していきたい)
  2)ゲームを破綻されるのを阻止する
  3)利用できそうな人間がいたら構わず利用する
 【備考】
  ※尊人を殺したと思っています


【ランダムアイテム備考】
・防弾チョッキ
 銃弾の貫通を防ぐほか、金属製のプレートで着弾時の衝撃をある程度分散、緩和する身体防護服。
 日本製のNIJ審査評価AAAタイプ。45口径弾(.45ACP弾)も防げる日本製の市販防弾チョッキでは最強の品で、実弾テストでは(外部に着用した場合だが)トカレフの弾も防いだ。
 防刃パネルは付いていないが、ある程度の刃物は抑止できる。胸部と腹部、背中を守るが腰部は守れない。
 .44マグナム弾までの弾なら防ぐことが出来る。(さすがに衝撃までは防げないが)

・MP5
 正確にはMP5A4。H&K社が誇るサブマシンガンの代名詞MP5の改良型であるMP5A2のモデルチェンジ型。3バースト機構を搭載している。
 目標に『当てる』事ができる命中精度を持っており、特にセミオート射撃では拳銃を上回る性能を持つ。
 様々なバリエーションが存在し、日本でも90年代の終わり頃、海保の特殊部隊であるSSTがMP5A5を導入し、2002年のFIFAワールドカップの日韓同時開催に伴う警備強化を機に、警察庁がMP5Fをベースにした独自モデル(俗称MP5J)を導入している。

・竹刀
 日本の武道である剣道の稽古および試合で防具に対して打突する竹でできた刀の代替品。
 呼び名は、「撓(しな)う」ことに由来するという説がある。
 木刀とは違い鈍器としての性能は皆無だが、突きなどで相手を悶絶させる程度には充分な武器。

306 :尊人オルタナティブ :2007/02/10(土) 13:26:30 ID:rYYEKMhi0

>ID:CLhAW015O様
回避トンクス

307 :名無しさん@初回限定 :2007/02/10(土) 14:01:45 ID:CLhAW015O

投下乙
尊人の防弾チョッキはデザートイーグル.50AEやP90とか持った相手以外には強力な対抗手段になるな



竹刀で思ったけど、
士郎やアーチャーは鍋とかハリセンといったハズレアイテムや非殺傷武器も強化すれば武器として充分使うことができるんだよな
強化もある程度制限されているみたいだけど

308 :願い事は何ですか?叶えにくいものですか? :2007/02/10(土) 17:41:10 ID:hFhVHqxq0

枯れ果てた大地、朽ちた街、そこには笑顔はない。
本来ならば学舎にて青春を謳歌しなければならないはずの子供たちは皆銃を取り、絶望の戦場へと赴く。
それは彼女にとって当たり前の光景、何故なら自分もそうだったし、生まれる前からもそうだったから。
それにしても…彼女は思う。
世の中には同じ事を考える輩がいるものだ、と。
来る侵略者との戦いに備え、極限の状況に置いての身体能力、行動力、心理力を計測し、
真に優秀たる兵士を育成するためのプログラムの一環。
彼女は思い出に耽るかのように自分の肩の傷をそっとなぞる、

『大日本帝国の臣民たる諸君、真たる士を育て見出すため、君たちにはその先駆けとなってもらう』
『今から最後の1人になるまで戦ってもらう』

思い出す度に自責の念に駆られるのに、何故か思い出さずにはいられなくなるのは何故だろう?
結局、人的資源の問題から数年で中止され、この件は闇へと葬られ、語ることすら許されない出来事だというのに。
自分たちの行ったことは、生きるため泥を食み同胞たちを撃ったあの数日間は無駄ではなかったと、
せめて生き残りとしては思いたいからだろうか?
だから改めて軍に志願したのも。

(教官となって以来、戦場に立つこともなくなったけど)
それでも…周囲を見渡す、自分の住んでいた世界とは違う
緑と暖かさに満ちた世界、だがこの空気は間違いなく戦場のそれだ。
それに…もしあの神父の言葉が本当ならば…。

309 :願い事は何ですか?叶えにくいものですか? :2007/02/10(土) 17:41:40 ID:hFhVHqxq0


「先生」
彼女にとって聞き覚えのある声が聞こえるが、あえて無視をするかの様に先を急ぐ。
「どうしたんですか先生、聞こえているんでしょう?」
だが背後の声は構って離してくれない、近づかないで欲しいのに…。
「心細かったんです、白銀くんも御剣さんも、鑑さんも見つからなくって、でもこれでほっとしました」
少しだけ彼女の歩みが遅くなる、背後の人物が挙げた人名が自分の知りうる人物らとは違うと知っていてもなお。
(お願い、近寄らないでそれ以上は…でないと私は)
「私、私ですよ榊千鶴ですっ!」
焦れた口調で叫ぶと千鶴は担任を足止めすべく駆け足で追い越そうとする。
(あなたを殺さないといけなくなるから)
千鶴が行く手を阻もうと回り込んだ瞬間だった、その時には彼女の担任であって担任ではない神宮寺まりもの手に握られた拳銃が、
すでに火を噴いていた。

「なんでですかっ!?」
肩を射ち抜かれながらも気丈に言い返す千鶴…だがまりもの目を改めて見て悟る。
「違う…先生じゃない…でもそんな…」
「ええ、私も驚いているわ…でもね私の知っている榊千鶴は私のことを…」
口ぶりは余裕だがやはりまりももまた動揺していた、千鶴が自分のことを自分の知る神宮寺まりもと錯覚したように、
まりもも目の前の千鶴と自分の知る榊千鶴を重ね合わせていたのだから…せめて唯一違う点があるとすれば、
「教官と呼ぶのよ」
まりもの一瞬の動揺を見て取り走る千鶴、藪に飛び込むのと発砲は同時だった…が、まりもはもはや千鶴の死体を確認しようとはしない。
命中を確信していたこともあるが、その藪の下は崖だと知ってもいたし、それに止めを刺すことはやはり躊躇われた。
上手くはいえないが、少なくとも彼女が『榊千鶴』なのは間違いないのだから。

だが…これで確信が持てた。
これほど不可思議な出来事が目の前で起こったのだ、ならばあの話はきっと正しい、
いや、正しくなくとも賭ける価値は充分にある…そう、もはや奇跡にすがるしかない。
BETAを殲滅し、地球を取り戻すことなど…その為ならば自分はまた泥に塗れ同胞の血を流そう、だからそれまでは。
「ごめんなさい…」
そう呟いてまりもはその場を後にした。

310 :願い事は何ですか?叶えにくいものですか? :2007/02/10(土) 17:42:39 ID:hFhVHqxq0

「痛い…なんで、なんでなの?先生…」
あれからどれだけの時間が経過しただろうか?重傷を負いながらも榊千鶴は生きていた。
激痛に鈍った頭で考える…でも分からないことだらけだ。
少なくとも軍服を着用していたのには疑問はなかった、どうせ香月先生に無理やり着せられてる、そう思ってた。
でも…あれはやっぱり。
「だけど、私のこと知ってたし」
だとすると…突如として恐ろしい考えが千鶴の頭に浮かぶ。
自分たちの偽者がいるというのだろうか、と…それはある意味で正しく、ある意味で間違ってはいたが。
「知らせなきゃ…みんなに」
身体から力が抜ける…血を流しすぎた、さらに転落のダメージもある、なんとかここまで歩いてきたが、
正直我ながら生きているのが不思議なくらいだ。
「私…死ぬのかな?」
もう、そう呟くくらいしか出来そうになかった。


「心っ!心っ!どこなの心っ!」
桂言葉は森の中、大声で妹の名前を呼んでいた…少し仮眠を取る間どこにも行くなと言い聞かせていたのに…。
しかも携帯電話を残したままで…ただでさえ心細い中妹まで失ったら…いや、いけないこんなことでは、
ぶんぶんと頭を振って弱気に陥りそうになった自分を叱咤し、言葉は妹を探し続けていた。

遠くにいくつもりはなかった、ただうなされる姉を見て何かをしたいと思った。
道中、川のせせらぎの音を聞いたのを思い出し、水を汲みに出かけたのはよかったが、
「どうしよう…」
中においても暗い森は容易に方向感覚を狂わせる、見事に桂心は迷子になってしまっていた。
「うう…おねえちゃんに怒られる」
とりあえず切り株に座り込み辛抱強く姉が探しに来るのを待つ心、
以前迷子になったときあちこち動き回った挙句母に大目玉をくらったのを思い出したのだ。
それから15分、待っているのにも飽きてきた心はきょろきょろと辺りを見回す、と、何かが動いた気がした…。
「おねぇちゃん?」
その何かが動いた辺りへと向かい、藪を掻き分けると…、
そこには今や瀕死の榊千鶴が、息も絶え絶えに倒れこんでいたのだった。

311 :願い事は何ですか?叶えにくいものですか? :2007/02/10(土) 17:46:06 ID:hFhVHqxq0

「ひぃ…」
今更ながらここで殺し合いが行われているという現実を思い出す心、だが。
(心、困ってる人や苦しんでいる人がいたら助けてあげないといけませんよ)
姉の言いつけが蘇る、心は千鶴の身体をじっと見る…血まみれでとても苦しそうだ、だったら助けないといけない。
「あの…大丈夫…ですか?」
心は恐る恐る千鶴へと問いかける、当の千鶴はそのただたどしい心の言葉をぼんやりと聞いて…、
それから最後の言葉を振り絞るように呟く…、出来れば皆に直接伝えたかったが、今はもう。
「あの…伝えて欲しいことが…」

その時だった。
「心に触らないで!」
「おねえちゃん!」
心が振り向くとそこには姉の姿があった、言葉はじろりと千鶴を睨みつけると、
そのまま心の手を引いて立ち去ろうとする。

「さ、行きましょう」
「でもあの人すごく苦しそうだよ」
「いいのよ、行きましょう、お洋服が汚れるわよ」
「でも…」
尚もその場に止まろうとする心だったが、その瞬間言葉は思い切り心の頬を打った。
「いいかげんにしなさい!どれだけ心配したと思ってるの!」
「ひっ…」
それでも言い返そうとした心だったが、姉の目に光る涙を見てしまってはもう何も言えない、
そのまま引きずられるように言葉と共にその場を離れる心、もう一度だけ振り向くと、すがるような千鶴の目がただ痛くてたまらなかった。

「結局…こうなる運命だったのかな」
残された千鶴は動かない口で呟く、もう痛みはない…ただ寒くてたまらなかった、そして眠い。
「もういいわ…何もかも」
それだけを言い残し、榊千鶴は森の中で1人永遠の眠りについた。

312 :名無しさん@初回限定 :2007/02/10(土) 17:47:26 ID:7yU5+HOf0

回避

313 :願い事は何ですか?叶えにくいものですか? :2007/02/10(土) 17:52:34 ID:hFhVHqxq0

【時間:1日目午後15時30分】

【場所:森林地帯付近の草原】
神宮寺まりも
【装備:USSR スチェッキン】
【所持品:支給品一式】
【状態:通常】
【思考】
1:勝利し聖杯にBETAを倒してもらう。

【時間:1日目午後16時00分】
桂言葉
【場所:森林地帯】
【所持品:携帯電話(多分FOMA)、支給品(未開封)】
【状態:精神的に不安定】
【思考】
1:妹を守る


桂心
【場所:森林地帯】
【所持品:携帯電話(多分FOMA)、支給品(未開封)】
【状態:通常、ただし姉に違和感】
【思考】
1:姉と一緒に

【榊千鶴 死亡 残り57人】

314 :願い事は何ですか?叶えにくいものですか? :2007/02/10(土) 17:53:31 ID:hFhVHqxq0

一方、早足で森の中を進む言葉と心。
「おねえちゃん痛いよ、手が痛いよ」
固く握られたままの手の痛みを訴える心だが、言葉には届いていないようだ、代わりに返ってくるのは、
「心はお姉ちゃんが絶対に守ってあげるから、だからお姉ちゃんの言うことちゃんと聞きなさい、ねぇ分かったねぇ」
そんな確認とも脅迫ともとれない訴え…心は姉の姿に初めて恐怖を感じていた。

【時間:1日目午後15時30分】
【場所:森林地帯付近の草原】
神宮寺まりも
【装備:USSR スチェッキン】
【所持品:支給品一式】
【状態:通常】
【思考】
1:勝利し聖杯にBETAを倒してもらう。

【時間:1日目午後16時00分】
桂言葉
【場所:森林地帯】
【所持品:携帯電話(多分FOMA)、支給品(未開封)】
【状態:精神的に不安定】
【思考】
1:妹を守る

桂心
【場所:森林地帯】
【所持品:携帯電話(多分FOMA)、支給品(未開封)】
【状態:通常、ただし姉に違和感】
【思考】
1:姉と一緒に

【榊千鶴 死亡 残り57人】

315 :名無しさん@初回限定 :2007/02/10(土) 18:04:08 ID:7yU5+HOf0

ふと思ったのだが支給品のサーヴァントって、魔術師以外の手に渡ってたら、
やっぱり魔力供給はほぼ0なんだろうか?
車のガソリン宜しく、もともとサーヴァント自身が貯めてるのはあるだろうけど。

316 :名無しさん@初回限定 :2007/02/10(土) 18:15:21 ID:XayWw6/n0

梶浦緋紗子、上岡由佳里で予約

317 :名無しさん@初回限定 :2007/02/10(土) 18:16:25 ID:K3gzk94q0

他人の霊力を奪って維持するって方法もあるから

でも今回に関しては一般人でも最低限存在を維持するだけの魔力供給は出来るんじゃないだろうか?
その分能力もガタ落ちだろうけど

318 :名無しさん@初回限定 :2007/02/10(土) 18:20:57 ID:rYYEKMhi0

う〜ん、どうだろう?
きのこの公式だと一般人でも魔術回路持っているやつは持っているみたいだし……



―――ってオイ、まりもちゃんwww

319 :名無しさん@初回限定 :2007/02/10(土) 18:21:53 ID:rYYEKMhi0

すまん。ついageてしまった……orz

320 :名無しさん@初回限定 :2007/02/10(土) 18:35:25 ID:rYYEKMhi0

まりもちゃんの支給された銃を勝手に調べてみた


・USSR スチェッキン
 前線下士官や特殊部隊向けにソビエト軍が1951年に制式採用した機関拳銃。
 毎分750発の連続発射が可能ながら、レートリデューサーのお陰で連射時のコントロールが難しくない。
 とは云え、さすがに片手保持での連射は容易ではないらしくホルスター兼用のストックが付属している。
 70年代に入ってからは第一線部隊から引き上げられ、現在はロシア警察や内務省の治安維持部隊が使用している。
 使用弾は9mmマカレフ弾。装弾数は20発。

 今回まりもちゃんが千鶴に2発撃ったので残りは18発。

321 :名無しさん@初回限定 :2007/02/10(土) 18:36:54 ID:K3gzk94q0

ところで参加者に幽霊がいるんだけど、それはどうするんだ?

322 :名無しさん@初回限定 :2007/02/10(土) 18:39:09 ID:rYYEKMhi0

ちゃんとログ見たか?

323 :名無しさん@初回限定 :2007/02/10(土) 18:41:12 ID:K3gzk94q0

了解

324 :名無しさん@初回限定 :2007/02/10(土) 18:49:43 ID:CLhAW015O

小日向雄真、小渕みなみ、遠坂凛で予約します


オルタ世界から参戦のまりもちゃん……
――いかん、死ぬ時はグロい殺され方するんだろうなあと思ってしまう……w

325 :名無しさん@初回限定 :2007/02/10(土) 19:01:46 ID:rYYEKMhi0

まりもちゃんリピーターみたいだし、一般人(異能力未保有者)参加者だと間違いなく最強じゃね?w
まあ、それはそれで展開的に面白いがw


02/厳島貴子、29/三枝由紀香、48/柊杏璃で予約


【残りの未行動・未予約キャラ】
04/イリヤスフィール・フォン・アインツベルン 08/織倉楓 18/神代巽 47/巴雪乃
49/氷室鐘 54/御門まりや 57/御剣冥夜 59/森来実 61/柳洞一成 62/渡良瀬準

326 :名無しさん@初回限定 :2007/02/10(土) 19:06:10 ID:K3gzk94q0

まりもちゃんはロワ経験者という意味でのリピーターであって
聖杯戦争のリピーターではないよね、当然ながら
でもオルタ世界だとロワみたいなこと実際やってそうだな

327 :名無しさん@初回限定 :2007/02/10(土) 19:12:28 ID:CLhAW015O

スパロワみたいに戦術機でバトロってたのかね?w
んなわきゃねーかwww

328 :名無しさん@初回限定 :2007/02/10(土) 19:58:55 ID:rYYEKMhi0

さて、スレの残り容量が半分になったことだし、
そろそろ『まとめWiki』もしくは『まとめサイト』をどうするかの議論に入ろうか?

俺的には最初作るなら誰でも更新、修正が可能で尚且つバックアップ機能もあるWikiのほうがいいと思う

329 :名無しさん@初回限定 :2007/02/10(土) 20:19:40 ID:TYDbEp+P0

携帯専用エロアニメ探し
http://yuucom.mh3.mp7.jp/55/

330 :名無しさん@初回限定 :2007/02/10(土) 20:20:41 ID:XayWw6/n0

俺も編集他色々勝手が良いWikiに一票。

それと白銀武(純夏合流orいぬかみっ!モード)と間桐桜(“HF・Normal”ED後or藤村先生と一緒)が2ルートあるわけだけど、
こっちはどうする?今のところシュレーディンガーの猫状態でどっちが本筋になるかは分からないからどっちもでFA?

331 :名無しさん@初回限定 :2007/02/10(土) 20:24:11 ID:CLhAW015O

俺もWikiのほうがいいと思う

んでもって、背景はやはり黒?

332 :名無しさん@初回限定 :2007/02/10(土) 20:27:32 ID:rYYEKMhi0

>>330
とりあえずこれまでの作品は全部残しておくべきかと
アナザーにするか別ルート化するかは後々決まるだろうし

333 :名無しさん@初回限定 :2007/02/10(土) 20:36:21 ID:K3gzk94q0

武の場合はアーチャーのからみで小雪の行動にも関係してくるから
早めに明確にしておいた方がいいかも

334 :名無しさん@初回限定 :2007/02/10(土) 20:41:44 ID:rYYEKMhi0

今Wiki借りた
これから作る

335 :名無しさん@初回限定 :2007/02/10(土) 20:55:03 ID:CLhAW015O

>>334
ガンガレ。超ガンガレ

336 :名無しさん@初回限定 :2007/02/10(土) 21:28:10 ID:rYYEKMhi0

とりあえず形だけ……
http://www26.atwiki.jp/negirowa2/pages/4.html

337 :名無しさん@初回限定 :2007/02/10(土) 21:32:52 ID:CLhAW015O

>>336
乙!
そしてGJ!!

338 :名無しさん@初回限定 :2007/02/10(土) 22:02:40 ID:rYYEKMhi0

Wikiも作って一安心したところで
武と桜はどちらをメインルートとするか決めようか


俺は武は純夏合流、桜は藤ねえと一緒ルートがいい……

339 :名無しさん@初回限定 :2007/02/11(日) 00:11:36 ID:9ukN1OWm0

とりあえず一子&タマちゃん組まで本文掲載しときました。
誤字脱字は訂正が挙がっていた分だけしてあります。
あと本編目次欄がなんだかおかしなことになっているので修正お願いします。(バックアップの戻す機能が使えないので

>>338
俺も武は純夏合流で、桜は…今のところノーコメントで


それでは以下、梶浦緋紗子、上岡由佳里を投下します。

340 :特製ハンバーグステーキ狂気のソース和え :2007/02/11(日) 00:16:10 ID:9ukN1OWm0

 「どうしてこんなことになっちゃったのかしら」
梶浦緋紗子(10番)は溜息交じりにそんなことを漏らしながら、ふと立ち止まった。
記憶が間違いでなければ、昨日まで普通に教壇で弁を揮うただの一教師だったはずだ。
それが突然こんなところに放り込まれて、戦争の真似事のようなことをやらされている。それも教え子たち共々―である。
最初に気がついた時、あの聖堂には聖應の制服を着た生徒が幾人かいた。
呼ばれるまでの間、一通り生徒たちを確認してみたが、季節はずれの夏服を着た子以外、よく見知った相手ばかりであった。
何故か集められていた生徒が自分の担任クラスの生徒の一人であり、聖應女学院第72代エルダーシスターである宮小路瑞穂と、
その取り巻きにいる生徒たちばかりであることに緋紗子は疑問を持ったが、深く考えている場合ではないだろう。

正直、悪い夢か何かだと思いたい。
だけど、脇に抱えたコレの鉄特有の冷たさ、脚を擦る草の感触、森林地帯特有のひんやりとした空気、
それら全てがこれが夢ではなく現実であることを如実に物語っていた。

 「こうしていても仕方ないわね。とにかく厳島さんを探さなくちゃ…」
気を入れなおしながら、緋紗子はまた歩き出した。
呼ばれたのが比較的早かったこともあって、緋紗子より前にスタートした聖應女学院の生徒は2番の厳島貴子ただ一人。
貴子は余りにも突然の事態に困惑し、動揺していたのだろう、それは聖堂から逃げ出すように出て行った様子からも分かる。
一人にしておくのはどう見ても危険だった。
緋紗子の目的は一刻も早い教え子たち全員と合流し、この狂気じみたゲームに乗ってしまった者から護る事。
それが教師として、また聖職者の端くれとして自分が為さなくてはならないことだと緋紗子は考えていた。
幸い、支給された武器は襲撃者たちから身を守るものとしてはアタリといってもいいものであった。

341 :特製ハンバーグステーキ狂気のソース和え :2007/02/11(日) 00:17:56 ID:9ukN1OWm0

 「本当はこんなものには頼りたくないんだけど…仕方ないわね」
そう言って緋紗子は小脇に抱えた短機関銃“ウージー”に目をやった。
コレを使うことに抵抗が無いわけではないが、いざというときに頼りになるのは事実だ。
もし襲撃者と遭遇するあっても簡単にやられるということは無いはずだ。最悪、生徒が逃げる時間を稼ぐぐらいは出来るだろう。
そうなったときにはほぼ間違いなく自分は…
 「…ダメね。こんなこと考えちゃ……あら?」
嫌な考えを振り払うように首を振った次の瞬間足を止めた。一瞬、木陰の隙間から見慣れた聖應の制服が見えた気がしたからだ。
 「厳島…さん?」
 「…その声、先生?」
聞こえてきた声は貴子のそれとは別の、それでも聞き覚えのある声だった。
聖堂にいた顔ぶれと声を瞬時に結びつけた緋紗子は木陰の向こうにいるであろうその子に声をかける。
 「その声は…由佳里さんね」

上岡由佳里―、瑞穂と同じ学園寮で生活している子でB組の御門まりやの妹分の子だ。
緋紗子より後に出たはずだが、貴子を探してうろついている間に追いつかれてしまったのだろう。
順番が変わってしまったが、由佳里もまた護る対象であることに変わりは無い。
緋紗子は肩から提げていたウージーを足元に置くと、一歩、また一歩と木陰へと歩を進めた。
聞こえてくる由佳里の声は震えていて、聖堂から駆け出していったときの貴子と同じ危うさを秘めていた。下手な刺激は逆効果になりえない。
 「安心して由佳里さん、私と一緒なら大丈夫よ」
緋紗子は努めて冷静に、いつもどおりの声音で声をかけ続けた。
 「…先生、わたしダメなんです」

342 :特製ハンバーグステーキ狂気のソース和え :2007/02/11(日) 00:20:01 ID:9ukN1OWm0

 「…?何がダメなの?由佳里さん」
突然訳の分からないことを言い出す由佳里に緋紗子は内心首を傾げたが、恐怖でちゃんと物事が考えられないのだろうとアタリをつけて自分を納得させた。
 「とにかくわたしってダメなんです。特にコレといって取得もないし、サスペンスドラマだとわたしが良いと思う人は真っ先に死んじゃうし、
寮で対戦ゲームをするとまりやお姉さまどころか奏ちゃんにまで瞬殺されちゃうし、いつもそうなんです。真っ先にやられちゃう運命なんです」
由佳里の言葉に緋紗子は自身の考えが間違っていないことを確信した、由佳里は恐怖の余り、今の現実をドラマやゲームと混同してしまっているのだ。
 「大丈夫よ由佳里さん、先生が護ってあげ……」
そう声をかけながら視界をふさぐ木の枝を払い除けた緋紗子は、目の前の光景に思わず目を見張った。
由佳里が回転式拳銃を構えていた。他でもない、緋紗子に狙いを定めた状態で…
 「…わたし、もう真っ平ごめんなんです。死ぬのも、真っ先にやられるのも…」
銃を構える由佳里の目は狂気じみていて、緋紗子は由佳里が既に壊れてしまったということを刹那に悟った。
だが、今の緋紗子にはそれ以上の行動をとる事が出来なかった。
 「だから先生、わたしの代わりに最初に死んでください」
そんな由佳里の声と共に、刑事ドラマなんかで制服警官が持っている銃と全く同じそれの引き金が引かれ…次の瞬間、自分の胸から血が噴き出すのをはっきりと見た。
全身から一気に力が抜け、緋紗子の身体はその場に崩れ落ちた。
 (ごめんなさい瑞穂君…私、由佳里さんを救えなかった…聖職者、失格…ね……しお…私も…もうすぐ…そっ…ち…に……)
遠くなっていく意識の中、緋紗子はついこの間永久の別れをしたばかりの親友が優しく微笑みかけてくれる姿を見たような気がした。


 「あはは、やった、やりましたよまりやお姉さま! わたし最初じゃありませんよ! あは、あははは、あはははははははは…」
由佳里は落ちていたウージーと緋紗子のディバッグを拾いあげると狂気に満ちた笑いを漏らしながら森の奥へと消えていった。
その顔にかつて瑞穂に快活な印象を与えた面影は微塵も残ってはいなかった。

343 :特製ハンバーグステーキ狂気のソース和え :2007/02/11(日) 00:22:12 ID:9ukN1OWm0

【時間:1日目午後14時10分】
【場所:森林地帯】

上岡由佳里
【装備:ニューナンブM60(.38スペシャル弾4/5発) ウージー(9mmパラベラム弾50/50)】
【所持品:支給品一式×2 予備マガジン(9mmパラベラム弾50/50)×3】
【状態:健康 精神に異常】
【思考】
1:とにかく死なない
2:誰であろうと容赦なく倒す

【梶浦緋紗子 死亡 残り56人】


【武器詳細】
・ウージー
イスラエルのIMI(イスラエル・ミリタリー・インダストリーズ)社製の短機関銃。
イスラエル初の国産兵器として1951年に陸軍中佐ウジール・ガルが完成させ、1953年に量産開始。
砂漠戦闘を意識し、発射機構には構造が簡易なオープンボルトファイヤー方式を採用、本体にはプレススティールを多用し、高い信頼性と生産性を実現している。
全長は47センチとコンパクトだが重量は約4kgもあるため、その重量のおかげで却ってフルオート射撃中のコントロールが容易である。
使用弾薬は一般的な9mmパラベラム弾だが、.45ACP弾を使用するモデルもある。装弾数はマガジンによって20、25、32、50発がある。

・ニューナンブM60
ミネベア(旧新中央工業)社製.38口径回転式拳銃。日本国製。
日本の警察官や旧国鉄公安職員(鉄道公安官)、海上保安官等が使用する制式けん銃。
1951年頃に開発を開始し、1960年、警察庁に採用されたことから名称に"M60"が付いている。
S&W社製M36リボルバーを参考に開発されたといわれるが、使用実包.38スペシャル×5連発は同じながらニューナンブM60の方が銃全体サイズは一回り大きい。

344 :名無しさん@初回限定 :2007/02/11(日) 13:20:32 ID:nbBrsiAN0

御剣冥夜で予約します

345 :名無しさん@初回限定 :2007/02/11(日) 15:48:43 ID:zMcyb3Uo0

やっぱ下着兵は駄目だったか……まぁ、賑やかしにはなったからそれはそれで良し。

346 :名無しさん@初回限定 :2007/02/11(日) 15:53:02 ID:a7QOTZigO

そういえば、『下着兵が夢に出た』って同人が以前あったなw

347 :名無しさん@初回限定 :2007/02/11(日) 15:53:20 ID:dYaM6ul50

>>345
作者さんですか?
あの話には笑い転げさせてもらいました。GJでした。
これからもよろしくお願いします。

348 :名無しさん@初回限定 :2007/02/11(日) 15:58:26 ID:zMcyb3Uo0

イリヤスフィール・フォン・アインツベルンで予約です。

349 :誕生!魔法少女? :2007/02/11(日) 17:38:36 ID:EoyN47Ah0

「ぐおおおっ!がはっ!がはっ!」
公園のベンチでのたうつ御剣冥夜、足元に転がるのは食べかけの缶詰、さては毒か?
「お…おのれっ…おおおおっ…」
息も絶え絶えの姿で水飲み場までたどり着き、貪るように口を濯ぐ冥夜、ようやく口の中の痛みと熱さが退いていく。
「な、なんと辛い麻婆豆腐だ…このような物、人の食するものではない!」
路上にひっくり返った缶詰を憎々しげに眺め、吐き捨てる冥夜。
腹が減っては戦は出来ぬとばかりに、落ち着ける間にまずは一食と思ったのだが最初で躓いた、
恐る恐るディバックの中に目をやる冥夜、中にはまだ食料が数日分入っていたが…。
「全部麻婆豆腐ではないだろうな」

だとすれば戦う前から敗北は必至である…、まさか。
「戦う前から我らの戦意を削ぐ、その布石か…だがこのような幼稚な手には乗らぬぞ」
真相は単に管理者の趣味+親切なのだが、冥夜にはそのようなことは及びもつかない。
ともかく拳を握り締め、いけ好かない神父を打倒することを改めて誓う冥夜だったが、そこで手がぬるりとする感触、
見ると手が切れている、どうやら缶の切れ端で切ってしまったようだ。
水で洗い流してもじわりと血が滲んでくる、傷は浅いが広範囲に薄く切れている。
「何か無いか…」
ハンカチを血で汚したくはなかったので代わりの物を探してがさがさとディバックを漁る冥夜、奥に何か棒のようなものがある。

これが武器か?訝しげにそれを握った瞬間、周囲はまばゆいばかりの光で包まれ、
その中で詠唱と同時に冥夜の身に纏う服が変化していく。
「魔法少女カレイドメイヤーここに爆誕っ!愛と正義の名の下に断罪の剣で悪を両断しちゃいますっ!」
光が収まるとそこにはフリル振り振りのロリータ風魔法少女なコスチュームに身を包んだ冥夜がいた。
何の疑問も感じずに、ポーズをとる冥夜、だが…魔法の効果はそれほど長くない。
「なっ、な、なぁ〜〜〜っ」
案の定数秒後には冥夜は己の姿に悲鳴を上げるのだった。

350 :誕生!魔法少女? :2007/02/11(日) 17:39:11 ID:EoyN47Ah0

「なるほど…話は了解した」
目の前でひらひらと舞うステッキを睨む冥夜。
「わかってくれましたか、なら話は早いですっ!早速魔法の力でもってっ」
冥夜の視線の意味を理解していないのか、それともあえて無視しているのか明後日の方へ話を持っていこうとする、
ルビーちゃんだったが、それを許す御剣冥夜ではない。
「たわけっ!、こちらの主張はただ1つだけだっ!戻せっ!今すぐ元に戻すのだっ!さもないとっ!」
カレイドステッキをぶんぶんと振り回し脅迫する冥夜、だが返答は無情だった。
「それがですね…どうやらこの地にはかなり強力な呪縛結界が施されているようでして…
そのお陰でダウンロードが異常終了しちゃいまして、そのつまり契約が切れるまではその姿で…」
「こっこっこっ、このたわけがっ!切れッ!今すぐ切れっ!契約を」

「そうしたいのはやまやまなんですけど、契約の解除は不可能でして、しかも先ほどの通りダウンロードが不完全な絡みで
しばらくその姿でガマンしていただく他は」
「貴様!いやしくも御剣財閥次期当主たる私に、このような恥ずかしい姿で往来を闊歩しろというのかっ!
そこに直れっ!鉄槌を下してくれる」
へらへらと耳障りな言葉を吐くステッキを成敗せんと拳を振りかざすカレイドメイヤー、いや冥夜だが、
カレイドステッキは言葉と同じくへらへらと宙を舞い、冥夜の鉄拳はことごとく空を切るのだった。

「お主…さっきそうしたいのはやまやまと言ったな…つまり少なくとも責任は感じているわけだな、ルビーとやら」
不毛な追いかけっこが一段落し、息を整えながらルビーに問いかける冥夜。
「はいですよ、私にもかのゼルレッチが造りし魔術礼装としてのプライドがありますから、このような中途半端な魔法少女など
私の美学に反しちゃいますっ」
責任は感じてそうだが、口調がやけに楽しそうなのは気のせいか?
「しかし契約の解除だけは出来ないのです、方法があるとするならば」
「あるとするならば」
息を呑む冥夜、契約というからにはなにか困難な行動を為さねばならないのだろうか?
(金で解決できれば…いやそれはいかんな)

351 :誕生!魔法少女? :2007/02/11(日) 17:40:03 ID:EoyN47Ah0

「私が他の誰かと契約すれば、その時点で冥夜ちゃんとの契約が上書きされて結果、契約が解除されるはずです」
やや拍子抜けする冥夜、その程度でいいのならば…が。
「なんだ方法ならあるではないか…なら早速…」
そこで冥夜は重大な問題に気が付いた、たしかに行為自体は簡単だが…しかし。

「お主のような動く災厄を他人に押し付けなければならないというのかっ!」
「もー災厄だなんてひどいですっ!ルビーちゃんはご立腹ですよっ!」
「ご立腹はこっちの言葉だ!それにこんな恥ずかしい服を着た女子の話すことなど誰が信じるのだっ!」
確かにその通りだった、ただでさえこんな状況の中、だれがこんな与太話に付き合ってくれるというのか、
まして生きた証拠があるのだから余計に性質がわるい…しかし誇り高き彼女にはこれ以上この恥辱には耐えられそうにない。
「それしか…方法は…ないのか」
血を吐くようなうめきをあげてルビーを睨みつける冥夜。
「お気持ちは承知しますけど、これも魔法少女の輪が広がると思えば問題ナッシングですっ」
「それが問題だと言っているっ!」
傍若無人に羽ばたくルビーを追い掛け回す冥夜、
服を着替えればそれで解決するという考えは何故か完全に消失していた。

352 :名無しさん@初回限定 :2007/02/11(日) 17:45:19 ID:a7QOTZigO

回避

353 :誕生!魔法少女? :2007/02/11(日) 17:49:31 ID:EoyN47Ah0

【時間:1日目午後17時00分】
【場所:公園】

御剣冥夜(カレイドメイヤー)
【装備:カレイドステッキ】
【所持品:支給品一式】
【状態:健康】
【思考】
1:良心が痛むがカレイドステッキを誰かに押しつける

カレイドステッキについて
能力ダウンロードができなくなっています(所有者の魔力にも関係?)
そのため単に魔法少女に変身するだけのアイテムに成り下がっています。

354 :名無しさん@初回限定 :2007/02/11(日) 17:51:53 ID:zMcyb3Uo0

大量のマーボー缶を前にくず折れる柳堂イッセー君を幻視した。

355 :名無しさん@初回限定 :2007/02/11(日) 17:57:24 ID:a7QOTZigO

支給される食料パンだけじゃなかったのか
とにかく投下乙

しかしカレイドステッキ、最近パロロワで大活躍だなw

356 :汝、何を望むか :2007/02/11(日) 23:14:58 ID:/jxxHMq80

(――嫌だ。死ぬなんて、殺すなんて、恐ろしい。まっぴらだ。まだまだ、やりたいことがいっぱいあるのに!)

小渕みなみ(7番)は走っていた。
仲間を――普段からつるんでいた加藤乙女たちを探すためだ。

恐怖で何度も気がふれそうになった。
しかし、そのたびに乙女たちがきっとなんとかしてくれると自身に暗示をかけることでここまで耐え抜いてきた。

(――そうだ。乙女たちと合流できれば、きっとこんなクソゲームを抜け出す方法だって見つかる! 現に今までだって4人でそうやってきたじゃない……!)

所詮自分も1人では何も出来ない愚かな存在なんだな、と心の奥底で改めて痛感しながらみなみは走り続けた。
自身に支給された変わったデザインのバタフライナイフを握り締めながら。


 ◇ ◆ ◇ ◆ ◇


「――まずは銃だな」
森を歩きながら小日向雄真が最初に考えたことがそれだった。

自身に支給された日本刀、皆琉神威は参加者に支給された武器の中では確かに強い部類に入るだろう。
しかし、相手に近づかなければ攻撃ができない――つまり射程が短いという欠点がある。
そのため、これから先銃器を持ったものを相手にしていくためにはどうしても同じような銃器が必要だった。

(――といっても、そう簡単に手に入らないだろうしなあ……)
こうなったら、殺し合いに乗っておらず、なおかつ銃を持っている参加者と出会い次第だまし討ちして片っ端から奪っていくか、などと考えていると、ふと誰かの足音が聞こえてきた。
「? 誰だいったい?」
とりあえず雄真は近くの茂みに身を隠すことにした。

357 :汝、何を望むか :2007/02/11(日) 23:15:40 ID:/jxxHMq80

 ◇ ◆ ◇ ◆ ◇


――小渕みなみは未だ走り続けていた。
仲間たちを探すために。

「乙女、夏美、来実……いったいどこにいるのよ……1人は嫌だよ……」
そんなことを呟きながらしばらく走っていると、先の道筋に何かが転がっていることに気がついた。
「な…何……?」
恐る恐るそれに近づいてよく見てみる。
それは結構大きいものだった。下手したら自分以上の大きさかもしれなかった。

――それは榊千鶴(30番)の亡骸だった。

(――なあんだ……ただの女の子か。そう、ただのメガネで三つ編みをした女の子だ。ピクリとも動かないし、息もしてない。
あ。しかも身体中が真っ赤だ。――ああ、そうか。きっと誰かに殺されたんだね、うん。こんな島だもん。当然といえば当然よね―――ってふぇっ!?)

ちょ……ちょっと待って? ってことは、この子は……いや、コレは………
「しししししししたしたしたしたいしたいしたい死体死体死体−――ー!?」
身体中がガクガクと震えだす。震えが止まらない。
「こここここの子……しししし死んでる、死んでるしんでるしんでるしんで…………
――いやああああああああああああああああ!!」

悲鳴をあげ、みなみはまた走り出した。
ただ遠くへ――目の前の現実から逃れるために――――


 ◇ ◆ ◇ ◆ ◇

358 :汝、何を望むか :2007/02/11(日) 23:16:29 ID:/jxxHMq80

「――なんだったんだあいつ?」
目の前を走り去っていった少女――小渕みなみの背中を不思議そうに眺めながら、小日向雄真は茂みの中から姿を現した。
「見たところ殺し合いに乗っているようには見えなかったけど……まあ、ほっとくか。別に俺には関係ないし、ああいう奴はこの先そう長くはないだろうし……」

雄真はみなみが走ってきた方へと目を向ける。
「――むこうに何かあるのかな?」
そう呟くと雄真はその方向へと歩き始めた。



「――ああ、なるほど。そういうわけか……」
少し歩いたところで雄真は榊千鶴の亡骸を発見した。
死んでからまだ1時間もたっていないのだろう。それからはまだ死臭もしなかった。

――別に恐怖は感じなかった。
ただ、人間も簡単にこうなるんだな、ということを改めて思い知った。

雄真は千鶴の亡骸を一瞥すると今度は周辺を見渡した。
すると、思ったとおり、近くに千鶴のものと思われるデイパックが落ちていた。

「食料と水だけでもあったら貰っとくかな……」
そう言ってデイパックを開帳する。
「ん?」
すると、意外なものがその中から出てきた。

それは雄真が先ほどから欲しいと思っていたもの――銃だった。
しかも予備マガジン付きだ。
(なんだ? 殺した奴は奪っていかなかったのか? 随分と変わった奴だな……)
そう思いながら雄真はその銃――グロック19とマガジンをポケットに仕舞い込み、さらには水と食料を自分のデイパックに移し換えると、もう一度千鶴の亡骸を一瞥した。

359 :汝、何を望むか :2007/02/11(日) 23:17:58 ID:/jxxHMq80

「墓荒しみたいな真似して悪かったな。でも、こっちも死ぬわけにはいかないんだ。だから、こいつは遠慮なく使わせてもらう。
――それと、全て片付いたら俺が絶対にみんな生き返らせてやるから、それまでゆっくり休んでろ……」
そう吐き捨てると、雄真は再び森の奥へと歩いて行った。


 ◇ ◆ ◇ ◆ ◇


――小渕みなみは走り続ける。
終わりなき現実からの逃走劇を1人黙々と続けていた。

どこへ行くのか、どこまで走るのかなど彼女自身も判らなかった。
ただ逃げて逃げて、逃げ続けるだけしか出来なかった。

「夢だ……これは悪い夢だ……そうだよ。きっと目が覚めたらいつもの朝みたいにベッドの上で……それで……」

――それから先の言葉が彼女の口から語られることはなかった。
なぜなら次の瞬間、彼女の耳にダァンという聞きなれない音が聞こえ、彼女の声も思考も突然途切れたからだ。

最後にみなみの視界に映ったもの。
それは自分の方に銃口を向ける1人の見知らぬ少女の姿だった。


 ◇ ◆ ◇ ◆ ◇


「やっと1人か……やれやれ、敵を探すのも一苦労だわ……」
みなみの死体にゆっくりと歩み寄る1人の少女――遠坂凛(46番)。

360 :汝、何を望むか :2007/02/11(日) 23:18:57 ID:/jxxHMq80

銃という彼女には馴染みのない支給武器に少し戸惑いつつも、まずは落ち着いて1人目の敵を撃破することができた。
(いや、こういう場合は『敵』と言うべきなのかは正直微妙であるが…………)

「ま。たとえどんなルールになろうとも、参加者が何人いようとも、それのほとんどが一般人だろうと関係ないわ。聖杯戦争である以上、倒すべき敵は倒すだけよ……」
右手に支給された銃――デザートイーグルを構え、みなみの支給品であるナイフとデイパックを手に取ると、凛は次なる標的を求めて歩き出した。

特に聖杯で叶えたい願いもなく、ただ『魔術師の名門である遠坂家の人間である以上聖杯戦争に勝ち残るのは必然である』というそれだけの一念で――――



【時間:1日目・午後16時40分】
【場所:森の中】

小日向雄真
 【装備:グロッグ19(9mmパラベラム弾17/17)、皆琉神威】
 【所持品:予備マガジン(9mmパラベラム弾17発入り)×3、支給品一式(水、食料のみ2人分)】
 【状態:健康。マーダー】
 【思考】
  1)優勝して聖杯で全参加者を生き返らせる

遠坂凛
 【装備:デザートイーグル(.50AE弾6/7)、バタフライナイフ】
 【所持品A:予備マガジン(.50AE弾7発入り)×3、支給品一式】
 【所持品B:支給品一式】
 【状態:健康。マーダー】
 【思考】
  1)とりあえず他の参加者を全員倒して優勝する


【小渕みなみ 死亡 残り55人】

361 :汝、何を望むか :2007/02/11(日) 23:21:38 ID:/jxxHMq80



【武器詳細】
・グロッグ19
 1988年に登場した、グロック17のコンパクトモデル。
 グロック17を全体的にコンパクトに収め、ユーザーからの要望を基に細かい修正が加わったグロック第2世代の銃。
 ニューヨーク市警(NYPD)に警官用として4万挺が導入された他、ドイツのGSG9にも採用され、国連では保安要員用の拳銃として使用されている。

・デザートイーグル
 アメリカのマグナムリサーチ社が開発し、イスラエルのIMI社が生産している世界有数の大口径自動拳銃。
 1985年にリボルバー用の.357Magnum弾が発射できる自動拳銃として発表されたが、動作不良が多く評判はさっぱりだった。
 しかし、改良が加えられ.44Magnumモデルが登場した辺りで人気が出始め、91年には大口径の.50AE弾モデルが発表され、マグナムピストルとして確固たる位置を築いた。
 本来は熊などの狩猟用を目的とした銃だけに射撃時の反動は凄まじく、女子供が撃つと肩の骨が外れるほどの威力と巷で噂されているが、これはフィクションなどの影響によるデマである。
 射撃時の反動は確かに大きいが、同じ弾薬を使用するリボルバーに比べれば扱いやすい。現実には射撃姿勢や扱い方に注意を払えば、一般的な体格の人間なら撃つことはたやすい。
 通称「ハンドキャノン」。

・バタフライナイフ
 刃を納める方法、可動部のシンプルな構造による強度等により、ツールとして安全で優れた機能を持っているナイフ。
 主催者がウケでも狙ったのか、アニメ『真月譚 月姫』に登場した『七夜のナイフ』を模したデザインをしている。

362 :名無しさん@初回限定 :2007/02/11(日) 23:59:48 ID:eQuSsytJ0

凛が少し非情すぎる気がする、ランサーに刺し殺された士郎を蘇らせたように
非情になりきれない甘さが凛の魅力だと思うので

363 :名無しさん@初回限定 :2007/02/12(月) 00:14:12 ID:yKdxaiQC0

すまん。一つ聞きたいんだが、ゲーム開催時の季節ってどんなもんだろうか?
ちょっとひっかかって。

364 :名無しさん@初回限定 :2007/02/12(月) 00:22:48 ID:h+Ln+OiwO

特に決めてはいないはずだがおとボク組は冬服のようだな。
季節によっては日没&日の出の時刻がかなり変わるから決めておいたほうがいいかもしれない

365 :名無しさん@初回限定 :2007/02/12(月) 00:44:32 ID:yKdxaiQC0

夏、とかになると聖杯戦争関係者にも大きく影響してくるな……
そもそも連中にとってこそ一番の例外なんだろうし。
と、言うかイリヤがバー作連れてない時点で完全に想定外なんだろうね。

……後、実は俺、fateとマヴラヴ以外の三つはやった事無いんだ。
一応、その内プレイしてみる積もりだが今現在は、他の書き手の人に任せるしか無い現状。
じゃあ、取り合えずはぴねすスレ覗いて来る。ノ

366 :名無しさん@初回限定 :2007/02/12(月) 01:03:41 ID:e98sKLpmO

はぴねす!、おとボクはアニメ見ても大体内容は把握できる
はぴねす!はようつべで全話と準OVA見れるはずだから一度見てみたらどう?

367 :名無しさん@初回限定 :2007/02/12(月) 01:21:36 ID:yKdxaiQC0

じゃあ、見てくるよ。情報提供どうもありがとう。

368 :名無しさん@初回限定 :2007/02/12(月) 01:32:31 ID:e98sKLpmO

>>363-365
ロワが行なわれている島の季節は秋〜初冬くらいかなと俺は思ってる

369 :名無しさん@初回限定 :2007/02/12(月) 08:42:21 ID:uTKHpoyQ0

渡良瀬準で予約

370 :名無しさん@初回限定 :2007/02/12(月) 08:51:21 ID:uTKHpoyQ0

>>362
同意、たとえ聖杯戦争であっても一般人に手を出せる性格はしてないと思う>凛
敵には容赦しないのは当然だけど、それでも非情になりきれない+うっかりが
あってこその凛だと思う

371 :名無しさん@初回限定 :2007/02/12(月) 10:03:05 ID:e98sKLpmO

うん。本当はマーダーなのにマーダーキラーしちゃっているって感じ>凛
そして、うっかり

372 :名無しさん@初回限定 :2007/02/12(月) 11:12:24 ID:yKdxaiQC0

まぁ、味方としては扱いにくいキャラなのは間違いないな。
相対的に、参加者の能力が常人並みに近いこのロワでは特に。

373 :名無しさん@初回限定 :2007/02/12(月) 11:28:36 ID:QwmBpHlZ0

FFDQ3rdのサラマンダーが、凛に大注目している悪寒…!

374 :名無しさん@初回限定 :2007/02/12(月) 12:04:37 ID:e98sKLpmO

アニロワの凛と違ってこっちの凛は扱いが本当に難しいな

375 :名無しさん@初回限定 :2007/02/12(月) 13:25:22 ID:e98sKLpmO

そういえば、雄真は魔法使いとしての素質(型月でいう魔術回路の数)ははぴねす!の同年代のキャラたちの中で一番高いんだっけ?
サーヴァントの魔力供給源にはぴったりか?

376 :名無しさん@初回限定 :2007/02/12(月) 14:36:30 ID:o6JtVwce0

『汝、何を望むか』を投下した者です。
>>362>>370>>372の意見を参考に
後半部を修正した別物を後で投下しようと思っているのですが、よろしいでしょうか?


それと『汝、何を望むか』はNG(アナザー)行きでお願いします

377 :名無しさん@初回限定 :2007/02/12(月) 16:53:55 ID:e98sKLpmO

投下したいと心の中で思ったならッ! その時既に行動は終わっているんだッ!


というわけで、投下待ってるよー(オイ

378 :名無しさん@初回限定 :2007/02/12(月) 21:21:10 ID:yKdxaiQC0

>>『汝、何を望むか』を投下した者です。

後、sage進行に注意されたし。
あああー、凛もそうだがイリヤも難しいよバーロ!!

379 :名無しさん@初回限定 :2007/02/12(月) 22:49:35 ID:jbuhM8xf0

イリヤはバーサーカーあってのイリヤというイメージが強いから
イリヤ単体で出来ることって?言われると魔眼くらいしか思いつかない
凛はガンドと中国拳法があるけど

380 :エミヤ・エミヤ・エミヤ :2007/02/12(月) 22:53:03 ID:yKdxaiQC0

イリヤスフィール・フォン・アインツベルン(4番)は、奇妙な脱力感を胸に教会から少し離れた場所の木陰に座り込んでいた。
思うことは彼女自身驚くほど少なかった。それは例えばバーサーカーと言う名前であり、キリツグと言う名前であり、
アインツベルンと言う、自らに科せられた家名の重さであった。
最後のそれは聖杯戦争を知る者であれば、誰であっても知るだろう名である。
この殺戮の宴の発端を作り出した魔術師の一門であり、そうであるからには勝利を目指して万全を期するのが彼らの当然であった。
その筈であった。
少女は己の余りに矮小で貧弱な体躯を呪った。バーサーカー、とは言わなくともリズぐらいの体力があれば良かったのに、と思う。
こと、ここに居たってはそんな事は無為な妄想に過ぎまいが。

イリヤは元々聖杯となる為だけに培養された存在である。
二人と一人のしもべが居なければ、本来予期していた聖杯戦争でさえ勝ち抜く事は不可能であろう。
彼女は今や、彼女の存在なぞ要らぬ、とでも言いたげなこの島において、人間未満のひ弱な娘でしかなかった。
それは脱力と同時に、一時ながらもこの冬のような娘を一切の柵から解き放ってもいた。
要するに、彼女は何をして良いのか分からなくなっていた。
そしてイリヤには、二面性がある。
とは言え、その一面において精神の殆どすべてを支えていたとも言ってよい者達との別れは彼女には余りに酷であった。

空には太陽がある。地面には草がある。少女は木に寄りかかっている。
支給品と言われたバックの中身は拡声器であった。こんな物で何をすれば良いと言うのか。
そして、目立つ筈の自分は何故、今も誰にも見つからないままでいるのか。
冬だと言うならば、せめて枯れ果ててしまえば良いというのに。
世の中の全てから見捨てられたような気さえしていた。
「シロウ」
そう、口の上で転がした名前は彼女の父の義理の息子の名であった。
但し、それは希望を与えはしない。母を見捨てた男の息子。憎んでさえいた名前である。
余りに無力となった己が、今更どの面を下げて会いに行けばいいと言うのか。
無数の疑問が浮かぶ。消える。また浮かんで、また消える。

381 :エミヤ・エミヤ・エミヤ :2007/02/12(月) 22:54:20 ID:yKdxaiQC0

彼女の不幸は有り余る知識を持ちながら、余りにも無力であった事に違いあるまい。
心の強さが肉体を規定する、とは良く言われる言葉であるが肉体の強さもまた精神を規定しうるのではあるまいか?
立ち上がるのさえ億劫に感じられる。……遠い、昔を思い出した。

余り多くは語るまい。
ややあって漸く気持ちに区切りを付けて、彼女は支給品が詰っている所のバックを空けた。
その顔が、驚きの一色に染まる。
「これ……まさか、キリツグの?」
見覚えのある刻印の刻まれた、古ぼけた奇妙な拳銃と大きな弾。
それは、彼女の実父が使用していたトンプソン・コンテンダーに違いなかった。
不活性となり輝きを失ったとは言え、母から伝え聞いた事のある印は見間違えようも無い。
魔術師殺しの死の指先が、そこにはあった。
「……」
何を思ったか。
雪の少女はそれを手にしたままで立ち尽くしていたが、ややあって、それが己の生存率を下げると承知の上で、
拳銃に弾丸を、銃口を空に、引き金を引き、号砲を鳴らした。
単発式、高精度、高威力と言う現在の拳銃の常識からすれば、
時代遅れ、さもなければ異形なそれはイリヤの実父を端的に示す象徴ではあったが、
本来ならばライフルで使用すべき弾丸を用いる事からしてこの少女の腕には余るに違いあるまい。

だが、決意は決まった。それへの代価なら、多少の危険など安いものだと言い聞かせる。
目指すのは、さしあたっては殺し合いと言う荒野。脱出の目処などは勿論無く、生き残る確立とて61分の一と言う大博打の舞台だ。
イリヤの頭の中では、彼女の実父はニッポンのヤクザ・マフィアかその殺し屋と言うイメージばかりであったので、
それは主に、サラシなど巻いた剃り込み兄貴がサイコロを振る場面にイメージされていた。
「シロウ」
と、もう一度その名前を転がした。
弟に会いに行ってやる、と半ばヤケクソ気味『だった』思考の中でそれだけが変わらなかった。
それでも父の事は嫌いなままだ。好きになれるような要素を知らないのだから。
だが、シロウ、と言う赤毛の弟の名は違う。それは血と言うもののせいだろうか?

キリツグ・エミヤ。シロウ・エミヤ。
二人の人間の名前を胸に収め、イリヤは歩き出した。

382 :エミヤ・エミヤ・エミヤ :2007/02/12(月) 22:55:13 ID:yKdxaiQC0

【時間:1日目・午後12時49分】
【場所:教会近くの木陰。但し、移動開始】

イリヤスフィール・フォン・アインツベルン
 【装備:衛宮切継のトンプソン・コンテンダー】
 【所持品:予備弾丸(30-06スプリングフィールド<ライフル用弾丸>)、支給品一式】
 【状態:健康。病弱。】
 【思考】
  1)衛宮士郎に会いたい。(会ってどうするのかは不明)
  2)生き残る

備考)装備で固有時制御は使用不能です。また、この拳銃は発射時の反動が強く、単発の為イリヤには使いづらいだろう一方で、
その構造のシンプルさから口径さえ会うなら、支給品以外の弾丸も使用可能であるかもしれません。

383 :名無しさん@初回限定 :2007/02/12(月) 23:04:38 ID:yKdxaiQC0

!? すまん、重大な変更に関する記述の修正を忘れてた。
wiki登録後、こっそり本文に混ざった支給品の拡声器についての記述をなおしておきます。

384 :Funnyboy on the run :2007/02/13(火) 00:23:50 ID:dDPyhOw20

開始前の僅かな時間。
「ここでもない、ここでもない…ええとどっちかな」
かちゃかちゃとスカートのホックを直しながら渡良瀬準は教会の中を彷徨っていた。
豪胆にもトイレに行きたいと口にしてみたら受理されてしまった、周りの面々が縮み上がってるような状況の中で、
しかしそんな彼も実のところはそれほど余裕があるわけでもなかった、だからそんなに大して広くないはずの教会内部で、
迷うハメになってしまったのだ。
「このまま逃げちゃおうか…」
窓から外を見てポツリと呟く…が、そんなことなど出来るはずがないと本能が告げていた。
溜息をついてまたホールの場所を探そうとした準だったが…。
「あれは小雪ちゃん?」
神父に続いて個室に入っていく、級友の姿を認め息を呑む準…あわてて口をつぐみ息が漏れるのを防ぐと、
そのまま壁伝いに個室へと移動し、扉に耳を付ける…もし小雪に何かあればすぐにでも扉を蹴破る心準備も怠っていない。
そんな彼の耳に届いた声は。

『契約どおり10人殺します。その代わり、それが達成されたあかつきには、私と私の大切な方々を殺し合いから外してください』

柳洞一成が荷物を受け取り、ついに残りは最後の1人となった。
「渡良瀬準、お前の番だ…早く行きたまえ」
だが準は荷物を受け取ろうとせず、ただ言峰を睨みつけるのみだ、それを見て苦笑し時間を確かめる言峰。
「いや、彼女…違うか、彼は私と話があるようだ、諸君らは控えていたまえ」
兵士たちに一瞬動揺が走るが、それもすぐに収まり、準は促されるまま言峰の控える別室へと案内されたのだった。
「さてと、食べるかね」
「誰がそんなもの食べるんですか」
溶岩のごとき麻婆豆腐を一瞥しただけで目を逸らす準。
「私と会食を楽しみたいというわけではなかったのか?で何かね?」
「小雪ちゃんのことよ」
空とぼける言峰につめよる準。
「彼女のことか、それは君の問題ではない彼女が選んで決めたことだ、私は強制はしていない」
「強制はしていない…ですって!!」

385 :Funnyboy on the run :2007/02/13(火) 00:28:21 ID:dDPyhOw20

ばんっ!とテーブルに両手を叩きつける準。
「あんたが唆したんでしょう!?でも無駄ですから、小雪ちゃんにそんなことができるはず」
「ないというのならばどうして君はそのように焦るのだね?」
痛いところを言峰につかれ口ごもる準。
「でも…でもっ…」
小雪の気持ちは準にも痛いほど理解できる、まして物静かな中にも人一倍仲間に対する情熱は深い小雪のことだ。
もし己の身を汚してでも誰かを救う道があるのならば、迷うことなくそれを実行できる意思の持ち主だということも
準は知っている、しかしそれでも。

(だれかを傷つけて生き長らえるなんて真似、あたしにはできない)
襲ってきた奴を返り討ちにするのはおあいこだとは思うが、
それでも自分が生き残るために他者の命を奪うような真似は、
準の範疇には含まれない行為だ。
「ならば君自身が彼女を止めればいい…彼女は東に向かったそうだ、
まだそう遠くには行ってはいるまい」
地図を指すとまるで試すような視線で準を眺める言峰、
それに対して何かを言い返そうとしたが、
結局何も言わずに外に出ようとする準だったが。
「まて、餞別だ持っていきたまえ」
床を滑るように投げ渡されたそれは、ジグザグ状の形をした奇妙な剣だった。
「名前はルールブレイカー、契約破りの剣だ、くれてやる」
訝しげに禍々しき形状の剣を見ていた準だったが、
ポケットに剣を突っ込むともう振り向かず、
そのまま外へと飛び出したのだった。

そして彼は息を切らせて道を急いでいた、神父の話だともうそろそろ追いつくはずだ。
何としても小雪の凶行を止めてみせる。
(小雪ちゃんが手を汚してもだれも喜びはしない、
雄真もハチも春姫ちゃんもみんなそこまでして生き残りたくなんかないよ)

386 :Funnyboy on the run :2007/02/13(火) 00:29:30 ID:dDPyhOw20

【時間:1日目・午後17時55分】
【場所:森の中へ】

渡良瀬準
 【装備:ルールブレイカー+支給品(不明)】
 【所持品:支給品一式】
 【状態:健康】
 【思考】
  1小雪を止める

※例の最初のやりとりはわざと言峰が準に聞かせたと解釈してください。

387 :名無しさん@初回限定 :2007/02/13(火) 08:26:27 ID:MG7UpwLg0

イリアは魔術師としてもかなりつよいでしょ
ギルガメッシュに魔法はなってたしあの自信からすると
普通のサーヴァントを殺せるくらい強いんじゃない?

388 :名無しさん@初回限定 :2007/02/13(火) 14:07:07 ID:y/jCxuciO

イリアじゃなくてイリヤ。魔法ではなく魔術な、ととりあえずマジレス



そういえばランサーが言峰倒したのって凛ルートだったっけ?

389 :名無しさん@初回限定 :2007/02/13(火) 14:21:53 ID:7wMVA4wX0

>>ランサーが言峰

ランサーは……ええと、確かどのルートでも言峰を殺してはいなかったような。
それが俺の記憶違いとしたら、アチャルートかセイバールートのどっちかだと思う。
元マスターの件を覚えてれば、腹を立ててはいるだろうなぁ。

390 :名無しさん@初回限定 :2007/02/13(火) 17:38:07 ID:hwL1odLA0

イリヤの支給品を勝手に調べてみた


・トンプソン コンテンダー
 1967年にアメリカのトンプソン・センター アームズが開発した、狩猟用の中折れ式拳銃。
 .22LRからライフル弾まで、ありとあらゆる種類の弾丸を撃てるという変わり種。
 拳銃と言うよりは小型のライフルのようなスタイルをしているが、構造は極めて単純。
 中折れ式のバレルとトリガー、その他発射に必要な最低限のメカニズム以外、一切なし。
 マガジンもなければボルトもない。弾の装填も、いちいち手で行うという潔さである(空薬莢も指でつまみ出す)。
 その代わり、バレルとわずかな部品の交換・調整だけで、多種多様な弾薬に対応可能。シンプルなだけあって強度も高く、強力なライフル弾の発射にも十分耐えられる。
 装弾数は1発。

 『Fate/Zero』作中でキリツグが使用したのは14インチバレルでアジャスタブルサイトのもの。(小冊子に印刷されていたものからの憶測)
 30-06Springfield(7.62mmx63)弾を使用しているが、これは実銃にはない口径で、著者である虚淵氏の考証ミスと思われる。
 (実際に30-06Springfield弾が使えるのはこれの『アンコール』と呼ばれるタイプで、『アンコール』には14インチバレルは存在しない)

391 :名無しさん@初回限定 :2007/02/13(火) 19:24:54 ID:f3+LlxrA0

>>389
凛ルートで用済みだとばかりに自害を命じられて
お前も道連れだとばかりに後ろから刺し殺してる。

それよりイリヤがギルに攻撃魔術放ったシーンが思い出せない
魔眼で士郎をたぶらかすシーンの印象が強すぎて

392 :名無しさん@初回限定 :2007/02/13(火) 20:14:45 ID:7wMVA4wX0

1800の放送はもう少し進んだ後になるのかな?

393 :名無しさん@初回限定 :2007/02/13(火) 20:31:32 ID:f3+LlxrA0

少なくとも全員登場してからでしょ>放送

394 :先日言ったものの修正版投下します :2007/02/13(火) 20:34:35 ID:hwL1odLA0

(――嫌だ。死ぬなんて、殺すなんて、恐ろしい。まっぴらだ。まだまだ、やりたいことがいっぱいあるのに!)

小渕みなみ(7番)は走っていた。
仲間を――普段からつるんでいた加藤乙女たちを探すためだ。

恐怖で何度も気がふれそうになった。
しかし、そのたびに乙女たちがきっとなんとかしてくれると自身に暗示をかけることでここまで耐え抜いてきた。

(――そうだ。乙女たちと合流できれば、きっとこんなクソゲームを抜け出す方法だって見つかる! 現に今までだって4人でそうやってきたじゃない……!)

所詮自分も1人では何も出来ない愚かな存在なんだな、と心の奥底で改めて痛感しながらみなみは走り続けた。
自身に支給された変わったデザインのバタフライナイフを握り締めながら。


 ◇ ◆ ◇ ◆ ◇


「――まずは銃だな」
森を歩きながら小日向雄真が最初に考えたことがそれだった。

自身に支給された日本刀、皆琉神威は参加者に支給された武器の中では確かに強い部類に入るだろう。
しかし、相手に近づかなければ攻撃ができない――つまり射程が短いという欠点がある。
そのため、これから先銃器を持ったものを相手にしていくためにはどうしても同じような銃器が必要だった。

(――といっても、そう簡単に手に入らないだろうしなあ……)
こうなったら、殺し合いに乗っておらず、なおかつ銃を持っている参加者と出会い次第だまし討ちして片っ端から奪っていくか、などと考えていると、ふと誰かの足音が聞こえてきた。
「? 誰だいったい?」
とりあえず雄真は近くの茂みに身を隠すことにした。

395 :「俺たちは本当に非情か?」 :2007/02/13(火) 20:35:39 ID:hwL1odLA0

 ◇ ◆ ◇ ◆ ◇


――小渕みなみは未だ走り続けていた。
仲間たちを探すために。

「乙女、夏美、来実……いったいどこにいるのよ……1人は嫌だよ……」
そんなことを呟きながらしばらく走っていると、先の道筋に何かが転がっていることに気がついた。
「な…何……?」
恐る恐るそれに近づいてよく見てみる。
それは結構大きいものだった。下手したら自分以上の大きさかもしれなかった。

――それは榊千鶴(30番)の亡骸だった。

(――なあんだ……ただの女の子か。そう、ただのメガネで三つ編みをした女の子だ。ピクリとも動かないし、息もしてない。
あ。しかも身体中が真っ赤だ。――ああ、そうか。きっと誰かに殺されたんだね、うん。こんな島だもん。当然といえば当然よね―――ってふぇっ!?)

ちょ……ちょっと待って? ってことは、この子は……いや、コレは………
「しししししししたしたしたしたいしたいしたい死体死体死体−――ー!?」
身体中がガクガクと震えだす。震えが止まらない。
「こここここの子……しししし死んでる、死んでるしんでるしんでるしんで…………
――いやああああああああああああああああ!!」

悲鳴をあげ、みなみはまた走り出した。
ただ遠くへ――目の前の現実から逃れるために――――


 ◇ ◆ ◇ ◆ ◇

396 :「俺たちは本当に非情か?」 :2007/02/13(火) 20:36:52 ID:hwL1odLA0

「――なんだったんだあいつ?」
目の前を走り去っていった少女――小渕みなみの背中を不思議そうに眺めながら、小日向雄真は茂みの中から姿を現した。
「見たところ殺し合いに乗っているようには見えなかったけど……まあ、ほっとくか。別に俺には関係ないし、ああいう奴はこの先そう長くは生き残れないだろうし……」

雄真はみなみが走ってきた方へと目を向ける。
「――むこうに何かあるのかな?」
そう呟くと雄真はその方向へと歩き始めた。



「――ああ、なるほど。そういうわけか……」
少し歩いたところで雄真は榊千鶴の亡骸を発見した。
死んでからまだ1時間もたっていないのだろう。それからはまだ死臭もしなかった。

――別に恐怖は感じなかった。
ただ、人間も簡単にこうなるんだな、ということを改めて思い知った。

雄真は千鶴の亡骸を一瞥すると今度は周辺を見渡した。
すると、思ったとおり、近くに千鶴のものと思われるデイパックが落ちていた。

「食料と水だけでもあったら貰っとくかな……」
そう言ってデイパックを開帳する。
「ん?」
すると、意外なものがその中から出てきた。

それは雄真が先ほどから欲しいと思っていたもの――銃だった。
しかも予備マガジン付きだ。
(なんだ? 殺した奴は奪っていかなかったのか? 随分と変わった奴だな……)
そう思いながら雄真はその銃――グロック19とマガジンをポケットに仕舞い込み、さらには水と食料を自分のデイパックに移し換えると、もう一度千鶴の亡骸を一瞥した。

397 :「俺たちは本当に非情か?」 :2007/02/13(火) 20:38:09 ID:hwL1odLA0

「墓荒しみたいな真似して悪かったな。でも、こっちも死ぬわけにはいかないんだ。だから、こいつは遠慮なく使わせてもらう。
――それと、全て片付いたら俺が絶対にみんな生き返らせてやるから、それまでゆっくり休んでろ……」
そう吐き捨て、再び森の奥へと雄真が歩いて行こうとしたその刹那、近くから1発の銃声が聞こえた。
思わず雄真は足を止め、銃声が聞こえた方へチラリと顔を向ける。方角からして、先ほどの少女が走っていった方だろうか?

(……俺には関係ないことだ。気にするな…………)
そう自分に言い聞かせ、この場を去ろうとした雄真であったが、彼の足は自然と銃声がした方へと進んでいた。
(――はは…俺、まだ非情に成り切れていないみたいだな…………)
自分の行動に呆れ、苦笑いしながら雄真は自分が歩いて来た道を戻っていった。それも駆け足で……


 ◇ ◆ ◇ ◆ ◇


森の中をただ黙々と進んでいく1人の影。
その手には支給された一丁の銃が握られていた。
――遠坂凛(46番)。聖杯戦争に自らエントリーした者の1人で、魔術の名門、遠坂家の魔術師である。

(やれやれ、綺礼もろくなことをしないわね……)
今回の聖杯戦争の主催者であり管理者である自身の兄弟子に対し心の中で1人ごちる。

彼女が幼い頃から魔術師の師である父から聞かされていた聖杯戦争というものは、7人の『マスター』と呼ばれる魔術師が『サーヴァント』と呼ばれる使い魔を使役して行う――というものだ。
それなのに、今回自身が参加したものはそれとはまったく違ったものであった。
ルールが変わったなら事前に教えてくれ、と思いたくなるのも当然といえば当然である。
(しかも、参加者のほとんどが魔術師じゃない一般人みたいだし……本当に何を考えているのかしら?)
そんなことをしばらく考えていた凛であったが、しばらくして考えるのを止めた。
「――まあ、ルールや参加者がどうであれ、これが聖杯戦争であることに変わりはないんだし……過ぎたことをいちいち気にしてても仕方ないか……ん?」

398 :「俺たちは本当に非情か?」 :2007/02/13(火) 20:39:03 ID:hwL1odLA0

――ふと耳をすませると、足音が聞こえることに気がついた。
足音はだんだん大きく、はっきりと聞こえてくる。つまり、誰かがこちらに向かって走ってくるということだ。
「……はあ、なんて迂闊な……」
このような状況で足音をたてて走るなど、敵に居場所を教えているようなものだというのに気が付かないのだろうか、と思いながら凛は近くの茂みに一度身を隠した。

茂みに身を隠すと、凛は自身の手に握られている見ているだけで重量がありそうだと判るソレにちらりと目をやる。
――デザートイーグル。
普段は銃なんて馴染みのない凛だが、ご自慢の魔術が制限されてしまっている以上、今はこれで戦うしか道はない。
それに、その銃に使われている50口径という弾丸は1発でも相手に命中すれば間違いなく致命傷だ。



――走ってきたのは、凛と同年代の少女だった。向こうは凛にはまったく気が付いていないようだ。
ゆっくりと凛はデザートイーグルを少女に向け構えた。
「――悪く思わないでね…………」

1発の銃声が森に響き渡った。


 ◇ ◆ ◇ ◆ ◇


――小渕みなみは走り続ける。
終わりなき現実からの逃走劇を1人黙々と続けていた。

どこへ行くのか、どこまで走るのかなど彼女自身も判らなかった。
ただ逃げて逃げて、逃げ続けるだけしか出来なかった。

「夢だ……これは悪い夢だ……そうだよ。きっと目が覚めたらいつもの朝みたいにベッドの上で……それで……」

399 :「俺たちは本当に非情か?」 :2007/02/13(火) 20:40:10 ID:hwL1odLA0

――それから先が彼女の口から語られることはなかった。
なぜなら次の瞬間、彼女の耳にダァンという聞きなれない音が聞こえ、彼女の声も思考も突然途切れたからだ。

その時、みなみの視界に映ったもの。
それは自分の方に銃口を向ける1人の見知らぬ少女の姿だった。


 ◇ ◆ ◇ ◆ ◇


「…………」
「――貴様、何故撃たなかった?」
凛の隠れていた茂みの向かい側――そこに生い茂る草木の陰から1人の女性が姿を現した。
長い髪に見知らぬ軍服を着こみ、手には機関拳銃、USSR スチェッキン。
――――35番、神宮寺まりも。
彼女の持つスチェッキンの銃口からは、うっすらと硝煙が立ち上っていた。

――そう。今みなみを撃ったのは凛ではなく、彼女であった。

「――安全装置を外し忘れたのよ」
「嘘をつくな。――さしずめ、自分では人を殺める覚悟を決めたはいいが、未だ心の奥底では非情に成り切れていない、といったところか?」
「…………」
「貴様も判っているのだろう? 生き残るためには殺すしかないと、そして……自らの目標を――願いを叶える為には最後まで生き残るしかないと…………」
「――悪いけど、私には目標や願いなんてないわ。死ぬつもりは微塵もないけどね」
「なんだと!?」

今、凛が言ったことに嘘、偽りはひとつもない。間違いなく彼女の本心である。
特に聖杯で叶えたい願いなど存在しない。ただ『魔術師の名門である遠坂家の人間である以上、聖杯戦争に勝ち残るのは必然である』というそれだけの一念で彼女はここにいるのだ。

400 :「俺たちは本当に非情か?」 :2007/02/13(火) 20:41:13 ID:hwL1odLA0

――――しかし、彼女は魔術師ではない一般人を手にかけるほど彼女は非情ではなかった。先ほど、みなみを撃たなかったのもそういうことである。
彼女自身はそのことに気づいているかは判らないが…………


「――まさか……この戦場において殺すことを否定するというのか?」
「別にそこまでは思っていないわ。でも、それは貴女だって同じでしょう?」
「何?」
「銃を持っているのに、何故すぐに私を撃たないのかしら?」
「それは…………」
まりもは答えることは出来なかった。結局、彼女も非情に成り切れてはいないのだ。


「――――だが……」
まりもは下ろしていたスチェッキンを再びゆっくりと上げる。
その銃口の先には間違いなく凛の姿があった。
「私と貴様には唯一違うものがある。それは、私には叶えたい……いや。叶えなければならない望みがあるということだ。
そのためには……これ以上躊躇するつもりは…………ない!」
そう叫ぶとまりもはぐっとスチェッキンのトリガーを引――くことは出来なかった。


「――いや。あんたもそれほど変わらないよ。そこにいる奴とさ…………」
「!?」


ふいに凛でもまりもでもない第三者の声がしたからだ。
2人が声のした方へ目を向けると同時に――――

ダァン、ダァン!!

2発の銃声が一帯に轟いた――――

401 :「俺たちは本当に非情か?」 :2007/02/13(火) 20:41:52 ID:hwL1odLA0


 ◇ ◆ ◇ ◆ ◇


「…………」
近くの茂みから姿を現した小日向雄真は、ゆっくりとグロッグを下ろした。
はじめて撃った銃の感触は、思っていた通り良いものではなかった。
――が、銃という武器自体は悪くはないな、と思った。



「う、あ…………」
――1人の少女が呻き声を上げ、ゆっくりと地面に崩れ落ちていく。
銃弾を受けたのは…………まりもではない。しかし、凛でもなかった。


「!? こいつ……」
まりもはその少女の姿を見て驚愕した。
なぜなら、それは先ほど自身が射殺したと思っていた小渕みなみその人だったからだ。
そして、みなみのその手にはきらりと輝くナイフ。
「馬鹿な…………まだ生きていたというのか?」
「――結局、お互い詰めが甘かったってことね…………」
そう呟いて凛は自嘲するようにフッと笑った。

402 :「俺たちは本当に非情か?」 :2007/02/13(火) 20:42:41 ID:hwL1odLA0

「……おい」
「なんだ?」
「なに?」
突然、雄真が2人に対して口を開く。
「――俺たちはこの島で、最後まで自身の意思を貫けると思うか?」
「…………」
「…………」
「…………」
しばしの沈黙。
まりも、凛、そして雄真の3人は銃を向けることなく、ただじっとそれぞれの顔を見合わせるだけであった。
なぜなら、言わなくてもその問いの答えは3人とも同じだからだ。
――貫けるわけがない。
たとえ人を殺す覚悟があろうとなかろうと、非情になろうとなるまいと、目的があろうとなかろうと、狂気のみが支配するこの島では1人の人間の意志という弱い力など簡単にねじ伏せられてしまう。
それでも――――
「――それでも私は、自らの目的を成す為には躊躇はしない……!」
「そう。私もよ……」
「俺もだ……」


「――俺たちの生き残りたい理由、叶えたい願いは決して同じものじゃない。かといって、俺たちが今ここで殺し合うという必要もない。
俺たちがこれから先、意思を変えようが、どう行動しようが、それは俺たちの知ったことじゃない…………」
「少年、何が言いたい?」
「結局、私たち……いや、この島にいる参加者が心の奥底で思っていることはみんな同じってことでしょ?
殺さなきゃ殺されるってことは判っている。でも、その目的をふとしたきっかけですぐに見失ってしまいそうになる……」
「…………」
「…………」
「…………」
またしても沈黙。

403 :「俺たちは本当に非情か?」 :2007/02/13(火) 20:43:47 ID:hwL1odLA0

「――悪いが、私は行くぞ。長居は無用だからな」
「あら? 私を殺していかないの?」
「私が貴様を撃った瞬間、私はそこにいる少年に撃たれるのがオチだ」
「よく判っているな……」
「――――お前たち、一応名を聞いておこう。
私は国連太平洋方面第11軍・横浜基地衛士訓練学校・第207衛士訓練部隊教導官、神宮寺まりもだ。階級は軍曹」
「そりゃまた随分長い自己紹介だな……。俺は小日向雄真。ただの平凡な――普通の学生だ」
「遠坂凛よ」
雄真と凛から名を聞くと、まりもは黙ってその場を後にした。まるで『ここでは何事もなかった』という具合に。
「――んじゃ、俺も行くとするか……」
「あの子の武器、貰っていかないの?」
凛はチラリとみなみの死体を見やる。
「――そいつはもともとお前が殺すべき対象だったんだ。それならお前が持って行けよ」
「そう。なら遠慮なく貰っていくわ……」

雄真はグロッグの残弾を確認すると、それをズボンに差し、まりもが去って行った方とは反対の方向へ歩き出した。
そして凛も、みなみのナイフとデイパックを手に取り歩き出した。2人とは違う方向へ。

非情に成り切れない殺戮者たちは、それぞれの行く末も判らぬまま再び標的を求めて歩き始めた。


【時間:1日目・午後16時40分】
【場所:森の中】

小日向雄真
 【装備:グロッグ19(9mmパラベラム弾15/17)、皆琉神威】
 【所持品:予備マガジン(9mmパラベラム弾17発入り)×3、支給品一式(水、食料のみ2人分)】
 【状態:健康。マーダー】
 【思考】
  1)優勝して聖杯で全参加者を生き返らせる(しかし、やや迷いあり?)

404 :「俺たちは本当に非情か?」 :2007/02/13(火) 20:44:52 ID:hwL1odLA0

遠坂凛
 【装備:デザートイーグル(.50AE弾7/7)、バタフライナイフ】
 【所持品A:予備マガジン(.50AE弾7発入り)×3、支給品一式】
 【所持品B:支給品一式】
 【状態:健康。マーダー】
 【思考】
  1)とりあえず他の参加者を全員倒して優勝する(しかし、やや迷いあり?)

神宮寺まりも
 【装備:USSR スチェッキン(9mmマカロフ弾17/20)】
 【所持品:予備マガジン(9mmマカロフ弾20発入り)×3、支給品一式】
 【状態:健康。マーダー】
 【思考】
  1)優勝して聖杯にBETAを倒してもらう(しかし、やや迷いあり?)


【小渕みなみ 死亡 残り55人】


※武器詳細は修正前と同じです

405 :名無しさん@初回限定 :2007/02/13(火) 20:54:07 ID:7wMVA4wX0

神宮寺まりもで予約です。

406 :名無しさん@初回限定 :2007/02/13(火) 21:18:01 ID:y/jCxuciO

修正版投下乙
雄真も凛もまりもも今回の会合が先の展開にどう影響していくか、見物だな



そういや桜は結局どっち採用すんの?
Wiki更新したいけど、桜の件が決まらないと更新できない…………

407 :名無しさん@初回限定 :2007/02/13(火) 21:30:38 ID:7wMVA4wX0

個人的には桜ノーマルエンド後の方に一票……と行きたい所だが、それだと月詠とタイガーがなぁ。
桜、時限爆弾抱えてるみたいなもんだし、タイガーの方で良いんじゃない?

408 :名無しさん@初回限定 :2007/02/13(火) 21:59:54 ID:0AYqGt9l0

>>406
続きを書く場合ノーマルエンドの方の桜の方がやりやすいかな
動機がはっきりとしている分だけね

409 :名無しさん@初回限定 :2007/02/13(火) 22:11:05 ID:0AYqGt9l0

【残りの未行動・未予約キャラ】
08/織倉楓 18/神代巽 47/巴雪乃 49/氷室鐘 
54/御門まりや 59/森来実 61/柳洞一成 
が基本で
分岐如何によっては050/藤村大河 045/月詠真那も加わるわけですね。

410 :名無しさん@初回限定 :2007/02/13(火) 22:35:30 ID:y/jCxuciO

唯一言えることは、どちらのルートでも桜は黒セイバーに狙われるということw


フラグ的には俺はタイガーと行動している方のルートが気に入っているが、書きやすさならやはりEND後……
でも原作開始時の設定である笛人間勢で唯一浮きそうな気もしちゃうんだよなあ………

411 :名無しさん@初回限定 :2007/02/13(火) 22:54:08 ID:4nhpk19I0

じゃあ、続いた方でいいんじゃないかな
ただタイガーと一緒の方だとお祖父様やアンリマユがくっついてる可能性もあるわけで
もし続きを書くのならばその辺りをはっきりと書く必要があると思う。

ノーマルの方だと、少なくともそれらについて考えなくてもいいんだけど

412 :名無しさん@初回限定 :2007/02/13(火) 23:19:43 ID:7wMVA4wX0

おじいちゃんと一緒にムシムシQな訳だな。萌えるぜ。

413 :重複スレにつき誘導 :2007/02/13(火) 23:27:27 ID:I3ocIlnd0

バトル・ロワイアル 【今度は本気】 第6部
http://pie.bbspink.com/test/read.cgi/erog/1122229185/

414 :名無しさん@初回限定 :2007/02/13(火) 23:52:17 ID:stUuSGD70

ん〜、面白そうなのはノーマルエンド後の方かな>桜
マブラブもまりもちゃんっていう例外がいたし、一人くらいはいても良いんじゃない?


それとWikiの件だけど、一箇所欠番にしといて第一回放送直前まで進めてみるのはどう?
どっちを採択するにしても、タイガーと一緒の方は放送まで動かない(動きがない)だろうし、
ノーマルエンドの方も5時半時点まで話が進んでるから、放送まで誰とも遭遇できなかったってことにして、
放送後どう出るか?どう続くか?でいいんじゃないかな?
エンド後の方が採択されたら、大河と月詠の視点で放送時の様子入れてみるとか…

う〜ん、言っててなんか相当無茶なこと言ってるような気がしてきた…

415 :名無しさん@初回限定 :2007/02/13(火) 23:52:26 ID:y/jCxuciO

ジジイいた場合、桜死んだらジジイはどう動くかななんて想像してしまう俺がいる

416 :名無しさん@初回限定 :2007/02/13(火) 23:55:38 ID:y/jCxuciO

あ。まてよ。END後の話とタイガーと行動する話を繋げればいいんじゃね?
どちらの話も一部を修正して……

417 :名無しさん@初回限定 :2007/02/14(水) 00:09:39 ID:dlYA1G1z0

そうなると桜が凄腕のステルスマーダーになるなww

っと、冗談はおいといて、そういう風にすると小雪先輩と同じく放送後に動くつもりにするとか?
そういやエンド後のほうは優勝目指してるけど武器がないんだよな。
武器確保のためにワザとタイガーに接触する桜…ガクガク(((((((゚Д゚;))))))))ブルブル

418 :名無しさん@初回限定 :2007/02/14(水) 00:14:37 ID:R0Z1MJ2tO

ダメかね? 面白いアイディアだと思ったんだけど?
現時点だとちょうどステルスマーダーもいないみたいだし……

419 :名無しさん@初回限定 :2007/02/14(水) 00:52:43 ID:WdPz4odW0

好きにすれば良いんじゃないか?
取るも取らぬも書き手しだいだし。

420 :名無しさん@初回限定 :2007/02/14(水) 07:37:17 ID:PnhSrbjhO

さぁ、ここで皆さんお待ちかねの焼肉タイム↓

421 :名無しさん@初回限定 :2007/02/14(水) 14:31:16 ID:51gXG/Jy0

>>416
修正はこんな感じ?

・『天の杯〜』の桜の支給品をケチャップから不明(レミントンM870)に
・『メイドさんと〜』で桜とタイガーが出会うシーンを追加
・『メイドさんと〜』で桜ステルスマーダー化模写の追加

422 :名無しさん@初回限定 :2007/02/14(水) 17:25:39 ID:VfAwJrNYO

それと『天の杯〜』の方の時間を出来るだけ繰り上げて、『メイドさん〜』の方を放送ぎりぎりまで繰り下げの必要もあるな。
さすがに15分間(5時30分〜45分)に詰め込むのは無理がある。

423 :名無しさん@初回限定 :2007/02/14(水) 20:12:01 ID:J9jMq09C0

それでいいんでない?
あとは書き手さんたちの了承かな

424 :名無しさん@初回限定 :2007/02/14(水) 22:22:22 ID:R0Z1MJ2tO

『メイドさんと大きな銃』書いたの俺だけど、修正、追記問題なし。了承します。
というより、してほしい………

425 :名無しさん@初回限定 :2007/02/14(水) 23:59:30 ID:JtAa/z+n0

『天の杯〜』を書かせて頂いた者です
加筆・修正につきましては特に問題なしです
時間が取れ次第、修正に取り掛かるつもりです

426 :名無しさん@初回限定 :2007/02/15(木) 19:44:42 ID:yCC8qlV40

件の桜関連以外Wikiに入れておきました。
基本、誤字脱字補足などはしてませんので、訂正などある方はお願いします。

427 :名無しさん@初回限定 :2007/02/15(木) 22:55:52 ID:T52JVG+T0

ところで>>325の予約の分は大丈夫なのかな?
もうそろそろ一週間だけど

428 :名無しさん@初回限定 :2007/02/16(金) 08:16:04 ID:iW3r/Hd10

予約が一週間と半分過ぎたら、そこから先は先着優先、て仕様はどうだろう。
まだ序盤だし、サクサク進めた方が良いような気がする。

429 :厳島貴子の奇妙な冒険 3バカブラッド :2007/02/16(金) 20:23:44 ID:bMNPn/fJ0

「…………」
厳島貴子(2番)は新都のとある小さな民家の一室に身を潜めていた。
ゲームに乗った者に自身が隠れていることを悟られないように、その民家はどの部屋にも明かりは点けていない。
ゆえに彼女のいる部屋も既に薄暗く、数十分ほど前から点灯し始めた街灯の光がその部屋を外から薄っすらと照らしていた。
「殺し合いですって……? そんな馬鹿なことが…………」
既に何十回も呟いている言葉を呟く。
しかし、その言葉が漏れるたびに貴子の顔色は悪くなっていく一方だった。
――恐怖で自身の身体中が小刻みに震えていることが判る。
ここまで恐怖を感じたのは、御門まりやに自身の机の中に大量のカエルをぶち込まれた時と人攫いに襲われたとき以来だ、と貴子は思う。
それと同時に、自身と同じくこの殺し合いという状況に放り込まれた友人、知人たちの安否も気になった。

(お姉さまやまりやさんは……今頃一緒に行動しているのでしょうか…………?)
足元に置いていたデイパックから名簿を取り出し目を通すと、はあと一度ため息をつく。
何故あの時自分は、恐怖に駆られただがむしゃらに教会から離れることばかり考えてしまったのだろうか、と悔やまれた。
あのまま教会の周辺に身を潜めていれば、前年度エルダーである紫苑や生徒会のメンバーである君枝たちとすぐに合流できたはずだ。
「まあ、過ぎてしまったことを悔やんでしまっても仕方ありませんか……」
貴子はそう呟くと、またしてもはあとため息をつき、近くのソファーにへたれ込んだ。
その時――

コンコン。コンコン。
「!?」

突然、玄関をノックする音が聞こえた。
ドアをノックしているということは、誰かが来たということだ。
貴子は慌ててデイパックから自身に支給された武器――投擲用のナイフを取り出した。
別に貴子は殺し合いに乗っているわけではない。あくまでこれは用心のためである。
(わざわざノックするような人が殺し合いに乗っているとは思えませんが……)
そう思いながら、貴子はおそるおそる玄関に近づいていく。

430 :厳島貴子の奇妙な冒険 3バカブラッド :2007/02/16(金) 20:25:09 ID:bMNPn/fJ0

『ノックしてもしもお〜〜〜し。あたしの名前は柊杏璃! 瑞穂坂から来た!
ぶしつけだけどねェ〜〜、中にいる奴ッ! 3分以内に出てきなさい! いいわねッ!』
「…………」
玄関に近づくと、女の子のそのような叫び声が聞こえてきた。


「中にいるのは判ってんのよ! 出てこないんなら、あたしの支給品か魔法でこの玄関ぶっ壊してでも入って……あ。それはさすがに物騒か。
と、とにかく! そっちが出ないなら、こっちから強引に入るからね!!」
「…………いつの時代の借金取りですか貴女は?」
「うわッ!? 本当に出てきたの!?」
「――あんな大声を出されていたら、それを聞きつけて殺し合いに乗った参加者がここに集まってきてしまうでしょう?」
殺し合いという状況でありながら、余裕で周辺に聞こえるであろう大声を上げて玄関のドアをノックしていた少女――柊杏璃(48番)に呆れながら貴子は玄関をゆっくりと開けた。




「――つまり、杏璃さんはクラスメイトやお知り合いの方々を探していると」
「そうそう。春姫や雄真たちと合流できたら、絶対にこの殺し合いを止めて、あの言峰って奴をぶっ飛ばす方法が見つかると思うのよ」
そう言って杏璃は冷蔵庫から牛乳を取り出して、腰に手を当ててぐいっと飲んだ。
(ちなみに冷蔵庫には飲み物だけでなく食材も少し入っていたが、どれも賞味期限が明記されていなかった。ちなみに「別に腐ってるわけでもないし問題はないでしょ?」とは杏璃の談。貴子は中のものには何も手をつけていない)

「――しかし、魔法というものが本当に存在していたなんて……未だに信じられません…………」
「ん〜? しょうがないわねえ……じゃあ、今からちょっと見せてあげるわ」
「え?」
貴子が杏璃の方に目を向けると、既に杏璃は呪文の詠唱を始め、そして終わらせていた。
「今はワンドがないし、制限されちゃってるからあまり広域には使えないんだけどね」
そう言う杏璃を中心に俗に『魔方陣』と呼ばれるものがみるみる形成されていった。

431 :厳島貴子の奇妙な冒険 3バカブラッド :2007/02/16(金) 20:26:15 ID:bMNPn/fJ0

「杏璃さん、いったい何を……?」
「簡単な探知魔法よ。これでさっき貴子がここにいたってことが判ったんだけど…………ん?」
「? どうかしたのですか?」
「…………あたしたち以外の誰かがこの家の敷地内に入ってるみたいよ?」
「えっ!?」
その言葉に貴子は思わず、近くにあったテーブルの下に身を隠した。
「落ち着いて。まだ敵と決まったわけじゃあないわ」
「で…ですが……」
「あたしが見てくるから貴子はここにいなさい」
「ええ!? ちょ、ちょっと杏璃さん!?」
杏璃は自身の支給品である銃――マイクロウージーを片手に部屋の窓からゆっくりと外に出た。



――――杏璃が外に出て辺りを調べてみると、探知魔法が示した通り玄関付近に1人の人影があった。
暗いせいで相手の顔までははっきりと判らなかったが、小柄で肩に提げたデイパック以外に何か手に大きな袋状のものを持っている少女ということは判った。
「何を持っているかはっきりと判らないけど、とりあえず……」
杏璃は銃を少女に向けて構えると、彼女の前に己の姿を現し、声をかけた。
「あ……」
「動かないで。あたしは殺し合いに乗っているわけじゃあないけど、貴女の行動次第では容赦はしないわ」
「…………」
「…………」
「………あの……」
「ん?」
「この家の台所借りてもいいかな?」
「――――は?」
少女の思いがけない一言に思わずぽかんとする杏璃。
よくみると彼女の手に握られていたのは――――スーパーの袋だった。

432 :厳島貴子の奇妙な冒険 3バカブラッド :2007/02/16(金) 20:27:27 ID:bMNPn/fJ0





「――――で? これはいったいどういうことですの杏璃さん?」
「あたしだって知らないわよ……」
向かい合う2人の間のテーブルの上に並べられているのは――――支給されたパン。それとシチューとサラダ。そして牛乳。
ちょっと早い夕食の支度である。

だが、それを用意したのは杏璃でも貴子でもない。そう――――
「あ。杏璃ちゃん、貴子さん。シチューはおかわりあるので遠慮しないで食べてね〜」
――そう言って笑顔で台所にいるエプロン姿の三枝由紀香(29番)である。
(ちなみに、彼女の支給品はそのエプロンで、調べたところ杏璃の知人である高峰小雪のものであった)


「…………あの。杏璃さん」
「はいはい、なんですか貴子さん?」
「本当に今は殺し合いの真っ最中なんでしょうか?」
「聞かないで。あたしもちょうどそう思っていたところだから……」
そう言うと2人ははあとため息をついた。
「? どうしたの2人とも? あ。も、もしかして洋食よりも和食のほうがよかった!?」
そんな2人を見た由紀香は、2人のことなどつい知らず、自分のパンを千切りながらおろおろとする有様である。



――かくして、殺人ゲームの真っ只中という状況でありながら、かけがえのない『日常』という平和を体現する3バカ(悪い意味ではなく、いろんな意味で『バカ』な)トリオがここに結成された。


433 :厳島貴子の奇妙な冒険 3バカブラッド :2007/02/16(金) 20:34:12 ID:bMNPn/fJ0

【時間:1日目・午後15時45分】
【場所:新都・民家】

【チーム:3バカトリオ(『ツンデレ』の貴子、『トラブルメーカー』の杏璃、『天然』の由紀香)】

厳島貴子
 【装備:投擲用ナイフ(5本)】
 【所持品:支給品一式(パン1つ消費)】
 【状態:健康。食事中】
 【思考】
  1)なんか、むやみに平和ですわね……
  2)瑞穂たちと合流したい
  3)みんなでゲームから脱出したい

柊杏璃
 【装備:マイクロウージー(9mmパラベラム弾32/32)】
 【所持品:予備マガジン(9mmパラベラム弾32発入り)×3、支給品一式(パン1つ消費)】
 【状態:健康。食事中】
 【思考】
  1)むやみに平和ね……
  2)春姫たちと合流したい
  3)みんなでゲームを止める。あと、可能なら言峰をボコる

434 :名無しさん@初回限定 :2007/02/16(金) 20:34:22 ID:DOGwDswjO

会費

435 :厳島貴子の奇妙な冒険 3バカブラッド :2007/02/16(金) 20:35:14 ID:bMNPn/fJ0

三枝由紀香
 【装備:小雪のエプロン】
 【所持品:支給品一式(パン1つ消費)】
 【状態:健康。食事中】
 【思考】
  1)よ、洋食は嫌いだった!?
  2)みんな今頃どうしているのかなあ?
  3)ゲームに乗る気は皆無

【備考】
・由紀香がスーパーから調達した食材などの残りは冷蔵庫にぶち込んであります


【ランダムアイテム詳細】
・投擲用ナイフ
 俗に言う『投げナイフ』。その名の通り、投擲用に設計されているため狙った対象に向かって飛ばしやすい。その反面、普通のナイフと比べて耐久性は低い。

・マイクロウージー
 イスラエル・ミリタリー・インダストリーズ社が開発した同社のウージーの超小型版。他のウージーとは違いクローズドボルトを採用している。
 元となったウージーは短機関銃だが、ここまで小型化されると機関拳銃の部類に入る。
 ウージーの小型版であるミニウージーよりも更にサイズが小さく、連射力も高い。そのためフルオート射撃時の集弾率はかなり低く、あまり実用的とは言えない。
 民間向けにセミオート限定とした物はウージーピストルと呼ばれる。ウージーピストルに至ってはその名の通り自動拳銃に分類される。
 劇場版「バトル・ロワイアル」では桐山はイングラムではなくこれを使って暴れまくった。

・小雪のエプロン
 高峰小雪がよく着用しているポケットつきのエプロン。
 お腹の部分にあるポケットは某四次元のアレみたいに何でも入る。(食べ物が温まったまま出て来たり、カニが生きたまま出て来たり、果ては家電や水道や電話までもが出て来た)
 とにかく収納力が尋常ではない。小雪曰く「魔法」。そのためロワでは制限により収納力が大幅に制限されているが、銃や日本刀などランダムアイテムや支給品くらいの物なら普通に入れられる。

436 :厳島貴子の奇妙な冒険 3バカブラッド :2007/02/16(金) 20:35:51 ID:bMNPn/fJ0

>>434
回避ありがとうございました

437 :名無しさん@初回限定 :2007/02/16(金) 20:45:46 ID:DOGwDswjO

>>436

まだ序盤だから出来るほのぼの展開ですな。今後の行動に期待
しかし新都だったら小日向親子が探知で引っ掛かりそうなもんだが、そこは探知範囲がめっちゃ狭かった。って事でいいんだよね?

レーダーもないのにはぴねす!キャラだけ広域探知出来ちゃ不味いだろうし…

438 :名無しさん@初回限定 :2007/02/16(金) 22:01:43 ID:SQ9MGYb5O

杏璃も「広域では使えない」って言ってるから
探知魔法は「小さな民家の敷地分くらいしか探知できない」って解釈でいいのかな?

439 :名無しさん@初回限定 :2007/02/17(土) 01:42:04 ID:iDwkbBsq0

それでも使いようによっちゃかなり便利だが……彼女の場合、うっかり失敗しそうな気がプンプンするなぁ。
限定(シリアス)解除状態の凛と言うか。

440 :名無しさん@初回限定 :2007/02/17(土) 10:11:46 ID:kObgnHKCO

森来実、柳洞一成で予約

441 :名無しさん@初回限定 :2007/02/17(土) 10:15:37 ID:kObgnHKCO

sage忘れた……

442 :名無しさん@初回限定 :2007/02/17(土) 10:48:57 ID:B81riyivO

殺せ!

殺せよ!

443 :名無しさん@初回限定 :2007/02/17(土) 12:30:40 ID:TZOkIxSi0

アダルト検索
http://www.yuryou.com/

444 :天の杯をもう一度(修正) :2007/02/17(土) 13:47:59 ID:C9O1LuTC0

「……」
間桐桜は足元の物言わぬ躯をただ見つめる、優しそうな女性の亡骸だ、どことなく藤村先生に似ているなと思った。
もしかすると彼女も教師なのかもしれない、だからだろうか?
もう自分は戦うと決めたにも関わらず…それでもその身体は震えていた。
ここに来た時はまたあの夢の続きかと思った、だから自分の愛する男を見ても素直にその胸に飛び込むことは出来なかった。
しかし…桜は後悔している、何故あの時たとえ泡沫の夢であるのを覚悟の上で彼の前に…衛宮士郎の前に姿を現さなかったのかと。

桜は己の胸を押さえる…あの戦いからもう1年以上が経過しているというのに、まだ欠片の残滓は感じられる。
だがこの疼きが教えてくれる、あの神父が言う聖杯は己の胸に埋め込まれている「聖杯」とは違う…なら叶うかもしれない。
あの夢がもう一度…。

もう帰ることの無い愛しき人を待ち続ける日々の中…時々夢を見ていた。
その夢の中では魔術師もサーヴァントも誰一人傷つけあうことなく平穏な日々を過ごしていた…もちろん自分も。
だが所詮は夢、縁側を吹き抜ける夜風に目を覚ますと、ただ花壇の花だけが揺れている。
そんな過酷な現実に何度も涙した…だから。

「もしも…叶うのならば私はあの夢をずっと見ていたい…それが無理ならせめて」
全てが始まる前に時間を撒き戻して貰いたい。
そうすればきっとあの悲劇を食い止めることが出来る…誰も殺さずに傷つけずに済む。
これが己の犯した罪と孤独に苛まれ続ける彼女が出した結論だった。
罪を犯すのはもうここが最後…どうせ穢れた自分だ、ならば、それに勝ちさえすれば全てが無かったことになる。

太陽が西へと傾き始めている…もうすぐ夕暮れだ。
緋紗子の亡骸をちらりと見て、桜の口がたどたどしく動く。
自分は魔術師として正規の修行を積んでいるわけではない、ただ夢の中でライダーと共に戦っていた自分を倣うのみだ。
ドイツ語の詠唱が終わると影が現れ、亡骸をそのまま飲み込んで消える。
「野ざらしではあまりにも気の毒ですから、せめて」
実際に使うのは初めてだったが思ったよりも上手くいった、
だがそれでも夢の中のようにはいかない。

445 :天の杯をもう一度(修正) :2007/02/17(土) 13:55:23 ID:C9O1LuTC0

こうして風変わりな埋葬を済ますと、桜は夕日に向かって歩き出す、目的のために。
重々しいショットガンをちらりと見る、試しに撃ってみたが衝撃で肩の骨が外れそうになった、
この武器は自分の手に余る…出来れば代わりを手に入れたい…そうしたら。
(ごめんなさい姉さん、先輩…私は耐えなくてはいけないと分かっていてももうこれ以上あの日々には耐えられません…
だから今度出会ったら殺します、全てを振り出しに戻すために)

だが…その目的は早くも頓挫しようとしていた。
「桜ちゃん、あそこに小屋があるわよ」
緊張感ゼロの藤村大河を、在りし日の藤村大河…やはり自分と同じくもはや生きる屍と成り果てた藤村大河ではなく、
を、目の前にして桜は辛そうに目を伏せるのだった。

間桐桜
 【場所:山小屋へ移動中】
 【装備:レミントン M870(12番ゲージ6/6) 】
 【所持品:花火セット、支給品一式】
 【状態:健康】
 【思考】
    1・聖杯を手に入れてホロウ世界へ、それが不可能なら第五次聖杯戦争以前に戻り
    全てをやり直す、そのためなら士郎や凛を手にかけるつもり。
    2・ショットガンをもてあまし気味、別の扱いやすい武器(ナイフなど)を入手したい

藤村大河
 【場所:山小屋へと移動中】
 【装備:サバイバルナイフ】
 【所持品:支給品一式】
 【状態:健康】
 【思考】
   桜と夜が明けるまでは山小屋で身を潜める

446 :天の杯をもう一度(修正) :2007/02/17(土) 14:01:55 ID:C9O1LuTC0

というわけで修正いたしました
これで大丈夫でしょうか?

447 :名無しさん@初回限定 :2007/02/17(土) 14:52:18 ID:kObgnHKCO

修正乙です

桜の所持品に花火セットがあるので、Wiki載せる時は『花火セット』→『予備弾(12番ゲージ)×24』に修正したほうがいいかと
あとは問題ない気が……

448 :名無しさん@初回限定 :2007/02/17(土) 15:59:00 ID:fzBhKYte0

修正乙
なるほど緋紗子に変えたんですね。コレなら『メイドさんと〜』の方の時間をいじらなくてもよさそうですね。
後は『メイドさん〜』の方に桜がステルスである描写を加えればいいと思います。

449 :メイドさんと大きな銃(+花火)・修正版 :2007/02/17(土) 19:55:28 ID:S3RjiCry0

「あれ? 桜ちゃん?」
「――っ!? 藤村先生…………」
森を歩いていた50番・藤村大河は、近くで1発の銃声を耳にした。
もしや自分の知人が襲われているのではないかと思い、支給品のサバイバルナイフを片手に大急ぎで銃声のした方へ駆けつけると、そこには散弾銃を持った間桐桜の姿があった。


(――まさか、いきなり藤村先生と出会ってしまうなんて…………)
桜は内心困惑した。殺し合いに乗ると決めた早々、いきなり知人が目の前に現れたことに。
(これも運命の悪戯というものでしょうか?)
そう思った桜であったが、次の瞬間、ふとあることを思いついた。

――それは『殺し合いに乗っていないと見せかけて自身の身を守る』ということだ。
支給品の散弾銃は自身の手に有り余る代物だ。だが、他の参加者から見れば、これは間違いなく『大当たり』の部類に入る武器である。
ならば、それをダシに使えそうな――すなわち『役にたちそうな』支給品とそれを持った参加者たちを集め、彼らに自身の身を守らせる―――つまり、『自身の盾となってくれる捨て駒を集めていく』というやり方である。

正直、先ほど緋紗子の亡骸に使った自身の魔術はこの島ではあまり役にたちそうとは思えないし、自身の身体能力では殺し合いに積極的に参加しても、男性はおろか姉である凛や同姓の者にすら及ばない。
桜自身、この殺し合いを1人で戦っていくということには限界があるということは判っている。
――ならば、非力な自身がこれ以外で勝ち残っていく方法があるだろうか?
――――正直言ってない。

それに、凛や義兄である慎二以外の人間は自分が魔術師であることなど知らない。というより知っているわけがない。
おそらく、この島で初めて会う人間も自身のことは『何も出来ない』一般人にしか見えないだろう。そこも上手く利用すれば、この殺し合い――有利に進むことが出来るかもしれない。

ならば桜がやるべきことはひとつだった。
(――あえて日常を、皆が知る『間桐桜』を演じる。それがわたしのこの殺し合いにおける戦法…………)


450 :メイドさんと大きな銃(+花火)・修正版 :2007/02/17(土) 19:57:39 ID:S3RjiCry0

教会の聖堂を出て少し西に行ったところに小さな山がある。
そして、その山頂付近には山小屋のような小さな木造の建物が生い茂る草木に埋もれるようにして1つ存在する。
既に日は沈みかけている。なので、夜が明けるまで2人はそこで身を潜めることにした。



「これで……よしと」
大河は長く伸ばした糸をくくり付けた空き缶をそっと窓辺に置くと、ふうと息をついた。
「お疲れ様です、藤村先生。 ……でも、これはいったい何なんですか?」
コップに支給された水を注いで大河に渡しながら桜が尋ねた。
「ん? ああコレ? ちょっとした警報装置よ。この小屋の周辺半径数メートルくらいの場所にその缶にくくり付けてある糸を仕掛けたの。
そ・れ・で、誰かがその糸に引っかかると先にあるこの缶が落ちるって仕掛けよ。凄いでしょ?」
「は…はい。凄いです。まさか小屋で見つけた代物でそんなものが作れるなんて……」
「ふふん。そうでしょ〜? ……まあ、実を言うと、これわたしがちょっと前に読んでたバトルなんちゃらってマンガから得た知識なんだけどね〜……」
そう言って苦笑いを浮かべながら大河は受け取ったコップの水を一気に飲み干した。

――しかし、大河もまさか自分たちがその読んでいたマンガのような出来事に直面することになろうとは思ってもみなかった。
しかもそのマンガから得た知識がいきなり役に立つとは思わなかった。なんとういう皮肉な話だ、と大河は内心呟く。
(おまけに、貰ったデイパックの中には1リットルの水が入ったペットボトル2本にうちの学園の購買でも売ってそうなパン、それと島の地図とコンパスと参加者の名前と学年が記された名簿にナイフ……
そこまでマンガと忠実に再現しなくてもいいでしょうに……)
そう思いながら大河はもう1杯コップに水を注ぐ。

451 :メイドさんと大きな銃(+花火)・修正版 :2007/02/17(土) 19:59:01 ID:S3RjiCry0

「――でも桜ちゃん、本当にその銃わたしが持ってていいの?」
大河は自身の足元に置かれている散弾銃、レミントン M870をちらりと見つめた。桜の支給品である。
「はい。それは先生が持っていてください。わたしだと多分もしもの時にも使えないと思うので……」
「なるほど……。わかったわ桜ちゃん。じゃあ、これは先生がしばらくの間預かっておくわね?」
「はい。 ――っ!? 先生!」
「!?」
突然、桜が大河の背後を指差し驚きの声をあげた。
何事かと思い、大河も急いで後ろに振り返ると――――つい先ほど仕掛けたばかりの缶がカランと音をたてて床に落ちるところだった。




「まさかこんな所に糸が仕掛けられていたとは……」
45番・月詠真那は自分の膝下に張られている糸を見ながら呟いた。
目の前の小屋からカランという音が聞こえたような気がした。
それとほぼ同時に散弾銃を持った女性が小屋の中から飛び出してきた。
「誰!?」
「!?」
すぐさま真那と女性の目が合う。
同時に女性の持つ散弾銃の銃口がきらりと夕陽の光を反射させながら真那を捉える。

「――驚かせてしまい大変申し訳ありません。私は御剣家に御仕えする侍従、月詠と申します。こちらに戦う意思はございません。どうか武器を収めていただけないでしょうか?」
「……それなら証拠として貴女の持っているものを全てこちらの1・2・3の合図と同時に前の地面に捨てて。わたしも一緒にコレを捨てるから」
「わかりました」
月詠は頷くと同時に肩に提げていたデイパックを手に取り大河に見せた。
「今私が持っている荷物はこのデイパックの中のもので全部です。そちらも準備はよろしいですか?」
「ええ。じゃあいくわよ? 1…2の……3!」

大河の投げた散弾銃と月詠が投げたデイパックが空中で交差し、やがて2人の間に落ちた。

452 :メイドさんと大きな銃(+花火)・修正版 :2007/02/17(土) 20:03:55 ID:S3RjiCry0

「…………信用していただけたでしょうか?」
「ええ。疑って悪かったわね」
「それは仕方がありません。状況が状況ゆえ……」
大河がふっと笑みを見せると、月詠もふっと笑みを返した。
「――それに、もし私が怪しい素振りを見せたら貴女様はそのナイフを持って私に飛び掛って来ていたでしょうし……」
月詠はそう言いながら大河の腰に備えられていたサバイバルナイフを指差した。
「あ……ばれてたのね…………」



大河は散弾銃と月詠の荷物を持って小屋に戻ると、中で隠れていた桜に月詠が敵ではないことを説明し、彼女を小屋へ招き入れた。
「失礼いたします」
一度頭を下げてから小屋の中に入ってきた月詠を見て、大河は侍従というのは嘘ではなさそうだと思った。
というより、彼女の服装からしてそういう関係の仕事をしている人なのだろうと最初に彼女を見たときから薄々感じてはいたが……


「これが私に支給された代物です」
月詠は自身のデイパックから取り出した花火セットを大河と桜に見せた。

「花火……ですか?」
「はい。私自身も何度か確認してみましたが、間違いなく普通に市販されている花火のようでした」
「花火か〜……あーあ。今がもし殺し合いなんて状況じゃなかったら、夜に士郎やみんなと綺麗な花火を楽しめたんだろうな〜〜……」
「そうでしょうね……」
「シロウ? それは名簿に乗っていた衛宮士郎様のことでしょうか?」
「はい。そうです……月詠さんは先輩とお会いしませんでしたか?」
「いえ。残念ながら……私は先ほどまで武様、冥夜様のご学友の方々や部下たちを探しておりましたが、途中一度も人にお会いしてはございません」
「そうですか……」
「だ〜いじょうぶよ桜ちゃん! 士郎も慎二くんもそう簡単にやられたりするような子たちじゃないわ。それは先生もよ〜く知っているから!!」
肩を落とす桜の背中を大河がどんと叩いた。

453 :メイドさんと大きな銃(+花火)・修正版 :2007/02/17(土) 20:09:03 ID:S3RjiCry0

「……そうですね。先輩や兄さんたちを信じましょう」
そう言うと桜はにこりと笑顔を見せた。
――が、今の彼女は士郎や慎二に会いたいという気持ちは微塵も思っていない。
「そうそう。桜ちゃんにはしょんぼりした顔なんかよりも笑顔のほうがぜんっぜん似合ってるもの」
「――それで、藤村様たちはこれからどうするおつもりなのですか?」
「ああ。そうだった! ごめんね〜月詠さん」
月詠のことをすっかり忘れていた大河は、彼女の方に向き直るとこれからの自分たちの行動方針を月詠に話した。

ひとつは、もうじき外は日が沈んで暗くなるので、今晩はとりあえずこの小屋で身を潜めているということ。
士郎や慎二、そして学園の知人たちの身も確かに心配ではあるが、自分たちの身の安全には変えられないからだ。

もうひとつは、日が差してきたらこの小屋を去って近くの村へ行ってみるということだった。

「確かに、村には多くの参加者が集まる可能性はあります。しかし、逆に言えば殺し合いに乗った者たちもいる可能性が高いということです」
「まあ、それはもとより覚悟の上ってやつよ。そうでもしないと士郎たちと合流できないかもしれないし……ね?」
「はい。それに先輩はきっとこの殺し合いを止めるために仲間となってくれる人たちを探しているに違いありませんから」
「そういうこと。士郎はたま〜に1人で突っ走りすぎて暴走しちゃう時があるから、お姉さんたちがしっかり面倒見てあげないと何をしでかすか判ったものじゃないしねえ。
あ。もしよかったら月詠さんも一緒に行動しない? 1人よりも2人、2人よりも3人の方がきっと安全だし、それに探している人たちも見つけられるかもしれないわよ?」
「――そのお気持ちはありがたいのですが、私は侍従――主に御仕えする身。一刻も早く冥夜様や武様たちをお探ししなければなりませんので、誠に申し訳ございませんがお二人とご一緒することはできません」
そう言って月詠は2人に頭を下げた。

454 :メイドさんと大きな銃(+花火)・修正版 :2007/02/17(土) 20:09:52 ID:S3RjiCry0

「そうですか……あ。じゃあ、もしよろしければ月詠さんが探している人たちの名前と特徴を教えてくれませんか?」
「そうね。もし、その子たちがわたしたちと会うことがあれば月詠さんが探していたことを伝えておくから」
「わかりました。では私のほうも藤村様たちがお探しになっている方々の名と身体的特徴をお伺いしておきましょう」
早速3人は各自のデイパックから名簿を取り出し、それぞれが探している参加者の名と特徴をメモしていった。

(――御剣冥夜さんに白銀武さんですか……上手く利用できるかもしれませんね…………)
月詠の話を聞きながら桜は内心そう呟いていた。



「――では私はこれで……」
「気をつけてくださいね月詠さん」
「はい。間桐様たちも」
そう言ってまた一度頭を下げて礼をすると月詠は自身のデイパックを提げて行こうとしたが、そこを大河が呼び止めた。

「月詠さん」
「はい。何でございましょうか?」
「これ持って行きなさい」
月詠が振り返ると大河は先ほど桜から譲り受けた散弾銃とその予備の弾を彼女に手渡した。

「これは……よろしいのですか? これは藤村様たちが己が身を護るために必要なもののはず……」
「大丈夫よ。まだこっちにはナイフもあるし、それに正直言うとわたし銃よりも剣の方が得意だし……桜ちゃんも別にいいわよね?」
「はい。月詠さんには何も自身の身を護るためのものがありませんし、藤村先生がそうおっしゃるのであれば」
「…………わかりました。では、この銃は今しばらくの間大事に使わせていただきます。ですが必ずこれは藤村様たちにお返しいたします」
「うん。それでいいわ。――あ。じゃあ、その代わりと言っちゃ何だけど、月詠さんの花火を貸してもらえないかしら?」
「花火をですか? 構いませんが……」
「ええ。ありがとう」
月詠は花火セットをデイパックから取り出すと、それを大河に手渡す。

455 :メイドさんと大きな銃(+花火)・修正版 :2007/02/17(土) 20:10:50 ID:S3RjiCry0

「月詠さん。これから先、探している人に会えても会えなくても、もしわたしたちに会いたくなったら2つ焚き火をして。
その煙を見たらわたしたちがこれを10分……いや。15分ごとに打ち上げるから、それを頼りにわたしたちのもとに来て頂戴」
そう言って大河が花火セットの袋の中から『炸裂! 30連発!!』と書かれた市販の打ち上げ花火をいくつか取り出した。

「わかりました。ありがとうございます。――では今度こ失礼いたします」
月詠はそう答えるてまた頭を下げると今度こそ2人のもとを去っていった。



「藤村様に間桐様……まだ信じられる人がこの島にはいてくれてよかった…………」
森の中を歩きながら月詠はそう呟いた。

――実は彼女はあの小屋に行く途中、爆発音と銃声らしき音を何度か耳にしていた。
直接見ていなくとも既に殺し合いは始まってしまっていると判ったとき、まさか自分の部下や武たちもと薄々考えてしまっていた。
だが、あの2人に会えたことで月詠の中に再び希望の灯が強く点り始めた。

「待っていてください冥夜様、武様。そして皆さん。月詠が今助けに参ります……!」
左肩にはデイパック。右肩には散弾銃を提げて月詠は薄暗くなりつつある森の中を前へ前へと歩いていった。

456 :メイドさんと大きな銃(+花火)・修正版 :2007/02/17(土) 20:15:28 ID:S3RjiCry0

【時間:1日目・午後5時45分】

月詠真那
 【場所:森林地帯】
 【装備:レミントン M870(12番ゲージ6/6)】
 【所持品:予備弾(12番ゲージ)×24、支給品一式】
 【状態:健康】
 【思考】
  1)冥夜たちを探す
  2)士郎たちに会えたら大河たちのことを伝える
  3)ゲームには乗らない。乗っている者と接触した場合は戦う
  4)大河たちに会いたくなったら2つ焚き火をする
  5)大河たちと再開して散弾銃を返す

藤村大河
 【場所:山小屋(教会西側の山の山頂付近)】
 【装備:サバイバルナイフ】
 【所持品:支給品一式(水を少し消費しました)】
 【状態:健康】
 【思考】
  1)桜と夜が明けるまでは山小屋で身を潜める
  2)朝になったら近くの村(西側)に行き士郎たちを探す
  3)冥夜たちに会えたら月詠のことを伝える
  4)ゲームには乗らない。乗っている者と接触した場合は戦う
  5)月詠から合図があったら15分ごとに花火を打ち上げる

457 :メイドさんと大きな銃(+花火)・修正版 :2007/02/17(土) 20:17:06 ID:S3RjiCry0

間桐桜
 【場所:山小屋(教会西側の山の山頂付近)】
 【装備:なし】
 【所持品:花火セット、支給品一式】
 【状態:健康。ステルスマーダー化】
 【思考】
  1)大河と夜が明けるまでは山小屋で身を潜める
  2)ゲームに乗っている者と接触した場合は戦う。乗っていない者と接触した場合、利用できる者は利用し、利用できない者、用済みの者は隙を見て始末する
  3)朝になったら近くの村(西側)に行き士郎たちを探す(桜本人は自ら士郎たちに会うつもりはない)
  4)冥夜たちに会えたら月詠のことを伝える(そして利用できるならある程度利用する)
  5)月詠から合図があったら15分ごとに花火を打ち上げる

【備考】
・山小屋から半径数メートルには警報装置の糸が仕掛けてあります(人の膝下くらいの高さ。丁度生い茂る草木で隠れるように仕掛けられています)


【ランダムアイテム備考】
・レミントン M870
 アメリカ、レミントン社の代表的なポンプアクション式散弾銃。口径は12番ゲージ。
 操作性の高さと頑丈さが評価されて、狩猟はもとより警察機構の制式散弾銃としてよく使用されている。
 日本でも、狩猟用として販売されていたり、海上保安庁の特別警備隊に錆びにくいクロームステンレス製のマリーンマグナムと呼ばれるものが採用されている。

・サバイバルナイフ
 米空軍のパイロット用などに用いられているタイプ。反射防止のため刃は黒く塗られている。濡れても滑らないように革製のハンドルを使用している。
 その名の通り、戦闘用としてだけでなくサバイバル用品としても極めて優秀。

・花火セット
 線香花火からドラゴンにロケット、打ち上げ花火まで様々な種類の花火が入っている花火の詰め合わせ。
 種類と使い方次第ではいろいろな使い方ができる。

458 :名無しさん@初回限定 :2007/02/17(土) 20:46:11 ID:fzBhKYte0

修正乙
これで桜関連はクリアかな?

459 :名無しさん@初回限定 :2007/02/18(日) 00:27:47 ID:josdGc/F0

【残りの未行動・未予約キャラ】
08/織倉楓 18/神代巽 47/巴雪乃 49/氷室鐘 54/御門まりや

08/織倉楓ってやるきばこ限定のキャラなんだよね…書ける人いる?

460 :名無しさん@初回限定 :2007/02/18(日) 00:34:38 ID:1ZZv3OWw0

>>459
一応PS2版でも出てくるけどね。(『宮小路家のお正月』はPS2版でも収録)
ただのメイドって訳でもないし…難しいキャラなんだよねぇ…

461 :名無しさん@初回限定 :2007/02/18(日) 13:13:11 ID:hfYP20Bz0

18/神代巽 47/巴雪乃 49/氷室鐘 54/御門まりや
で予約します

462 :名無しさん@初回限定 :2007/02/18(日) 14:55:43 ID:lAxmgHxmO

>>462
アニメ版のドラマCDにも出てきたな>楓



しかし、楓はもしかしたら一番扱い辛いキャラかもしれないな…………

463 :名無しさん@初回限定 :2007/02/18(日) 14:57:34 ID:lAxmgHxmO

って>>460だよ
何自己レスしてんだ俺はorz

464 :名無しさん@初回限定 :2007/02/18(日) 16:09:53 ID:gXhqfxgc0

>>463
よくあることだ。気にすんな

465 :名無しさん@初回限定 :2007/02/18(日) 22:33:46 ID:MzfQ3fGc0

08/織倉楓で予約
これで未登場はいなくなったね

466 :Dual :2007/02/19(月) 01:22:48 ID:Vz6jMX7n0

それは開幕前の一コマだった。
相対するは同じ顔、同じ姿の2人、違うところがあるとすればいわゆるメイド服を纏った側は己の境遇に恐怖をありありと示し
そして戦闘服を纏った側は、戸惑いはあれど恐れはないといったところだろうか?
「まさか、こういう形でイレギュラーが起こるとはな、詳しい事情を説明するつもりはない、ゆえにここで1人死んでもらう
それだけだ」
中央に陣取る神父が片腕を高々と上げる、メイドはひぃと涙声で後ろ去り、兵士はずいと前に出る。
神父が腕を振り下ろす、それから7秒後には決着がついていた。

そして夕刻の島にて。
「とりあえずこれからどうするの鐘ちゃん」
「氷室だ、さっきも言ったが下の名前で呼ぶのは止めてくれまいか、御堂嬢」
鐘ちゃんと呼ばれた少女はずれたメガネを戻しながらその呼び名は不本意だと態度で示す。
「もーそんな顔しないでよ、私の事もそんなかしこまった言い方じゃなくってまりやって呼んでいいから」
「しかし…」
まりやの言葉に口を挟みたくなる鐘だったが、思い直して笑顔で応じる、こういうのも悪くはない。
「うんうん、同じ陸上仲間だもん力合わせないとね」
「まったく奇遇だな、こういう場でなければと思えてならない、それで先ほどの質問だが」

鐘は支給品のエンジン付きゴムボートをまりやに示す。
「ひとまず海に出ようと思う」
「海へ?でも脱出は…」
「確かにあの神父の言葉が本当ならば脱出は不可能だろう、だがそれでも海路を使えれば陸路よりも
はるかに機動性、安全性は増すというもの」
つまりゴムボートで沿岸、あるいは水路を走り、その過程で友人・知己たちを見つけ出そうというわけだ。
それにで脱出の範疇がどこまでなのかは知る由もないが、小島でも見つけることが出来ればしめたもの、
そこを根拠地にすることも可能だ。
「いずれにせよ、我々は移動手段という部分ではアドバンテージを得ているわけだ、ならばこれを有効に使わない手はない」
とか話している間に潮風の香りが漂いだす、そしてまもなくコンプレッサーの軽快な音が海岸に響き出したのだった。
「さてと」
充分に膨らんだボートを波打ち際まで押していく2人、あいにく岩場が多くかなりの距離を押していかなければ、
水辺までたどり着けない。

467 :Dual :2007/02/19(月) 01:23:37 ID:Vz6jMX7n0

「でもいいな鐘ちゃんの支給品、あたしのなんか」
まぁ、ハズレじゃないんだけど、と心の中で付け加えるまりや、彼女に支給されたのはレオタード調の燕尾服だった、
そのきわどいデザインには流石のまりやも赤面したが、こういう状況じゃなければ、いやこういう状況でもチャンスがあれば、
瑞穂ちゃんに着せてやるのにと、密かに思っていたりもするのだ。
波打ち際まではあと少し、ボートの先端が波にかかって少し濡れた時だった。

「動くなっ!」
妙に可愛い声に思わず振り向き、そして絶句する2人。
声の主がクラシックなメイド服をまとった金髪の少女だからではない、問題はその少女が担いでいる物だ。
「ちょ…ちょ…ちょっと待ってよ」
まりやが上ずった声を出す、鐘は何も言えない。
「えへへ、驚いたでしょ…ととととっ」 
ふらつく金髪メイド、その肩には4連装ロケットランチャーが担がれていた。
「さ、さぁ大人しくそのボートをよこしなさい!ってととととと」
さらにふらつくメイド、見てる側は気が気でない、
「こんなものこの至近距離で放ったら全員黒こげだぞ」
無駄だと思いつつも冷静な突っ込みを入れる鐘、

「そんなこといってボート渡さないつもりなんでしょう、あんたたちだけ逃げようだなんてそうは」
「あんた正気!逃げたら爆死するってあの神父も言ってたでしょう!」
敵前逃亡の汚名を着せられてはたまらないとばかりにまりあが反論する。
逃げた後のことは考えてなかったのか、少し涙目になるメイド、それを見て動こうとしたまりやに鐘が耳打ちした。
「金髪の背後にもう1人いるが…変だと思わないか?」
その言葉を聴いてまりやも頷く、金髪のメイドの背後には褐色の肌のメイドが控えていたのだが
迂闊さを全面に出した金髪メイドとはまるで正反対でまったくスキがないのだ、
あれはメイドというよりもまるで゙…。

468 :Dual :2007/02/19(月) 01:24:57 ID:Vz6jMX7n0

その時だった。
「死にたくない死にたくない死にたくない…」
風に乗ってそんな呟きが聞こえてきた…ような気がした瞬間。
軽快な音が弾丸と同時に周囲に響き渡った。
とっさに岩場に隠れる鐘とまりや、2人の目に映ったのは軽機関銃を構え狂気の表情で弾丸をバラまく少女の姿。

「誰っ!だれなのっ!」
岩場から身を乗り出そうとして鐘に押さえつけられるまりや。
さらに悪いことは重なる、2人が隠れた隙にまんまとメイドたちがボートを奪い取り、海へと走りだしていたのだ。
追いかけて取り戻したいが…鐘は歯噛みして見送りるしかなかった。
そして銃声が止んでしばらく経って、恐る恐る岩場から顔を出すと、そこにはもう誰もいなかったのだった。

一方、ボートの上では、
「上手く…いったね、巽ちゃん」
巴雪乃が痛みに耐えながらも笑顔を作っていた、あの襲撃で流れ弾を受けたのだ。
満足な医療など望むべくもないこの島ではそれは死を約束されたも同然だった。
一方の神代巽はまるで表情を変えない、まるでそれが見慣れた光景のように、
そんな巽の表情を見て、何かを感じたような雪乃だったが、静かに首を振った。
「いいや、巽ちゃんは巽ちゃんだもん」

「わた…」
感極まって真実を告げようとした巽だが、雪乃の手がそれを遮る。
「聞かないことにしとく…だから約束して…うーんと」
少しだけ考える雪乃、頼むべきことはある、が、
目の前の神代巽にそれを託すのは場違いな気がした…だから。
「生き残るって…」
少し戸惑った巽が頷くのを見て、笑顔で応じる雪乃…
そしてそれからゆっくりと目を閉じ、息を引き取ったのだった。

469 :Dual :2007/02/19(月) 01:29:08 ID:Vz6jMX7n0

「生き残る…か、酷なことを」
巽は自嘲気味に呟く、不本意ながらも自分を殺して以来、正直捨て鉢になっていた感は否めない。
だから雪乃がすがり付いてきた時に振り解くことが出来なかった。
「私や雪乃がいたということは美凪や冥夜様も当然いるんだろうな」
雪乃が死を目前にして本当は自分に何を託したかったのかはよく理解できた、巽は支給品のワイヤーを指先で弄ぶ。
「ならば私は私に出来ることをするだけだ」
巽にはある考えがあった、この方法なら雪乃の願いもある程度叶えることも出来るし、約束も守れる。
「冥夜様以外全てを殺す…これならば」
ただ誰もそんなことは望まないだろうなと思ってもいたが。

【時間:1日目・午後5時00分】

神代巽
 【場所:海岸】
 【装備:エンジン付きゴムボート、絞殺用ワイヤー】
 【所持品:支給品一式】
 【状態:健康】
 【思考】
  1冥夜以外は皆殺し
  2自分と同じ世界から来た者を探す
  
氷室鐘
 【場所:海岸】
 【装備:なし】
 【所持品:支給品一式】
 【状態:健康】
 【思考】
  1知り合いを探す

470 :Dual :2007/02/19(月) 01:32:16 ID:Vz6jMX7n0

御堂まりや
 【場所:海岸】
 【装備:カレンのレオタード】
 【所持品:支給品一式】
 【状態:健康】
 【思考】
  1知り合いを探す

【巴雪乃 死亡 残り54人】

(ロケットランチャーは海底に沈んでいます、無茶をすれば引き上げ可能)

471 :Dual :2007/02/19(月) 06:51:37 ID:uVMklSvH0

4人に攻撃を仕掛けたのは由香里です、以上参考までに

472 :名無しさん@初回限定 :2007/02/19(月) 17:12:22 ID:q8nCmOeN0

すまない。予約してたまりもちゃん、ネタが全く出ないんで予約撤回したい……orz

473 :名無しさん@初回限定 :2007/02/19(月) 18:54:04 ID:262G5DFz0

>>471
ちょっwwバーグかよwww
とにかくGJ!

>>472
イ`
そういうこともあるさ…

474 :名無しさん@初回限定 :2007/02/19(月) 20:07:12 ID:4+Dk2yDK0

>>471
御堂まりや? 御門まりやじゃないのか?

475 :名無しさん@初回限定 :2007/02/19(月) 21:22:12 ID:kd04fU5O0

>>474
重ね重ね申し訳ない…

476 :die like a dog :2007/02/19(月) 23:09:44 ID:dG8HVdk40

「ふむ…」
時計を一瞥する言峰、17時50分、そろそろ放送の時間だ。
現在の死者数を確認する、当初の目算では最初の6時間でおよそ4分の1は淘汰されると踏んでいたのだが。
「なかなか健闘しているではないか、さて」
執務室を出、司令室へと向かう言峰、その背後を伺うように進む影、
「驚いたな、未だに潜んでいたとは」
振り返りもせずに背後へと声をかける言峰、と同時に踊りかかる影、無造作な手刀は衣を一枚剥いだだけだ。
「織倉楓だったか?」
特に感情を込めることなく呟く言峰だが、楓の姿を見て唇が僅かに歪む。
楓の身体には無数のコードとそして粘土状の爆薬がくくりつけられていた。
時限爆弾、これが彼女の支給品…爆薬の量が心もとないがそれでも至近距離なら1人は吹き飛ばせる。

カチコチとタイマーの音が無人の廊下に響く。
「ほう、考えたではないか」
「これしかなかった、貴方さえ殺せば終わるはず…なんです」
血走った瞳を向ける楓、しかし言峰はあくまでも余裕だ。
「油断しましたね…護衛をつけないなんて」
最侵入は思ったよりも上手くいった、鏑木邸のセキュリティと比較すると、
この教会の防備はお粗末に過ぎる。
ゆっくりと構えを取る楓、接近さえ出来れば…相手は時限式だと思っているが、
ポケットの中には起爆装置がある、これで…ドカンだ。
「いきます!」
滑るように言峰へと接近する楓、だが楓の突進はいとも簡単に言峰にあしらわれる。
が、それでも楓の左手が言峰の腕を掴む、この距離ならば…、
「これでおしまいです、私と共に滅びなさい!」
高らかに宣言すると同時に右腕に意識を向ける楓、だが…。
(この男、まるで動じていないわ…どうして)
片腕を背中に隠した奇妙な構えもそうだったが、このままだと残り数秒で死ぬというのに、
言峰はまるで動じていなかった。

477 :die like a dog :2007/02/19(月) 23:10:16 ID:dG8HVdk40

次の瞬間、するりと掴んでいたはずの言峰の腕が楓の手から抜ける…奇妙な音を残して、
(自分で関節を外した!?)
驚く間もなく即頭部に衝撃、さらに遠心力をつけた肘が楓のわき腹にめり込んだ。
しかしそれでも全身を使い覆いかぶさるように言峰に迫る楓、彼女にとってみれば接近さえ出来れば、
そして瞬き2つほどの時間があればいいのだ。
その様を何の感情も篭らない目で眺める言峰、ようやく背中に隠されていた右腕が動く…奇妙な詠唱と共に。
「この魂に」
現れた右腕には何かが握られていた。
「安らぎを」
詠唱が終わると同時に言峰の手から放たれた黒鍵が容赦なく楓の身体を貫き、彼女の身体を無残にも壁に縫い付ける、
(迂闊だった…護衛はいなかったのではなく…)
そして楓は自分の賭けが敗れたことをついに悟った。
(そもそも護衛など必要なかったから…だったのですね)
そして言峰綺礼は何一つ表情を変えることなく司令室へと向かう、まるで標本のように変わり果てた楓を残して。

カチコチカチコチ…そして楓の胸にぶらさがった時計が無情に時を刻む。
「申し訳…ありません、瑞穂さん…どうか…どうか…」
カチコチカチコチカチコチカチコチカチコチカチコチカチコチカチコチカチコチ、
「いやああああああ死にたくないっ!たすけっ!」

【織倉楓:死亡 残り53人】

478 :名無しさん@初回限定 :2007/02/19(月) 23:19:00 ID:262G5DFz0

か、楓さん・・・貴女って人は何つー無茶を・・・つДT)



えっと、この場合は自爆(?)でいいんだよね?

479 :名無しさん@初回限定 :2007/02/20(火) 00:32:57 ID:LPkpKdmp0

士郎、伸哉、ランサーで予約
ところでこれで予約分の来美と一成以外、全員が出揃ったわけだし
放送のタイミングも考えないといけないような

480 :名無しさん@初回限定 :2007/02/20(火) 12:27:02 ID:sW/XwJF0O

一回放送後からジョーカー化するつもりの小雪と、茜&奏ペアはもう一つぐらい放送前の描写が必要な希ガス

481 :名無しさん@初回限定 :2007/02/21(水) 00:12:40 ID:tmOE1+wj0

>>474

全く関係ないが御堂と聞いて、誰彼思い出した。

482 :名無しさん@初回限定 :2007/02/21(水) 18:43:05 ID:jHTpWwD60

2時〜4時くらいの時間帯のキャラももう1つくらい話が欲しい気がする

483 :名無しさん@初回限定 :2007/02/21(水) 19:21:45 ID:PCOTITzmO

そうなると後発組と一部マーダーを除く大半が該当するな…
まあ確かに2〜4時間あれば他キャラとの遭遇や共同戦線や戦闘も起こりえるし、
出会った状態でフェードアウトしてるのも多い(誠&君枝、伊吹&紫苑ほか)
動きの分かってないマーダーも数多く…放送はまだ気が早いかんじかな


で、ついでだからwikiの方、時系列順にするか、目次欄に時刻を入れるかしたほうがよくないか?

484 :Wiki”管理”人 :2007/02/22(木) 12:28:02 ID:slev9wJu0

Wikiに本編時系列順目次の項を作りました
時系列は以下の通りです

【午前】(9:01~11:00)
【昼】(11:01~14:30)
【午後】(14:31~16:00)
【夕方】(16:01~18:00)
【夜】(18:01~22:00)
【深夜】(22:01~02:30)
【黎明】(02:31~04:00)
【早朝】(04:01~06:00)
【朝】(06:00~09:00)


それと支給品リストの項も作りましたのでご自由に編集なさってください

485 :名無しさん@初回限定 :2007/02/22(木) 12:59:26 ID:ZZm5G8+zO

>>484
素早い仕事乙です

486 :名無しさん@初回限定 :2007/02/22(木) 14:01:30 ID:g8liieZrO

Wikiの人乙です


そういえば、このスレに書き手は今何人いるんだろう?
点呼してみようか?
ノシ

487 :名無しさん@初回限定 :2007/02/22(木) 15:37:37 ID:/h97oTUQ0

一応。しかし殆ど様子見。解らん作品も多いし。 ノ

488 :名無しさん@初回限定 :2007/02/22(木) 17:24:31 ID:ZZm5G8+zO

おとボクとはぴねす!しかプレイしてないが、一応…ノシ


書いた作品もろバレだな

489 :名無しさん@初回限定 :2007/02/22(木) 19:51:12 ID:FLaSftK90

ノシ
プレイしたのはFateとスクールデイズ、
おとボクとはぴねす!はアニメでチェックしてる。
マブラヴは…ゴメン

490 :名無しさん@初回限定 :2007/02/23(金) 23:38:28 ID:mr1QTjWTO

最近パソの調子がおかしい……
予約した一成、来実もう数日まってくだされorz

491 :名無しさん@初回限定 :2007/02/24(土) 01:08:02 ID:QrFs71UY0

士郎たちを予約した者です
こちらも週末に何とか仕上げたいところ

492 :名無しさん@初回限定 :2007/02/24(土) 22:35:34 ID:O7zSeQ70O

思ったんだが、武と冥夜以外は所持品の欄に『携帯電話』を明記する必要はないんじゃないか?

493 :小休止 :2007/02/25(日) 12:59:20 ID:laegxWIK0

「おい、火ィちゃんと起こしたか?焼き上がりを逃すなよ、といってもボウズに任せときゃ大丈夫か」
パチパチと薪が爆ぜる音と、香ばしい匂いが周囲に漂う。
即席で作った竈の前にはいそいそと魚を串に刺す士郎と、それを複雑な気分で眺める伸哉の姿。
伸哉にしてみれば一刻も早く妹を探し出したい心境なのだが…。
「あせるんじゃねぇよ、狭い島とはいえそうそう人探しがはかどるとも思えねぇ…それにそんな精神状態のマスターを
抱えるサーヴァントの身にもなってくれ」
確かに英霊の強さは召喚したマスターに依存する部分が多いと聞く、
「確かに一理ある、まずはこういうときこそ落ち着けというわけか、で具体的には?」
「そうさな、まずは腹ごしらえといこうじゃねぇか」
と、いまひとつ余裕の無いマスターをやんわりと嗜めた槍兵だったが、当の本人はといえば、
どこからともなく取り出したアロハシャツを纏い、さらには暢気に釣竿を川面に垂らしていたりした。

(しかし…この英霊だが)
伸哉の見たところ、この男は飄々とした態度を崩さないが、その実かなり上位に位置する英霊だ。
そしてそのシンボルは槍…剣とは違い槍を得意とする伝承上の英雄はそれほど多くはない。
(あの槍、ゲイボルグかブリューナク…あるいはグングニールか?)
そしてもう1つの疑問、本人は黙して語らずだが、
(もしや士郎殿と面識があるのか?)
先ほどからのランサーの士郎への態度は、まるで手のかかる弟分に対する兄貴のような、そんな感さえある。
もっと当の士郎にはまるで覚えがないことと即答され、ランサーはそれを聞いて苦笑いを浮かべただけだ、
だから伸哉もこの件について、それ以上考えようとは思わなかった。

「ところで士郎殿も魔法を使えると聞いたが」
「ああ、といっても物を強化するくらいしか出来ないけど」
「少し見せてくれないか、これから行動を共にするにあたって、仲間の実力は知っておきたい」
伸哉の求めに応じて頷く士郎、薪を手に取るとゆっくりと体内に回路を精製していく。
いつものように自分の身体に一本の剣をまずは思い浮かべて…だが、
「待った」

494 :小休止 :2007/02/25(日) 13:00:00 ID:laegxWIK0

そこで伸哉の止めが入る。
「いや…驚いた、おぬしたちの世界での魔法は皆そうやって使うのか」
「知らない、俺は親父に教わったやり方しか知らないし、他の魔術師も知らないから」
「なるほど」
頭を抱える伸哉、まさかこんな回りくどく、危険な方法で魔術を行使していたとは、
よく今まで暴発せずに居られたものだ、いずれにせよ…この方法を続ければ遠からず自滅するだろう。
「士郎殿、今から少々乱暴なことをするが、俺を信じて欲しい」
伸哉の手が白く輝き始める、それにはむしろ士郎よりもランサーが険しい目で伸哉を見咎めようとする。

「安心しろ、魔術を行使する際の呼吸法を叩き込むだけだ、とはいえ荒療治にはなるがな」
伸哉はゆっくりと魔力を帯びた手を士郎の身体にかざす、と、音も無くその手が士郎の身体へと潜り込んでいく、
本来ならば順を追って教えるのが当たり前だが、時間がない。
だから伸哉は己の魔力をもって、士郎の魔術回路を刺激するという方法に出た、これで魔術回路が活性化すれば、
自然、効率的な魔術行使が出来るようになるはずだ。
士郎の中で伸哉の手が魔術回路を探そうと動く…不意にその手に何かが触れた刹那。
「うっ…」
伸哉の表情が固まる、そしてその数秒後…。
「うわあああああああっ!」
慌てて手を引き抜き飛び退る伸哉、その顔には冷や汗が浮かんでいた。
「おい伸哉…大丈夫か」
「いや、俺は大丈夫だ、それよりお前こそ…」
それ以上は言葉にならない、伸哉は士郎の身体をじっと見つめる。
「大丈夫…なのか」

495 :小休止 :2007/02/25(日) 13:04:05 ID:laegxWIK0

「?」
何が何だか、そんな顔で伸哉を見る士郎、伸哉は作り笑いで取り繕うのがやっとだ。
(いや…まさか、だがあの感触、間違いない…)
あの時触れた物、つまりこの衛宮士郎の身体に眠っているものは…思い浮かべるだけでも震えが止まらない。
あれは人の手による物ではない、神々が造り上げたとてつもなき聖遺物だ、人が宿していいものではない…それを何故?
この槍兵との関係といい、いったい…。
伸哉から見て士郎は決して悪い人間ではない、それどころか正義の味方になりたいという、
彼の理想を手助けしたいとさえ思っている、だが、それでも…。
(君は何者なんだ)
伸哉の心に僅かながら疑問が生まれていた。

【時間:1日目・午後17時00分】

衛宮士郎
 【場所:川原】
 【装備:遠坂十年分の魔力入り宝石】
 【所持品:支給品一式】
 【状態:健康】
 【思考】
  1友人らを探す
  2正義の味方として行動したい
  
上条伸哉
 【場所:川原】
 【装備:なし(ランサー)】
 【所持品:支給品一式】
 【状態:健康】
 【思考】
  1沙耶を探す
(士郎の体内のアヴァロンの存在に気が付いています)

496 :小休止 :2007/02/25(日) 13:07:08 ID:laegxWIK0

ランサー
 【場所:川原】
 【所持品:アロハシャツと釣竿】
 【状態:健康】
 【思考】
  1不明、士郎のことを知っている?

497 :小休止 :2007/02/25(日) 13:07:52 ID:laegxWIK0

と、いうわけで小品ながら、時間を進めてみました

498 :名無しさん@初回限定 :2007/02/25(日) 14:28:36 ID:jO4OonX5O


ランサーはホロウ世界から参戦か

499 :名無しさん@初回限定 :2007/02/27(火) 23:37:45 ID:12GEB/e30

>>490
大丈夫でしょうか?

500 :名無しさん@初回限定 :2007/03/01(木) 18:05:05 ID:GAL4Wqrt0

折角だから何か雑談でもしないか?
暇なのも何だし。

と、言うわけで俺から。
今回のバトロワでは、是非アンロク谷の戦い的狙撃が見てみたい。

501 :名無しさん@初回限定 :2007/03/01(木) 19:32:16 ID:P+6W4/5W0

黒セイバーの暴れっぷりに期待

502 :銃声のする頃に 〜暇つぶし編〜 :2007/03/02(金) 18:04:24 ID:Ufi0yvxx0

「さて……まずは支給品の確認だな」
柳洞一成(61番)は聖堂から出ると、近くの茂みに身を隠し、支給品の確認を始めた。
(これから先、生き残っていくためには少なくとも武器に属するものが欲しいところだが……)
デイパックを開帳し、てきぱきと中身を確認していく。

言峰という神父が言っていた通り、地図や水、食料は一通りちゃんと揃っていた。
残るは参加者にひとつ与えられるというランダムアイテム。
一成に支給されたものは――――


「これは……銃か?」
超大型回転式拳銃、S&W M500であった。
銃のことなどまるで知らない一成にも、それの全長と重さに思わず呆然としてしまう。
「と、とりあえず説明書を読んでみるか……」
はっと我に返った一成は付属していた支給品の説明書を読んでみることにした。

――説明書によると、このM500は「世界最強」を目指して開発された代物で、市販品としては最強の拳銃弾を使用しているとのことだ。
そのため反動も膨大で、それに耐えうるためにこのような超大型のフレームを使用しているそうだ。

「これは、むやみやたらに使おうものなら使用者の方が吹っ飛んでしまう可能性があるな……」
そう呟くと一成は一緒に入っていた弾丸をとりあえず装填しておこうとデイパックの方に手を伸ばした。
刹那――――

パン!

一発の銃声とともに近くの木が木片をぶちまけた。

「!?」
すぐさま一成はデイパックを手に取ると近くの木々の隙間に滑り込む。

503 :銃声のする頃に 〜暇つぶし編〜 :2007/03/02(金) 18:05:15 ID:Ufi0yvxx0

パン! パン!

またしても銃撃。
先ほどまで自身がいた付近の木々に穴が開く。
間違いない、敵だ、と一成は判断した。

(まずいな……反撃したいところだが、こちらはまだ弾丸を装填していない……!)
茂みの向こう側にいるであろう見えない敵を睨みつけながら一成は考える。
そして即座に自身が取るべき行動を決定する。
(止む終えん、ここは逃げる!!)
そう判断すると同時に一成は全力疾走で森の奥へと走り去った。
何度か背後から銃声が聞こえたが、振り返ることなく走り続けた。


◇ ◆ ◇ ◆ ◇


「逃げられちゃったか……まあ銃の使い方も大体判ったし、いっか……」
一成が走り去って行った方角を眺めながら森来実(59番)はゆっくりと支給されたマカロフを下ろした。

彼女は退屈な日常というものに飽き飽きしていた。
だから、この聖杯戦争というデス・ゲームに普段は決して得ることが出来ない刺激を求めることにした。
つまり、ただつまらない日常に生まれ育ってしまったことで手に入れてしまった虚無感を少しは埋められるかもしれないという思いから彼女は殺し合いに乗ったのだ。
彼女のそれは、俗にいう『退屈しのぎ』、『暇つぶし』ともとれる行為であると同時に、最近の若者が薬物や犯罪に手を出す過程に類似していた。
いや、というよりもソレだ。

504 :銃声のする頃に 〜暇つぶし編〜 :2007/03/02(金) 18:05:55 ID:Ufi0yvxx0

(考えてみれば、私の人生って普通に学校通って、普通に友達つくって、普通に馬鹿なことやって、本当に普通すぎて嫌になっちゃう毎日だったし……退屈をしのぐにはいい機会だよね?
ふふっ……今の私のこと知ったら、乙女ちゃんたちどんな反応をするかな? 楽しみだなあ…………)
そんなことを考えながら来実はデイパックを肩に提げ、その場を後にした。


◇ ◆ ◇ ◆ ◇


「どうやら……なんとか逃げ切れたようだな…………」
一成は、あれからしばらく走り続けて銃声が完全に聞こえなくなったことを確認するとゆっくりと足を止めた。
「しかし、もう殺し合いに乗ってしまった者が現れたとは……これは本当に油断できん……」
そう呟きながら近くの木の根元に一度腰を下ろすと、今度こそ一成はM500に弾を装填した。

「――これでよし。さて、まずは衛宮や殺し合いに乗っていない者たちと合流するのが最優先だな。日も沈み始めたことだし、急がなくては……」
そう言って立ち上がり、M500をズボンとシャツとの間に挟むと、一成は再び歩き出した。

505 :名無しさん@初回限定 :2007/03/02(金) 18:09:59 ID:0UVIbBCcO

続きキタ―――(・∀・)―――!!

回避

506 :名無しさん@初回限定 :2007/03/02(金) 18:11:25 ID:0UVIbBCcO

回避

507 :銃声のする頃に 〜暇つぶし編〜 :2007/03/02(金) 18:16:12 ID:Ufi0yvxx0

【時間:1日目・17:30】
【場所:森林地帯】

柳洞一成
 【装備:S&W M500(.500S&W弾5/5)】
 【所持品:予備弾丸(.500S&W弾)×30、支給品一式】
 【状態:健康】
 【思考】
  1)士郎やゲームに乗っていない参加者を探し、合流する
  2)ゲームから脱出する

森来実
 【装備:マカロフPMM-12(9ミリマカロフ弾7/12)】
 【所持品:予備マガジン(9ミリマカロフ弾12発入り)×3、支給品一式】
 【状態:健康。マーダー】
 【思考】
  1)とりあえず他の参加者を見つけ次第襲撃する
  2)とりあえず生き残る

508 :銃声のする頃に 〜暇つぶし編〜 :2007/03/02(金) 18:16:50 ID:Ufi0yvxx0

>>505-506
回避ありがとうございました

509 :名無しさん@初回限定 :2007/03/03(土) 21:49:24 ID:q96YgAqS0

序盤戦を書いた人たちって今でもいるのかな?

510 :名無しさん@初回限定 :2007/03/03(土) 22:58:49 ID:9Pragg4w0

次は遂に放送か。最初の頃は即死か?とすらオモタけどここまで来れて良かった。

511 :名無しさん@初回限定 :2007/03/04(日) 01:24:01 ID:wno6nXabO

>>509
一応ノシ

512 :名無しさん@初回限定 :2007/03/04(日) 08:41:17 ID:DvBS/xTa0

>>510
一応序盤で止まってるキャラの描写がもう少し欲しい、みたいな意見もあるね

513 :名無しさん@初回限定 :2007/03/04(日) 21:00:16 ID:cmGl6ZIy0

式守伊吹、十条紫苑、黒田光、アーチャー予約します

514 :名無しさん@初回限定 :2007/03/04(日) 23:16:08 ID:t6iJ9EvKO

>>513
2回目放送も書くですか?

515 :名無しさん@初回限定 :2007/03/05(月) 00:21:42 ID:nDmej2RQ0

>>514
? 何か勘違いしてない?
>>513は伊吹たちの描写がある時間と、第一回放送までの時間が空きすぎてるから補完しますって意味だと思う。

516 :名無しさん@初回限定 :2007/03/05(月) 00:43:42 ID:ypgo/LZY0

立てた人はいるのかな…個人的にはスクールデイズをSHUFFLEか
つよきすにしてくれていればなんて思う、マブラヴもコンシューマに移植されてなく
アニメにもなってないという意味では厳しいが

ま、ともかく頑張って書こうか

517 :名無しさん@初回限定 :2007/03/05(月) 09:51:02 ID:pdUxs4uvO

SHUFFLE、つよきすはギャルゲー板のギャルゲロワに出るよ

518 :名無しさん@初回限定 :2007/03/06(火) 19:52:21 ID:D36PVBRC0

あと補完が必要そうなキャラクターやパーティっていますか?
とりあえず少しずつ時間を進めていきたいので

519 :名無しさん@初回限定 :2007/03/06(火) 23:16:08 ID:AWTftKoF0

涼宮茜、周防院奏、高峰小雪で予約

520 :名無しさん@初回限定 :2007/03/07(水) 21:21:40 ID:GnB+vRZ80

もしかして皆ギャルゲロワに流れた?

521 :名無しさん@初回限定 :2007/03/07(水) 22:12:10 ID:1yWsJ0e90

無茶かもしれないけど、俺は同時進行でいくつもりだw

ギャルゲロワのしたらば管理人はここのWiki管理人さんがやるみたいだな
ギャルゲロワとアニロワと当ロワは姉妹提携できそうだな

522 :名無しさん@初回限定 :2007/03/07(水) 22:34:31 ID:rXznsEgd0

>>520
俺も二束のわらじで行く予定。
だってあっちはおボク様紫苑とか狂気バーグとか出てこないし(マテ

523 :名無しさん@初回限定 :2007/03/07(水) 23:49:43 ID:THNFDVdU0

とりあえず、そろそろ放送いってもいいんじゃないかな?
それと誠と君枝で予約ね

524 :名無しさん@初回限定 :2007/03/08(木) 00:35:58 ID:+qonbS/h0

バカネタしか脳裏に浮かばない……

525 :名無しさん@初回限定 :2007/03/08(木) 08:20:24 ID:xevBonii0

バカネタでもいいんじゃないの?

526 :名無しさん@初回限定 :2007/03/08(木) 10:07:52 ID:0WlRQcAAO

>>518
・慧
・刹那と春姫
・イリヤ
・美凪
・夕呼と泰介と世界
・桂姉妹
・武と純夏


これくらい?

527 :名無しさん@初回限定 :2007/03/08(木) 20:20:53 ID:hqZ/n9ny0

慧とイリヤ以外は大丈夫なんじゃないかな?

528 :ささやかな願い :2007/03/09(金) 00:55:12 ID:OPMtnGX10

「本当にこちらなんですか?」
山道を登る涼宮茜がやや訝しげな目を高峰小雪へと向けるが、
「大丈夫です、小雪さんが間違ったことをいうはずがないのです、だって小雪さんは」
周防院奏が茜の疑念を振り払おうと言わんばかりに元気な声を出す、茜も本気で疑っていたわけではないらしく、
奏の声に笑顔で応じる。
「魔法使いなんですから」
そんな奏の期待と尊敬の眼差しがあまりにも痛くて、小雪はまた少し俯いた。

2人に自分の事を信じさせることなど簡単だった。
「ええと、あなたの名前は涼宮茜さん、泳ぎが得意で、家族は両親とお姉さんがいてお姉さんの名前は遙さん
そしてお姉さんの恋人の名前は孝之さんですね」
小雪の足元にはもっともらしく並べた木の枝が数本、それは形だけなら由緒正しき占いの儀式にのっとった作法とも取れる。
「凄い…」
絶句する茜、魔法を多少使えると自己紹介を受けたときは正直首を傾げたが…まさかここまでピタリと当てるとは。
「次は奏の番なのです」
茜を押しのけるように奏がずいと小雪の前へと進み出る、控えめな彼女にしてはこの行為は珍しいのだが、
それだけ魔法に対する興味が強いのだろう、そんな奏を見てにこやかに頷く小雪…その口元が緩やかに呪文を紡ぎだす。
「エル・アムイシア・ミザ・ノ・クェロ・カルナ・ディ・アムクロス」
そして暫しの沈黙、息を呑む奏。
「あなたの名前は周防院奏さん、苺と演劇がお好きなのですね…それからそのリボンは大切な方に頂いたとても大事な物なのですね
それから〜」
小雪の占いの結果は最後まで続かなかった、何故なら感動のあまり感極まった奏が、
「凄いです、凄いです凄いです〜」
などと目を輝かせて小雪から離れなくなってしまい、その後暫く収拾がつかなくなってしまったからだった。

で、今彼女ら3人は険しい山道を頂上へと向かい歩いている、これも小雪の占いによるものだ。
本来ならば余計な体力の消費は抑えるべきなのだが、ここまで占いはほぼ百発百中である…なら自然、賭けてみたくもなる。
特に奏は今や完全に小雪に心酔してしまっていた、魔法は凄いです、本当にあったのですと、
そんな声が後ろから茜の耳に届く。

529 :ささやかな願い :2007/03/09(金) 00:55:46 ID:OPMtnGX10

「小雪さん、奏も魔法が使えるようになれたらとっても嬉しいのです」
「奏さんはどんな魔法が使えるようになりたいのですか?」
資質がどうとか、鍛錬がどうとかそういう無粋な話はしない。
「奏がもしも魔法が使えるようになれたら、院長先生に会いたいのです」
奏は頭の大きなリボンを撫でて、それから誇らしげに答えた。
「色々辛いこともあったけど、お友達もたくさんいて頑張っているから心配しないで欲しいと伝えたいのです
魔法が使えればきっと天国の院長先生にも奏の声が届くと思うのです〜」
「そう…ですか」
「どうしたのですか?」
小雪の口調の変化を察した奏が俯き加減の小雪の顔を心配そうに覗こうとするが、それを手で制する小雪。
「いえ…少し力の使いすぎで…申し訳…ありません」
「それは大変ですね〜茜さんに休憩してもらうよう言って来るのです」
てぺてぺと先頭の茜の方へと走る奏、だが少しだけ腑に落ちないことがあった、ちらりと見えた小雪の横顔。
(泣いているように見えたのです)

そして3人はついに頂上へとたどり着いた。
時間は放送まであと数分を残すのみだ、小雪は視線を2人に向ける、茜も奏も崖下を覗き込んでより遠くへと目を走らせている、
自分の知己を探すために。
その背中はまるで無防備…今ならいける、放送を待つ必要もない…それでも、
殺す手段ならばいくらでもあるにも関わらず、崖から突き落とすという方法を選ぶ辺りに彼女の内心の葛藤が表れているのだが、
それに小雪は気が付いていない。
再び時計に目をやる、まだ6時にはなっていない、奏の声が脳裏に蘇る。
『魔法が使えればきっと天国の院長先生にも奏の声が届くと思うのです〜』
(鬼になると決めたのに…どうして)
無論、殺すことに迷いはない、時間が来れば容赦なく自分はあの2人を殺すことになるだろう。
だが何故あの2人なのだろうと小雪は思わずにいられない。
また時計に目をやる小雪、少しだけ忌まわしげに。
(時間が来れば私はあなたたちを殺します、だから…あと少しだけこのままでいさせてください…)

530 :ささやかな願い :2007/03/09(金) 00:57:18 ID:OPMtnGX10

【時間:1日目・午後5時59分】
【場所:山頂】

涼宮茜
【装備:S&W M60(.357マグナム弾 5/5)】
【所持品:.357マグナム予備弾丸×20、支給品一式】
【状態:小雪に従い山頂へ】
【思考・行動】
 1・自身と奏と小雪の身を守る
 2・言峰(及び主催)を倒す

周防院奏
【装備:ステンレス製の鍋、鍋のフタ、おたま】
【所持品:支給品一式】
【状態:小雪に従い山頂へ、小雪に憧れ】
【思考・行動】
 1・魔法って凄いです

531 :ささやかな願い :2007/03/09(金) 00:59:14 ID:OPMtnGX10

高峰小雪
【装備:干将・莫耶】
【所持品:支給品一式】
【状態:健康、ジョーカー、令呪残り3つ】
【思考】
 1)時間がくれば茜と奏を殺害する
 2)18時の最初の放送以降、ジョーカーとして始動。下記の参加者以外を10名殺害し、かつての日常を取り戻す(いずれ目的を自身の優勝に切り替える可能性もあり)
 3)神坂春姫、上条沙耶、伸哉、小日向音羽、すもも、雄真、式守伊吹、高溝八輔、柊杏璃、渡良瀬準と合流したい
 4)いずれアーチャーと合流する
【備考】
 ※タマちゃん(スフィアタム)は島にはいないと思っています
 ※アーチャーから真名は聞いていません
 ※アーチャーの殺害数も自身の殺害数としてカウントします
 ※(重要)茜と奏の個人情報については本当に占いで得たものかどうかは不明
   (より詳細な個人データを言峰から入手してる可能性あり)

532 :名無しさん@初回限定 :2007/03/09(金) 01:00:43 ID:OPMtnGX10

というわけで投下、茜の出番がほとんど無かったり、奏がやや積極的だったりと
少しどうかなと自分で思わないわけでもないのですが

533 :名無しさん@初回限定 :2007/03/09(金) 12:12:55 ID:wBgupJCD0

イリヤと、彩峰、鑑で予約。
がんばろう。

534 :名無しさん@初回限定 :2007/03/09(金) 13:28:47 ID:xZZEwSG/0

>>533
あれ? 武は?

535 :名無しさん@初回限定 :2007/03/09(金) 13:44:08 ID:wBgupJCD0

時系列的に鑑と武が出会う以前の話なんだが、
こう言うのを既存の話の補完として捻じ込むのはまずいだろうか?

536 :名無しさん@初回限定 :2007/03/09(金) 13:53:10 ID:xZZEwSG/0

ああ。そういうことか。
保管とか繋ぎはぜんぜん問題ないと俺は思うよ。

537 :アリス達の遊戯 :2007/03/09(金) 15:08:13 ID:wBgupJCD0

さて、唐突であるが白子──つまりは、アルビノと呼ばれる人の奇形種は目が悪い。
これは、通常人の目が持っている色素を持っていない為だ、と言われており、
常日頃であれば、魔術的な工夫によってそれを補っているところのイリヤスフィールもまた、本当は目が悪いのであった。
弱視、眼球振盪、羞明。
白子の弱視は主にこの三要素からなり──ここでの結論から言うと、彼女は必然的に森の中を歩く事になっていた。
日の光は彼女の目には強すぎるのである。
夜中は更に視界はさえぎられるに違いなく、改めてどんなにか自分が諸々に頼っていたのかを思い知ったのであるが、
さりとてあきらめる訳にもいかない。悪路を行く時、彼女は敢然とさえしていた。

敢然としていたからといって、現状がどうにかなる訳でもないのだけれど。
と、言うのも歩き始めて早一時間以上も立ち、幾度かの休憩を挟んだと言うのに彼女は人間はおろか死体にさえ出会えなかったのだから。
コンパスは大丈夫だ。地図も絵などではありはしない。
だが、これではまるで不思議の国のアリスである。
ねれたる名剣は拳銃。ジャブジャブ鳥は言峰。やはりバンダスナッチは参加者たちとなるのだろうか。
人が死ぬ事と大冒険である事だけは、どちらにしても間違いない。

538 :名無しさん@初回限定 :2007/03/09(金) 15:09:16 ID:wBgupJCD0

それからアリスは考える。自分は果たして不幸か否か。
生死で言うならともあれ否。探し人には出会えず。
なるほどアラヤは上手きなり。知らず気づかず保ちたり。
それは兎も角。

木陰に腰掛け、行軍に疲れてイリヤは再び休憩を取らざるを得ない状況であった。
警戒に、とバックに引っ掛けていた銃を握る。
丁度、銃身を切り詰めたショットガンのように見えた。彼女の体格からすれば確かにその銃は大きすぎた。
気を紛らわせる為に冗談めかしていた思考が覚めて来るのがわかる。

「三キロメートルって所かしら」

イリヤは、慣れない事もあり移動した距離を少なめにそう見積もった。
彼女の故郷の城もまた森の中ではあるのだけれど、勝手知ったるとは行かない。
(どちらかと言えば必要以上に)慎重に行くことに決めていた。

539 :名無しさん@初回限定 :2007/03/09(金) 15:09:56 ID:wBgupJCD0

皮肉なことであり、身体的な不具と帳消しにされるとは思われるが、
彼女本来の武器であるところのバーサーカーを失った事は、この小さな少女に、
恐らくは(本来の聖杯戦争において)彼女に一番足りないものであったろう慎重さと思索とを与えていた。
そして勿論、敵愾心をも。

地図を取り出す。教会の位置から南へ3km。鉛筆を握り、流暢な筆記体で
『凡そ一時間後の休憩地点 1340時前後』と言う意味のドイツ語を書き付けた。
縮尺を見るに、この島が孤島と言うのは嘘では無いらしく彼女の足でさえ、最早半分ほども踏破してしまっている。
彼女は今更ながら、必要だったとは言え先刻のタイムロスを後悔していた。
衛宮士郎は、彼女の直後に出発していたのだ。再開を期するならば、教会の付近で彼の出発時刻を待つべきだった。
後の祭りとはこの事で、弱視に四苦八苦しながら地図を眺め、今後の行く先を決めようとする。
この先は、もう海岸線が近い。夜中まで待って強行軍をすべきだろうか?

キリツグは。
アインツベルンを裏切った後、五年間シロウを引き取りあの街に住み着いたのだと言う。
僅か五年。その足取りは度々彼が行方を眩ませていた事もあり、また、聖杯戦争以降、第一線からは退いた事もあって、
本家をして完全に追いきれるものでは無かったが、問題は彼が義理の息子に魔術を教えたか否か、である。
アインツベルンは、その答えを否とした。教えるには余りに時間不足と言うのがその理由であった。
一方のイリヤは、ごく個人的な理由──要するに逆恨みだ──から、教えたものと思い込もうとしていたが、
事ここに至った以上、考え直さざるを得まい。

540 :名無しさん@初回限定 :2007/03/09(金) 15:27:15 ID:EalNPdzy0

支援

541 :名無しさん@初回限定 :2007/03/09(金) 15:27:29 ID:wBgupJCD0

だが、それならそれで厄介な問題が発生するのだ。
魔術師であるならば、彼女とて凡その目的ぐらいは読める。
幾ら異常とは言え、聖杯戦争である以上は必ず勝利しようとする筈だ。
アインツベルンや、トオサカや、マキリのように。
そして、エミヤの後継者に相応しい動きを見せようとするだろう。
けれども、魔術師で無いならば──どう動くかが全くわからない。
見つけ出すには幸運に恵まれ、自らも努力が必要になる事は確かだ。

話を戻す。イリヤは地図とにらめっこだ。余りに情報が足りない。
矢張り、用事を済ませて新都と呼ばれる所に行くべきだろうか。リスクを考えて、本当は後回しにしたのだけれど。
できれば、友好的な集団と接触したいものだが、それは高望みと言う物だろう。
それでは探し物が二つに増える事になる。本末転倒だ。

「……うん、決めた。あの村の様子を見て、新都に行こう」

そう、決めた。
がさり、と音がした。とっさに反応し、音のした方へ銃口を向ける。
それは相手も同じだったらしい。

ぱららららら、と彼女には聞きなれたタイプライターみたいな音がして、それに引き続いて
パラパラとイリヤの座った木の周りに生えた草っ葉が散った。
SMG?その単語を思い浮かべると同時、是非を考えるよりも早くイリヤスフィールは発砲していた。
轟音。がささっ、と相手がひるんだような音。
荷物を引っつかみ、転がるように木陰に飛び込んだ。

間が悪い、と毒づく。そして、これが聖杯戦争と言う物か、と彼女は思考していた。

542 :名無しさん@初回限定 :2007/03/09(金) 15:28:14 ID:wBgupJCD0


外れた!?撃ち返して来た!?と、彩峰慧(01番)は少々この場においては的外れな考えを思い浮かべていた。
彼女にとって幸福だったのは、支給品が当たりの部類であった事と今まで一度も殺人者に出会っていない事であり、
彼女にとって不幸だったのは、支給品──イングラムM10と呼ばれるサブマシンガンの性能を熟知していない事であり、
また、相手に反撃を許した事であった。

このSMGは『極めて』当てづらいし、扱いづらい。文字通りの超接近戦用品である。
考えて見ればすぐ解る事ではあるが、一発の弾丸にも当然反動と言う物はある。
1050発/分の発射速度の暴れん坊を片手──彼女が見た漫画ではそう言う事になっていた──で扱えるはずも無かったのだ。
殆どが的から明後日の方角へと飛んでいくのは当然とも言える事である。
最も、当たらずともけん制になれば良く、豆鉄砲よろしくばら撒いて逃げるのがこの場の正解ではあった。
だが、彼女が慣れない手付きで空になった弾奏を取替え始めた時、轟音と共に飛来した一発の弾丸が、
彼女から不幸にも冷静さと選択肢を奪い去っていた。

銃、及び凡そ荒事からは縁遠い世界に育った彼女の思考は以下の様なものであった。
相手も自分も鉄砲を持っている。そして、私のほうがたくさんの弾を撃てる。
で、あるからには未だ私の方が優位な筈であり、相手には一つ教訓を与えてやらなければならない、と言う物である。
(とは言え、イングラムが暴れ狂ったお陰で手首が痛かったので、彼女は下がっていた皮ベルトを掴んでいた)

「……大人しく出てくれば、これ以上はしない」
「そんなの信じるとでも思ってるの?」
「信じるか信じないかはそっちの自由。でも、出てこないと……回り込んで撃つ」

帰ってきたのは、彼女が見た姿通りの幼い声だった。だからと言って油断は禁物だ、と言い聞かせる。
反撃を試みるという事は、つまり危険であるという事なのだから。
ようやく、一通り集落の中を調べた所なのだ。こんな所で邪魔をされる訳には行かなかった。

543 :名無しさん@初回限定 :2007/03/09(金) 15:28:46 ID:wBgupJCD0


イリヤスフィールは魔術師である。そして、彼女が握っているのは銃の形をした杖であった。
そうであるから彼女は考察する。熱っ。一瞬熱で思考が途切れたのは、拳銃の弾丸を交換したからだった。
恐ろしく不便ね。一瞬毒づく。それにしてもバカね、とその矛先を自らに銃を向ける者へと変えた。
どうやら相手は話し合う積もりはあるらしい。
が、少女としては銃口を突きつけられての会談などご免こうむりたい。
悪銭身につかずでは無いが急に大きな力を手に入れた一般人が、
さっきまで矛を合わせていた相手にどんな態度を取るかなど、簡単に想像できると言うものだ。
冗談じゃない。身も知らない人間の茶番に付き合わされるなど真っ平なのである。
別にゲームに乗った人間ではないのだろう。だが──

「十数える。その間に決めて」

こちらの気も知らず勝手なものだ。一方的な宣言を無視してイリヤはどうすべきか、相手はどう動くかを思考する。
癪だがこの場はさっさと逃げ出すべきだ。さっきのは離れていたから当たらなかったのであって、近くでは蜂の巣に決まってる。
敵はどう動くか。挙動からして素人であり、マーダーでも無い以上、言葉通りの可能性が高い。
自慢ではないけれど足は遅い。追いかけっこをする気にはなれない。
と、なれば右か左か。いや、それよりも。すっ、と木陰から一瞬手を出して引っ込める。ぱららららら、と言う音。
さっきこの後で相手は何やらマガジンを。

考えはゼロコンマ単位で決まった。
ならば10秒をゼロ秒に縮めてやる。

544 :名無しさん@初回限定 :2007/03/09(金) 15:48:04 ID:EHSVFHClO

回避

545 :名無しさん@初回限定 :2007/03/09(金) 15:48:40 ID:wBgupJCD0

イリヤは、両手で拳銃を構え。

「彩峰さん!」

その瞬間に、見知らぬ第三者の声が響き。

「鑑──」

その声に反応した相手が顔を横に向け。

「危な──」

そんな声と共に30-06Springfield弾が、イングラムを構えていた彩峰慧の下顎を文字通りに貫いた。

「げぁああああああああああああああ!!」

顎の機能を失い、ややくぐもった叫びに振り返る事も無く、イリヤスフィール=フォン=アインツベルンは
荷物を引っつかむとホワイトラビットの様に森の中に消えていった。

546 :名無しさん@初回限定 :2007/03/09(金) 15:49:17 ID:wBgupJCD0

鑑純夏(09番)は、血まみれの顎を押さえ獣のような悲鳴を上げながら蹲る彩峰を呆然とした顔で見下ろしていた。
最早、二目と見れなくなったろう顔も上半分は彼女が見慣れた友人のそれだ。
──これは、何? ふと、そんな事さえ思う。
頭の中から血の気が引いていく音が聞こえる。
彼女の友人は、蹲って鑑に助けを求めている。助けて助けてと、声ならぬ声を発している。
──私が持ってるのは、へんなTシャツ一枚だけなのに。
いったいどうしろと言うのだ。ましてや助けるなど。
涙も流れなかった。一瞬にして限界点を優に超えた恐怖で、彼女は何も考える事などできなかった。

……ざり。ざり、といやいやと首を振りながら後ずさる自らの足音が他人のそれのように聞こえた。
その癖、目だけは彩峰に魅せられた様に離れてくれない。
彼女の友人は、大きく見開いた目をして、尚も手を伸ばし助けを求めていた。
更にもう一歩、後ずさる。こんなの嘘だ。こんなのって無い。
だが、目の前の凄惨な光景はまるで変わらない。
二歩。三歩。更に後ずさる。へたり込むよりなにより先に、鑑純夏と言う一個の人間の本能が、
全力で目の前の恐怖から逃げ出せとひっきりなしに叫んでいた。

547 :名無しさん@初回限定 :2007/03/09(金) 15:49:48 ID:wBgupJCD0

かち。かち。

ふと、そんな音が聞こえた。鑑の顔が引きつった。
何故なら、いつの間にか彼女の友人がイングラムを彼女に向けて、そのトリガーを引き絞り続けていたので。
苛立っているようにも聞こえた。丁度、鍵のしまったドアを弄繰り回しているときの様な。

かち。かち。かち。かち。
かち。かち。かち。かち。かち。かち。

弾丸を吐き出すことの無いトリガーを絞りながら、彩峰慧は悪鬼の目で睨んでいる。
後ずさり、自分を助けず逃げ出そうとする鑑をむき出しの憎しみを込めて睨んでいる。
ざり、と。彩峰がはいずって鑑に近づく音がした。
それが、鑑純夏の臨界であった。

「あ……ああ……ああああああああああああああああ!!!」

もと来た道を彼女は一目散に走り出す。
冥夜さん。千鶴さん。まりも先生。武ちゃん。武ちゃん。温泉旅行。
みんなで行くはずだったのに。私と、冥夜さん達と、榊さんと、珠瀬さんと、鎧衣君と、武ちゃんと、先生達も一緒に。
温泉。武ちゃん。好き。嫌い?不安。怖い。怖い。
頭の中を酷くごちゃごちゃにして。その中から彩峰と言う単語をケシゴムで消して。
鑑純夏は走り続ける。彩峰慧を置き去りにして。

548 :名無しさん@初回限定 :2007/03/09(金) 15:56:26 ID:EHSVFHClO

「職人さん、作品投下!」
回避だ!面舵いっぱい!

549 :名無しさん@初回限定 :2007/03/09(金) 15:57:46 ID:wBgupJCD0

【時間:1日目・午後13時49分】
【場所:南の村近くの森林地帯】

イリヤスフィール・フォン・アインツベルン
【装備:衛宮切継のトンプソン・コンテンダー】
【所持品:予備弾丸(30-06スプリングフィールド<ライフル用弾丸> 二発使用)、支給品一式】
【状態:健康。病弱。】
【思考】
 1)衛宮士郎に会いたい。(会ってどうするのかは不明)
 2)さしあたっては新都を目指す
 3)生き残る

彩峰慧
【装備:イングラムM10 32/32 】
【所持品:予備マガジン(9ミリパラベラム弾32発入り)×4、他支給品一式 村を物色して手に入れたもの(次の人にお任せします)】
【状態:下顎をライフル弾で撃ちぬかれる。重症。】
【思考】
 1)イリヤと純夏が憎い
2)傷が痛い

鑑純夏
【装備:なし】
【所持品:萌えTシャツ、他支給品一式】
【状態:恐慌。狂気気味。】
【思考】
 1)この場から逃げたい
 2)武に会いたい

550 :名無しさん@初回限定 :2007/03/09(金) 15:58:52 ID:wBgupJCD0

繋ぎと言うには長くなりましたが投下完了。
その綺麗な顔をふっとばして(ry

回避して頂いた方、どうもありがとうございました。

551 :名無しさん@初回限定 :2007/03/09(金) 16:04:13 ID:wBgupJCD0

っと、慧のイングラムの残弾はゼロでした。申し訳ない。(汗)

552 :名無しさん@初回限定 :2007/03/09(金) 16:34:00 ID:xZZEwSG/0

トウカ乙
純夏……いきなり死亡フラグ立ったなw

553 :名無しさん@初回限定 :2007/03/10(土) 21:29:23 ID:6XRAk0yw0

コルトガバメントの項目ができてたので、ちょっと薀蓄と言うか受け売りを。

この拳銃は見て解るように大口径な訳だが、それは元々、
どこぞのインディアンの狂信的な部族の突撃に対抗する為だそうな。
体の何処に打ち込んでも確実に足を止めてくれる、ってんで信頼されてるらしい。

何でも、これより小さい口径採用してたけど、そいつらは物の話だと、
体に七発ぐらいの弾丸受けようが平然と突っ込んで来たとか、
ドラッグのせいで痛みを感じなくなった連中も同じで、
小口径だと、こっちが仕留める前に返り討ちにあう事も少なくないとか。

まぁ、何が言いたいかと言うと
45口径、これに勝るものは無い!……らしい。

554 :名無しさん@初回限定 :2007/03/11(日) 10:53:49 ID:PWrzEH/W0

ふと大変な事に気づいたんだ。

>>【能力制限】
>>・会場となっている孤島全域には強力な結界が張ってあり、これにより魔法や魔術などの特殊な能力を持つキャラはその力をある程度制限されている。(完全に制限されているわけではない)
>>・しかし結界自体(かなり強力なものだが)魔術の類であるため、これを越える神秘(固有結界とか)は発動できる。矛盾。

って事なんだが、アヴァ付き士郎、と言うかアヴァロンの効果は果たしてどうなってるんだろうか?
曰く、魔法の域にある宝具だそうなので、結界制限以上の代物ともみなし得る予感が。
そうだとすれば、黒白どっちかのセイバーに出会ってしまったが最後、士郎が色々な意味で極端なキャラになる気がするんだ。
どちらもこのロワにおいては士郎と出会った後みたいだし。

555 :名無しさん@初回限定 :2007/03/11(日) 21:54:59 ID:vBlkNNgw0

使用するための魔力そのものが制限を受けてしまっている、と解釈すればいいのでは
発動は可能だが、その代償が極めて大きい、みたいな

556 :SuspendedBridgeEffect :2007/03/13(火) 23:51:28 ID:ddvk0YLF0

「それで俺は思うんだけどやっぱりまずは海岸に出ようと思うんだ」
「私は反対です、やはり内陸部を重点的に探すべきだと思います」
森の中を歩きながら、意見をぶつけ合う伊藤誠と菅原君枝 、ただその言葉はお世辞にもかみ合っているとはいえない。
しかし性格の不一致を互いに自覚していても、それでも別れようとはしないのはやはり心細いのと、
今の状況、そして今後において殺意を抱いていない人間がいかに貴重かという打算と、そして、
(菅原さん、オデコ広くてかわいいな…メガネ外すとどんな顔なのかな?)
思春期の少年にありがちな下心だった。

ともかく2人はまた山道を進んでいく、ちなみに地図を見ると市街地は北部と東部に集中しており、
南部と西部は山林地帯となっている、しかも南に進むほど森は深く、ほとんど密林と言ってもいい様相を呈してきている。
一応道はあるとはいえど、一歩間違えれば確実に迷ってしまうのは地図を見ているだけでも理解できた。
そして案の定、2人の行く手を倒木が遮る、倒木は道に何本も折り重なっており、
乗り越えるのにはかなりの骨を折ることになるだろうか?
だが、ここを超えなければ誠の目指す海岸にも、君江の目指す島中央にもたどり着くことは出来ない。

意を決して誠ががさがさと枝を掻き分けて先へと進む、本来そういうことを率先するタイプではないのだが、
やはりこういうときは男が先頭を切らねばという意識はある。
しばらく1人で先に進んで、足場が安定しているのを確認してから誠は君江を手招きし、そしておもむろに――。
「ここ滑るから気をつけて、ほら」
君江の手を掴んだ。

君江の喉から空気が漏れるような音が響く、そして次の瞬間には君江は誠の手を払いのけていた。
「そ…それ以上近づかないで下さい」
「いや、別にそんなんじゃなくて、ただその靴じゃ歩き難いだろうって思ったから」
「わ、わたしはまだあなたの事を信用したわけではありませんから」
「なんだよそれ」

557 :SuspendedBridgeEffect :2007/03/13(火) 23:52:43 ID:ddvk0YLF0

君江の言葉に言い返す誠、しかしその表情にはわずかばかりの狼狽が見え隠れする、下心が無いわけじゃなかったからだ。
一方の君江もまた内心の驚きを隠せなかった、ただ咄嗟のことで上手く言葉を考えることが出来なかったのだ。
それはつまり君江自身も誠をその程度はどうであれ、意識していたという証拠だ。
そしてまた誠が何かを口にしようとした時だった。

ストン
2人を掠めるように何かが飛んできて、地面に突き刺さる。
「見つけたぁ」
木陰からそういう声が僅かに漏れたが、2人には聞こえない。

そして地面に突き刺さった物が、つい先ほど自分を狙った矢と同じものであることに気が付いた瞬間。
「うっ…うううっ」
くぐもった声を漏らす誠、そして叫ぼうとした刹那、自分たちを狙う第二射が放たれる。
もう誠は悲鳴をあげることすら出来ず、君江の手を無我夢中で掴んで逃走を開始した。
(な、なんて執念深い相手なんだ!)

どれくらい走っただろうか?急坂に足を取られて2人は滑り落ち、そこでようやく我に返った。
そのまま息を潜めて、数分待つ…もう誰も来ない、逃げ切れたようだ。
立ち上がり深呼吸ついでに空を見る誠、西の空が赤々としているのが木々の間からでもわかる、もうすぐ夜だ。
視線を下に落とすと、そこには未だ呼吸を整えるのが精一杯の君江の姿、それをまた少し待ってから、
誠はゆっくりと手を差し伸べた…それを妙に熱っぽい視線で見る君江…。

この伊藤誠という男は、別にとりたてて顔がいいわけでも無ければ、学力や体力に優れているわけでもない、
ただヤリたい盛りの普通の男子学生だ。
にも拘らず、桂言葉、西園寺世界、加藤乙女、さらにオマケで清浦刹那と、この少年を想う少女は意外なほどに多い。
たまにこういう人間がいる、何故か異性を引きつけてしまう都合のいい質の人間が、
そして…。
君枝はおずおずと差し伸べられた誠の手を取る、その瞳は明らかに拒絶の色ではなく――。

558 :SuspendedBridgeEffect :2007/03/13(火) 23:57:10 ID:ddvk0YLF0

【時間:1日目・午後5時45分】
【場所:森林地帯】


伊藤誠
【装備:なし】
【所持品:支給品一式(ランダムアイテム不明)】
【状態:健康・やや疲労】
【思考・行動】
  1・友人・知人を探す 
  2・君枝に僅かながら下心
 

菅原君枝
【装備:なし】
【所持品:支給品一式(ランダムアイテム不明)】
【状態:健康・誠にすこしニコポ気味】
【思考・行動】
 1・友人。知人を探す(貴子を最優先)
 2・誠を信じてもいいかも


戎美凪
【装備:ボウガン】
【所持品:ボウガンの矢(数十本)、ほか支給品一式】
【状態:マーダー化・迷子】
【思考・行動】
 1・神代巽(18番)、巴雪乃(47番)、月詠真那(45番)、御剣冥夜(57番)、白銀武(34番)以外の参加者を極力排除
 2・神代巽、雪乃と合流したい
 3・2の後、月詠、冥夜、武の3人のうちいづれかの者と合流したい(優先捜索順位は月詠≧冥夜>武の順)

559 :名無しさん@初回限定 :2007/03/14(水) 03:50:58 ID:IvfNH27r0

人間の下半身って偉大だなぁ。(ほめ言葉)

560 :名無しさん@初回限定 :2007/03/14(水) 13:51:37 ID:fQRIPjWzO

>>558
投下乙! まさかここで濡れ場が来るとはw
回避age

561 :名無しさん@初回限定 :2007/03/14(水) 19:18:24 ID:1cxqCiY20

>>560
え、こうゆう解釈でいいのか!?>濡れ場

562 :名無しさん@初回限定 :2007/03/14(水) 21:29:39 ID:Bv0CTw2w0

とりあえず、スクールデイズってゲームのあらすじとか雰囲気を知ってると、
濡れ場乙の意味が判ると思う。
ニコッ=>ポッ=>即日(以下略、みたいな。

563 :名無しさん@初回限定 :2007/03/14(水) 21:48:57 ID:CbJJJj6qO

だが、塗れ場も一瞬で地獄に変わったりする。
それがバトル・ロワイアルというものだ!www

564 :名無しさん@初回限定 :2007/03/14(水) 21:52:18 ID:Q0JHsjoB0

「ヘタレ」に「性欲」とm(ryは3大要素全開で突っ走ってるな。
いつか来るであろう「修羅場」に今からwktk

565 :名無しさん@初回限定 :2007/03/14(水) 21:52:27 ID:Bv0CTw2w0

バトルロワイアルじゃなくとも濡れ場は一瞬で地獄に変わったりするけどな。
フゥハハハー、ほんと男女関係のもつれは地獄だぜ

566 :名無しさん@初回限定 :2007/03/14(水) 23:10:47 ID:LqOBEM3n0

ところで>>513の人
予約してから10日経過するけど、大丈夫でしょうか?

567 :名無しさん@初回限定 :2007/03/15(木) 22:58:12 ID:UXOT9GqR0

白銀武、鑑純夏、遠坂凛、彩峰慧で予約

568 :名無しさん@初回限定 :2007/03/16(金) 01:25:48 ID:TLwMEsqO0

御剣冥夜、柳洞一成で予約
それと、もうちょいで放送かな?

569 :名無しさん@初回限定 :2007/03/17(土) 09:08:19 ID:nAaiM6Ck0

うん、今の予約分が全部上がったら放送でいいんじゃない?
ところでアーチャーたちを予約した人はどうしているんだろう?

570 :名無しさん@初回限定 :2007/03/18(日) 17:03:50 ID:eJzc5qlR0

ギャルゲの方じゃない?
まぁ、進行に差し支えるようになるまでは待つのが良いと思う。
過疎って程じゃないが、今のところ人も少ないみたいだし。三月だしで。
気長にやろうじゃないか。

それはそうとお茶置いておきますね。
つ且~

571 :名無しさん@初回限定 :2007/03/18(日) 20:17:31 ID:NWx+LoKE0

>>570
いや、それでも一言あって然りなのでは、予約を入れた以上はね
ともかくもう2週間だし、そろそろ放送をという意見もあるしね

572 :名無しさん@初回限定 :2007/03/18(日) 20:23:42 ID:eJzc5qlR0

ちょっとのんきが過ぎたみたいだった。すまない。

573 :Liar Girl :2007/03/19(月) 01:41:50 ID:piABZO7n0

枯れ枝を踏み潰す音がリズミカルに響く中、武と純夏は一刻も森を抜け、街に出るべく急いでいた。
木々の陰から夕日が漏れている、もう猶予はない、いかな武といえども暗闇の森の中で 純夏を守り抜く自信はない。
「がんばれ、もう少しで森を抜けられるはずだ」
焦る気持ちを落ち着かせるために、あえて足を止めてから純夏に声をかける武。
「うん…タケルちゃん」
少し俯き加減で応じる純夏、その視線がやけに気になる武、さっきからやけに時計を気にしているようだ。
無理も無いか、と武は沈む夕日を眺めながら自分で自分を納得させる。
「大丈夫だ純夏、もうすぐ街に出られる、そしたら落ち着けるし、それに尊人や冥夜や彩峰とかも街に出ているはずだ」
だが純夏の怯えるような仕草は収まらない、いや、むしろ酷くなったような気さえする、それも…友人たちの名前を出した途端。
武の胸に僅かな疑念が芽生える…このまま気が付かない振りをしてもいいのだが、それが出来ないのが白銀武だ。

「なぁお前…」
武は純夏と向かい合うように立つと恐る恐るながら、しかしはっきりと自分の疑問を彼女へと吐き出した。
「何か隠してないか?」
「な、何もないよタケルちゃん…隠し事なんてそんなの」
笑顔で応じる純夏だが、その肝心の笑顔はどこか虚ろで、そして何より肩が小刻みに震えているのを武は見逃さなかった。
「なぁ…何があったんだ?、頼む…話してくれ」
純夏の肩を掴む武、その目には。
(涙?)
「頼む純夏、お前にまで裏切られてしまっているのだとしたら、俺はもう…」
搾り出すような声が純夏の耳に届く、だから彼女は…。
「うん…実は彩峰さんが…私を襲ったの」
ここから先はもう止めようがなかった、己の後ろめたさを隠すように純夏は嘘で嘘を塗り固めていく。

574 :Liar Girl :2007/03/19(月) 01:42:36 ID:piABZO7n0

「嘘だ…嘘だ…」
頭を抱え悲痛な声を漏らす武。
(よりにもよってどうしてお前なんだよ!彩峰!)
確かに彩峰慧はぶっきらぼうで孤独癖があり、正直付き合い難いそんな印象を与える少女だ、
だがその態度の裏には誰よりも義に篤い側面があることを武は知っていた、
だからこの島でもきっと力になってくれるはずだと、
信頼もしていた、それだけに彩峰の裏切りは武にとっては衝撃的だった。
「で…彩峰はどうなったんだ!」
「だから…その、ピストルが暴発して顔が血まみれになって…それから」
「もういい」

武はただ純夏を抱きしめた、強く強くそして純夏もまたその力強き抱擁に身を任せる。
「お前は…お前だけは俺が必ず守る!」
幼馴染の少女の温もりを抱きながら、決意を新たにする武。
「うん」
そっと頷き、だがこっそりと時計を確かめる純夏、あと30分で6時だ。
(死んでいるよね・・・多分、ゴメンねタケルちゃん、私…悪い子になっちゃったよ)
純夏は武の胸に深く深く頬を埋める、友を見捨てた後ろ暗さを隠すように。


こうして鑑純夏が自身の後ろ暗さを友人に転嫁した頃、から時間は遡る。
不幸にも友に見捨てられた彩峰慧もまた山野を彷徨っていた…だらだらと血潮を口から溢れさせ、
呼吸すら出来ないほどの激痛に苛まれながら。
(何故…どうして…)
視線を足元に移そうとしただけで、ぼたぼたとまた血が地面に落ちる、
それがたまらなくイヤで慧はなるべく顔を上にあげていた、だから気が付かなかった、
自分が崖下へと思い切り足を伸ばしていたことに、
(あ…でもこれで)
楽になれる、そう少しだけ考えてから慧は重力に身を任せた。

575 :Liar Girl :2007/03/19(月) 01:43:12 ID:piABZO7n0

「……」
遠坂凛は足元に転がる少女を訝しげに眺めて、それから頭上を見上げる。
頭上は3Mほどの崖になっている、どうやら足を滑らせたのだろう、見ると頭にコブが出来ている。
が、コブよりも顎を砕かれたその無残な顔が何よりも印象的で目を逸らせない。
さて、どうする。
凛は脳震盪を起こして気絶してる慧の身体をまた一瞥する。
当然の事ながら無防備…いまなら、己の拳に目をやる凛、この拳一撃で仕留めることができる。
だが…それでも凛は動かない、
慧の身体から滲む血が彼女が魔術師ではないということを教えてくれているからだろうか?
「でもね…それがルールなんだから」
拳を構え魔力を集中させる凛、そうだこれは戦争なのだ…自分は間違ったことはしていない、

だが…凛にはその拳を振り下ろすことはどうしても出来なかった…代わりに。
「あーもう、どうしてこんなにお人よしなんだろう」
慧の身体を癒しの力が満ちていく、傷自体は命に別状ないレベルだったので、修復自体は滞りなく終わった。
それでも今の状況で魔術を行使することがどれほどのリスクになるのか、それを分からない凛ではない。
おそらく今ので魔術はほぼ打ち止め、まとまった休息を取らなければガンドすらまともに撃てないだろう、
だが、凛に後悔はない、
「所詮私には無理ってことね」
そう、いかに神秘に迫るため、勝利するためとはいえど、そのために魔術師のルールを知らない一般人を犠牲にはできない、
それが彼女の結論だった。
「いい、折角助けてあげたんだから」
すっかり傷が塞がった慧の顔を見ながら、言い聞かせるように叫ぶ凛。
「今度会ったら言峰の奴をぶん殴る手伝いくらいはしなさいよね」
それだけを口にして立ち去る凛、慧が目覚めるまで待たないところが彼女らしいところだった。

576 :Liar Girl :2007/03/19(月) 01:47:35 ID:pKlo+ckU0

「あ、しゃべれる」
どれくらい気を失っていただろうか?目覚めるとすっかり癒えていた己の傷を不思議そうに撫でる慧。
顎の痛みはまだ残るが、それでもガマンできない痛みではない。
ただ、もう焼きそばパンを口いっぱいに頬張るのは難しそうだが。
とにかくこれからどうするか…。
慧の脳裏に逃げ去る純夏の後姿がありありと蘇る、それだけで腸が煮えくり返るような怒りがこみ上げてくる。
仕方がないことと頭では理解していても割り切ることなど出来ない、だが彼女のようなタイプの人間にとっては、
純夏の取った行動は許せるものではなかった、それが自分であってもなくても。
だから、純夏に対する怒りと同時に行き倒れた自分を救ってくれた人への感謝の念も強かった、
おぼろげながらもうっすらと声も聞いた、姿も夢でないなら赤い服の女の子だったはず、
だからまずその子を探そう、そして助けてくれた恩に報いねばならない。
「一度は死んだ命…だから」
そう呟くと慧は力強く歩き始めた。


白銀武
【装備:ワルサー P38(9mmパラベラム弾8/8)】
【所持品:ワルサーの予備マガジン(9mmパラベラム弾8発入り)×3、スタングレネード(×4)、ほか支給品一式、携帯電話(改造品)】
【状態:健康、ただし精神的にかなりのダメージ】
【思考・行動】
 1純夏以外の友人、知人を探す
 2純夏を守り抜く
 3みんなで無事にもとの生活に帰る
 4言峰を直々にぶちのめす

鑑純夏
【装備:なし】
【所持品:萌えTシャツ、ほか支給品一式、携帯電話】
【状態:健康、ただし罪悪感あり】
【思考・行動】
 1タケルちゃんとみんなを探す
 2彩峰さん…死んでるよね

577 :Liar Girl :2007/03/19(月) 01:48:52 ID:pKlo+ckU0

遠坂凛
【装備:デザートイーグル(.50AE弾7/7)、バタフライナイフ】
【所持品A:予備マガジン(.50AE弾7発入り)×3、支給品一式】
【所持品B:支給品一式】
【状態:健康、ただし魔力不足】
【思考】
 1やはり非情にはなれない
 2一般人を巻き添えにした言峰をぶん殴る。

彩峰慧
【装備:イングラムM10 32/32 】
【所持品:予備マガジン(9ミリパラベラム弾32発入り)×4、他支給品一式 村を物色して手に入れたもの(次の人にお任せします)】
【状態:健康】
【思考】
 1凛にお礼を言いたい
 2イリヤと純夏が憎い

※慧の荷物がそのまま残っているのは"うっかり"のためです

578 :名無しさん@初回限定 :2007/03/19(月) 02:28:49 ID:uq8whp+P0

質問ー
ぐしゃぐしゃになった顎を重い疲労や程度で魔力消費(大)程度で全快できる魔術が使えるなら、
凛に対し会場の制限が余り意味が無いように思うんだがその辺りどうなんだろう?

579 :名無しさん@初回限定 :2007/03/19(月) 06:34:01 ID:BbzbCWzx0

>>578
そこまで制限すると、逆に魔術師としてのアドバンテージがなくなってしまう気がする

580 :名無しさん@初回限定 :2007/03/19(月) 07:42:57 ID:O8JUHoyNO

回復・蘇生の類を厳しく制限して、攻撃系を若干緩めにすればバランスがとれるんじゃないの?
ロワなんだから相手を生かす制限の方がでかくて良いはず。

581 :名無しさん@初回限定 :2007/03/19(月) 08:16:29 ID:uq8whp+P0

魔術師としてのアドバンテージは別に回復じゃなくても、
強靭な意志力や聖杯戦争への知識、けん制用の弱ガンドでも十分だと思う。

回復に関しては>>580さんと一緒。

582 :名無しさん@初回限定 :2007/03/19(月) 11:59:40 ID:1cJVm88A0

あとは魔術師個々の力量にもよるね
で、先の話だけど凛なら、ギリギリOKな範囲だと思う
本編でどてっ腹ブチ抜かれても、自力回復してるしね
瀕死、複数箇所骨折だの、内臓損傷とか明らかな重傷を無傷に戻すのはムリだとしても

583 :名無しさん@初回限定 :2007/03/19(月) 18:25:04 ID:uq8whp+P0

じゃあ、内容とは別に回復手段に関しての問題点はわかったけど、
作品自体には問題が無い、って最終的な理解をしていいのかな?

……ああ。本当にこのロワでの凛は使い辛いなぁ。(w

584 :名無しさん@初回限定 :2007/03/21(水) 00:28:29 ID:0beiUsqp0

他所のロワにしても回復系の術や魔法はかなり制限されてるのが普通だね。
普通なら瀕死の重傷負わせても即回復されちゃねぇ。
吸血鬼とかの再生能力がキャラクター性になってるのなら多少緩和されるのは解るが。

585 :名無しさん@初回限定 :2007/03/21(水) 20:18:12 ID:bXFxJ+Ci0

>>584
今回の場合は瀕死ではないんじゃ?

586 :名無しさん@初回限定 :2007/03/22(木) 01:48:04 ID:rcSw8tgg0

>>585
回復魔法や術が制限される訳の一般論としてでしょ。
でもこれが顎じゃなくてもっと戦闘とか移動とかロワにおいて死に繋がりやすい重要な個所、足とかが潰れたのだったらこの回復力ではまずい気はする。
所詮、疲労や魔力不足なんて曖昧な言葉だと解釈の次第や抜け道次第で何度かは回復させれるしな。

587 :名無しさん@初回限定 :2007/03/22(木) 12:20:31 ID:z8hvSveS0

暴論だけど足潰れたままのキャラとかは他所のロワとかでも
放置されてそれっきりの可能性が多い
重傷で放置されるくらいなら、いっそ殺すか回復の方がまだ書く側としては
やりやすいと判断する

で、結論として今回の話はどうなのか?
回復云々の話ばかりで、肝心なのはそこでしょう
自分は特に問題なしと判断

588 :名無しさん@初回限定 :2007/03/22(木) 21:48:05 ID:moM8zUDV0

>>587
その理論もどうかと思う。
弱者を守るか否かで揉めるパーティーとかもあるわけだし。

何度も回復可能なのが問題なら、回復にかかる消費は通常より大ってのを明確にするなり
丸一日は魔力不足で他の魔術に支障、今回のような回復は最低でも一日は無理。
とかはっきりした制限を状態欄にかいときゃいいんじゃねえの?
話そのものには問題ないんだべ

589 :名無しさん@初回限定 :2007/03/23(金) 00:02:22 ID:Vrw/ZB/C0

おまいらもちつけ、誰もが勘違いしてると思うんだが、

 今 回 の 話 を N G に し よ う な ん て 誰 も 言 っ て な い ぞ

>>578は回復魔法に関する制限ってどうなってるんだっけ? 的な質問だし、
それ以降の流れは>>578の質問に対するそれぞれの見解であって、
誰も>>577氏の作品を通す通さないについての議論はしていない。

590 :名無しさん@初回限定 :2007/03/23(金) 00:59:40 ID:3oy8IcpF0

結論としては話し云々より

1:重傷すら治すのは効果が強すぎで限界がある>>582
2:頻繁に回復させられるのは問題なので魔力消費が通常より多いなりで一日に何度も使えないようにする>>588

というルール的な部分の問題。
どうしても修正を求めたいならそれこそ状態欄だけでいい。

591 :名無しさん@初回限定 :2007/03/26(月) 00:10:40 ID:OU3XhrOp0

アーチャーで予約してる人、本当にどうしたんでしょうか?
さすがに3週間音沙汰無しはちょっと…

592 :名無しさん@初回限定 :2007/03/26(月) 23:36:15 ID:GM4E7YHG0

予約分を消化しないと放送も出来ないしね
でも、あと1週間待って音沙汰なしなら破棄もやむを得ずなんじゃないかな。

593 :名無しさん@初回限定 :2007/03/28(水) 23:58:37 ID:J9A+fT3d0

例の凛の話を書いた者です
とりあえず状態欄修正ということで話が纏まったようですので、後日その部分を修正して
投下させていただきます。

今日は眠いのでパス

594 :名無しさん@初回限定 :2007/04/01(日) 08:41:32 ID:7iusjZJn0

>>577の修正です。

遠坂凛
【装備:デザートイーグル(.50AE弾7/7)、バタフライナイフ】
【所持品A:予備マガジン(.50AE弾7発入り)×3、支給品一式】
【所持品B:支給品一式】
【状態:健康、ただし魔力不足で今後24時間は魔術行使不可】
【思考】
 1やはり非情にはなれない
 2一般人を巻き添えにした言峰をぶん殴る。

彩峰慧
【装備:イングラムM10 32/32 】
【所持品:予備マガジン(9ミリパラベラム弾32発入り)×4、他支給品一式 村を物色して手に入れたもの(次の人にお任せします)】
【状態:健康】
【思考】
 1凛にお礼を言いたい
 2イリヤと純夏が憎い

※慧の荷物がそのまま残っているのは"うっかり"のためです

595 :名無しさん@初回限定 :2007/04/01(日) 12:55:26 ID:P6XPjn8+0

放送まだー
というか、このタイミングで停滞されると続きを書きたくても書けないんよ
だから、予約握ったままの人、何かリアクションをお願い。

596 :名無しさん@初回限定 :2007/04/01(日) 17:39:58 ID:Osz7RsJf0

申し訳ない……冥夜と一成の予約、中々仕上がらないので破棄します。
ギリギリまで粘ったけど結局完成させれない俺間抜け。orz

597 :名無しさん@初回限定 :2007/04/02(月) 00:13:55 ID:uoMMH83L0

というわけで残念ながらタイムオーバーです
これで放送いけるのかな?

598 :名無しさん@初回限定 :2007/04/02(月) 12:08:18 ID:0s+oXbLs0

特に異存なければ明日の夜に放送入れてもいいと思う。
というか誰も立候補なければ自分が書きます。

599 :第一回放送 :2007/04/03(火) 23:54:59 ID:v6Lfg6jV0

太陽が完全にその姿を地平線に隠したその時、島中に荘厳な鐘の音が響く
その音に参加者たちは一斉に時計を見た、PM18:00…ついにその時がやってきた。
ある者は己の知己が生き残っていることに期待し、ある者はただ生き残る可能性の多寡に耳を済ませる、そして。
「それでは死亡者を発表する」
鐘と同じくまるで無慈悲な声が参加者たちの胸を打つ。
「蒔寺楓 上条沙耶 小泉夏美、榊千鶴、梶浦緋紗子 小渕みなみ 巴雪乃 織倉楓…以上8名だ」
その言葉のニュアンスは無慈悲というよりは無感動と言う方が正しいか?
ともかく、この管理者には高みから弱者をことさらに嬲る悪趣味な趣向は持ち合わせてはいないようだった。
「引き続き健闘を求む」
だから放送もただ事実のみを告げ、唐突に終わるのだった。

【時間:1日目・午後6時00分】

600 :名無しさん@初回限定 :2007/04/04(水) 00:04:30 ID:uVAh02YA0

涼宮茜、周防院奏、高峰小雪、渡良瀬準で早速予約

601 :名無しさん@初回限定 :2007/04/04(水) 07:28:12 ID:jX8Z2R4x0

放送乙
小日向音羽、小日向すもも、加藤乙女、黒セイバー、珠瀬壬姫
で予約 

602 :禍福は巡る(1/4) :2007/04/04(水) 12:04:57 ID:jpYjY/nF0

「…」
涼宮茜はただ無言で宙を睨む。
「嘘です、先生が死んでしまうなんて嘘なのです〜」
溢れる涙を隠そうともせず嘆きの声をあげる周防院奏、そして。
(ついにこれから始まる…私の戦いが)
高峰小雪は死者を悼むためにそっと閉じていた目を開き、決意を新たにする。
ましてもうすでに彼女の友人の1人である沙耶が死んでいる…全てを救うことは最初から叶わないにしても、
それでもやるだけのことはやらねばならない…そう決めたのだから。
「エル・アムイシア・ミザ…」

背後の気配に茜が気づいたのは決して偶然ではない。
一流のアスリートとして鍛え上げられた一種の勝負勘が彼女に背後の何かを伝え、だから反射的に振り向いた。
と、同時に小雪の呪文が完成する。
「ノ・クェロ・レム・ラダス・アガナトス」
「奏ちゃん!」
何が起こったのか反応どころか気が付いてさえもいない奏を押し倒す茜、その頭上を掠めるように魔力の渦が通り過ぎる。
「小雪さん…あんた、どうして」
信じられない、そんな表情で小雪に問う茜。
「仔細を語る気はありません…ただ皆さんを狩る、それだけです」
本当はもっと言うべき言葉もあるのだが、あえて突き放した態度を取る小雪、それに内心焦ってもいた。
(魔力が弱まっている…)
このまま長引けばこちらに不利、しかも自分はサーヴァントを従えている、そのための魔力も残しておかねばならない。
あと数発でけりを、できれば一発でつけなければ返り討ちだ。
また呪文の詠唱に入る小雪、しかし茜も今度は黙っていない、覚悟の眼差しでマグナムを小雪に向けて構える。
その手は震えてはいるが、迷いはない。このまま引き金を…だが。
「ダメなのです!」

603 :禍福は巡る(2/4) :2007/04/04(水) 12:05:50 ID:jpYjY/nF0

叫びと共に奏が躍り出る、しかも茜を止めようとして。
「今のは何かの間違いなのです、小雪さんが悪いことをするはずがないんです、だってだって小雪さんは魔法使いなんですから
だからきっと魔法で皆を助けてくれるはずなのです」
茜にすがりつき、そして小雪に乞うように叫ぶ奏…小雪が僅かに視線を逸らす、が。
「ごめんなさい…奏さん、魔法使いは何でもできるわけじゃなく、そして全てを救えるわけじゃないんです…だから」
茜が奏を押しのけてまた銃を構えるが、もう遅かった。
「ごめんなさい」
小雪から放たれた魔力の渦が、今度こそ2人を崖下へと吹き飛ばした。

森を抜け、必死で山道を走る渡良瀬準。
6時を僅かに過ぎてしまっている…間に合うか、小雪はおそらくこの山頂にいる、足跡を頼りに上へ上へと走る。
そして山頂に着いた時だった、そこには確かに高峰小雪がいた、いつもの微笑を浮かべて。
「沙耶ちゃんが…」
「ええ」
ややぎくしゃくとしつつも再会の挨拶を済ませた2人だが、やはり会話は弾みようがなかった。
「ですがよかった、こうして会うことが出来て」
それでも笑顔で準の手を取る小雪、その瞳には嘘偽りは決してない。
「あたしも…沙耶ちゃんは…その…残念だったけど」
上手く言葉に出来ないもどかしさを覚えつつも苦労して会話を続ける準。
「でも小雪ちゃんに出会えてよかった、あとは雄真たちを探そう」
「そうですね」

やはり味気ない言葉を返す小雪…準の登場は彼女にとって全くの予想外だった。
しかも…崖下に眼をやる小雪、このタイミングだと目撃されている可能性すらありうる。
だが…準はこう見えて一本気なところがある、あんなところを目撃しようものなら、
怒りに任せて自分にかかってくるはず。
それが無いということはひとまず安心か…それにもう自分は手を汚すつもりはない、
あとはあの赤い弓兵がしっかりと役目を果たしてくれるはずだ、だから自分は準を守ることに専念しよう。
そう心に定めた小雪はまた改めて準の手を強く握った。

604 :禍福は巡る(3/4) :2007/04/04(水) 12:06:35 ID:jpYjY/nF0

一方の準もまた考える。
確かに表面上、小雪には何の変化も見受けられない、だが準には確信めいた予感があった、
おそらく彼女は高峰小雪はすでに誰かを殺めている、と。
今こうして落ち着いていられるのも、おそらく何らかの手段によって自分の手を汚さずに事を済ませる術があるからなのだろう。
ポケットに忍ばせた奇妙な短剣を指でなぞる準、契約破りの剣だとあの神父は言っていた、
最初はこの剣で小雪を刺せと言っているのかとも思ったが、どうやら違う…最終的にはそうなるのかもしれないが、
それはきっと小雪の得た手段と関係しているはず、だから準は自重することにした、確たる証拠を掴むまでは決して動かない。
もし自分の疑念が小雪に伝われば彼女はためらいなく自分を殺すはずなのだから。

そして2人がいる山頂から、はるか下の地上では、
「奏ちゃん…」
茜はぼんやりと目の前の光景を眺めていた、あれほどの高さから落とされたにも関わらず彼女はほぼ無傷だった、
落ちる過程で突っ込んだ大木の葉や枝々がクッションになってくれた上に、下が柔らかい茂みになっていたのが幸いした。
だが…一方の奏は落下点にあった石によって頭を砕かれ、即死していた。
「運が…なかったね」
ほんの数メートルの差で生死が分かれてしまったことについてぽつりと呟く茜。
もはやそれ以上の言葉は出てこなかったし、涙も出なかった、何故なら悲しみよりも小雪への怒りの方が遙に大きいのだから
「必ず敵は取ってみせるから」
自分を奮い立たせる茜、だが相手は魔法使い…悔しいが自分1人ではどうしようもない、
ともかく仲間を探さねばならない、きっといるはずだ、彼女に対抗できる力を持っている人間が、
そして奏のように優しい心をもった人間もきっと。

605 :禍福は巡る(4/4) :2007/04/04(水) 12:21:39 ID:iFKVjDum0

【時間:1日目・午後6時10分】
【場所:山頂】
高峰小雪
【装備:干将・莫耶】
【所持品:支給品一式】
【状態:健康(魔力欠乏中)、ジョーカー、令呪残り3つ】
【思考】
 1渡良瀬準を守る(ジョーカーとしての任務はアーチャーに任せる)
 2神坂春姫、上条伸哉、小日向音羽、すもも、雄真、式守伊吹、高溝八輔、柊杏璃と合流したい
 【備考】
 ※タマちゃん(スフィアタム)は島にはいないと思っています
 ※アーチャーから真名は聞いていません
 ※アーチャーの殺害数も自身の殺害数としてカウントします

渡良瀬準
 【装備:ルールブレイカー+支給品(不明)】
 【所持品:支給品一式】
 【状態:健康】
 【思考】
 1小雪がジョーカーであるという証拠を探す
 2神坂春姫、上条伸哉、小日向音羽、すもも、雄真、式守伊吹、高溝八輔、柊杏璃と合流したい

【場所:森林地帯】  
涼宮茜
【装備:S&W M60(.357マグナム弾 5/5)】
【所持品:.357マグナム予備弾丸×20、支給品一式】
【状態:かすり傷は多いが健康】
【思考・行動】
 1奏の敵を取る
 2言峰(及び主催)を倒す

【周防院奏:死亡 残り52人】

606 :名無しさん@初回限定 :2007/04/04(水) 12:58:52 ID:U/vM4Wc1O

奏ちゃぁーん!!!
………orz<解ってたさ、こうなるって解ってたけど……

んでもって乙。

607 :名無しさん@初回限定 :2007/04/04(水) 14:48:46 ID:hKA0hJZU0

ガンバレ茜。親友はもう死んでるけど、どこぞのヘタレ大王とは一味違う様を期待してるぜ。
そして乙。

608 :名無しさん@初回限定 :2007/04/04(水) 17:20:33 ID:OrZOQHWRO

ギャルゲの孝之のことかーーー!?


ところで、準は小雪先輩は『ちゃん』じゃなくて『さん』じゃなかったか?

609 :名無しさん@初回限定 :2007/04/04(水) 20:12:07 ID:S8HeCtJd0

奏ちゃんが氏んでしもた…
なんて事だあああーーっ!!!

瑞穂は何をやっとるんだ!?
て事で予約w

610 :名無しさん@初回限定 :2007/04/05(木) 13:19:57 ID:oW9tDG5d0

伸哉と士郎で予約

611 :黒き福音 :2007/04/07(土) 22:29:16 ID:c589qrG00

「待って…」
先頭を行く高溝八輔が珠瀬壬姫を制するように片手を広げ、
それから探知機のモニターを見るように彼女に促す。
「誰かいる…様子を見てくるからここで待っていてくれ」
「わかりましたぁ」
「へ」
引き止めてくれることを期待していた八輔は壬姫の素っ気無い態度に思わず仰け反ってしまう。
「あの…さ…その」
「様子見てきてくれるんですよね」
「いや…その…」
(普通ならここで貴方一人にそんなことはさせられないとか何とか言ってくれるんじゃないのか!
というか少しくらい心配してくれてもいいじゃないか!)
八輔のシナリオとしては引き止める壬姫を振り切って先へと進み、そして無事正解生還、
これでますます彼女は俺に夢中、という筈だった、だが…。
「どうしたんですか?行かないんですか」
「あ…はい、それじゃ…行きます」
(だめだ、天然には勝てないよ)
がっくりと肩を落として歩き出す八輔だった…それでも肝心な一言だけは忘れない。
「いいかい、戻るまでここを動かないでくれよ」
それが17時55分のことだった。

そして18時10分、案の定珠瀬壬姫は夕闇の中一人浜辺をとぼとぼと歩いていた。
級友の死を聞いていてもたってもいられなくなり、感情の赴くままに泣き叫び、そして走った、で。
「ううう…迷っちゃった…」
ああ…八輔が、彼が妙な色気を出さなければきっとこれからの惨劇は起こらずに、
済んでいたかもしれなかったのに。

612 :黒き福音 :2007/04/07(土) 22:30:18 ID:c589qrG00

「よかった…」
加藤乙女は放送を聞き終わり安堵の溜息をつく。
伊藤誠はまだ死んではいない、だが次の放送まで彼が生きている保障はどこにもないわけで、
とにかく急がねばならない、何としても早く彼を探し出すか、あるいは…
乙女は自分の足元に転がる小泉夏美の死体に目をやってから、
そして自分の傍らに控える黒騎士へと視線を移す。

「覚悟を決めたようですね、オトメ」
黄金の瞳を禍々しく輝かせ、ことさら慇懃な態度を取るアルトリア。
「うん、結局勝ち残るしか道はなさそうだしね…それにもう、戻れないしね」
その言葉に頷くアルトリア、これでいい…主が覚悟を定めねば騎士は動けない、とはいえ、
(背中を押したのは私自身なのですが…これでは騎士ではなく奸臣そのものですね)
喉を鳴らして含み笑うアルトリアをちらりと見る乙女、
その禍々しさには未だ馴染めないものを感じずにはいられない、だがもうそれについても考えない。
割り切ろう。彼女は自分にとっての「武器」に過ぎないのだと。
「これからどうしよう」
乙女は武器に意見を求める。

「やはり戦うしかありません、先手必勝ですよ…しかし私としては
あえて休息を取ることを進言したい…体力に自信があるとはいえどオトメはまだ戦になれてはいない
心の高揚が収まればその疲れはたちまち体を蝕む、だからここは今後のために小休止です」
「え、でもそれじゃ」
「心配は無論理解できます、ですが聞くところによると殆どの者が戦を知らぬ者たちとのこと
ゆえに夜の動きはおそらく少なくなる筈、だからこそ今、休息を取るべきなのです」
アルトリアは乙女に地図を示す、このまま海岸沿いに出れば街につく。
「別に野営でもこちらは構いませんが」
「うーん、野宿は嫌ね…なら行きましょ」

613 :黒き福音 :2007/04/07(土) 22:31:17 ID:c589qrG00


「早くしなさい、日が暮れるわ」
小日向音羽は小日向すももの手を引いて街への帰りを急いでいた。
最初は新都で息を潜めて待っているつもりだったのだが、
「お母さん、やっぱり私たちだけ待ってることなんてできないよ」
ホテルの一室でその言葉を聞いたとき、音羽は正直迷った。
無論、娘を危険にさらすような真似はできない、だがこの状況においてなお人を案じる、
娘の優しさを無為にしたくないのもまた事実だった。
「だめですか、お母さん…」

すももの肩が小刻みに震えている、彼女とて怖いのだ…だがそれでも精一杯の優しさと勇気を持って、
立ち上がろうとしている、音羽は笑顔で俯き加減の娘の肩を抱えるとすももの震えは止まる。
「いい、すももちゃん…あなたが助けたいのは雄真くんや春姫ちゃんたちだけ?それとも…」
「違うよお母さん、私が助けたいのは…」
「もういいわ、今ので分かったから」
音羽の言葉に抗議しようとしたすももを笑顔で制する音羽、
もし娘が自分の知り合いだけを優先するようなことを言えば決して許さないつもりだった。
だが…結果は違った、それもうれしい方向に。
(喜んでください、私たちの娘はこんなに優しく、強く育ちましたよ)
音羽は遠い空の下にいるであろう自分の夫に心の中で語りかけ、
娘に悟られることなくそっと涙を流すのだった。

そして今2人は夕闇の仲を走っていた。
やはり放送を聴いてからのすももの落胆ぶりはかなりのものだ、まして死んだのは彼女の親友だ。
だがそれでも音羽はあえてすももを叱咤する。
「立ち止まる暇はないわ、泣くなら後で泣きなさい!」
強く強く娘の手を引き走る母、海岸が見える…このまま浜辺沿いに歩けば街に入れる。
「もう少しよさぁ、がんばって」
「まだ安心するのは早い」
「え!」

614 :黒き福音 :2007/04/07(土) 22:33:12 ID:c589qrG00

音羽が振り向く間もなく横なぎの何かが体を打ち、音羽はすももごと浜辺へとふっ飛ばされる。
口の中の砂を吐き出し視線を上げた先にいる者を見て音羽の全身が総毛立つ。
色褪せた髪、狂気に彩られた瞳、そして闇のごとき黒き鎧を纏った少女、
自分の娘と同じかもしかすると年下かもしれないにも関わらず、まるで死神に近い印象に思える。
「殺すのね…」
「ええ」
アルトリアの言葉を聞いた瞬間、音羽は即座に彼女の足元に跪いていた。
「私は死んでも構いません!でも娘は…すももだけはどうか何卒!」
「お母さん駄目!そんなこと言ったら!」
「いいのよすももちゃん!お願いします何でもいたします!だからどうか」

「何でもする…ですか、なるほどなるほど」
音羽の言葉を反芻し、楽し気に笑うアルトリア、
「何時の時に置いても肉親の情は変わらない、というわけですね…いいでしょう、ならば」
彼女の目にとぼとぼと浜辺を歩く少女が入る、ピンクの髪は夕闇の中でもよく目立った。
「見えますかあの娘が…」
頷く音羽。
「殺してきてください、さすれば娘共々解放しましょう」

「はにゃ?」
海風に気を取られている間だった、壬姫の目の前にいつの間か誰かが…小日向音羽が立っていた。
沈みかけの太陽に照らされたその姿はまるで幽鬼のように憔悴していた。
「ごめんね…ごめんね…ごめんね…」
音羽はまるで呪文のように謝罪の言葉を口ずさみながら壬姫へと襲い掛かった、その手には日本刀、
俗に古青江と分類される逸品が握られていた。
だがまかりなりにも武術の心得がある壬姫はそれを辛くも避ける。
「あああああっ、お願い逃げないでぇ!」
哀願の叫びを上げて刀を振り回す音羽、今の自分の行為が正しかろうが間違っていようがもはや関係ない。
子を守るのが親の定めだ、たとえ殺人という禁忌に手を染めたとしても。
「そんなこといってもあたったら殺されちゃいますぅ〜」
口調こそのんびりとしているが壬姫の動きはかなり素早く、それが音羽の焦りを余計に誘う。
涙で曇った視界の中、必死で出鱈目に刀を振るうその姿はコントのようにも思えた。

615 :黒き福音 :2007/04/07(土) 22:34:07 ID:c589qrG00

それをまるで興味なさ気に見るアルトリア、
むしろ興味は音羽よりも自分の主である乙女の方に向いている。
「許さない…絶対に許しません!この悪魔!」
唐突にすももが叫ぶ、ちなみにその首筋にはアルトリアの魔剣が突きつけられている。
「ブリテンの守護者にして絶対かつ永遠の王たるこの私を悪魔呼ばわりとは…許しがたき所業ですね」
アルトリアのつま先がゆっくりとすももの腹に食い込んで行く。
「私に言わせれば弱さこそが悪ですよ…そして弱者を蹂躙することは強者の特権にして愉悦なのです
ね、オトメ」
主に同意を求める騎士、が主はガクガクと体を震わせただ事の成り行きを見守るだけだった。
(こんなの…こんなのって…)
この黒き鎧の少女はまさに悪魔以外の何者でもない、そして一時とは言えどそれに賛同した自分も…。

「うぷ」
不意にこみ上げる吐き気に口を押さえる乙女、少しだけ眉を潜めるアルトリア、その時だった。
わずかに剣の切っ先が緩んだのを見、そのまま駆け出すすもも、
無論それに対処できないアルトリアではない、薄ら笑いすら浮かべてすももの背中に手を伸ばしたとき、
顔に何かがかかった、それがすももの投げた砂と知った瞬間、
アルトリアの表情はまさに悪鬼のごとき形相へと変貌する。
「舐めるなぁ!小娘があぁぁぁぁぁぁぁぁ!」
「だめぇ!!」
叫びと共に乙女の左手の令呪が光を放ち、アルトリアの動きが止まる。
その間にすももは荷物をひったくると母親たちを止めるべく浜辺を駆けていった。

ちなみにまるでコントのような戦いも終焉に近づいていた。
逃げ回っていた壬姫だったが、ついにぬかるんだ浜辺に足を取られ転んでしまったのだ。
「これで…これで…」
はぁはぁと呼吸を荒くしながら汗だくで刀を振り上げる音羽、もう足元に注意を向ける余裕はない。
だから気がつかなかった、自分が壬姫のリュックを踏んでいたことも、そしてそのリュックの中から、
影のような何かが溢れ出していたことも…。

616 :黒き福音 :2007/04/07(土) 22:35:51 ID:c589qrG00

(あれは…そういえば)
ぼんやりとその光景を眺める壬姫。
「これヤバそうっス!知り合いの魔法使いに見てもらったほうがいいっスよ」
と八輔に言われて封を解かなかった支給品、黒い泥のようなものが入った杯…。
(そっかぁ…あれか…って!)
いち早く正気に戻った壬姫が音羽を捨て置いて一目散に逃げ出す。
追いかけようとした音羽だが、何かに背中を突き飛ばされて海中へと投げ出される。

水面に顔を出した彼女が見たものは、自分の代わりに影に飲み込まれる娘の姿と、
「クククク、アーッハッハッハッ、コトミネも味な真似を…さぁ祝いなさい、貴方の娘は私と同じく」
狂ったように笑う騎士の姿、そしてその声が止まぬ間に影の中からすももが…、
いや、かつて小日向すももであった少女が姿を現した。
その栗色の髪は色褪せた褐色に、緑の瞳は濁った鳶色に…そして肌は死者のごとく白く、
首筋から頬にかけ、まるでかの黒騎士のように赤い痣が走り…
「闇に己の心を捧げ、新たに生まれ変わったのです」

「うそ…うそよ…すももちゃん…」
身も心も変わり果てた己の娘に呼びかける音羽、ふりむいたすももの表情を見て息を呑む音羽。
嗚呼…何もかも変わり果てたはずなのに、笑顔だけは以前とまるで変わらず、
いや以前よりもはるかに愛らしく輝いているではないか。
だが、その笑顔こそまさに堕落の証なのだ。

笑顔を浮かべたまま銃を構えるすもも、万が一に備え強力な武器を娘に渡したことが災いした。
「あのねお母さん…私、兄さんが好きなの知ってるよね…でもみんな死んじゃうんだよね、
私わかったんです、もう兄さん以外私いらないから、だからお母さん…死んでください」
「やめて!やめて!すももちゃん…お願いだから…」
だが無常にも母の体を娘の放った銃弾が貫く、
「おねが…せめて…こんなのって…あんまり…」
「うるさいですお母さん、何でもしてくれるって言ったじゃないですか、だったら
私と兄さんのために早く死んでくださいよ」
何度も何度も音羽の体に、実の母の体に弾丸を撃ち込むすもも、それは音羽が動かなくなるまで続いた。

617 :黒き福音 :2007/04/07(土) 22:44:43 ID:c589qrG00

親殺しはいかなる時代、いかなる世界においても最低かつ最悪の禁忌である、
それをこうしてこの少女はためらうことなく笑顔で行ったのだった。

「ね、わたし兄さんのためにお母さん殺したんだからきっと兄さん喜んでくれますよね」
アルトリアへと色褪せた瞳を向けて笑うすもも、共に闇に魂を捧げた者同士、通じるものがあるのかもしれない。
「勿論ですよ、それが人の道ではありませんか、失った分だけ報いられるのは当然です」
聞くに絶えないような陰惨な会話はまだ続く。
「で、その衛宮士郎って人と伊藤誠って人は殺したらいけないんですね」
「ええ、そのかわりこちらも小日向雄真という男には手をだしませんよ」
勿論これは仮初の約束に過ぎない、ただ堕落した頭では互いがそう考えていることまでは理解できない。
ともかくすももはアルトリアらに頭を下げるとそのまま新都へと向かう、
その足取りはあくまでも軽かった。

(オトワとやら、貴女の気持ちはよく理解できますよ…ですがこれもあなたが弱いからいけない)
神妙な表情で音羽の死体を眺めるアルトリア、彼女自身も実の息子に裏切られ無残な最期を遂げているからだろうか?
だが感傷はそれほど長くは続かない、次の瞬間にはもう乙女へと向きなおっていた。
「さて、オトメ…せっかくですがやはり野宿をしていただく他はありませんね、これから夜にかけて
あの街は血の地獄と化すでしょうから…」
「お願い…お願いだから」
「何でしょう?」
大仰に耳を傾けるアルトリア。
「もう人を殺すの…やめようよ…」
「これは異な事を、ですがマスターの仰られることならば致し方ありませんね、さぁ令呪を」
左手を差し出そうとした乙女だったが…そこにはもう令呪はなかった。
「どうしたのですか?早く令呪をもって命じて下さい、さぁ!」
にやにやと乙女の顔を眺めてことさらに煽るアルトリア…ここにきてようやく乙女は悟った、
自分は嵌められたのだ、この狡猾な悪魔に。

618 :黒き福音 :2007/04/07(土) 22:49:14 ID:c589qrG00

「お願い!殺さないで!」
泣きながらアルトリアにすがりつく乙女、その脳裏には生きたまま干乾び塵と化した沙耶、頭を砕かれた夏美、
そして実の娘に鉛弾を撃ち込まれた音羽の姿が浮かぶ…そう、加藤乙女は死にたくなかったのだ。
生きるために悪魔の奴隷となる道を選ばざるを得なくとも。
「何を言ってるのですかオトメ、私が貴方を殺すなどと…例え令呪がなくとも今の主は貴方だ」
「ホントに…ホントだよね」
だらだらと汗を流しながらアルトリアに何度も確認を取る乙女、もう彼女には信じることしか許されない。
「勿論ですよ…騎士に二言はありませんから」
そして、もう何も刻まれていない乙女の左手を見て目を細めるアルトリア。
(ああ、もうすぐもうすぐです私のシロウ…貴方のアルトリアがそちらへたどり着くまでどうかどうかご無事で)

【時間:1日目・午後5時55分】
【場所:新都付近?】
高溝八輔
【装備:探知機】
【所持品:支給品一式】
【状態:健康】
【思考・行動】
 1壬姫に一目惚れ。必ず俺がお護りいたします!…って待っててって言ったのに
 2新都に行ってすももや知り合いを探す

【時間:1日目・午後6時30分】
【場所:新都付近の浜辺】

珠瀬壬姫
【装備:なし】
【所持品:なし(ランダムアイテムはアンリマユの残滓)】
【状態:健康】
【思考・行動】
 1とにかく逃げる
 2武たちと合流したい

619 :黒き福音 :2007/04/07(土) 22:50:35 ID:c589qrG00

加藤乙女
【装備:黒セイバー(アルトリア)】
【所持品:支給品一式】
【状態:磨耗(アルトリアに完全依存)。令呪なし】
【思考】
 1:死にたくない

黒セイバー(アルトリア)
【装備:エクスカリバー】
【所持品:カップラーメン1ダース】
【状態:通常】
【思考】
 1:表面上乙女に従う
 2:間桐桜に復讐 、シロウに会いたい

小日向すもも
【装備:古青江(日本刀)、H&K MP7】  
【所持品:支給品一式、】
【状態:黒化】
【思考】
 1:新都へ行く、雄真以外全員を殺す

【小日向音羽:死亡 残り51人】

620 :名無しさん@初回限定 :2007/04/09(月) 19:59:06 ID:oa2kzlu80

そろそろ次スレいるかな?
ところで感想スレと本スレと分ける?まだ一緒でいい?

621 :名無しさん@初回限定 :2007/04/10(火) 00:08:40 ID:oa2kzlu80

黒セイバー怖い、あとすももが…暫くはぴねす勢が話を引っ張っていきそう。
それはともかく、次立てるならテンプレとかも考えたほうがいいかも

ちと下がりすぎなのであげ

622 :名無しさん@初回限定 :2007/04/10(火) 00:10:11 ID:BNz+oxlj0

何でID一緒なんだ?

623 :名無しさん@初回限定 :2007/04/10(火) 13:17:31 ID:7kSlDn0qO

つまんね

624 :吊り橋の果てに :2007/04/10(火) 23:38:30 ID:KwfTXfvL0

「荷物…持ちますね」
僅かながら頬を染め誠のバッグを持つ君江。
「いいよ、そこまでしてくれなくても」
「いいんです、私こういうの無理ですから」
誠は手にしたナタで藪を掻き分けて道を作っている最中だった。
幸い放送で読み上げられた中に、自分たちの知り合いはいても直接の友人たちはいなかったことが、
彼らの気分を幾分楽なものにもしていた。

「ところで」
誠はナタを振るう手を止めて君江に向き直る。
「これを貸してくれたってことは、俺のこと少しは信じてくれたって考えていいのかな」
ストレートな物言いにまた頬を染める君江、とにかくこの伊藤誠という男、
まるで男に免疫のない少女にとっては危険極まりない存在だった、しかも無意識だからタチが悪い。
「そ…それはっ、ただ私が持っていても…無駄だって思うから…それに」
君江は自分の右手を軽く撫でる、まだ誠の手の温もりが残っている気がした。

「ま、いいか、ともかくありがと、これでもう少し進めばまた道に出られると思うから、でも」
誠は星が瞬きだした夜空を見上げる、もう目を凝らさなければ足元も見えない。
「きりのいい所で休憩したほうがいいかも、夜道は危ないし」
「えっ!!」
休憩という言葉に過剰に反応してしまう君江。
「どうしたの?」
肩を震わせた君江の顔を覗き込む誠。
「な…なんでも…ありません…」
「そんなこといわれると余計気になるじゃないか、なぁ」
「べ、別に変なことなんか考えたりとか…あっ!」
自分で墓穴を掘ったことに気が付く君江。
「変な…ことって…何?」
声を震わせる誠、変なことという言葉がどんなことをさしているのか分からない誠ではない。
無論そんなつもりは…自分の言葉に君江が想像したような意味はない、
だが期待してないわけでもない。

625 :吊り橋の果てに :2007/04/10(火) 23:39:19 ID:KwfTXfvL0

「額…広いね…かわいい」
君江の顔を見て、不意にそんな言葉を口にしてしまう誠。
「やめて…ください…」
小声で呟く君江、だがメガネ越しの大きな瞳は期待に揺れている、まだ心の中の吊り橋も揺れている。
「メガネ…取っていい?」
君江が頷こうとした時だった。

ひゅん!
またしても風を切る音が耳元で響いた、見るとそこには例のボウガンの矢が刺さってた、そして彼らの背後には…。
「またお前かよ、しつこい」
あきれ顔で金髪メイドを睨みつける誠、もう逃げようとはしない、ここまで来るとむしろ恐怖よりも怒りの方が強く、
しかも折角のチャンスを無駄にされたのだ。
「狙った獲物は逃がさないのですぅ〜〜〜覚悟するですぅ」
狙った獲物は逃がさないとか何とか言ってはいるが、もう彼女のメイド服は見る影もなくボロボロだった。
つまり彼女も道に迷っていたのだ、しかしそれでも3回も同じ相手とエンカウントするとは運がいいのやら悪いのやら。

「とにかくぅ、お命頂戴ですぅ〜」
いちいち語尾を延ばす美凪の口調は激しく誠を苛立たせた、
だが、ボウガンを構える美凪と自分たちとの距離は10メートルもない…逃げようにも踵を返した瞬間に串刺しだろう。
つまり…もう誠たちには打つ手はない、それを理解しているからこそ美凪は余裕なのだ。
(やだよ俺…こんなところで死ぬのか?)
死の恐怖がまた蘇ってくる。
(俺は…俺は…死にたくない死にたくない…死にたくない)
美凪がゆっくりとボウガンを構える、まるでスローモーションのように見える。
君江が震えながら誠の手を握る…その手は汗ばんでいて少し気持ち悪いと誠は思った、そして。
美凪が勝利を確信しながらトリガーを引いた。

626 :吊り橋の果てに :2007/04/10(火) 23:40:38 ID:KwfTXfvL0

「どう…して…」
呻くような声が漏れた…君江の口から…その胸には深々と矢が刺さっていた。
そう…この男は伊藤誠は事もあろうに菅原君江を気の迷いとはいえど一瞬でも自分に好意を寄せた少女を盾にしたのだった。
「だって仕方ないじゃないか!俺死にたくないんだし!」
自分を正当化することに関しては、この男は長けている、確かにこれ以上真っ当な理由もない。
誰だって死にたくないのだ。

そして誠のこの行動は攻撃した側の美凪までをも混乱に陥れていた。
まさかこんなにあっさりと味方を犠牲にするなんて、ハイになった頭が一気に醒めていく。
と、同時に冷や汗がどっと出る…手が滑ってボウガンが地面に落ちる、慌てて拾おうとしたのと同時だった、
何かが飛んで来たのを感じ目線を上げようとして、そこで戎美凪の意識は途絶えた、永遠に。
「悪く…思うなよ…お前が悪いんだからな」
息を荒くしながら捨てゼリフを吐く誠、目線の先には誠の投げたナタで頭を割られた美凪がいた。
「ちくしょう…なんでだよ…なんでなんだよ…俺人殺しになっちゃったよ…みんなぁ」
頭を抱える誠だったが、急に立ち上がると周囲をきょろきょろと見回す。
「誰もいないよな…」
幸いもう周囲に人の気配はなかった…だが、万が一がありえる。

この男は思慮が足りないくせにやたらと保身には長けていた。
まずは恐る恐る美凪の絶命を確認し、それから虫の息の君江の方へと向かう誠、
もう声すら出せそうにない君江はただぼんやりと誠を見ていた、そこにあるのは恨みか後悔か。
「ごめん」
誠は見られないように藪の中へと君江を引きずり込むと、そのまま君江の方を見ないようにして手にしたボウガンのトリガーを引いた、
さらに寒いかもと思いながらも血の付いた上着を少し離れた地面に埋めて、
証拠を隠滅すると、今自分の行ったことは不幸なめぐり合わせの産物で、もう何一つもう思い出さないと心に決めて、
何事もなかったかのようにまた道を急ぐのだった。

そして今、彼の目の前には山小屋があった、そしてその目線の先にはぼんやりと星を見る少女。
(あの子の胸、言葉より…大きいかも)
誠はおそらくブラのカップでいえば桂言葉より上であろう、その少女の胸に釘付けになっていた。

627 :吊り橋の果てに :2007/04/10(火) 23:48:20 ID:KwfTXfvL0

【時間:1日目・午後20時30分】
【場所:山小屋付近】

伊藤誠
【装備:ボウガン(ナタも処分済です)】
【所持品:支給品一式(ランダムアイテム不明)】
【状態:健康・罪悪感あり】
【思考・行動】
  1・おっぱい!おっぱい! 
  2・友人・知人を探す

間桐桜
 【場所:山小屋(教会西側の山の山頂付近)】
 【装備:なし】
 【所持品:花火セット、支給品一式】
 【状態:健康。ステルスマーダー化】
 【思考】
  1・大河と夜が明けるまでは山小屋で身を潜める
  2・ゲームに乗っている者と接触した場合は戦う。乗っていない者と接触した場合、利用できる者は利用し、利用できない者、用済みの者は隙を見て始末する
  3・朝になったら近くの村(西側)に行き士郎たちを探す(桜本人は自ら士郎たちに会うつもりはない)
  4・冥夜たちに会えたら月詠のことを伝える(そして利用できるならある程度利用する)
  5・月詠から合図があったら15分ごとに花火を打ち上げる
 
【菅原君江:死亡 残り50人】
【戎美凪:死亡 残り49人】

628 :名無しさん@初回限定 :2007/04/12(木) 23:20:45 ID:0bCpvRrJ0

伸哉と士郎で予約した者です、もう暫く時間ください
ところで次スレはどうしようか

629 :名無しさん@初回限定 :2007/04/16(月) 23:08:47 ID:GWR7M6/aO

保守

630 :名無しさん@初回限定 :2007/04/21(土) 11:13:49 ID:kVeC1tg+0

予約中の皆さん、現在の状況はどうなってますか?

631 :628 :2007/04/21(土) 22:35:04 ID:U5Nu1/Kg0

体調不良っす、でも必ず書くので…

632 :名無しさん@初回限定 :2007/04/29(日) 23:35:34 ID:oYs7GxG/0

とりあえずあげ

633 :名無しさん@初回限定 :2007/04/30(月) 12:11:53 ID:7A3lsdozO

流石はキモオタを生み出す肛門だぜ

634 :R-0109 ◆eVB8arcato :2007/05/02(水) 23:53:19 ID:VGSBQZ8k0

どうも、初めまして。
「バトルロワイアルパロディ企画スレ交流雑談所」の方で空鍋を掻き回しながらラジオをしているR-0109と申します。
現在「パロロワ企画ラジオツアー」というのをやっていまして、そこで来る5/5の21:00からここでラジオをさせて頂きたいのですが宜しいでしょうか?

ラジオ、実況スレッドのアドレスは当日もってきます。

交流所はこちらです。
http://sports2.2ch.net/test/read.cgi/entrance2/1177408737/

635 :名無しさん@初回限定 :2007/05/04(金) 13:48:21 ID:QQA80gbW0

ラジオの人キタ――(・∀・)――!!
俺はぜんぜんOKですよ!!
まだ序盤の過疎ロワですが是非お願いします!!

636 :名無しさん@初回限定 :2007/05/05(土) 12:01:27 ID:b2KOwAt20

真名:ニーチェ
クラス :フィロソファー
宝具:滅神正典(ゴッドイズデッド)
あらゆる神性を”殺”す。

637 :R-0109 ◆eVB8arcato :2007/05/05(土) 21:08:34 ID:WTIQot8x0

http://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/otaku/5008/1178366867/
http://121.112.181.25:8000/

上が実況スレのアドレスで、下がラジオアドレスです。
ラジオの聞き方についてはttp://spill.jp/play.htmlこちらを参考にしてください。

638 :628 :2007/05/12(土) 21:16:24 ID:j79+hjn10

生存証明…書く時間がとれないっす

639 :名無しさん@初回限定 :2007/05/13(日) 01:40:26 ID:BYKyEIXG0

>>628

やあ俺。
しかし、さすがに一ヶ月も間が空いてるとなると、展開が許すなら、
完成は一旦保留にしてまず放送やった方が良いような気がするんだがどうだろうか。

640 :名無しさん@初回限定 :2007/05/13(日) 22:58:34 ID:uCZtXI950

>>639
もう放送は終わってるよ・・・

641 :名無しさん@初回限定 :2007/05/14(月) 09:34:04 ID:cVgR/xAE0

スマナイ。勘違いしてた。吊って来る。orz

642 :名無しさん@初回限定 :2007/05/20(日) 21:31:22 ID:VCpBBtUG0

保守

643 :Spitfire(1/3) :2007/05/21(月) 13:44:40 ID:7j1bnL5b0

「うわああああああああっ、なぜだぁああああああ!」
夕闇の中に慟哭が木霊する。
そう、上条信哉は彼は最愛の妹を失ったのだ。
そして涙に暮れる信哉を忸怩たる思いでただ見つめることしか出来ない衛宮士郎、
(どうして…)
全てを救う正義の味方を目指す少年にとっても目の前の現実はあまりに過酷すぎた。
(何人も死んだ…なんでなんだ、何故そんなに簡単に人を殺せるんだ!)
木陰で佇む槍兵の表情は一切伺えない、それでも時折苛立ちを隠せぬようにカツカツと槍を鳴らすような音が聞こえてはくる。
「沙耶っ沙耶っ…ああああ」
信哉の慟哭は収まる気配を見せない。
古武士の風格すら漂わせるこの少年がここまで崩れるのだ、いかにこの少年が妹を思い愛していたのかが伺われる。
「なぁ…」
見かねた士郎が信哉の肩に手をやろうとしたのだが、槍兵の厳しい視線を感じるとそのまま手を引っ込める。
(今は泣かせてやれってことか…でも)
嗚咽の声が響く中、戸惑いを隠せない士郎、とわずかに信哉の雰囲気が和らいだような気がした。
「な…」
「泣くのはもういいんじゃねぇのか」
士郎が声をかけようとした矢先にランサーの声が先に重なる。
このへんのタイミングは多くの戦士たちの死を看取ってきた歴戦の戦士ならではのものだった。

「で…どうしたいんだ、てめぇは」
落ち着きを取り戻したように見える信哉に問いかけるランサー。
「とりあえず泣くのには満足したみてぇだがよ」
押し黙ったままの信哉が重い口を開く。
「知れたこと…妹の仇を討つ…それだけだ」
「そんな…」
口を挟もうとする士郎を手で制するランサー、そのまま士郎には構わず話を続ける。
「わかってるとは思うが、そりゃ茨の道だぞ」
「知れたこと、だがもう俺にはそれしかありえない」
復讐は復讐しか生み出さない、それがあの神父の狙い、断ち切れぬ負の連鎖を以って事を成さしめる。
だが分かっていても心がそれを許すことが出来ない。

644 :Spitfire(2/3) :2007/05/21(月) 13:45:27 ID:7j1bnL5b0

「ランサー殿…」
信哉が確認を取るかのようにランサーへと視線を向ける。
「今の俺はテメェのサーヴァントだ、それが答えだ」
「そうか…」
それだけを口にして信哉はようやく士郎の方へと向き直る。
「おい待てよ…お前まさか本気で」
「衛宮殿、どうか止めないでくれ」
苦渋に満ちたその声に躊躇する士郎だが、道を誤ろうとしている者をただ見送ることなどこの少年には出来るはずも無い。
しかし信哉の方が早い。
「ランサーよ、令呪において命を伝える」
信哉の左手が輝く。
「衛宮殿から宝石を奪え」
「な!」

驚く暇もなく、ランサーに組み伏せられる士郎、耳元で囁くランサー。
「なぁ頼む…大人しく宝石を渡してくれねぇか…さもないと」
聞き分けのない弟をあやすような口調に突如殺気が混じる。
「ボウズ、オメェをまた殺さなきゃならなくなる」
その声を聞いた途端、士郎はまるで心臓を刺し貫かれたような感覚に襲われた…これは脅しではなく本気で、
そしてこれはこの男なりの誠意なのだと、
だから士郎は、逆らうことなく宝石を信哉へと差し出す、値踏みするように手にした真紅の宝石を握る信哉。
思ったとおりだ…おそらく何らかの儀式の触媒として使うつもりだっただろう、凄まじき量のマナを感じる。
魔力を半ば封じ込められた状態でも、この宝石にプールされたマナを抽出すれば、
魔術の威力そのものに制限が掛けられていることを計算に入れたとしても、その補正を補うことが出来るはず。

「すまない…衛宮殿」
(俺は修羅に堕ちる…すまぬ…だからどうか衛宮殿は汚れないままでいて欲しい、ここからは俺のせめてもの置き土産だ)
「ランサーよ、令呪において命を伝える」
信哉の左手がまた輝く。
「これからは俺ではなく、衛宮殿に忠義を尽くしてくれ」
この言葉に驚かぬ者はいなかった、士郎だけではなく、ランサー本人ですらも。

645 :Spitfire(3/3) :2007/05/21(月) 13:49:23 ID:7j1bnL5b0

「お前…」
「真名をついには聞けず終いでしたが、名のある英霊とお見受けしております、ゆえにその刃を私怨で汚させることは
俺には出来ません…俺はこれから怨刀に生きて怨刀に斃れることになるでしょう、だから槍兵殿」
そこで信哉は笑う、誇らしげにだがひどく寂しく。
「真の主の下で忠義を尽くして欲しい、衛宮殿の理想を叶える手助けになって欲しい、それが俺の願いです」
もはや言葉を発する者はいなかった、ここまでの覚悟を決めた男を誰が止められるというのだ、
その果てが修羅道と知っていてなお。
「さぁ…衛宮殿」
信哉が手を差し伸べる、それが何を意味するのかは士郎にも分かる、もう士郎も何も言わなかった。
ただ無言で信哉の手を掴む、と僅かな痛みと共に左手に痣が刻まれ、そして急激な脱力感…。
「オイ大丈夫か?ボウズは半人前なんだからよ」
「いや…大丈夫だランサー」
己の魔力を持っていかれる独特の感触に戸惑いながらも、なんとか姿勢を整える士郎、
信哉の気持ちに応じるためにも、これしきで挫けるわけにはいかない。

「またな…衛宮殿」
契約の譲渡を確認するともう信哉は振り向かなかった、その背中に一言だけ何かを叫ぼうとした士郎だったが。
「それは言うな…言えばアイツはまた迷う、その果ては犬死だ…それと覚悟しておけ」
ランサーの目が光る。
「次に会うときはアイツはもはや敵だ…」

衛宮士郎
【装備:なし】
【所持品:支給品一式】
【状態:健康、令呪・残り1つ】
【思考】
 1)友人らを探す
 2)正義の味方として行動する

646 :Spitfire(3/3) :2007/05/21(月) 13:51:54 ID:tKV2zLvK0

上条伸哉
【装備:遠坂十年分の魔力入り宝石】
【所持品:支給品一式】
【状態:健康】
【思考】
 1)沙耶の仇を取る(冷静なようですが半ば自暴自棄です)
【備考】
 ※士郎の体内にあるアヴァロンの存在に気がつきました

ランサー
【装備:アロハシャツ、釣竿】
【所持品:ゲイボルク】
【状態:健康】
【思考】
 1)士郎と行動
【備考】
 ※服は任意で戦闘服、アロハに変更可能

647 :名無しさん@初回限定 :2007/05/21(月) 21:36:29 ID:qCCx25fA0

乙、ところでもう一組の予約はどうなってるんだろうね
これももうかなりの時間が経過してるから、
特にレスがなければ破棄ということになるんだろうか?

648 :名無しさん@初回限定 :2007/05/23(水) 23:47:54 ID:JTcQ++bE0

マスターが変われば消費した令呪はリセットじゃねーの?ここのロワは継続ルールなのか?
それだと、無駄にサーヴァントが参加者扱いになってややこしいとおもうが?

649 :名無しさん@初回限定 :2007/05/24(木) 05:46:05 ID:8SX5BGTw0

書き手がほとんどいないのかな?
せっかく過疎なんで少々つながりがおかしくなっても書く事ができる人が書いて盛り上げて言ったほうがよい状態だなあ

650 :名無しさん@初回限定 :2007/05/24(木) 12:21:41 ID:RrHE3IfMO

そういやずっと気になってたんだが、魔法と魔術の明確な線引はどの辺りかね?
はぴねすは基本魔法使いで、フェイトは魔術師なんだが。

651 :名無しさん@初回限定 :2007/05/24(木) 20:21:55 ID:Thlt+1tH0

>>648
すいません、その可能性を考慮してなかった&思い違いでした。
状態欄修正します。

衛宮士郎
【装備:なし】
【所持品:支給品一式】
【状態:健康、令呪・残り3つ】
【思考】
 1)友人らを探す
 2)正義の味方として行動する


>>650
Fate世界の魔術師=はぴねすの魔法使いという認識だと思う。
言葉が違うだけで。

652 :名無しさん@初回限定 :2007/05/30(水) 20:46:40 ID:4up/2ZoPO

思ったけど、時間ってあまり必要なくないか?

653 :名無しさん@初回限定 :2007/06/03(日) 14:41:41 ID:CYYwiP/aO

読むだけならな

654 :名無しさん@初回限定 :2007/06/11(月) 22:07:42 ID:GVG5tvaH0

hosyu

655 :名無しさん@初回限定 :2007/06/12(火) 22:10:21 ID:6+wWi1VH0


だから最初にやめとけって言ったんだ

656 :名無しさん@初回限定 :2007/06/14(木) 21:57:53 ID:z8xPeeJk0

やる気はあるんだよ、でも時間が

657 :名無しさん@初回限定 :2007/06/14(木) 22:50:45 ID:m1CdeTg40

時間が無いと言うか他と兼務でこっちは後回しな人が多い気がする

658 :名無しさん@初回限定 :2007/06/24(日) 12:38:56 ID:3zkJ3OPy0

保守

659 :名無しさん@初回限定 :2007/06/24(日) 15:14:17 ID:piDI5mjH0

どうすんだよこのスレ

660 :名無しさん@初回限定 :2007/07/01(日) 09:51:44 ID:zPkbxzjaO

書き手はほとんどギャルゲとか他ロワに流れてしまったからなあ……
(かくいう俺もギャルゲに鞍替えした書き手の一人なワケだが……)

いっそ、リスタートして最初からやり直すか?
参加者も40〜45人くらいにして、投票で作品と参加者(できればギャルゲや葱1とは作品とキャラがあまり被らないようにしたい)決めて……
やる以上は完結させたいから早期完結も狙えるように新ルール設けたりしてさ……



とりあえず、他の人たちの意見も聞きたいから一旦ageさせてもらう。

661 :名無しさん@初回限定 :2007/07/01(日) 16:27:53 ID:vZXdP+hA0

俺もリスタートには賛成。

葱1は1人ずつの参戦だから被ってもそんなに影響ないと思う。
ギャルゲと被らせないようにするのは賛成。ついでに葉鍵も禁止すれば他のロワとの被りが少なくて良い感じ。

あとこれは私見だけどこのロワってスタートダッシュに思いっきり失敗した印象がある。一番盛り上がる投票すっ飛ばしたしね。
とりあえずここが落ちたら
ttp://jbbs.livedoor.jp/otaku/9437/
にスレ立てて相談することを推奨する。

662 :名無しさん@初回限定 :2007/07/01(日) 18:48:40 ID:zPkbxzjaO

パロロワテスト用したらば掲示板に以下のスレを設けましたので、
リスタートの件につきましては以降は下のスレでお願い致します。

葱ロワ2リスタート企画・議論・準備スレ
ttp://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/otaku/9437/1183283030/l50

663 :名無しさん@初回限定 :2007/07/01(日) 18:54:00 ID:Q0hx7gav0

>>661
俺的には葉鍵3でも結局日の目を見れなかった岸田さん以外の鎖キャラのためにも葉鍵全面禁止は止めてほしいところだ。
鍵はプラネ、智アフ以外はギャルゲに参戦したからお腹いっぱいな感じだけど……

リスタートするなら俺としては、とらハ3やアトラク=ナクアとか全年齢化していない作品にも投票したい。
マブラヴもエクストラとオルタでキャラが違う奴が多いからリスタート後も是非……


ところで>>660、このスレもう埋めてもいいか?

664 :名無しさん@初回限定 :2007/07/01(日) 18:54:15 ID:vZXdP+hA0

乙。
過疎具合からいって毎日見に来るようなスレでも無いだろうし、人が来るまでのんびり待ちますか。

665 :名無しさん@初回限定 :2007/07/01(日) 18:57:39 ID:vZXdP+hA0

>>663
確かに全面禁止は早計だったか。葉鍵ロワに出てる・出てた作品の禁止ってことで。
個人的にはニトロの出したいな。まあこれ以上はあっちで話すか。

666 :名無しさん@初回限定 :2007/07/28(土) 00:25:30 ID:Xcho64Mw0

666

667 :名無しさん@初回限定 :2007/09/11(火) 20:48:56 ID:B5mfsi3H0

続きを書くのってアリ?

668 :名無しさん@初回限定 :2007/10/21(日) 11:23:19 ID:Sv63Ga1n0

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669 :名無しさん@初回限定 :2007/10/29(月) 06:45:09 ID:IWhy3iZY0

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670 :名無しさん@初回限定 :2007/11/20(火) 22:15:31 ID:TAxYRUfF0

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671 :名無しさん@初回限定 :2007/11/24(土) 19:17:09 ID:hW6nBFit0

ポイント制では、出会える確率が高い。登録費無料。
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672 :名無しさん@初回限定 :2008/02/21(木) 04:30:02 ID:IUXO0zJI0

【share】 シャレタマ 洒落 【winny】Part47
http://tmp7.2ch.net/test/read.cgi/download/1201606129/932

>932 :[名無し]さん(bin+cue).rar :2008/02/19(火) 22:15:05 ID:DE2tfDtP0
>[写真集][IV] 佐野 ○臣(20080218-175014)のアルバム.zip 1,328,921,035 43662699813076906c684c1d4007974065596cda
>http://ja.wikipedia.org/wiki/%E4%BD%90%E9%87%8E%E6%B3%B0%E8%87%A3
>祭りか?

http://tmp7.2ch.net/test/read.cgi/download/1201606129/933-938

http://news23.jeez.jp/img/imgnews15743.jpg
http://up2.viploader.net/pic/src/viploader584128.jpg

673 :名無しさん@初回限定 :2008/07/28(月) 20:50:42 ID:JsTdym5z0

おっと総理様の間違えで島全体の自爆キーが押されてしまいました。

【勝敗無効 全員死亡 政府関係工作員含む】

【終了】

674 :名無しさん@初回限定 :2008/12/16(火) 19:11:10 ID:+WdMQBjc0

ageてみたらどうなる?

675 :名無しさん@初回限定 :2008/12/16(火) 21:51:40 ID:Yiiy04/K0


だから最初にやめとけって言ったんだ

676 :名無しさん@初回限定 :2009/05/07(木) 16:36:34 ID:I+egSgRzO

そうですね

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