エロゲー全般のSS投稿スレです。あなたの作品をお待ちしています。
エロエロ、ギャグ、シリアス、マターリ萌え話から鬼畜陵辱まで、ジャンルは問いません。
そこの「SS書いたけど内容がエロエロだからなぁ」とお悩みのSS書きの人!
名無しさんなら安心して発表できますよ!!
【投稿ガイドライン】
1.テキストエディタ等でSSを書く。
2.書いたSSを30行程度で何分割かしてひとつずつsageで書き込む。
名前の欄にタイトルを入れておくとスマート。
なお、一回の投稿の最大行数は32行、最大バイト数2048バイトです
3.SSの書き込みが終わったら、名前の欄に作者名を書きタイトルを記入して、
自分がアップしたところをリダイレクトする。>>1-3みたいな感じ。
4.基本的にsage進行でお願いします。また、長文uzeeeeeeと言われる
恐れがあるため、ageる場合はなるべく長文を回した後お願いします。
5.スレッド容量が470KBを超えた時点で、
ただちに書き込みを中止し、次スレに移行して下さい。
保管サイトはこちら
http://yellow.ribbon.to/~savess/
過去スレ >>2-4辺り
初めて投稿します。
「いつか、届く、あの空に。」のSS「トラウマの作り方」です。
ふたみとのんに萌え転がりたいのでこんなん書きました。
生暖かい目で見てやってください。
※ふたみ大先生がぶっ壊れてます。トリマキがぶっ壊れます。ご了承下さい。
これは、策が空明市にやってくる少しだけ前の話。
否定の意味を持つ少女、透舞のんが少し火傷をした話。
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「唯井さん、ちょっと宜しいかしら?」
弐壱学園の一日も終わり、陽が西へ傾く頃。
透舞のんは教室から出て行こうとする傍若無人を呼び止めていた。
「なんだ?とおりま………トリマキ」
「なんで言い直したんですのっ!?」
彼女、唯井ふたみは、誰でも彼でも彼女の独断でにあだ名を付け、それを使う事を心がけ
ているようだ。何故か。そして、そのあだ名は度々において相手の不本意な所に落ち着く
事がある。
「何故って、トリマキはトリマキだ。トリマキは透舞よりはトリマキらしいじゃないか」
そして、こんな理解に苦しむ理屈を、真っ直ぐに伝えてくるのだ。
「……マトモに説得しようとした私が愚かでしたわ」
顔に手を当て、俯く。
しかし、今ののんには自分がトリマキと呼ばれる事よりも優先すべき懸案があった。
「それより、貴女今朝、此芽お姉さまに口答えをしていらっしゃったんですって?」
――それは、今朝の話である。
のんが”お姉さま”と慕う桜守姫家のお嬢様、桜守姫此芽と目の前の少女ふたみが、教室
の前で何やら言い合いをしていたらしいのだ。
らしい、というのは、此芽の妹である桜守姫みどのにその話を聞いたからだ。
気が弱いみどのはその様を目撃していたがかける言葉も見当たらず、オロオロしているう
ちに此芽は呆れたようなため息をついた後、教室に入っていったそうなのだ。
お姉さまは偉大である。
のんが自分はこうありたい、と願い、憧れ、目標にしてきた人物である。
そんなお姉さまに楯突く者は、自分にとって放っておいていい者であるはずがない――
のんは、キッ、とふたみを睨んだ。
気が強いのんの視線は、攻撃的であった。
気の弱い相手ならば、怖気付いたであろう。
気の強い相手ならば、睨み返したであろう。
「なんのことだ?全く以って身に覚えが無い」
しかし、ふたみはどちらでも無く、偽りの無い瞳でのんの眼を射抜き返していた。
(……これだから)
のんは、ふたみが苦手だった。
そんな瞳で見られると、直視できなくなってしまう。恥ずかしくなる、というか。
汚れを知らない童のような純粋さに、当てられてしまうのだ。
よく分かりませんが支援しておきますね
「と、とぼけたって無駄ですわよ!」
ぷい、となるべく自然に視線を逸らす。
「とぼけるも何も、解らない物は解らない。確かに今朝コノと言い合いにはなったが、口
答えをした覚えはない」
「………」
そんな事だろうとは思った。
彼女がどこまで本気かは解らないが、みどのの言っていた事はやはり本当であるようだ。
「……言い合いになっている時点で口答えしている事に、お気付きになられません?」
「それは違うぞトリマキ。言い合いというのは意見の交換だ。口答えとは全く違う」
「貴女ねぇ…!」
危うく、声を荒げそうになる。が、
「そもそも、何でオマエが怒ってるんだ?ワケが解らないぞトリマキ」
「な」
固まった。
この”ワケが解らない”ふたみに”ワケが解らない”と言われては絶句する他は無い。
「うん、そうか。なるほど。トリマキは機嫌が悪いのだな」
「…え、えぇ?」
「ここは一つ、私が心温まる話の一つでもして元気付けてやろうじゃないか。うん、それ
がいい」
「あの?」
のんが自分を見失っている間に、ころころと独自の理論を広げていくふたみ。
後になって解った事だが、この時、のんは全力でふたみを止めるか脱兎の如く逃げ出すか
をすべきだったのだ。
「ではいくぞ。4丁目の佐藤さんの庭に花が咲いた話だ」
得意げにふたみは語りだす。
「佐藤さんは大の園芸好きで、庭の植物にかける愛情は誰にも負けないくらいだった。だ
が、過保護に水や肥料をやりすぎるせいで、佐藤さんの庭に花が咲く事は無かった」
不意に、がし、と。
「え?」
ふたみの両手が、のんの肩に架かっていた。
「ぃ、唯井さん?」
そのまま、ずい、とふたみが迫ってくる。
「佐藤さんは、そう、自分の愛が余りあるゆえに花が咲かない事が解らなかったんだな」
「ちょ、ちょっと!」
急にふたみの顔が自分の眼前に寄り、のんは後退せざるを得なくなる。
トン、と背中に教室の壁が当たる。
壁際まで追い詰められた形だ。
「佐藤さんは悲しんだ。何故、こんなにも愛を注いでいるのに、花を咲かせてくれないの
か。愛は盲目というが、正にこのことだな」
そんな事を言いながら、ふたみは更に顔を近づけてくる。
「いいいい唯井さん!?ふたみさん?!」
のんは必死でふたみの手を払おうとするが、この細い腕のどこにそんな力があるのか、肩
を掴んだふたみの手はピクリともしない。
それに、ふたみの顔を直視できない。
なんの間違いか、のんは今、「愛」なんて言われながらふたみに迫られている。
自分にその気はないと信じたかったし、疑いたくも無かったが、のんの心臓は確実に鼓動
を早めていた。
「そしてついに、佐藤さんは愛する事をやめてしまったんだ。いくら自分が愛しても、相
手は気付いてくれない、返してくれない。それに耐えられなくなった」
そんな事を言いながら、ふたみは右手をのんの頬に沿え、顔を自分のほうに向けた。
ふたみの顔は何故か紅潮しており、とろんとした瞳でのんを見つめていた。
はぁ、とふたみの息がのんの顔にかかる。
「〜〜〜〜!!!」
のんは既に言葉も口に出来ず、これでもかというくらいに赤面していた。
佐藤さんの庭の話ですよ?これ。
---
「そんなこんなで、佐藤さんは花にかける愛情を取り戻したんだ」
「えぁ……ぅ…」
教室には既に2人だけしか姿は無く、ふたみが心温まる話をはじめる前に他の生徒はさっ
さと帰路についたようだった。
それが幸いだったのか不幸だったのか、のんには考える余裕は残ってはいない。
ふたみの顔はのんと鼻が触れ合いそうになる程まで近づいていたが、ふたみはそれでも”
心温まる話”を続けるだけだ。お陰で、のんのパニック状態は解除される事なく、真っ赤
な顔でこの膠着状態に耐える他に出来る事はなかった。
と、そんな場面に、
ガラララ!
と扉の音を立てて教室に入ってくる人物が居た。
「クイ、まだ居られるかえ?職員室に用があった故、遅ぅなってs」
――時が、停止した。
顔を紅潮させてのんに迫るふたみ。
顔をこれでもか、というくらい赤らめているのん。
それを視界に収めて石化している此芽。
それは、混沌以外の何物でもなかった。
――時が、停止していた。
ふたみ以外の。
「愛は猫をも殺す、とも言うからな。佐藤さんは自分の愛が盲目であったと気付いたんだ」
ふたみは、教室に入ってきた此芽に気付かず、”心温まる”を続けている。
彼女だけが、この世界で生きていた。
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「あああ違あああぁああぁああ違う違ああぁああ」
ガンガンガンガンガンガン。
「……?」
通りすがりの明日宿傘は、この日から一週間、鳥居にひたすら頭を打ち付ける奇妙な巫女
を幾度と無く目撃する事になる。
終われ。