その日、僕らは運命に出会った―――
常に【sage】進行でお願いします
それはバキバキと木々が折れる音だった。
しばらくすると、ドーンと何かが地面に落ちる音がして、それから何も聞こえなくなった。
「なんでしょう、今の音?」
「……こっち」
そう言って圭が指差す方へゆっくりと歩き始めたので美智子も慌ててそれに続く。
2人が音源と思われし場所に来ると、そこには大量の折れた木々と落ち葉の中に埋もれるように倒れている鎧衣尊人がいた。
どうやら近くの斜面から勢いよく転がり落ちてきたようだ。
「け、圭さん……この人……」
「大丈夫。まだ生きてるわ」
圭はそう言って慎重に尊人に近づくと、彼の頬を数回叩いた。
「う…ん……?」
すると尊人はゆっくりと目を開いた。
「……大丈夫?」
「ん? あ。君たちが助けてくれたのかい?」
尊人は上半身をゆっくり起き上がらせると、圭と美智子に一度頭を下げた。
「助けたというより、偶然貴方があたしたちの近くに落ちてきたのよ」
「ああ、そうなの。ええと……ボクを起こしてくれたってことは、君たちは今のところ殺し合いに乗ってはいないんだよね?」
「はい。私と圭さんは瑞穂さんたちを探しているんです」
「瑞穂さん? ああ。ボクの2つ前にスタートした子だね?」
「え? ということは……」
「自己紹介がまだだったね。ボク、鎧衣尊人。デイパックに入っていた名簿だと60番だったかな?」
「尊人さんですか。私は高根美智子といいます。そして、こちらは小鳥遊圭さん」
「よろしく」
「圭……? ああ、字は違うけど彩峰と同じ名前だね。じゃあ呼ぶときは小鳥遊でいいかな?」
「ええ。構わないわ」
「――つまり尊人さんはそのワカメみたいなヘアスタイルの人に襲われたんですね?」
「うん。まさか本当に撃たれるとは思わなかったよ」
苦笑いを浮かべながら尊人はこれまでのことを2人に説明した。
「――でも尊人さん、撃たれたわりには随分と元気そうね」
尊人に対して圭がさらりと疑問を口にした。
そう。尊人の制服の上着の胸元と右わき腹には彼の証言通り撃たれた銃弾の跡がくっきりと残っている。
普通ならそれは間違いなく致命傷だ。それなのに、当の尊人はピンピンしている。疑問に思って当然だ。
「あっ。そういえば言ってなかったね。それは、ボクの支給品がコレだから」
尊人がそう言って上着を脱ぐと、その下から1着の黒っぽい地味な色をしたベストが姿を現した。
「あ。それってもしかして……」
「防弾チョッキ……」
「うん。それもかなり高性能なやつみたい」
そう言って尊人はデイパックから説明書を取り出し2人に見せた。確かに、説明書には『マグナム弾も防ぐ』と書かれていた。
「――さて。ボクも急いで武たちを探さなきゃいけないからこれで失礼するけど、もし瑞穂って子たちに会えたら伝えておくことあるかい?」
「そうですね……では、私と圭さんは一緒に行動しているのであまり心配なさらないでください、とよろしければ伝えてください」
「わかった。――あ。じゃあさ、もし美智子たちが武たちに会えたら、ボクは村か新都に行ってるって伝えておいてくれないかな?」
「わかりました」
「うん。ありがとう。それじゃあまたね」
そう言って尊人はデイパックを提げ、2人に軽く手を振るとその場を後にした。
「――では圭さん。私たちも瑞穂さんたちを探しましょうか?」
「ええ」
【時間:1日目・午後5時15分】
【場所:森林地帯】
鎧衣尊人
【装備:防弾チョッキ】
【所持品:支給品一式】
【状態:手足数箇所にかすり傷。数箇所に軽い打撲(行動に問題はない)】
【思考・行動】
1)武たちを探す
2)自身の身の安全を守る
3)瑞穂たちに会えたら伝言を伝える
小鳥遊圭
【装備:MP5(9mmパラベラム弾40/40)】
【所持品:予備マガジン(9mmパラベラム弾40発入り)×3、竹刀、支給品一式】
【状態:健康】
【思考・行動】
1)美智子と瑞穂たちを探す
2)武たちに会えたら伝言を伝える
高根美智子
【装備:なし】
【所持品:支給品一式】
【状態:健康】
【思考・行動】
1)圭と瑞穂たちを探す
2)武たちに会えたら伝言を伝える
もういっちょ回避
間桐慎二
【装備:シグ・ザウエル P228(9mmパラベラム弾9/13)】
【所持品A:予備マガジン(9mmパラベラム弾13発入り)×3、支給品一式】
【所持品B:手榴弾(×3)支給品一式】
【状態:健康。マーダー】
【思考・行動】
1)ゲームに乗る。そして優勝する(できれば魔術師、魔法使いを優先的に殺していきたい)
2)ゲームを破綻されるのを阻止する
3)利用できそうな人間がいたら構わず利用する
【備考】
※尊人を殺したと思っています
【ランダムアイテム備考】
・防弾チョッキ
銃弾の貫通を防ぐほか、金属製のプレートで着弾時の衝撃をある程度分散、緩和する身体防護服。
日本製のNIJ審査評価AAAタイプ。45口径弾(.45ACP弾)も防げる日本製の市販防弾チョッキでは最強の品で、実弾テストでは(外部に着用した場合だが)トカレフの弾も防いだ。
防刃パネルは付いていないが、ある程度の刃物は抑止できる。胸部と腹部、背中を守るが腰部は守れない。
.44マグナム弾までの弾なら防ぐことが出来る。(さすがに衝撃までは防げないが)
・MP5
正確にはMP5A4。H&K社が誇るサブマシンガンの代名詞MP5の改良型であるMP5A2のモデルチェンジ型。3バースト機構を搭載している。
目標に『当てる』事ができる命中精度を持っており、特にセミオート射撃では拳銃を上回る性能を持つ。
様々なバリエーションが存在し、日本でも90年代の終わり頃、海保の特殊部隊であるSSTがMP5A5を導入し、2002年のFIFAワールドカップの日韓同時開催に伴う警備強化を機に、警察庁がMP5Fをベースにした独自モデル(俗称MP5J)を導入している。
・竹刀
日本の武道である剣道の稽古および試合で防具に対して打突する竹でできた刀の代替品。
呼び名は、「撓(しな)う」ことに由来するという説がある。
木刀とは違い鈍器としての性能は皆無だが、突きなどで相手を悶絶させる程度には充分な武器。
>ID:CLhAW015O様
回避トンクス
投下乙
尊人の防弾チョッキはデザートイーグル.50AEやP90とか持った相手以外には強力な対抗手段になるな
竹刀で思ったけど、
士郎やアーチャーは鍋とかハリセンといったハズレアイテムや非殺傷武器も強化すれば武器として充分使うことができるんだよな
強化もある程度制限されているみたいだけど
枯れ果てた大地、朽ちた街、そこには笑顔はない。
本来ならば学舎にて青春を謳歌しなければならないはずの子供たちは皆銃を取り、絶望の戦場へと赴く。
それは彼女にとって当たり前の光景、何故なら自分もそうだったし、生まれる前からもそうだったから。
それにしても…彼女は思う。
世の中には同じ事を考える輩がいるものだ、と。
来る侵略者との戦いに備え、極限の状況に置いての身体能力、行動力、心理力を計測し、
真に優秀たる兵士を育成するためのプログラムの一環。
彼女は思い出に耽るかのように自分の肩の傷をそっとなぞる、
『大日本帝国の臣民たる諸君、真たる士を育て見出すため、君たちにはその先駆けとなってもらう』
『今から最後の1人になるまで戦ってもらう』
思い出す度に自責の念に駆られるのに、何故か思い出さずにはいられなくなるのは何故だろう?
結局、人的資源の問題から数年で中止され、この件は闇へと葬られ、語ることすら許されない出来事だというのに。
自分たちの行ったことは、生きるため泥を食み同胞たちを撃ったあの数日間は無駄ではなかったと、
せめて生き残りとしては思いたいからだろうか?
だから改めて軍に志願したのも。
(教官となって以来、戦場に立つこともなくなったけど)
それでも…周囲を見渡す、自分の住んでいた世界とは違う
緑と暖かさに満ちた世界、だがこの空気は間違いなく戦場のそれだ。
それに…もしあの神父の言葉が本当ならば…。
「先生」
彼女にとって聞き覚えのある声が聞こえるが、あえて無視をするかの様に先を急ぐ。
「どうしたんですか先生、聞こえているんでしょう?」
だが背後の声は構って離してくれない、近づかないで欲しいのに…。
「心細かったんです、白銀くんも御剣さんも、鑑さんも見つからなくって、でもこれでほっとしました」
少しだけ彼女の歩みが遅くなる、背後の人物が挙げた人名が自分の知りうる人物らとは違うと知っていてもなお。
(お願い、近寄らないでそれ以上は…でないと私は)
「私、私ですよ榊千鶴ですっ!」
焦れた口調で叫ぶと千鶴は担任を足止めすべく駆け足で追い越そうとする。
(あなたを殺さないといけなくなるから)
千鶴が行く手を阻もうと回り込んだ瞬間だった、その時には彼女の担任であって担任ではない神宮寺まりもの手に握られた拳銃が、
すでに火を噴いていた。
「なんでですかっ!?」
肩を射ち抜かれながらも気丈に言い返す千鶴…だがまりもの目を改めて見て悟る。
「違う…先生じゃない…でもそんな…」
「ええ、私も驚いているわ…でもね私の知っている榊千鶴は私のことを…」
口ぶりは余裕だがやはりまりももまた動揺していた、千鶴が自分のことを自分の知る神宮寺まりもと錯覚したように、
まりもも目の前の千鶴と自分の知る榊千鶴を重ね合わせていたのだから…せめて唯一違う点があるとすれば、
「教官と呼ぶのよ」
まりもの一瞬の動揺を見て取り走る千鶴、藪に飛び込むのと発砲は同時だった…が、まりもはもはや千鶴の死体を確認しようとはしない。
命中を確信していたこともあるが、その藪の下は崖だと知ってもいたし、それに止めを刺すことはやはり躊躇われた。
上手くはいえないが、少なくとも彼女が『榊千鶴』なのは間違いないのだから。
だが…これで確信が持てた。
これほど不可思議な出来事が目の前で起こったのだ、ならばあの話はきっと正しい、
いや、正しくなくとも賭ける価値は充分にある…そう、もはや奇跡にすがるしかない。
BETAを殲滅し、地球を取り戻すことなど…その為ならば自分はまた泥に塗れ同胞の血を流そう、だからそれまでは。
「ごめんなさい…」
そう呟いてまりもはその場を後にした。
「痛い…なんで、なんでなの?先生…」
あれからどれだけの時間が経過しただろうか?重傷を負いながらも榊千鶴は生きていた。
激痛に鈍った頭で考える…でも分からないことだらけだ。
少なくとも軍服を着用していたのには疑問はなかった、どうせ香月先生に無理やり着せられてる、そう思ってた。
でも…あれはやっぱり。
「だけど、私のこと知ってたし」
だとすると…突如として恐ろしい考えが千鶴の頭に浮かぶ。
自分たちの偽者がいるというのだろうか、と…それはある意味で正しく、ある意味で間違ってはいたが。
「知らせなきゃ…みんなに」
身体から力が抜ける…血を流しすぎた、さらに転落のダメージもある、なんとかここまで歩いてきたが、
正直我ながら生きているのが不思議なくらいだ。
「私…死ぬのかな?」
もう、そう呟くくらいしか出来そうになかった。
「心っ!心っ!どこなの心っ!」
桂言葉は森の中、大声で妹の名前を呼んでいた…少し仮眠を取る間どこにも行くなと言い聞かせていたのに…。
しかも携帯電話を残したままで…ただでさえ心細い中妹まで失ったら…いや、いけないこんなことでは、
ぶんぶんと頭を振って弱気に陥りそうになった自分を叱咤し、言葉は妹を探し続けていた。
遠くにいくつもりはなかった、ただうなされる姉を見て何かをしたいと思った。
道中、川のせせらぎの音を聞いたのを思い出し、水を汲みに出かけたのはよかったが、
「どうしよう…」
中においても暗い森は容易に方向感覚を狂わせる、見事に桂心は迷子になってしまっていた。
「うう…おねえちゃんに怒られる」
とりあえず切り株に座り込み辛抱強く姉が探しに来るのを待つ心、
以前迷子になったときあちこち動き回った挙句母に大目玉をくらったのを思い出したのだ。
それから15分、待っているのにも飽きてきた心はきょろきょろと辺りを見回す、と、何かが動いた気がした…。
「おねぇちゃん?」
その何かが動いた辺りへと向かい、藪を掻き分けると…、
そこには今や瀕死の榊千鶴が、息も絶え絶えに倒れこんでいたのだった。
「ひぃ…」
今更ながらここで殺し合いが行われているという現実を思い出す心、だが。
(心、困ってる人や苦しんでいる人がいたら助けてあげないといけませんよ)
姉の言いつけが蘇る、心は千鶴の身体をじっと見る…血まみれでとても苦しそうだ、だったら助けないといけない。
「あの…大丈夫…ですか?」
心は恐る恐る千鶴へと問いかける、当の千鶴はそのただたどしい心の言葉をぼんやりと聞いて…、
それから最後の言葉を振り絞るように呟く…、出来れば皆に直接伝えたかったが、今はもう。
「あの…伝えて欲しいことが…」
その時だった。
「心に触らないで!」
「おねえちゃん!」
心が振り向くとそこには姉の姿があった、言葉はじろりと千鶴を睨みつけると、
そのまま心の手を引いて立ち去ろうとする。
「さ、行きましょう」
「でもあの人すごく苦しそうだよ」
「いいのよ、行きましょう、お洋服が汚れるわよ」
「でも…」
尚もその場に止まろうとする心だったが、その瞬間言葉は思い切り心の頬を打った。
「いいかげんにしなさい!どれだけ心配したと思ってるの!」
「ひっ…」
それでも言い返そうとした心だったが、姉の目に光る涙を見てしまってはもう何も言えない、
そのまま引きずられるように言葉と共にその場を離れる心、もう一度だけ振り向くと、すがるような千鶴の目がただ痛くてたまらなかった。
「結局…こうなる運命だったのかな」
残された千鶴は動かない口で呟く、もう痛みはない…ただ寒くてたまらなかった、そして眠い。
「もういいわ…何もかも」
それだけを言い残し、榊千鶴は森の中で1人永遠の眠りについた。
回避
【時間:1日目午後15時30分】
【場所:森林地帯付近の草原】
神宮寺まりも
【装備:USSR スチェッキン】
【所持品:支給品一式】
【状態:通常】
【思考】
1:勝利し聖杯にBETAを倒してもらう。
【時間:1日目午後16時00分】
桂言葉
【場所:森林地帯】
【所持品:携帯電話(多分FOMA)、支給品(未開封)】
【状態:精神的に不安定】
【思考】
1:妹を守る
桂心
【場所:森林地帯】
【所持品:携帯電話(多分FOMA)、支給品(未開封)】
【状態:通常、ただし姉に違和感】
【思考】
1:姉と一緒に
【榊千鶴 死亡 残り57人】
一方、早足で森の中を進む言葉と心。
「おねえちゃん痛いよ、手が痛いよ」
固く握られたままの手の痛みを訴える心だが、言葉には届いていないようだ、代わりに返ってくるのは、
「心はお姉ちゃんが絶対に守ってあげるから、だからお姉ちゃんの言うことちゃんと聞きなさい、ねぇ分かったねぇ」
そんな確認とも脅迫ともとれない訴え…心は姉の姿に初めて恐怖を感じていた。
【時間:1日目午後15時30分】
【場所:森林地帯付近の草原】
神宮寺まりも
【装備:USSR スチェッキン】
【所持品:支給品一式】
【状態:通常】
【思考】
1:勝利し聖杯にBETAを倒してもらう。
【時間:1日目午後16時00分】
桂言葉
【場所:森林地帯】
【所持品:携帯電話(多分FOMA)、支給品(未開封)】
【状態:精神的に不安定】
【思考】
1:妹を守る
桂心
【場所:森林地帯】
【所持品:携帯電話(多分FOMA)、支給品(未開封)】
【状態:通常、ただし姉に違和感】
【思考】
1:姉と一緒に
【榊千鶴 死亡 残り57人】
ふと思ったのだが支給品のサーヴァントって、魔術師以外の手に渡ってたら、
やっぱり魔力供給はほぼ0なんだろうか?
車のガソリン宜しく、もともとサーヴァント自身が貯めてるのはあるだろうけど。
梶浦緋紗子、上岡由佳里で予約
他人の霊力を奪って維持するって方法もあるから
でも今回に関しては一般人でも最低限存在を維持するだけの魔力供給は出来るんじゃないだろうか?
その分能力もガタ落ちだろうけど
う〜ん、どうだろう?
きのこの公式だと一般人でも魔術回路持っているやつは持っているみたいだし……
―――ってオイ、まりもちゃんwww
すまん。ついageてしまった……orz
まりもちゃんの支給された銃を勝手に調べてみた
・USSR スチェッキン
前線下士官や特殊部隊向けにソビエト軍が1951年に制式採用した機関拳銃。
毎分750発の連続発射が可能ながら、レートリデューサーのお陰で連射時のコントロールが難しくない。
とは云え、さすがに片手保持での連射は容易ではないらしくホルスター兼用のストックが付属している。
70年代に入ってからは第一線部隊から引き上げられ、現在はロシア警察や内務省の治安維持部隊が使用している。
使用弾は9mmマカレフ弾。装弾数は20発。
今回まりもちゃんが千鶴に2発撃ったので残りは18発。
ところで参加者に幽霊がいるんだけど、それはどうするんだ?
ちゃんとログ見たか?
了解
小日向雄真、小渕みなみ、遠坂凛で予約します
オルタ世界から参戦のまりもちゃん……
――いかん、死ぬ時はグロい殺され方するんだろうなあと思ってしまう……w
まりもちゃんリピーターみたいだし、一般人(異能力未保有者)参加者だと間違いなく最強じゃね?w
まあ、それはそれで展開的に面白いがw
02/厳島貴子、29/三枝由紀香、48/柊杏璃で予約
【残りの未行動・未予約キャラ】
04/イリヤスフィール・フォン・アインツベルン 08/織倉楓 18/神代巽 47/巴雪乃
49/氷室鐘 54/御門まりや 57/御剣冥夜 59/森来実 61/柳洞一成 62/渡良瀬準
まりもちゃんはロワ経験者という意味でのリピーターであって
聖杯戦争のリピーターではないよね、当然ながら
でもオルタ世界だとロワみたいなこと実際やってそうだな
スパロワみたいに戦術機でバトロってたのかね?w
んなわきゃねーかwww
さて、スレの残り容量が半分になったことだし、
そろそろ『まとめWiki』もしくは『まとめサイト』をどうするかの議論に入ろうか?
俺的には最初作るなら誰でも更新、修正が可能で尚且つバックアップ機能もあるWikiのほうがいいと思う
携帯専用エロアニメ探し
http://yuucom.mh3.mp7.jp/55/
俺も編集他色々勝手が良いWikiに一票。
それと白銀武(純夏合流orいぬかみっ!モード)と間桐桜(“HF・Normal”ED後or藤村先生と一緒)が2ルートあるわけだけど、
こっちはどうする?今のところシュレーディンガーの猫状態でどっちが本筋になるかは分からないからどっちもでFA?
俺もWikiのほうがいいと思う
んでもって、背景はやはり黒?
>>330
とりあえずこれまでの作品は全部残しておくべきかと
アナザーにするか別ルート化するかは後々決まるだろうし
武の場合はアーチャーのからみで小雪の行動にも関係してくるから
早めに明確にしておいた方がいいかも
今Wiki借りた
これから作る
>>334
ガンガレ。超ガンガレ
>>336
乙!
そしてGJ!!
Wikiも作って一安心したところで
武と桜はどちらをメインルートとするか決めようか
俺は武は純夏合流、桜は藤ねえと一緒ルートがいい……
とりあえず一子&タマちゃん組まで本文掲載しときました。
誤字脱字は訂正が挙がっていた分だけしてあります。
あと本編目次欄がなんだかおかしなことになっているので修正お願いします。(バックアップの戻す機能が使えないので
>>338
俺も武は純夏合流で、桜は…今のところノーコメントで
それでは以下、梶浦緋紗子、上岡由佳里を投下します。
「どうしてこんなことになっちゃったのかしら」
梶浦緋紗子(10番)は溜息交じりにそんなことを漏らしながら、ふと立ち止まった。
記憶が間違いでなければ、昨日まで普通に教壇で弁を揮うただの一教師だったはずだ。
それが突然こんなところに放り込まれて、戦争の真似事のようなことをやらされている。それも教え子たち共々―である。
最初に気がついた時、あの聖堂には聖應の制服を着た生徒が幾人かいた。
呼ばれるまでの間、一通り生徒たちを確認してみたが、季節はずれの夏服を着た子以外、よく見知った相手ばかりであった。
何故か集められていた生徒が自分の担任クラスの生徒の一人であり、聖應女学院第72代エルダーシスターである宮小路瑞穂と、
その取り巻きにいる生徒たちばかりであることに緋紗子は疑問を持ったが、深く考えている場合ではないだろう。
正直、悪い夢か何かだと思いたい。
だけど、脇に抱えたコレの鉄特有の冷たさ、脚を擦る草の感触、森林地帯特有のひんやりとした空気、
それら全てがこれが夢ではなく現実であることを如実に物語っていた。
「こうしていても仕方ないわね。とにかく厳島さんを探さなくちゃ…」
気を入れなおしながら、緋紗子はまた歩き出した。
呼ばれたのが比較的早かったこともあって、緋紗子より前にスタートした聖應女学院の生徒は2番の厳島貴子ただ一人。
貴子は余りにも突然の事態に困惑し、動揺していたのだろう、それは聖堂から逃げ出すように出て行った様子からも分かる。
一人にしておくのはどう見ても危険だった。
緋紗子の目的は一刻も早い教え子たち全員と合流し、この狂気じみたゲームに乗ってしまった者から護る事。
それが教師として、また聖職者の端くれとして自分が為さなくてはならないことだと緋紗子は考えていた。
幸い、支給された武器は襲撃者たちから身を守るものとしてはアタリといってもいいものであった。
「本当はこんなものには頼りたくないんだけど…仕方ないわね」
そう言って緋紗子は小脇に抱えた短機関銃“ウージー”に目をやった。
コレを使うことに抵抗が無いわけではないが、いざというときに頼りになるのは事実だ。
もし襲撃者と遭遇するあっても簡単にやられるということは無いはずだ。最悪、生徒が逃げる時間を稼ぐぐらいは出来るだろう。
そうなったときにはほぼ間違いなく自分は…
「…ダメね。こんなこと考えちゃ……あら?」
嫌な考えを振り払うように首を振った次の瞬間足を止めた。一瞬、木陰の隙間から見慣れた聖應の制服が見えた気がしたからだ。
「厳島…さん?」
「…その声、先生?」
聞こえてきた声は貴子のそれとは別の、それでも聞き覚えのある声だった。
聖堂にいた顔ぶれと声を瞬時に結びつけた緋紗子は木陰の向こうにいるであろうその子に声をかける。
「その声は…由佳里さんね」
上岡由佳里―、瑞穂と同じ学園寮で生活している子でB組の御門まりやの妹分の子だ。
緋紗子より後に出たはずだが、貴子を探してうろついている間に追いつかれてしまったのだろう。
順番が変わってしまったが、由佳里もまた護る対象であることに変わりは無い。
緋紗子は肩から提げていたウージーを足元に置くと、一歩、また一歩と木陰へと歩を進めた。
聞こえてくる由佳里の声は震えていて、聖堂から駆け出していったときの貴子と同じ危うさを秘めていた。下手な刺激は逆効果になりえない。
「安心して由佳里さん、私と一緒なら大丈夫よ」
緋紗子は努めて冷静に、いつもどおりの声音で声をかけ続けた。
「…先生、わたしダメなんです」
「…?何がダメなの?由佳里さん」
突然訳の分からないことを言い出す由佳里に緋紗子は内心首を傾げたが、恐怖でちゃんと物事が考えられないのだろうとアタリをつけて自分を納得させた。
「とにかくわたしってダメなんです。特にコレといって取得もないし、サスペンスドラマだとわたしが良いと思う人は真っ先に死んじゃうし、
寮で対戦ゲームをするとまりやお姉さまどころか奏ちゃんにまで瞬殺されちゃうし、いつもそうなんです。真っ先にやられちゃう運命なんです」
由佳里の言葉に緋紗子は自身の考えが間違っていないことを確信した、由佳里は恐怖の余り、今の現実をドラマやゲームと混同してしまっているのだ。
「大丈夫よ由佳里さん、先生が護ってあげ……」
そう声をかけながら視界をふさぐ木の枝を払い除けた緋紗子は、目の前の光景に思わず目を見張った。
由佳里が回転式拳銃を構えていた。他でもない、緋紗子に狙いを定めた状態で…
「…わたし、もう真っ平ごめんなんです。死ぬのも、真っ先にやられるのも…」
銃を構える由佳里の目は狂気じみていて、緋紗子は由佳里が既に壊れてしまったということを刹那に悟った。
だが、今の緋紗子にはそれ以上の行動をとる事が出来なかった。
「だから先生、わたしの代わりに最初に死んでください」
そんな由佳里の声と共に、刑事ドラマなんかで制服警官が持っている銃と全く同じそれの引き金が引かれ…次の瞬間、自分の胸から血が噴き出すのをはっきりと見た。
全身から一気に力が抜け、緋紗子の身体はその場に崩れ落ちた。
(ごめんなさい瑞穂君…私、由佳里さんを救えなかった…聖職者、失格…ね……しお…私も…もうすぐ…そっ…ち…に……)
遠くなっていく意識の中、緋紗子はついこの間永久の別れをしたばかりの親友が優しく微笑みかけてくれる姿を見たような気がした。
「あはは、やった、やりましたよまりやお姉さま! わたし最初じゃありませんよ! あは、あははは、あはははははははは…」
由佳里は落ちていたウージーと緋紗子のディバッグを拾いあげると狂気に満ちた笑いを漏らしながら森の奥へと消えていった。
その顔にかつて瑞穂に快活な印象を与えた面影は微塵も残ってはいなかった。
【時間:1日目午後14時10分】
【場所:森林地帯】
上岡由佳里
【装備:ニューナンブM60(.38スペシャル弾4/5発) ウージー(9mmパラベラム弾50/50)】
【所持品:支給品一式×2 予備マガジン(9mmパラベラム弾50/50)×3】
【状態:健康 精神に異常】
【思考】
1:とにかく死なない
2:誰であろうと容赦なく倒す
【梶浦緋紗子 死亡 残り56人】
【武器詳細】
・ウージー
イスラエルのIMI(イスラエル・ミリタリー・インダストリーズ)社製の短機関銃。
イスラエル初の国産兵器として1951年に陸軍中佐ウジール・ガルが完成させ、1953年に量産開始。
砂漠戦闘を意識し、発射機構には構造が簡易なオープンボルトファイヤー方式を採用、本体にはプレススティールを多用し、高い信頼性と生産性を実現している。
全長は47センチとコンパクトだが重量は約4kgもあるため、その重量のおかげで却ってフルオート射撃中のコントロールが容易である。
使用弾薬は一般的な9mmパラベラム弾だが、.45ACP弾を使用するモデルもある。装弾数はマガジンによって20、25、32、50発がある。
・ニューナンブM60
ミネベア(旧新中央工業)社製.38口径回転式拳銃。日本国製。
日本の警察官や旧国鉄公安職員(鉄道公安官)、海上保安官等が使用する制式けん銃。
1951年頃に開発を開始し、1960年、警察庁に採用されたことから名称に"M60"が付いている。
S&W社製M36リボルバーを参考に開発されたといわれるが、使用実包.38スペシャル×5連発は同じながらニューナンブM60の方が銃全体サイズは一回り大きい。
御剣冥夜で予約します
やっぱ下着兵は駄目だったか……まぁ、賑やかしにはなったからそれはそれで良し。
そういえば、『下着兵が夢に出た』って同人が以前あったなw
>>345
作者さんですか?
あの話には笑い転げさせてもらいました。GJでした。
これからもよろしくお願いします。
イリヤスフィール・フォン・アインツベルンで予約です。
「ぐおおおっ!がはっ!がはっ!」
公園のベンチでのたうつ御剣冥夜、足元に転がるのは食べかけの缶詰、さては毒か?
「お…おのれっ…おおおおっ…」
息も絶え絶えの姿で水飲み場までたどり着き、貪るように口を濯ぐ冥夜、ようやく口の中の痛みと熱さが退いていく。
「な、なんと辛い麻婆豆腐だ…このような物、人の食するものではない!」
路上にひっくり返った缶詰を憎々しげに眺め、吐き捨てる冥夜。
腹が減っては戦は出来ぬとばかりに、落ち着ける間にまずは一食と思ったのだが最初で躓いた、
恐る恐るディバックの中に目をやる冥夜、中にはまだ食料が数日分入っていたが…。
「全部麻婆豆腐ではないだろうな」
だとすれば戦う前から敗北は必至である…、まさか。
「戦う前から我らの戦意を削ぐ、その布石か…だがこのような幼稚な手には乗らぬぞ」
真相は単に管理者の趣味+親切なのだが、冥夜にはそのようなことは及びもつかない。
ともかく拳を握り締め、いけ好かない神父を打倒することを改めて誓う冥夜だったが、そこで手がぬるりとする感触、
見ると手が切れている、どうやら缶の切れ端で切ってしまったようだ。
水で洗い流してもじわりと血が滲んでくる、傷は浅いが広範囲に薄く切れている。
「何か無いか…」
ハンカチを血で汚したくはなかったので代わりの物を探してがさがさとディバックを漁る冥夜、奥に何か棒のようなものがある。
これが武器か?訝しげにそれを握った瞬間、周囲はまばゆいばかりの光で包まれ、
その中で詠唱と同時に冥夜の身に纏う服が変化していく。
「魔法少女カレイドメイヤーここに爆誕っ!愛と正義の名の下に断罪の剣で悪を両断しちゃいますっ!」
光が収まるとそこにはフリル振り振りのロリータ風魔法少女なコスチュームに身を包んだ冥夜がいた。
何の疑問も感じずに、ポーズをとる冥夜、だが…魔法の効果はそれほど長くない。
「なっ、な、なぁ〜〜〜っ」
案の定数秒後には冥夜は己の姿に悲鳴を上げるのだった。
「なるほど…話は了解した」
目の前でひらひらと舞うステッキを睨む冥夜。
「わかってくれましたか、なら話は早いですっ!早速魔法の力でもってっ」
冥夜の視線の意味を理解していないのか、それともあえて無視しているのか明後日の方へ話を持っていこうとする、
ルビーちゃんだったが、それを許す御剣冥夜ではない。
「たわけっ!、こちらの主張はただ1つだけだっ!戻せっ!今すぐ元に戻すのだっ!さもないとっ!」
カレイドステッキをぶんぶんと振り回し脅迫する冥夜、だが返答は無情だった。
「それがですね…どうやらこの地にはかなり強力な呪縛結界が施されているようでして…
そのお陰でダウンロードが異常終了しちゃいまして、そのつまり契約が切れるまではその姿で…」
「こっこっこっ、このたわけがっ!切れッ!今すぐ切れっ!契約を」
「そうしたいのはやまやまなんですけど、契約の解除は不可能でして、しかも先ほどの通りダウンロードが不完全な絡みで
しばらくその姿でガマンしていただく他は」
「貴様!いやしくも御剣財閥次期当主たる私に、このような恥ずかしい姿で往来を闊歩しろというのかっ!
そこに直れっ!鉄槌を下してくれる」
へらへらと耳障りな言葉を吐くステッキを成敗せんと拳を振りかざすカレイドメイヤー、いや冥夜だが、
カレイドステッキは言葉と同じくへらへらと宙を舞い、冥夜の鉄拳はことごとく空を切るのだった。
「お主…さっきそうしたいのはやまやまと言ったな…つまり少なくとも責任は感じているわけだな、ルビーとやら」
不毛な追いかけっこが一段落し、息を整えながらルビーに問いかける冥夜。
「はいですよ、私にもかのゼルレッチが造りし魔術礼装としてのプライドがありますから、このような中途半端な魔法少女など
私の美学に反しちゃいますっ」
責任は感じてそうだが、口調がやけに楽しそうなのは気のせいか?
「しかし契約の解除だけは出来ないのです、方法があるとするならば」
「あるとするならば」
息を呑む冥夜、契約というからにはなにか困難な行動を為さねばならないのだろうか?
(金で解決できれば…いやそれはいかんな)
「私が他の誰かと契約すれば、その時点で冥夜ちゃんとの契約が上書きされて結果、契約が解除されるはずです」
やや拍子抜けする冥夜、その程度でいいのならば…が。
「なんだ方法ならあるではないか…なら早速…」
そこで冥夜は重大な問題に気が付いた、たしかに行為自体は簡単だが…しかし。
「お主のような動く災厄を他人に押し付けなければならないというのかっ!」
「もー災厄だなんてひどいですっ!ルビーちゃんはご立腹ですよっ!」
「ご立腹はこっちの言葉だ!それにこんな恥ずかしい服を着た女子の話すことなど誰が信じるのだっ!」
確かにその通りだった、ただでさえこんな状況の中、だれがこんな与太話に付き合ってくれるというのか、
まして生きた証拠があるのだから余計に性質がわるい…しかし誇り高き彼女にはこれ以上この恥辱には耐えられそうにない。
「それしか…方法は…ないのか」
血を吐くようなうめきをあげてルビーを睨みつける冥夜。
「お気持ちは承知しますけど、これも魔法少女の輪が広がると思えば問題ナッシングですっ」
「それが問題だと言っているっ!」
傍若無人に羽ばたくルビーを追い掛け回す冥夜、
服を着替えればそれで解決するという考えは何故か完全に消失していた。
回避
【時間:1日目午後17時00分】
【場所:公園】
御剣冥夜(カレイドメイヤー)
【装備:カレイドステッキ】
【所持品:支給品一式】
【状態:健康】
【思考】
1:良心が痛むがカレイドステッキを誰かに押しつける
カレイドステッキについて
能力ダウンロードができなくなっています(所有者の魔力にも関係?)
そのため単に魔法少女に変身するだけのアイテムに成り下がっています。
大量のマーボー缶を前にくず折れる柳堂イッセー君を幻視した。
支給される食料パンだけじゃなかったのか
とにかく投下乙
しかしカレイドステッキ、最近パロロワで大活躍だなw
(――嫌だ。死ぬなんて、殺すなんて、恐ろしい。まっぴらだ。まだまだ、やりたいことがいっぱいあるのに!)
小渕みなみ(7番)は走っていた。
仲間を――普段からつるんでいた加藤乙女たちを探すためだ。
恐怖で何度も気がふれそうになった。
しかし、そのたびに乙女たちがきっとなんとかしてくれると自身に暗示をかけることでここまで耐え抜いてきた。
(――そうだ。乙女たちと合流できれば、きっとこんなクソゲームを抜け出す方法だって見つかる! 現に今までだって4人でそうやってきたじゃない……!)
所詮自分も1人では何も出来ない愚かな存在なんだな、と心の奥底で改めて痛感しながらみなみは走り続けた。
自身に支給された変わったデザインのバタフライナイフを握り締めながら。
◇ ◆ ◇ ◆ ◇
「――まずは銃だな」
森を歩きながら小日向雄真が最初に考えたことがそれだった。
自身に支給された日本刀、皆琉神威は参加者に支給された武器の中では確かに強い部類に入るだろう。
しかし、相手に近づかなければ攻撃ができない――つまり射程が短いという欠点がある。
そのため、これから先銃器を持ったものを相手にしていくためにはどうしても同じような銃器が必要だった。
(――といっても、そう簡単に手に入らないだろうしなあ……)
こうなったら、殺し合いに乗っておらず、なおかつ銃を持っている参加者と出会い次第だまし討ちして片っ端から奪っていくか、などと考えていると、ふと誰かの足音が聞こえてきた。
「? 誰だいったい?」
とりあえず雄真は近くの茂みに身を隠すことにした。
◇ ◆ ◇ ◆ ◇
――小渕みなみは未だ走り続けていた。
仲間たちを探すために。
「乙女、夏美、来実……いったいどこにいるのよ……1人は嫌だよ……」
そんなことを呟きながらしばらく走っていると、先の道筋に何かが転がっていることに気がついた。
「な…何……?」
恐る恐るそれに近づいてよく見てみる。
それは結構大きいものだった。下手したら自分以上の大きさかもしれなかった。
――それは榊千鶴(30番)の亡骸だった。
(――なあんだ……ただの女の子か。そう、ただのメガネで三つ編みをした女の子だ。ピクリとも動かないし、息もしてない。
あ。しかも身体中が真っ赤だ。――ああ、そうか。きっと誰かに殺されたんだね、うん。こんな島だもん。当然といえば当然よね―――ってふぇっ!?)
ちょ……ちょっと待って? ってことは、この子は……いや、コレは………
「しししししししたしたしたしたいしたいしたい死体死体死体−――ー!?」
身体中がガクガクと震えだす。震えが止まらない。
「こここここの子……しししし死んでる、死んでるしんでるしんでるしんで…………
――いやああああああああああああああああ!!」
悲鳴をあげ、みなみはまた走り出した。
ただ遠くへ――目の前の現実から逃れるために――――
◇ ◆ ◇ ◆ ◇
「――なんだったんだあいつ?」
目の前を走り去っていった少女――小渕みなみの背中を不思議そうに眺めながら、小日向雄真は茂みの中から姿を現した。
「見たところ殺し合いに乗っているようには見えなかったけど……まあ、ほっとくか。別に俺には関係ないし、ああいう奴はこの先そう長くはないだろうし……」
雄真はみなみが走ってきた方へと目を向ける。
「――むこうに何かあるのかな?」
そう呟くと雄真はその方向へと歩き始めた。
「――ああ、なるほど。そういうわけか……」
少し歩いたところで雄真は榊千鶴の亡骸を発見した。
死んでからまだ1時間もたっていないのだろう。それからはまだ死臭もしなかった。
――別に恐怖は感じなかった。
ただ、人間も簡単にこうなるんだな、ということを改めて思い知った。
雄真は千鶴の亡骸を一瞥すると今度は周辺を見渡した。
すると、思ったとおり、近くに千鶴のものと思われるデイパックが落ちていた。
「食料と水だけでもあったら貰っとくかな……」
そう言ってデイパックを開帳する。
「ん?」
すると、意外なものがその中から出てきた。
それは雄真が先ほどから欲しいと思っていたもの――銃だった。
しかも予備マガジン付きだ。
(なんだ? 殺した奴は奪っていかなかったのか? 随分と変わった奴だな……)
そう思いながら雄真はその銃――グロック19とマガジンをポケットに仕舞い込み、さらには水と食料を自分のデイパックに移し換えると、もう一度千鶴の亡骸を一瞥した。
「墓荒しみたいな真似して悪かったな。でも、こっちも死ぬわけにはいかないんだ。だから、こいつは遠慮なく使わせてもらう。
――それと、全て片付いたら俺が絶対にみんな生き返らせてやるから、それまでゆっくり休んでろ……」
そう吐き捨てると、雄真は再び森の奥へと歩いて行った。
◇ ◆ ◇ ◆ ◇
――小渕みなみは走り続ける。
終わりなき現実からの逃走劇を1人黙々と続けていた。
どこへ行くのか、どこまで走るのかなど彼女自身も判らなかった。
ただ逃げて逃げて、逃げ続けるだけしか出来なかった。
「夢だ……これは悪い夢だ……そうだよ。きっと目が覚めたらいつもの朝みたいにベッドの上で……それで……」
――それから先の言葉が彼女の口から語られることはなかった。
なぜなら次の瞬間、彼女の耳にダァンという聞きなれない音が聞こえ、彼女の声も思考も突然途切れたからだ。
最後にみなみの視界に映ったもの。
それは自分の方に銃口を向ける1人の見知らぬ少女の姿だった。
◇ ◆ ◇ ◆ ◇
「やっと1人か……やれやれ、敵を探すのも一苦労だわ……」
みなみの死体にゆっくりと歩み寄る1人の少女――遠坂凛(46番)。
銃という彼女には馴染みのない支給武器に少し戸惑いつつも、まずは落ち着いて1人目の敵を撃破することができた。
(いや、こういう場合は『敵』と言うべきなのかは正直微妙であるが…………)
「ま。たとえどんなルールになろうとも、参加者が何人いようとも、それのほとんどが一般人だろうと関係ないわ。聖杯戦争である以上、倒すべき敵は倒すだけよ……」
右手に支給された銃――デザートイーグルを構え、みなみの支給品であるナイフとデイパックを手に取ると、凛は次なる標的を求めて歩き出した。
特に聖杯で叶えたい願いもなく、ただ『魔術師の名門である遠坂家の人間である以上聖杯戦争に勝ち残るのは必然である』というそれだけの一念で――――
【時間:1日目・午後16時40分】
【場所:森の中】
小日向雄真
【装備:グロッグ19(9mmパラベラム弾17/17)、皆琉神威】
【所持品:予備マガジン(9mmパラベラム弾17発入り)×3、支給品一式(水、食料のみ2人分)】
【状態:健康。マーダー】
【思考】
1)優勝して聖杯で全参加者を生き返らせる
遠坂凛
【装備:デザートイーグル(.50AE弾6/7)、バタフライナイフ】
【所持品A:予備マガジン(.50AE弾7発入り)×3、支給品一式】
【所持品B:支給品一式】
【状態:健康。マーダー】
【思考】
1)とりあえず他の参加者を全員倒して優勝する
【小渕みなみ 死亡 残り55人】
【武器詳細】
・グロッグ19
1988年に登場した、グロック17のコンパクトモデル。
グロック17を全体的にコンパクトに収め、ユーザーからの要望を基に細かい修正が加わったグロック第2世代の銃。
ニューヨーク市警(NYPD)に警官用として4万挺が導入された他、ドイツのGSG9にも採用され、国連では保安要員用の拳銃として使用されている。
・デザートイーグル
アメリカのマグナムリサーチ社が開発し、イスラエルのIMI社が生産している世界有数の大口径自動拳銃。
1985年にリボルバー用の.357Magnum弾が発射できる自動拳銃として発表されたが、動作不良が多く評判はさっぱりだった。
しかし、改良が加えられ.44Magnumモデルが登場した辺りで人気が出始め、91年には大口径の.50AE弾モデルが発表され、マグナムピストルとして確固たる位置を築いた。
本来は熊などの狩猟用を目的とした銃だけに射撃時の反動は凄まじく、女子供が撃つと肩の骨が外れるほどの威力と巷で噂されているが、これはフィクションなどの影響によるデマである。
射撃時の反動は確かに大きいが、同じ弾薬を使用するリボルバーに比べれば扱いやすい。現実には射撃姿勢や扱い方に注意を払えば、一般的な体格の人間なら撃つことはたやすい。
通称「ハンドキャノン」。
・バタフライナイフ
刃を納める方法、可動部のシンプルな構造による強度等により、ツールとして安全で優れた機能を持っているナイフ。
主催者がウケでも狙ったのか、アニメ『真月譚 月姫』に登場した『七夜のナイフ』を模したデザインをしている。
凛が少し非情すぎる気がする、ランサーに刺し殺された士郎を蘇らせたように
非情になりきれない甘さが凛の魅力だと思うので
すまん。一つ聞きたいんだが、ゲーム開催時の季節ってどんなもんだろうか?
ちょっとひっかかって。
特に決めてはいないはずだがおとボク組は冬服のようだな。
季節によっては日没&日の出の時刻がかなり変わるから決めておいたほうがいいかもしれない
夏、とかになると聖杯戦争関係者にも大きく影響してくるな……
そもそも連中にとってこそ一番の例外なんだろうし。
と、言うかイリヤがバー作連れてない時点で完全に想定外なんだろうね。
……後、実は俺、fateとマヴラヴ以外の三つはやった事無いんだ。
一応、その内プレイしてみる積もりだが今現在は、他の書き手の人に任せるしか無い現状。
じゃあ、取り合えずはぴねすスレ覗いて来る。ノ
はぴねす!、おとボクはアニメ見ても大体内容は把握できる
はぴねす!はようつべで全話と準OVA見れるはずだから一度見てみたらどう?
じゃあ、見てくるよ。情報提供どうもありがとう。
>>363-365
ロワが行なわれている島の季節は秋〜初冬くらいかなと俺は思ってる
渡良瀬準で予約
>>362
同意、たとえ聖杯戦争であっても一般人に手を出せる性格はしてないと思う>凛
敵には容赦しないのは当然だけど、それでも非情になりきれない+うっかりが
あってこその凛だと思う
うん。本当はマーダーなのにマーダーキラーしちゃっているって感じ>凛
そして、うっかり
まぁ、味方としては扱いにくいキャラなのは間違いないな。
相対的に、参加者の能力が常人並みに近いこのロワでは特に。
FFDQ3rdのサラマンダーが、凛に大注目している悪寒…!
アニロワの凛と違ってこっちの凛は扱いが本当に難しいな
そういえば、雄真は魔法使いとしての素質(型月でいう魔術回路の数)ははぴねす!の同年代のキャラたちの中で一番高いんだっけ?
サーヴァントの魔力供給源にはぴったりか?
『汝、何を望むか』を投下した者です。
>>362、>>370、>>372の意見を参考に
後半部を修正した別物を後で投下しようと思っているのですが、よろしいでしょうか?
それと『汝、何を望むか』はNG(アナザー)行きでお願いします
投下したいと心の中で思ったならッ! その時既に行動は終わっているんだッ!
というわけで、投下待ってるよー(オイ
>>『汝、何を望むか』を投下した者です。
後、sage進行に注意されたし。
あああー、凛もそうだがイリヤも難しいよバーロ!!
イリヤはバーサーカーあってのイリヤというイメージが強いから
イリヤ単体で出来ることって?言われると魔眼くらいしか思いつかない
凛はガンドと中国拳法があるけど
イリヤスフィール・フォン・アインツベルン(4番)は、奇妙な脱力感を胸に教会から少し離れた場所の木陰に座り込んでいた。
思うことは彼女自身驚くほど少なかった。それは例えばバーサーカーと言う名前であり、キリツグと言う名前であり、
アインツベルンと言う、自らに科せられた家名の重さであった。
最後のそれは聖杯戦争を知る者であれば、誰であっても知るだろう名である。
この殺戮の宴の発端を作り出した魔術師の一門であり、そうであるからには勝利を目指して万全を期するのが彼らの当然であった。
その筈であった。
少女は己の余りに矮小で貧弱な体躯を呪った。バーサーカー、とは言わなくともリズぐらいの体力があれば良かったのに、と思う。
こと、ここに居たってはそんな事は無為な妄想に過ぎまいが。
イリヤは元々聖杯となる為だけに培養された存在である。
二人と一人のしもべが居なければ、本来予期していた聖杯戦争でさえ勝ち抜く事は不可能であろう。
彼女は今や、彼女の存在なぞ要らぬ、とでも言いたげなこの島において、人間未満のひ弱な娘でしかなかった。
それは脱力と同時に、一時ながらもこの冬のような娘を一切の柵から解き放ってもいた。
要するに、彼女は何をして良いのか分からなくなっていた。
そしてイリヤには、二面性がある。
とは言え、その一面において精神の殆どすべてを支えていたとも言ってよい者達との別れは彼女には余りに酷であった。
空には太陽がある。地面には草がある。少女は木に寄りかかっている。
支給品と言われたバックの中身は拡声器であった。こんな物で何をすれば良いと言うのか。
そして、目立つ筈の自分は何故、今も誰にも見つからないままでいるのか。
冬だと言うならば、せめて枯れ果ててしまえば良いというのに。
世の中の全てから見捨てられたような気さえしていた。
「シロウ」
そう、口の上で転がした名前は彼女の父の義理の息子の名であった。
但し、それは希望を与えはしない。母を見捨てた男の息子。憎んでさえいた名前である。
余りに無力となった己が、今更どの面を下げて会いに行けばいいと言うのか。
無数の疑問が浮かぶ。消える。また浮かんで、また消える。
彼女の不幸は有り余る知識を持ちながら、余りにも無力であった事に違いあるまい。
心の強さが肉体を規定する、とは良く言われる言葉であるが肉体の強さもまた精神を規定しうるのではあるまいか?
立ち上がるのさえ億劫に感じられる。……遠い、昔を思い出した。
余り多くは語るまい。
ややあって漸く気持ちに区切りを付けて、彼女は支給品が詰っている所のバックを空けた。
その顔が、驚きの一色に染まる。
「これ……まさか、キリツグの?」
見覚えのある刻印の刻まれた、古ぼけた奇妙な拳銃と大きな弾。
それは、彼女の実父が使用していたトンプソン・コンテンダーに違いなかった。
不活性となり輝きを失ったとは言え、母から伝え聞いた事のある印は見間違えようも無い。
魔術師殺しの死の指先が、そこにはあった。
「……」
何を思ったか。
雪の少女はそれを手にしたままで立ち尽くしていたが、ややあって、それが己の生存率を下げると承知の上で、
拳銃に弾丸を、銃口を空に、引き金を引き、号砲を鳴らした。
単発式、高精度、高威力と言う現在の拳銃の常識からすれば、
時代遅れ、さもなければ異形なそれはイリヤの実父を端的に示す象徴ではあったが、
本来ならばライフルで使用すべき弾丸を用いる事からしてこの少女の腕には余るに違いあるまい。
だが、決意は決まった。それへの代価なら、多少の危険など安いものだと言い聞かせる。
目指すのは、さしあたっては殺し合いと言う荒野。脱出の目処などは勿論無く、生き残る確立とて61分の一と言う大博打の舞台だ。
イリヤの頭の中では、彼女の実父はニッポンのヤクザ・マフィアかその殺し屋と言うイメージばかりであったので、
それは主に、サラシなど巻いた剃り込み兄貴がサイコロを振る場面にイメージされていた。
「シロウ」
と、もう一度その名前を転がした。
弟に会いに行ってやる、と半ばヤケクソ気味『だった』思考の中でそれだけが変わらなかった。
それでも父の事は嫌いなままだ。好きになれるような要素を知らないのだから。
だが、シロウ、と言う赤毛の弟の名は違う。それは血と言うもののせいだろうか?
キリツグ・エミヤ。シロウ・エミヤ。
二人の人間の名前を胸に収め、イリヤは歩き出した。
【時間:1日目・午後12時49分】
【場所:教会近くの木陰。但し、移動開始】
イリヤスフィール・フォン・アインツベルン
【装備:衛宮切継のトンプソン・コンテンダー】
【所持品:予備弾丸(30-06スプリングフィールド<ライフル用弾丸>)、支給品一式】
【状態:健康。病弱。】
【思考】
1)衛宮士郎に会いたい。(会ってどうするのかは不明)
2)生き残る
備考)装備で固有時制御は使用不能です。また、この拳銃は発射時の反動が強く、単発の為イリヤには使いづらいだろう一方で、
その構造のシンプルさから口径さえ会うなら、支給品以外の弾丸も使用可能であるかもしれません。
!? すまん、重大な変更に関する記述の修正を忘れてた。
wiki登録後、こっそり本文に混ざった支給品の拡声器についての記述をなおしておきます。
開始前の僅かな時間。
「ここでもない、ここでもない…ええとどっちかな」
かちゃかちゃとスカートのホックを直しながら渡良瀬準は教会の中を彷徨っていた。
豪胆にもトイレに行きたいと口にしてみたら受理されてしまった、周りの面々が縮み上がってるような状況の中で、
しかしそんな彼も実のところはそれほど余裕があるわけでもなかった、だからそんなに大して広くないはずの教会内部で、
迷うハメになってしまったのだ。
「このまま逃げちゃおうか…」
窓から外を見てポツリと呟く…が、そんなことなど出来るはずがないと本能が告げていた。
溜息をついてまたホールの場所を探そうとした準だったが…。
「あれは小雪ちゃん?」
神父に続いて個室に入っていく、級友の姿を認め息を呑む準…あわてて口をつぐみ息が漏れるのを防ぐと、
そのまま壁伝いに個室へと移動し、扉に耳を付ける…もし小雪に何かあればすぐにでも扉を蹴破る心準備も怠っていない。
そんな彼の耳に届いた声は。
『契約どおり10人殺します。その代わり、それが達成されたあかつきには、私と私の大切な方々を殺し合いから外してください』
柳洞一成が荷物を受け取り、ついに残りは最後の1人となった。
「渡良瀬準、お前の番だ…早く行きたまえ」
だが準は荷物を受け取ろうとせず、ただ言峰を睨みつけるのみだ、それを見て苦笑し時間を確かめる言峰。
「いや、彼女…違うか、彼は私と話があるようだ、諸君らは控えていたまえ」
兵士たちに一瞬動揺が走るが、それもすぐに収まり、準は促されるまま言峰の控える別室へと案内されたのだった。
「さてと、食べるかね」
「誰がそんなもの食べるんですか」
溶岩のごとき麻婆豆腐を一瞥しただけで目を逸らす準。
「私と会食を楽しみたいというわけではなかったのか?で何かね?」
「小雪ちゃんのことよ」
空とぼける言峰につめよる準。
「彼女のことか、それは君の問題ではない彼女が選んで決めたことだ、私は強制はしていない」
「強制はしていない…ですって!!」
ばんっ!とテーブルに両手を叩きつける準。
「あんたが唆したんでしょう!?でも無駄ですから、小雪ちゃんにそんなことができるはず」
「ないというのならばどうして君はそのように焦るのだね?」
痛いところを言峰につかれ口ごもる準。
「でも…でもっ…」
小雪の気持ちは準にも痛いほど理解できる、まして物静かな中にも人一倍仲間に対する情熱は深い小雪のことだ。
もし己の身を汚してでも誰かを救う道があるのならば、迷うことなくそれを実行できる意思の持ち主だということも
準は知っている、しかしそれでも。
(だれかを傷つけて生き長らえるなんて真似、あたしにはできない)
襲ってきた奴を返り討ちにするのはおあいこだとは思うが、
それでも自分が生き残るために他者の命を奪うような真似は、
準の範疇には含まれない行為だ。
「ならば君自身が彼女を止めればいい…彼女は東に向かったそうだ、
まだそう遠くには行ってはいるまい」
地図を指すとまるで試すような視線で準を眺める言峰、
それに対して何かを言い返そうとしたが、
結局何も言わずに外に出ようとする準だったが。
「まて、餞別だ持っていきたまえ」
床を滑るように投げ渡されたそれは、ジグザグ状の形をした奇妙な剣だった。
「名前はルールブレイカー、契約破りの剣だ、くれてやる」
訝しげに禍々しき形状の剣を見ていた準だったが、
ポケットに剣を突っ込むともう振り向かず、
そのまま外へと飛び出したのだった。
そして彼は息を切らせて道を急いでいた、神父の話だともうそろそろ追いつくはずだ。
何としても小雪の凶行を止めてみせる。
(小雪ちゃんが手を汚してもだれも喜びはしない、
雄真もハチも春姫ちゃんもみんなそこまでして生き残りたくなんかないよ)
【時間:1日目・午後17時55分】
【場所:森の中へ】
渡良瀬準
【装備:ルールブレイカー+支給品(不明)】
【所持品:支給品一式】
【状態:健康】
【思考】
1小雪を止める
※例の最初のやりとりはわざと言峰が準に聞かせたと解釈してください。
イリアは魔術師としてもかなりつよいでしょ
ギルガメッシュに魔法はなってたしあの自信からすると
普通のサーヴァントを殺せるくらい強いんじゃない?
イリアじゃなくてイリヤ。魔法ではなく魔術な、ととりあえずマジレス
そういえばランサーが言峰倒したのって凛ルートだったっけ?
>>ランサーが言峰
ランサーは……ええと、確かどのルートでも言峰を殺してはいなかったような。
それが俺の記憶違いとしたら、アチャルートかセイバールートのどっちかだと思う。
元マスターの件を覚えてれば、腹を立ててはいるだろうなぁ。
イリヤの支給品を勝手に調べてみた
・トンプソン コンテンダー
1967年にアメリカのトンプソン・センター アームズが開発した、狩猟用の中折れ式拳銃。
.22LRからライフル弾まで、ありとあらゆる種類の弾丸を撃てるという変わり種。
拳銃と言うよりは小型のライフルのようなスタイルをしているが、構造は極めて単純。
中折れ式のバレルとトリガー、その他発射に必要な最低限のメカニズム以外、一切なし。
マガジンもなければボルトもない。弾の装填も、いちいち手で行うという潔さである(空薬莢も指でつまみ出す)。
その代わり、バレルとわずかな部品の交換・調整だけで、多種多様な弾薬に対応可能。シンプルなだけあって強度も高く、強力なライフル弾の発射にも十分耐えられる。
装弾数は1発。
『Fate/Zero』作中でキリツグが使用したのは14インチバレルでアジャスタブルサイトのもの。(小冊子に印刷されていたものからの憶測)
30-06Springfield(7.62mmx63)弾を使用しているが、これは実銃にはない口径で、著者である虚淵氏の考証ミスと思われる。
(実際に30-06Springfield弾が使えるのはこれの『アンコール』と呼ばれるタイプで、『アンコール』には14インチバレルは存在しない)
>>389
凛ルートで用済みだとばかりに自害を命じられて
お前も道連れだとばかりに後ろから刺し殺してる。
それよりイリヤがギルに攻撃魔術放ったシーンが思い出せない
魔眼で士郎をたぶらかすシーンの印象が強すぎて
1800の放送はもう少し進んだ後になるのかな?
少なくとも全員登場してからでしょ>放送
(――嫌だ。死ぬなんて、殺すなんて、恐ろしい。まっぴらだ。まだまだ、やりたいことがいっぱいあるのに!)
小渕みなみ(7番)は走っていた。
仲間を――普段からつるんでいた加藤乙女たちを探すためだ。
恐怖で何度も気がふれそうになった。
しかし、そのたびに乙女たちがきっとなんとかしてくれると自身に暗示をかけることでここまで耐え抜いてきた。
(――そうだ。乙女たちと合流できれば、きっとこんなクソゲームを抜け出す方法だって見つかる! 現に今までだって4人でそうやってきたじゃない……!)
所詮自分も1人では何も出来ない愚かな存在なんだな、と心の奥底で改めて痛感しながらみなみは走り続けた。
自身に支給された変わったデザインのバタフライナイフを握り締めながら。
◇ ◆ ◇ ◆ ◇
「――まずは銃だな」
森を歩きながら小日向雄真が最初に考えたことがそれだった。
自身に支給された日本刀、皆琉神威は参加者に支給された武器の中では確かに強い部類に入るだろう。
しかし、相手に近づかなければ攻撃ができない――つまり射程が短いという欠点がある。
そのため、これから先銃器を持ったものを相手にしていくためにはどうしても同じような銃器が必要だった。
(――といっても、そう簡単に手に入らないだろうしなあ……)
こうなったら、殺し合いに乗っておらず、なおかつ銃を持っている参加者と出会い次第だまし討ちして片っ端から奪っていくか、などと考えていると、ふと誰かの足音が聞こえてきた。
「? 誰だいったい?」
とりあえず雄真は近くの茂みに身を隠すことにした。
◇ ◆ ◇ ◆ ◇
――小渕みなみは未だ走り続けていた。
仲間たちを探すために。
「乙女、夏美、来実……いったいどこにいるのよ……1人は嫌だよ……」
そんなことを呟きながらしばらく走っていると、先の道筋に何かが転がっていることに気がついた。
「な…何……?」
恐る恐るそれに近づいてよく見てみる。
それは結構大きいものだった。下手したら自分以上の大きさかもしれなかった。
――それは榊千鶴(30番)の亡骸だった。
(――なあんだ……ただの女の子か。そう、ただのメガネで三つ編みをした女の子だ。ピクリとも動かないし、息もしてない。
あ。しかも身体中が真っ赤だ。――ああ、そうか。きっと誰かに殺されたんだね、うん。こんな島だもん。当然といえば当然よね―――ってふぇっ!?)
ちょ……ちょっと待って? ってことは、この子は……いや、コレは………
「しししししししたしたしたしたいしたいしたい死体死体死体−――ー!?」
身体中がガクガクと震えだす。震えが止まらない。
「こここここの子……しししし死んでる、死んでるしんでるしんでるしんで…………
――いやああああああああああああああああ!!」
悲鳴をあげ、みなみはまた走り出した。
ただ遠くへ――目の前の現実から逃れるために――――
◇ ◆ ◇ ◆ ◇
「――なんだったんだあいつ?」
目の前を走り去っていった少女――小渕みなみの背中を不思議そうに眺めながら、小日向雄真は茂みの中から姿を現した。
「見たところ殺し合いに乗っているようには見えなかったけど……まあ、ほっとくか。別に俺には関係ないし、ああいう奴はこの先そう長くは生き残れないだろうし……」
雄真はみなみが走ってきた方へと目を向ける。
「――むこうに何かあるのかな?」
そう呟くと雄真はその方向へと歩き始めた。
「――ああ、なるほど。そういうわけか……」
少し歩いたところで雄真は榊千鶴の亡骸を発見した。
死んでからまだ1時間もたっていないのだろう。それからはまだ死臭もしなかった。
――別に恐怖は感じなかった。
ただ、人間も簡単にこうなるんだな、ということを改めて思い知った。
雄真は千鶴の亡骸を一瞥すると今度は周辺を見渡した。
すると、思ったとおり、近くに千鶴のものと思われるデイパックが落ちていた。
「食料と水だけでもあったら貰っとくかな……」
そう言ってデイパックを開帳する。
「ん?」
すると、意外なものがその中から出てきた。
それは雄真が先ほどから欲しいと思っていたもの――銃だった。
しかも予備マガジン付きだ。
(なんだ? 殺した奴は奪っていかなかったのか? 随分と変わった奴だな……)
そう思いながら雄真はその銃――グロック19とマガジンをポケットに仕舞い込み、さらには水と食料を自分のデイパックに移し換えると、もう一度千鶴の亡骸を一瞥した。
「墓荒しみたいな真似して悪かったな。でも、こっちも死ぬわけにはいかないんだ。だから、こいつは遠慮なく使わせてもらう。
――それと、全て片付いたら俺が絶対にみんな生き返らせてやるから、それまでゆっくり休んでろ……」
そう吐き捨て、再び森の奥へと雄真が歩いて行こうとしたその刹那、近くから1発の銃声が聞こえた。
思わず雄真は足を止め、銃声が聞こえた方へチラリと顔を向ける。方角からして、先ほどの少女が走っていった方だろうか?
(……俺には関係ないことだ。気にするな…………)
そう自分に言い聞かせ、この場を去ろうとした雄真であったが、彼の足は自然と銃声がした方へと進んでいた。
(――はは…俺、まだ非情に成り切れていないみたいだな…………)
自分の行動に呆れ、苦笑いしながら雄真は自分が歩いて来た道を戻っていった。それも駆け足で……
◇ ◆ ◇ ◆ ◇
森の中をただ黙々と進んでいく1人の影。
その手には支給された一丁の銃が握られていた。
――遠坂凛(46番)。聖杯戦争に自らエントリーした者の1人で、魔術の名門、遠坂家の魔術師である。
(やれやれ、綺礼もろくなことをしないわね……)
今回の聖杯戦争の主催者であり管理者である自身の兄弟子に対し心の中で1人ごちる。
彼女が幼い頃から魔術師の師である父から聞かされていた聖杯戦争というものは、7人の『マスター』と呼ばれる魔術師が『サーヴァント』と呼ばれる使い魔を使役して行う――というものだ。
それなのに、今回自身が参加したものはそれとはまったく違ったものであった。
ルールが変わったなら事前に教えてくれ、と思いたくなるのも当然といえば当然である。
(しかも、参加者のほとんどが魔術師じゃない一般人みたいだし……本当に何を考えているのかしら?)
そんなことをしばらく考えていた凛であったが、しばらくして考えるのを止めた。
「――まあ、ルールや参加者がどうであれ、これが聖杯戦争であることに変わりはないんだし……過ぎたことをいちいち気にしてても仕方ないか……ん?」
――ふと耳をすませると、足音が聞こえることに気がついた。
足音はだんだん大きく、はっきりと聞こえてくる。つまり、誰かがこちらに向かって走ってくるということだ。
「……はあ、なんて迂闊な……」
このような状況で足音をたてて走るなど、敵に居場所を教えているようなものだというのに気が付かないのだろうか、と思いながら凛は近くの茂みに一度身を隠した。
茂みに身を隠すと、凛は自身の手に握られている見ているだけで重量がありそうだと判るソレにちらりと目をやる。
――デザートイーグル。
普段は銃なんて馴染みのない凛だが、ご自慢の魔術が制限されてしまっている以上、今はこれで戦うしか道はない。
それに、その銃に使われている50口径という弾丸は1発でも相手に命中すれば間違いなく致命傷だ。
――走ってきたのは、凛と同年代の少女だった。向こうは凛にはまったく気が付いていないようだ。
ゆっくりと凛はデザートイーグルを少女に向け構えた。
「――悪く思わないでね…………」
1発の銃声が森に響き渡った。
◇ ◆ ◇ ◆ ◇
――小渕みなみは走り続ける。
終わりなき現実からの逃走劇を1人黙々と続けていた。
どこへ行くのか、どこまで走るのかなど彼女自身も判らなかった。
ただ逃げて逃げて、逃げ続けるだけしか出来なかった。
「夢だ……これは悪い夢だ……そうだよ。きっと目が覚めたらいつもの朝みたいにベッドの上で……それで……」
――それから先が彼女の口から語られることはなかった。
なぜなら次の瞬間、彼女の耳にダァンという聞きなれない音が聞こえ、彼女の声も思考も突然途切れたからだ。
その時、みなみの視界に映ったもの。
それは自分の方に銃口を向ける1人の見知らぬ少女の姿だった。
◇ ◆ ◇ ◆ ◇
「…………」
「――貴様、何故撃たなかった?」
凛の隠れていた茂みの向かい側――そこに生い茂る草木の陰から1人の女性が姿を現した。
長い髪に見知らぬ軍服を着こみ、手には機関拳銃、USSR スチェッキン。
――――35番、神宮寺まりも。
彼女の持つスチェッキンの銃口からは、うっすらと硝煙が立ち上っていた。
――そう。今みなみを撃ったのは凛ではなく、彼女であった。
「――安全装置を外し忘れたのよ」
「嘘をつくな。――さしずめ、自分では人を殺める覚悟を決めたはいいが、未だ心の奥底では非情に成り切れていない、といったところか?」
「…………」
「貴様も判っているのだろう? 生き残るためには殺すしかないと、そして……自らの目標を――願いを叶える為には最後まで生き残るしかないと…………」
「――悪いけど、私には目標や願いなんてないわ。死ぬつもりは微塵もないけどね」
「なんだと!?」
今、凛が言ったことに嘘、偽りはひとつもない。間違いなく彼女の本心である。
特に聖杯で叶えたい願いなど存在しない。ただ『魔術師の名門である遠坂家の人間である以上、聖杯戦争に勝ち残るのは必然である』というそれだけの一念で彼女はここにいるのだ。
――――しかし、彼女は魔術師ではない一般人を手にかけるほど彼女は非情ではなかった。先ほど、みなみを撃たなかったのもそういうことである。
彼女自身はそのことに気づいているかは判らないが…………
「――まさか……この戦場において殺すことを否定するというのか?」
「別にそこまでは思っていないわ。でも、それは貴女だって同じでしょう?」
「何?」
「銃を持っているのに、何故すぐに私を撃たないのかしら?」
「それは…………」
まりもは答えることは出来なかった。結局、彼女も非情に成り切れてはいないのだ。
「――――だが……」
まりもは下ろしていたスチェッキンを再びゆっくりと上げる。
その銃口の先には間違いなく凛の姿があった。
「私と貴様には唯一違うものがある。それは、私には叶えたい……いや。叶えなければならない望みがあるということだ。
そのためには……これ以上躊躇するつもりは…………ない!」
そう叫ぶとまりもはぐっとスチェッキンのトリガーを引――くことは出来なかった。
「――いや。あんたもそれほど変わらないよ。そこにいる奴とさ…………」
「!?」
ふいに凛でもまりもでもない第三者の声がしたからだ。
2人が声のした方へ目を向けると同時に――――
ダァン、ダァン!!
2発の銃声が一帯に轟いた――――