学生相手の時とは口調からして違う。
「狙っていた生徒にまだ執着している可能性もありますが、彼女等はすでに学外。
保護者に警戒を促すのは警察の役目でしょう」
いかに坂水でも、八乙女エンタープライズの私設警備隊(軍隊並の練度と聞く)
相手に仕掛けるほど馬鹿ではあるまい。
土地勘もあり、隠れる場所も多い学園周辺に戻ってくることは充分考えられた。
「そういうことですので、もし校内で発見したら速やかに再拘束するように」
「しっかしわざわざ戻ってくるかねえ。それとも再犯や復讐が目的とか?」
「復讐なら我々に、でしょうか?最終的に拘束したのは私たちですし」
「あくまで最悪を想定しての対策です。メイド部隊全員に警戒の徹底を周知しますが、
いずれにせよ見つけ次第、貴方たちには現場に急行してもらいます。
必要な得物は常に携行しておくようになさい」
「了解でっす」
「殺っちゃってもいいんですね?」
「駄目です。別所さんそのキラキラした目はおやめなさい。東さんも、刺すのは手足にとどめておくように」
「へいへい」
「残念です。石畳に頭から落せると思ったのに……」
二人と別れた後、工藤さんは一人ごちる。
「さて。私も得物を手入れしておきましょうか。暴発は洒落になりませんしね」
SIG SG552を磨く空き時間も、憂鬱をまぎらすには悪くない。
「プラスチック弾かゴム弾か……念のため、エクスプローダーとダムダム弾も用意しておきましょうか」
捨て場所に困るような事態は避けたいが、まあ、狙いが狂うのも無いことではないし。
念のため、ドラム缶とセメントも用意しておこう、と彼女は思った。
>>24-27
なむなむ。
by紅茶奴隷でしたっ。