朝起きたら、妹に その14

1 :突発屋 ◆63./UvvAX. :2007/05/29(火) 04:23:03 ID:hBEyUZxS0

「ふぁ〜あ。え? なに? こんな朝早くから何よ、かったるい!」

 ………………

「新スレの案内? 私が?
 やだよ恥ずかし………じゃなくて、かったるいし!」

 ……………

「妹スレだから私じゃないと駄目って、それはそうかも知れないけど」

 …………………

 「で、でもホラ、別に私じゃなくても里佳子さんとか小夜ちゃんとか……」

 ………………………

 「え? 小夜ちゃんは人見知りが激しいし、里佳子さんはそれどころじゃ
なさそうだから無理? 睦月ちゃんは妹じゃないし、他の子達は場数が少
なすぎて駄目なの? に、兄さんがそこまで言うなら、ほんとうは凄くか
ったるいけど、 特別に……って、もう立ってるの!?
え? これもオンエア中っ!?」

 前スレ:朝起きたら、妹に その13
    http://pie.bbspink.com/test/read.cgi/erog/1156509055/
 保管庫
    朝妹スレ私設まとめ(ハル氏)
    http://asaimo.h.fc2.com/
 ログ置き場(保管庫完成までの暫定設置)
    朝起きたら妹に、ログ置き場
    http://www.geocities.jp/asaimo0/

229 :小春日和 :2007/09/25(火) 08:13:11 ID:XfZX/Sbg0

朝起きたら、妹から電話があった。
「お兄ちゃん、おはよう!」
「よ、よう」
「朝ごはん作ったんだ。良かったら一緒に食べない?」
「えっ!? 朝飯……?」
「うん、お兄ちゃんが昔、おいしいって誉めてくれた肉じゃがも作ったよ! 
あれから私、料理の練習、たくさんしたから、きっとお兄ちゃん、食べたらびっくりすると思う。えへへ」
上機嫌に電話口から漏れる妹・小春の声を聞きながら、俺はチラリと台所に目をやる。
「ふふふーん♪ あとはドレッシングをかけてっと」
同じ大学に通う女友達・美雪が鼻歌交じりに冷蔵庫を吟味している。
俺の朝食の準備に忙しいらしい。
ゴムで結わえられたポニーテールが、美雪の動きに合わせて、子犬のしっぽのように揺れている。
「まいったな…」
「何が?」
ポツリと漏れた俺の一言に、小春がツッコミを入れる。
「いや、こっちの話だ」
「…都合悪いみたいなら、私が料理もってそっちに行こうか?」
「ダ、ダメだっ!!!」
「きゃっ、お兄ちゃん、耳元で大声出さないでよー」
マ、マズイ…
このままでは、小春と美雪が俺の部屋で鉢合わせになってしまう。
恋人でもなんでもない。
美雪と俺は大学のただの友人で、俺が買い物に付き合う代わりに、たまにこうして朝食を作ってくれるんだ…
そう言ったところで、何も知らない小春が、この状況を見て信じてくれるわけがない。
下手すりゃ、同棲してると勘違いされかねない。
とにかく、今、小春を部屋に入れるわけにはいかないのだ。

230 :小春日和 :2007/09/25(火) 08:13:57 ID:XfZX/Sbg0

「わ、悪い。ほ、ほら、俺の部屋はちょっと散らかってるしな」
「別に散らかってても気にしないのに…。あ!なんなら、私が片付けてあげよっか」
「バ、バカっ! 空気読め、アホ妹。
フロイトさんも腰を抜かす俺のリビドーの塊を、愛しき妹に見せようとしまい、兄の配慮が分からんのか?」
「べ、別に私、その…H本? そういうの見ても引いたりしないよ?
むしろきれいに片付けて、そっとお兄ちゃんの机に置いておくくらいの配慮を見せるよ」
「それは、配慮じゃなくて嫌がらせだ」
「もー、難しいなぁ。なら私、部屋で待ってるから、早く来てよー」
「いや、えと、そのなんだ、悪いがもう朝飯食っちまったんだよ」
「えええー!」
「カップヌードルのシーフード味。最近、俺それにハマッててさ、ハハハ…」
「でもインスタント1個だけじゃ、お兄ちゃん足りないでしょ?」
うう、ずいぶん食い下がってくるな、こいつは…
「だから2個食べたんだよ! ってか本当残念だ。もう少し早く小春が電話してくれりゃ…、こんなことには。
くそー、何てタイミングの悪いっ!」
「…………」
目標沈黙。
ややしらじらしい演技だったが、うまくいったか!?

231 :小春日和 :2007/09/25(火) 08:15:00 ID:XfZX/Sbg0

「お兄ちゃん、もしかして…」
「ん?」
「女の人がいて、朝食を作ってもらっている最中とか…」
携帯を持っている右手がじんわりと熱くなり、嫌な汗がどっと背中から吹き出すのが分かる。
「…………」
「…………」
「は、ははははは! 小春、面白い冗談だ」
「へへへ、そう? 面白かった?」
「ああ、お兄ちゃん、面白すぎて胃に穴が開くかと思ったよ。俺が女性の相手するの苦手なの知ってるだろ?」
「そうだよね。お兄ちゃん、昔から古風で奥手だもんね」
「まったく、お前って奴は…」
な、何て鋭い奴だ。
これが俗に言う、女の勘というモノか? うまくごかませたものの、未だに胸の鼓動が収まらない。
きっと浮気がばれそうな人ってこんな気持ちなんだろうな。
「先輩ー! ご飯できましたよー」
「ぎゃあああああああ!」
「お、お兄ちゃん!? ど、どうしたの? 急に叫び声上げて…」
「ああ、大丈夫だ、ちょっと、ゴキブリが足元を通ってな」
俺は背後から声をかけてきた美雪に、必死に唇に人差し指を当てて
「シッー! シッー!」
「先輩、電話中でしたか、すいません……」
美雪は申し訳なさそうにペコリと頭を下げる。
「お兄ちゃん?」
「ああ、今ゴキブリを追い払ったところだ、心配するな」
「う、うん」

232 :名無しさん@初回限定 :2007/09/25(火) 08:18:48 ID:4pRhLc4Q0

支援

233 :小春日和 :2007/09/25(火) 08:31:54 ID:XfZX/Sbg0

「とりあえず、作ってくれた分はラップでもかけて、冷蔵庫に入れておいてくれ。特に肉じゃがな。今日の夕食にするよ」
「あれ? 昼食は?」
「これから友達と遊ぶ約束しててな。帰りが夕方になる」
「そうなんだ、残念。このアパートに引っ越してきたばかりだから、色々と案内して欲しかったのにぃ…」
「それは明日にでもな」
「やった! 絶対明日付き合ってね」
「おう、じゃあ、切るぞ」
「うん、バイバイ」
ピッ。
やっと、終わった…
ふぅと大きく息を吐いて、ひょろひょろとその場に座り込む。
せっかく俺の為に朝食を作ってくれた妹を騙す形になり、後ろめたさも感じるが、こちらにも都合がある。
こればっかりは仕方ない。許せ、妹よ。
「先輩、ご飯冷めちゃうんですが…」
「おっと、悪い悪い」
6畳一間の真ん中にポツンと置かれたちゃぶ台。
そこにご飯・味噌汁・サラダ、そしておかずが2品、取り揃えられ…
「うーん、美雪の和食はいつ見てもうまそうだ」
グウゥーと俺のお腹も反応する。
電話の攻防戦に必死だったせいか、ようやく自分がはらぺこだったことに気がつくあたり情けない。
いそいそとちゃぶ台の側に行き…
「いただきます!」
「はい、いただきます!」
美雪と2人で手を合わせて、朝食に箸を伸ばす。

234 :小春日和 :2007/09/25(火) 08:33:24 ID:XfZX/Sbg0

「先輩」
「うん?」
もぐもぐと和食に舌鼓を打っていると、美雪が少し真剣な顔で話しかけてきた。
「ずいぶん親しそうでしたけど、電話のお相手…」
「妹だよ」
「えっ!? 先輩、妹さんいたんですか?」
「あれ、言ってなかったっけ」
「初耳ですが」
「そうか。えと、名前は小春。2歳年下で、今度うちの大学に入学してくることになった」
「先輩が新大学3回生、私が2回生だから、一個下かぁ」
「そのうち紹介するからよろしくしてやってな、甘えんぼで手がかかるけど、いい奴だから」
「甘えんぼで手がかかるけど、可愛くて健気な妹ですか」
「み、美雪さん…?」
「やだなぁ、冗談ですよ、ホホホのホ」
そのわりに顔が怖いんですが…
「もちろん下宿ですよね?」
「おう、実家は東北だからな、さすがに通いたくても通えない。ちなみに下宿先は俺と同じアパート」
「お兄さんと一緒のほうが何かと便利ですもんね。もう越してきてるんですか?」
「うん、おととい、2階の201号室にな」
「電話の内容は引越しのことですか?」
朝食云々の話は、色々とやっかいだから、しない方が良さそうだ。
俺はそう決めると…
「そんなとこだな。あと夕食を一緒に食べようとか」
「ああ、それで肉じゃがとか言ってたんですね」
「小春、料理作るの好きだからな。俺の好物の肉じゃがも作ってくれるんだと」
「へぇー、私と同じですね」
「…………」
先ほどからわざと考えないようにしていたのだが、実は美雪もおかずに肉じゃがを作っている。
以前、美雪に好物を聞かれた時、肉じゃがと応えて以来、彼女の定番メニューとなったそれは、
ちゃぶ台の上に今日もしっかり存在しているのだ。

235 :小春日和 :2007/09/25(火) 08:35:20 ID:XfZX/Sbg0

「先輩、肉じゃが、おいしいですか?」
「もちろん。美雪の飯は全部が全部おいしいが、特に肉じゃがは絶品だよ」
「……」
「ほ、ほんとだよ?」
「じゃあ、妹さんと比べてどっちがおいしいですか?」
「えっ!?」
「いや、やっぱり私も料理が好きだし、気になるじゃないですか、妹さんの腕前」
「うーん、実家にいた頃に食べたのが最後だから、3年くらい食べてないんだが。当時と比較すりゃ、
だんぜん美雪の方がおいしいよ」
「やったー、先輩、ありがとうございます」
ホッとしたように、顔をほこばらせて万歳三唱する美雪。
「ばんざーい、ばんざーい」
「そ、そんなに嬉しいもんなのか…」
「ええ、これはもう、女の意地ですから、負けられません」
「う、うむ」
そんな風にして俺の朝食タイムは過ぎてゆく。

(需要があれば)続く…のか?

501 KB