エロゲー全般のSS投稿スレです。あなたの作品をお待ちしています。
エロエロ、ギャグ、シリアス、マターリ萌え話から鬼畜陵辱まで、ジャンルは問いません。
そこの「SS書いたけど内容がエロエロだからなぁ」とお悩みのSS書きの人!
名無しさんなら安心して発表できますよ!!
【投稿ガイドライン】
1.テキストエディタ等でSSを書く。
2.書いたSSを30行程度で何分割かしてひとつずつsageで書き込む。
名前の欄にタイトルを入れておくとスマート。
なお、一回の投稿の最大行数は32行、最大バイト数2048バイトです
3.SSの書き込みが終わったら、名前の欄に作者名を書きタイトルを記入して、
自分がアップしたところをリダイレクトする。>>1-3みたいな感じ。
4.基本的にsage進行でお願いします。また、長文uzeeeeeeと言われる
恐れがあるため、ageる場合はなるべく長文を回した後お願いします。
5.スレッド容量が470KBを超えた時点で、
ただちに書き込みを中止し、次スレに移行して下さい。
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http://yellow.ribbon.to/~savess/
過去スレ >>2-4辺り
みさらと二人、仲良く下校中のことだ。
不意に足元に、何か柔らかい感触がまとわりつくのを、俺は感じた。
「お?」
「にゃ……」
見ると、それは一匹の猫であった。
まだほんの子供で、身動きするたび、産毛のように繊細な毛が
フルフルと震えている。
弱々しい鳴き声を上げながら俺の足に頬ずりするその姿には、
庇護欲をかきたてずにはおかない健気さがあふれていた。
「何だ、おまえは。どこから来たのだ」
思わず抱き上げ、綺麗な鳶色の瞳をのぞき込むと、
仔猫は何となく嬉しそうに「にゃあ」と答えた。
うむ、とても可愛い。こいつ、俺を一瞬で籠絡するとは、
なかなかの策士ではないか。腹を空かせているようだし、
城に連れ帰ってもよいかもな。
バーレッジには、「また居候を増やすおつもりですか」
などと嫌味を言われそうだが。
みさらはどう思うかな?
「おいみさら、こいつ、連れて帰ろうと思うのだ……が?」
隣を見て、ギョッとした。あのみさらが、瞳をウルウルさせて、
猫を凝視している。頬を薄紅色に染めて、恋する乙女の表情そのもの。
「ね、ねこ……」
そのあまりの感動ぶりに、俺はちょっと驚く。
仔猫が幾ら可愛らしいとはいえ、まさか、ここまで反応を示すとは。
そういえば、今までみさらが動物と戯れるようなイメージは皆無で
あったが、そうか、やはりこいつも女の子、可愛いものには心動かされる
のか。
俺でさえそうなのだから、当然と言えば当然だが、
意外な面を見せてくれる。
「抱いてみるか?」
「え、え?」
「ほら」
「わ……わぁっ」
ひょいと渡すと、みさらは反射的に手を出して猫を受け取った。
が、その動作はどこかぎこちなく、どうも触ることを怖れている
ようにすら見える。毅然としたいつもの態度からは想像も出来ない。
みさらの緊張は、勘の鋭い小動物にはすぐに気取られた。
みさらの手に抱かれた(というよりは、「掴まれた」という表現が
しっくりくるくらいなのだが)仔猫は、俺の時とうって変わってとても
嫌そうな顔をすると、身をよじってするりと逃れ、地面に着地するなり
俺の足元へと戻ってきてしまった。
「にゃー」
みさらに対し、警戒心丸出しである。まあ、それも仕方あるまいよ。
何しろみさらときたら、猫を慈しむどころか、ガチガチに緊張した顔で、
まるで睨むようにして猫を見つめていたのだから。
あまりに扱いが下手すぎる。
「みさら、おまえがそんなに警戒してどうする。猫が怖がるではないか」
「だ、だって……」
「ほら、すっかりこいつに嫌われてしまったようだぞ。俺の後ろに隠れて怯えている。可哀相に」
「うう……わたしは、そんなつもりは」
「害のない小動物だ。もっとやさしくしてやれ」
「や、やさしく、と言われても」
うむ? どうしたというのか、この動揺ぶりは。猫恐怖症とか、か?
いや、まさかな、そんな病気聞いたこともないし、鵺とかならともかく、
みさらが猫程度に恐れをなすとは思えない。
それを言うと、みさらは怒って俺の頭を小突いた。
「馬鹿者、怖いものか、猫など! それに鵺だと、
一体わたしをどう見ているのだおまえはっ」
「にゃっ!」
この剣幕が、さらに猫を怖がらせる結果となった。
これは……取り返しが付かぬ。もはや並大抵のことで、
この猫がみさらへの警戒心を解くことはあるまい。
「あう……」
今さら失敗に気づいたみさらは、相当のショックを受けたらしく、
泣きべそかいて俯いてしまった。むう、さすがに可哀相になってきたぞ。
「おまえは、動物の扱いに慣れておらんのか」
「幼時より、勉強修行の毎日だったからな……。
そんな暇など、ありはせぬ」
「そうなのか」
さすがは真面目なお姫さま。こう見えて、超のつく箱入り娘だからなあ。
きっと、親や兄の言うことをきっちり守って、ひとりで外へ出ること
などなかったに違いない。俺とは大違いだな。
俺は、昔から、勉強とか修行とかが大嫌いだったから、城をよく
抜け出しては方々へ冒険に行き、様々なものを見知ってきた。
森の近くへ行けば、いろんな動物と出会えることを知っていたし、
その危険も、楽しさも知悉している。
バーレッジに匿ってもらった動物も、片手では数え切れまい
(その後アティリーンにばれて、泣きながら放しに行かされたものだが)。
そういった経験の薄いみさらは、おそらく、初めて触る猫を
どのように扱って良いか分からなかったのだろう。
可愛いと思っているにもかかわらず、可愛がり方を知らぬのだから、
歯がゆいことであろう。
「みさら、そう落ち込むな。そんなに難しいことではないのだ。
どこから来たのかは知らんが、俺への慣れようから見て、こいつは
どうも元飼い猫だと思う。愛玩動物は、思いやりを持って接してやれば、
きっと応えてくれるものだ」
「そうなのか? だが、わたしはもうすっかり……嫌われてしまった」
シュン、とするみさら。むう、抱きしめたくなってきた。
どうやら、ほんとうに猫と遊びたいらしいな。可愛いぞ、みさら。
俺は、とりあえずこの猫を連れ帰ることにした。
飼うかどうかは別として、しばらく城に置いておき、みさらに
慣れさせてやりたいと思う。シャンレナあたりが喜んで面倒を見そう
だしな。
悄然とするみさらをなんとか励まし、俺達は城へと戻った。
帰宅した俺たちを迎えたのは、むろん、バーレッジの渋面であった。
「テュロウさま、また居候を……」
予想と違わぬ台詞を、俺は片手で制した。
「文句はあるだろう、わかっておる。だがな……」
俺は、バーレッジの耳元へ囁く。
「みさらが、意外にもな、猫が好きらしいのだ。だが、
扱いが分からず落ち込んでおる。その姿があまりに不憫なので、
俺としては、なんとかしてやりたい」
頼み込むと、バーレッジは、ふう、とため息を吐き、
「テュロウさまがそう仰るのなら」と猫の面倒を快諾(?)してくれた。
シャンレナが、レニーナの遊び相手が増えたと、とても喜んでいるから、
バーレッジにだけ世話をかけることでもあるまい。問題なしだ。
「とりあえずはこれでよし……と」
だが、大変なのはこれからだ。動物は、一度警戒心を持った相手に対し、
そう簡単に心を許すものではない。こちらがいくら相思相愛を願っても、
あちらに「敵」と判断されたなら、それはもう絶望的な試みとなる。
それにだ。それ以前にまずやらねばならぬことがある。それは、
みさらの動物に対する恐怖心を解いてやること。
それができぬようであれば話にならない。
俺は、未だに猫に未練を見せるみさらに、ちょいと釘を打った。
「みさら。慌てても、すぐに仲良くなることは出来ぬ。今は、おまえの
方が問題だ」
「う……その、とおりだ」
「だんだん慣れていこうではないか。なに、おまえは根が優しい人間だ、
いつか猫もわかってくれよう」
「テュロウ……」
俺を見つめるみさらが涙ぐんでいる。猫への愛しさ、自分に対する
不甲斐なさ、俺に対する感謝、そういう感情が入り交じって、
感極まってしまったのだろう。いやはや、みさらは可愛すぎる。
こうまで可愛いと、つい、いじめたくなってしまうのだ。
ここで俺は、ひとつ名案を思い浮かんだ。
「みさら、あとで俺の部屋へ来い。動物について、いろいろ教えてやる」
「えっ、良いのか」
「当たり前だ。おまえの幸せを、俺は常に考えているのだぞ」
「あ、ありがとうテュロウー……」
今にも抱きついてきそうな勢いだ。素直なものよな、これから、
俺がなにを企んでいるかも知らずに……。ふふ。
アスバにみさらの宿泊を伝えさせ、俺たちは食事と入浴を終えた。
深夜と呼ぶ時間帯へと入っていた。こんな時間に、みさらが俺の部屋へ
来ることも、すでに公認の仲となっている今、誰も文句を言う奴はいない。
事は非常にスムーズに運んだ。
おずおずと部屋を訪れたみさらを招き入れ、俺は準備を進める。
「あの、テュロウ?」
「なんだ、みさら?」
「これは……いったい何なのだ?」
「言ったろう。動物について、教えてやると」
「これが、動物の勉強、なのか? ほんとうに?」
「そうだとも」
「えー……」
ぶーたれながらベッドに座るみさらは、それは見事な、猫の格好を
していた。いや、猫の格好と言っても、頭に猫耳カチューシャを付け、
毛皮のブラとショートパンツを穿かせただけの、いわゆる「コスプレ
(以前、千名希がそう教えてくれた)」という奴なのだがな。
だが! これが、素晴らしくいい!
実を言うと、こいつをバーレッジに用意させた時点で、たったこれだけの
単純な衣装が、琴線に触れるかどうか、俺自身半信半疑であったのだが。
とんでもないとんでもない。俺は、コスプレを甘く見ていたッ。
この破壊力は……実際に見たものにしか分かるまい!
うおぉおぉぉおみさらッ、飛んでもなく可愛いぞッ。
「え、え、あの……ありがとう」
この恥じらいがまたいい。俺は瞬時に沸騰し、みさらを押し倒しそうに
なる。
だが、待て、まだ理性を飛ばす時ではない。
「えー、オホン、この格好が意味するところはだな、みさら」
「……意味するところは?」
上目遣い。いちいち、俺のエロ心をくすぐってくれる。最近、みさらは
俺の本質をわかってくれている(無意識なのだろうが)と感じる。
ほんとうに、幸せなことだ。
「これは、この変身は、猫の気持ちになりきることにより、おまえの意識を
改革する行為なのだッ」
「猫に……なりきる……」
「そうだ、今この瞬間から、おまえは一匹の猫だ! 俺が許可するまで、
一切人語を話してはならんし、返事はすべて『にゃあ』『にぃ』等の猫語
と限定する! それが! おまえがあの猫と親しくなるための重要な
第一歩となるのだッ」
あまりにも無茶苦茶かとも思ったが、この状況がすでに異常なだけに、
このくらい大げさでも構わんと思った。みさらがこんな格好をしてくれた
時点で、実のところ、目的の九十パーセントを達成したようなものだった
のだ。
ところが、こんな俺の妄言に対しても、素直なみさらは真剣に考えて
くれている。そして、やがて意を決したように俺を振り仰ぐと、
「では……あ、いや、に、にゃあ……」と、恥ずかしそうに囁いてくれた
のだった。
俺は、……一瞬、意識を失いかけた。
その後は、俺のやりたい放題となった。猫と化したみさらはとても従順で、
何でも俺の言うことを聞いてくれたし、最初は戸惑いがちだった猫語も、
性感の高まりに比例して、だんだん堂に入ってきている。
俺の攻めに反応してにゃあにゃあ鳴いてくれるみさらは、あまりにも
可愛い。
「どう……だ、気持ちよいかみさらっ」
「に……にゃ……にゃあっ、はあ、はぁ、にぁッ!?」
「随分猫の気持ちが分かってきたようだな、みさらっ?」
「にゃあんっ」
「大丈夫、すぐに……仲良くなれる、おまえは……美しい」
俺は、自分がなにを呟いているのか理解していない。目の前でよがる
みさらがたまらなく愛しく、それを伝えたい一心だ。
それがどんな言葉になっていたとしても、みさらは、分かってくれると
信じている。
その証拠に、みさらは俺の腕の中で、どんどん艶っぽさを増していくのだ。
「はあっ、はぁん、にゃああぁあぁんっ」
「そろそろ、いくぞ……!」
「あっ、はにゃ、あぁん……」
「みさら、みさら、みさら、みさら……っ」
「にゃ、テュ、テュロ……テュロウッ、あはあぁぁん!」
「ぐっ、いく……ッ」
「は、にゃあぁぁああぁあぁッ!?」
そうだ、……大丈夫だみさら……おまえは世界中から、愛される。
むろん、猫だって、おまえを愛する……。そうに決まっている……。
それから、一ヶ月くらいはかかったろうか。俺たちの努力が実り、
猫はようやくみさらに慣れた。近頃では、みさらの手から餌を食うところ
まで来た。それが嬉しくたまらないらしく、みさらは、それこそ猫のように
はしゃいでいる。
アスバ式に「たま」という名前も付けた。
そんなみさらを見ているのはこの上なく微笑ましく、幸せな気分
なのだが……。
愛玩動物とは、常に別れがつきものだ。
飼い主が現れたのだった。
俺の勘は正しく、拾った仔猫は、シンノエンのある商家から逃げ出して
しまった猫だと言うことだった。飼い主の必死の捜索もむなしく、諦め
かけていたところ、城から発布されていた報せを聞いて駆けつけたのだと
いう。
こうなることは、あらかじめ分かっていたこと。だが、敢えて考えない
ようにしていただけに、現実となると、みさらにかける言葉が見つからない。
「みさら。……その、何だ、元気を出せ」
「……わかっている」
「永遠には一緒にいられぬのだ、……別れは、必ず来る」
「それもわかっている」
では、何故泣いている? とは、言えなかった。みさらの涙が、
あまりにも辛かったから。そうだ、幼い時、辛い別れを経験するたび、
俺はいつもこう思った。
「こんな辛い思いをするくらいなら、はじめから、出会わなければ……」と。
だが、そうではないのだと、俺はみさらから教わったのだった。
たとえいつか別れが来るものだとしても、出会いのよろこびは、幸福は、
何ものにも代えがたいのだと。みさらと出会えたことが俺の一番の幸福だと
感じられる今なら、いつかやって来るかもしれないみさらとの別れも、
俺は、受け入れたいと思う。なぜなら、そのつらさは、それだけみさらへの
愛の証拠となるであろうから。
そんな気持ちが通じたのだろうか、みさらが、涙を拭いた赤い眼を俺に
向ける。
「……テュロウ」
「なんだ?」
「わたしは……一ヶ月の間、あの猫から幸福を分けてもらえた」
「そうだな」
「わたしの隣に、永き幸福を分け合える相手がいると言うことが、今は
とても嬉しい」
「みさら」
「たまとの別れは悲しいが……。おかげで今わたしは、テュロウのことを、
心から大切に感じている」
「……うれしいぞみさら、俺も、同意見だ。たまのことは……よい
経験であったな」
そうだ。たまとは死別するわけでもない。飼い主はとても良さそうな
人たちであったから、みさらが望めば、いつでも会わせてくれるだろう。
何より、俺たち二人に、この温かい心を再確認させてくれたあの猫に
……俺は感謝したいと思う。
達者でな、たま。また、飯食いに来い。